著者
鵜野 将年 田中 孝治 平木 英治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.411, pp.7-12, 2011-02-03

DC-DCコンバータやインバータ等の電力変換装置は動作周波数ならびに商用周波数に応じたリップル電流を発生する.燃料電池を電力変換装置と接続して使用する場合,燃料電池には平均直流電流にリップル成分が重畳した電流が流れるため,燃料電池の電位は高周波で変動することになる.固体高分子形燃料電池(PEMFC)の主な劣化要因の一つとしてPt/C触媒の電気化学的表面積(ESA)の低下が挙げられるが,この劣化モードは電位変動時に顕著に進行することが知られている.本稿では電力変換装置との相互作用により発生する高周波の電位変動がPEMFCのPt/C触媒劣化に及ぼす影響の定性的評価を目的とし,発電ならびに非発電状態のPEMFCを高周波の電位変動環境に晒し,ESAの劣化傾向を観察した.電位変動周波数が低周波の場合は顕著なESA劣化傾向を示す一方,100Hz以上の高周波域では直流条件時と同等の低い劣化率を示した.本稿で得られた知見は電力変換装置の動作周波数の決定ならびにリップル周波数を規制する際に有用になるものと期待できる.
著者
田中 彰則 田崎 晴明
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.434-438, 2011-06-05

われわれは強磁性が生じる機構をミクロな量子多体系の問題にさかのぼって理解することを目指して研究を進めている.ここでは,「金属強磁性」つまり「同じ電子が強磁性と電気伝導の双方に寄与する」現象を,ハバード模型という理想化されたモデルから厳密に導く最近の研究について述べる.専門外の読者を想定し,モデルと結果の概要を中心に解説する.
著者
田中 道彦 北郷 薫 朝場 栄喜
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.48, no.434, pp.1607-1614, 1982-10-25
被引用文献数
4

本論文は, ねじの幾何学的形状を考慮して, より実機に近いモデルでのねじ締結体の有限要素法による解析方法について紹介したものである. これによると, らせん状に突起したねじ山を有するねじ部の, 三次元有限要素法による解析方法が, 明らかにされたのみならず, 従来解析がなされていなかった植込ボルトおよび押えボルトなどのねじ締結体の軸対称有限要素法による解析方法も明らかにされた.
著者
田中 美郷 針谷 しげ子 加我 君孝
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.344-356, 1997-10-20
被引用文献数
10 4

本論文は高度難聴を有する一重度精神遅滞児の聴覚およびコミュニケーションの発達にもたらす補聴器の効果について述べるのが目的である.<BR>子供は女児で, 生後11ヵ月のとき, 難聴が疑われてわれわれの臨床を訪れた.behavioral audiometryおよび聴覚発達テストからみて, 聴力は比較的良好であると推測された.しかしながら, 2歳7ヵ月のとき, 本児には進行性難聴があることがわかり, behavioral audiometryおよび脳幹反応聴力検査で80dB程度の高度難聴と判明した.本児はただちにわれわれのホームトレーニングに参加してもらい, ここで箱型補聴器を装用させた.補聴器活用によって最初に見れた効果は, 自発的な, 自己中心的発声活動であった.本児は落ち着きのない子であったが, 羊齢が増すにつれて若干指示に従えるようになってきた.16歳のとき, 精神遅滞が重度なため言語はまだ獲得できていなかったが, 母親によると本児が補聴器を活用しているかぎり親はコミュニケーションに困難を感じないとのことであった.この例の経験からわれわれは, 本児のような高度難聴を有する重度発達遅滞児に聴覚的コミュニケーションを保障するためには, 長期にわたる忍耐強い, リハビリテーションないし教育的サービスと, 親や学校教師およびその他の関係者の協力態勢の確立が不可欠であることを強調したい.
著者
小田中 直樹
出版者
公益財団法人史学会
雑誌
史學雜誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.114, no.5, pp.五八四-五八八, 2005-05-20
著者
飯島 準一 光定 誠 小坂 至 澤谷 哲央 小川 雅子 新井 浩士 松浦 篤志 若山 達郎 石川 文隆 田中 道雄
出版者
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.515-519, 2003-03-31
被引用文献数
5

症例は74歳男性。前日朝から増強する腹痛, 腹部膨満感, 嘔吐を主訴として翌朝当院救急外来を受診した。腹部単純X線上イレウス像を呈し, CTにてdouble target sign陽性で, 中央に低吸収域を認めた。超音波検査でも同様の所見で回腸回腸型腸重積と診断した。手術所見: 回腸末端より約40cm口側に回腸重積を認め, 用手整復後に腸管内に可動性良好な有茎性ポリープ状腫瘤を触知した。回腸部分切除術を施行し術後経過は良好で術後14日に軽快退院した。腫瘤は肉眼的に長径7cmの黒色のポリープ状を呈したが, 病理組織学的所見では内翻した真性憩室で出血壊死を伴い, また憩室頂部に異所性膵組織の迷入を認めた。膵組織には腺房細胞, 導管を認めHeinrichII型と診断した。成人例における憩室壊死の報告はわれわれの検索範囲では2例とまれである。
著者
坂下 文夫 高橋 孝夫 田中 秀典 小森 充嗣 松井 聡 長田 真二
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.1262-1265, 2007-05-25

今回, 血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) の治療中に発生した気腫性胆嚢炎の1例を経験した. 患者は57歳の男性. 動揺性の意識障害, 溶血性貧血, 血小板減少, 腎障害をきたし, TTPと診断した. 血漿交換, 血液濾過透析, ステロイドパルス療法を中心とする集学的治療にて状態は改善し, その後安定していた. 入院30日目の朝, 心窩部痛にて目が覚めた. 鎮痛剤を使用したが腹痛は持続し, 腹膜刺激症状が出現してきた. CTにて気腫性胆嚢炎と診断して, 経皮経肝胆嚢ドレナージ (PTGBD) を施行した. しかし, ドレナージ後も全身状態が悪化していったため, 胆汁性腹膜炎を併発していると診断して緊急手術を行った. 開腹し, 暗赤色に緊満した胆嚢を摘出し腹腔内のドレナージを行った. 術後は順調に経過して, 術後11日目に血液内科に転科した.
著者
甘佐 京子 比嘉 勇人 長江 美代子 牧野 耕次 田中 知佳 松本 行弘
出版者
滋賀県立大学人間看護学部
雑誌
人間看護学研究 (ISSN:13492721)
巻号頁・発行日
no.7, pp.73-79, 2009-03

背景 精神疾患の多くは、思春期から青年期に発症するといわれている。精神障害に罹患した場合、早期受診・早期治療が重要であり、統合失調症においては精神病未治療期間 (duration of untreated psychosis) が予後を左右するとの報告もある。しかし、国内では、好発年齢にある時期の子ども達に向けての、啓蒙活動の実施やその成果についての報告は見られず、中学校の保健体育などでも精神障害についてはほとんど触れられていないのが現状である。 目的 中学生を対象にしたメンタルヘルス教育プログラムを構築するにあたり、中学生の精神障害に対する認識を明らかにすることを目的とする。方法 研究デザインは量的記述的研究であり、A市内の公立中学校(6校)の三年生714名を対象にアンケート調査を実施した。調査内容は、精神障害に対する知識の情報源となる媒体や疾患に対する具体的な認識および、「こころの病気」という語彙に対するイメージである。分析にはSPSS15.0J for windowsを使用し記述的統計を行った。なお、本研究は滋賀県立大学研究倫理審査委員会の承認を得た(07年11月第51号)。 結果 回答者は653名(男子316名、女子337名)。精神疾患について他者から聞いたことがあるかという問いでは、68%の生徒があると回答した。聞いた相手として中学校教諭28.9%と最も多く、次いで小学生教諭20.4%であった。具体的な疾患名として、うつ病は約90%の生徒が認知しているのに対して、強迫性障害や統合失調症については病名の認知が5%に満たなかった。これらの知識の情報源となった媒体は、おもにテレビ(68.9%)であり、教科書(5.4%)や授業(9.2%)は、10%に満たなかった。さらに、精神疾患のイメージは否定的な項目に偏る傾向が認められたが、「こわい」「嫌い」等の嫌悪を示すものより「辛い」「寂しい」といった悲哀を示すイメージの方が強かった。 結論 中学生の多くは、精神疾患に対して何らかの情報を持っているが、その多くはテレビ等のマスメディアによるものであり、正しい知識を得ているとは考えづらい。また、うつ病等メディアに取り上げられるものについては、少なからず認識しているが、思春期に発症しやすい統合失調症や強迫性障害などの認識は低く、当然自己との関連が深い疾患だととらえてはいないと推測できる。Background Most mental illnesses are thought to develop during puberty and young adulthood. Early diagnosis and early treatment are important for cases of mental disorders, and the duration of untreated psychosis can influence the prognosis of schizophrenia. In Japan, very few mental illness awareness programs are targeted at children of susceptible ages, and reports of these programs are also lacking. In addition, very little is taught about mental disorders in middle school health and physical education curr icula. Objective In order to create a mental health education curriculum for middle school students, we aimed to understand the awareness of mental disorders in these students. Methodology We employed a quantitative and descriptive study design, and surveyed 714 ninth graders from 6 public schools in city A by questionnaire. We surveyed their knowledge of specific conditions, their sources for information regarding mental disorders, and their image of the phrase "mental illness ." Descriptive statistical analysis was performed using SPSS15.0J for Windows. Our study was approved by the University of Shiga Prefecture Research Ethics Review Committee (November, 2007, No.51). Results Of the 653 respondents, 316 were male and 337 were female. Sixty-eight percent of the students had heard of mental illnesses , most often from middle school teachers (28.9%) followed by elementary school teachers (20.4%). In contrast to the 90% who knew depression as the name of a specific disorder, less than 5% knew the names of disorders such as obsessivecompulsive disorder and schizophrenia. Television was the cited source of this information for 68.9%, while less than 10% identified text books (5.4%) and classroom education (9.2%) as the source. Although the image of mental illness was usually negative, the respondents tended to characterize mental illness with terms expressing sorrow, such as "struggle" and "lonely" rather than those expressing aversion, such as "scary" and "dislike." Conclusion The majority of middle school students have some knowledge of mental illness, but most of it is obtained from mass media, such as television. As such, it is unlikely that their obtained knowledge is accurate. Although they are relatively aware of conditions such as depression which are dealt with by the media, they are much less aware of conditions such as schizophrenia and obsessive-compulsive disorder, which easily develop during puberty. We surmise, therefore, that the students do not consider these conditions to be highly relevant to them.
著者
田中 美栄子 元山 智弘 池原 雅章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.601, pp.13-18, 2004-01-19
被引用文献数
2

本稿では,進化的アルゴリズムによるエージェント・シミュレーションによって投資戦略を自動生成するプログラムを作成し,実際の金融データに適用して得た結果について報告する.ここでは投資戦略を,金融市場という刻々と変化する環境に適応しながら進化するエージェントとみなし,他のエージェントの活動結果によって生じる市場価格の動きを相手として様々な戦略を実行し,結果の可否に応じてその時点での環境(価格変動)に対して最適な戦略に進化してゆくものとした.まず,1ティック前の価格変化の符号の情報をもとに1ティック後の変動の符号を予測することから始め,合計7ティック程度まで参照する履歴を増やして行くと,3〜4ティック位までは予測率が次第に向上して約70%の予測率に達するが,5ティック位で飽和してしまいそれ以上は向上しないことがわかった.そこで直前の価格変動の符号のみの情報(「差分符号」とする)に加えて,現在の価格水準が過去の価格の平均に比べて高めなのか低めなのかという情報(「相対価格」とする)を加味して学習を行ったところ,予測率は特に向上せず「差分符号」のみの場合と同水準であった.一方「相対価格」のみの情報で学習を行った結果の予測率はやはり70%前後にとどまった.このように複数の情報を必要に応じて取り込むことのできるプログラムに知識ベースを与えてゆくことによって,より的中率の高い戦略の自動生成への土台ができたことになる.
著者
田中 豊 別所 辰哉 広田 純一
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.19, no.19-suppl, pp.295-300, 2000-12-08 (Released:2011-04-13)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

We analyze in this paper how the human network in a local community has been developed through the green tourism movement in the case of Yuda town in Iwate prefecture. We investigated who and how have been involved in the green tourism process by interviews and questionnaries to the related people. The findings are as follows; 1) The green tourism was managed by the Cooperatives and the local government in the carly stagr, but has turned to become locals people managing systems. 2) The green tourism movement has created and strengthen human networks within the local community. 3) Good initiatives of the local government was one of the most important factors to produce good results.
著者
日山 亨 田中 信治 茶山 一彰 吉原 正治
出版者
The Japanese Society of Gastrointestinal Cancer Screening
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 = Journal of gastroenterological cancer screening (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.393-400, 2011-05-10
被引用文献数
2

今回, 上部消化管内視鏡検査(生検を含む)に伴う稀な偶発症に関する報告について, レビューを行った。1990年から2009年末までに英語(抄録を含む)で医学雑誌に発表されたものをMedline を用いて検索した。これら報告からデータを抽出し, 検討を行った。該当する偶発症としては,(1)出血:食道粘膜内血腫および十二指腸血腫,(2)空気塞栓症,(3)気腫・気胸・緊張性気腹:皮下気腫, 後腹膜気腫等,(4)腹部コンパートメント症候群,(5)横隔膜ヘルニア,(6)内視鏡嵌頓,(7)口蓋垂炎,(8)膵炎,(9)感染症関連:敗血症等,(10)び漫性脳浮腫があった。報告の中には死亡例もあった(十二指腸血腫や空気塞栓症等)。上部消化管内視鏡検査に伴う稀な偶発症の中には迅速な対応が必要なものもあり, 内視鏡医はこれらについて, 十分な知識を持っておく必要があると思われた。
著者
日山 亨 田中 信治 茶山 一彰 吉原 正治
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 = Journal of gastroenterological cancer screening (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.393-400, 2011-05-10
参考文献数
37
被引用文献数
2

今回, 上部消化管内視鏡検査(生検を含む)に伴う稀な偶発症に関する報告について, レビューを行った。1990年から2009年末までに英語(抄録を含む)で医学雑誌に発表されたものをMedline を用いて検索した。これら報告からデータを抽出し, 検討を行った。該当する偶発症としては,(1)出血:食道粘膜内血腫および十二指腸血腫,(2)空気塞栓症,(3)気腫・気胸・緊張性気腹:皮下気腫, 後腹膜気腫等,(4)腹部コンパートメント症候群,(5)横隔膜ヘルニア,(6)内視鏡嵌頓,(7)口蓋垂炎,(8)膵炎,(9)感染症関連:敗血症等,(10)び漫性脳浮腫があった。報告の中には死亡例もあった(十二指腸血腫や空気塞栓症等)。上部消化管内視鏡検査に伴う稀な偶発症の中には迅速な対応が必要なものもあり, 内視鏡医はこれらについて, 十分な知識を持っておく必要があると思われた。
著者
大島 裕明 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.75, pp.49-54, 2012-05-29

本稿では,まず,東京の寿司屋に対するオンラインレビュー情報について,専門家による評価情報とどの程度異なるかを明らかにする.さらに,オンラインレビュー情報で提供されている情報を用いて専門家による評価情報と似たような寿司屋のランキングを行う手法について,HITSアルゴリズムを基にした手法を提案する.提案手法について評価実験を行い,その有効性を明らかにする.
著者
Manalo Emmanuel 鈴木 雅之 田中 瑛津子 横山 悟 篠ヶ谷 圭太 Sheppard Chris 植阪 友理 子安 増生 市川 伸一 楠見 孝 深谷 達史 瀬尾 美紀子 小山 義徳 溝川 藍
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

3年目である本年は、21世紀型スキルの促進ということに焦点を当てて研究を行った。この結果、様々なワークショップや授業を開発した。具体的には、大学教員の質問スキルの向上を目指すワークショップの開発、小学校教員による効果的な学習法指導の開発、高校生の批判的思考と探究学習を促進する実践の提案などを含む。さらに、教育委員会と連携した実践なども行った。こうした研究の結果、研究代表者であるEmmanuel Manaloと分担研究者である植阪友理を編者に含む、英語の書籍を刊行した。この書籍は、自発的な方略を促進するためのあり方を具体的に提案するものであった。この本の論文はいずれも、査読付きであり、このうち9本は本プロジェクトに関わるメンバーが執筆している。のこり10本は海外の研究者が執筆している。海外の著者にはアメリカのUCLA (University of California Los Angeles) やPurdue University、スイスの ETH Zurich、ドイツの University of Munster (Germany) 、University of Hong Kongなどといった一流大学の研究者が含まれており、国際的な影響力も大きなものとなったと考えられる。さらに、日本心理学会、教育工学会などといった国内学会において発表を行った。さらに、EARLI (European Association for Research in Learning and Instruction) やSARMAC (Society for Applied Research in Memory and Cognition) といった国際学会においても発表した。
著者
森村 哲郎 杉山 将 鹿島 久嗣 八谷大岳 田中 利幸 Morimura Tetsuro Sugiyama Masashi Kashima Hisashi Hachiya Hirotaka Tanaka Toshiyuki
雑誌
【C】平成22年電気学会電子・情報・システム部門大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.178-183, 2010-09-02

近年、分布Bellman方程式に基づくリターン(積算報酬)分布近似手法が提案され、リスク考慮型強化学習法としての有用性も示された。しかしながら、その収束性に関する解析は十分でない。そこで本報告では、動的計画法により分布Bellman方程式を解いた場合の収束性解析結果を記す。動的計画法により、リターンの初期近似分布に依存せず真のリターン分布に収束することや、真の分布のモーメントに収束する速度について報告する。
著者
梶田 剛広 高橋 英士 矢守 恭子 田中 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.2042-2051, 2005-10-01
被引用文献数
8

コンテンツ配信を効率的に行う手段として, 同じコンテンツに対するユーザからの配信要求を集めて, マルチキャストで配信する方法がある. しかしながら, この方法においては, 適切な配信間隔設定を行わないと, 無駄に長く待ったり, あるいは回線ふくそうを起こしたりして, ユーザ効用が減少する可能性がある. また, パケット損失を防ぐことを重視すると, 一人の低速回線ユーザがマルチキャストグループに加わることによって, 配信全体の速度が低下し, ユーザ効用が減少する. そのため, 呼受付制御を行うことにより, ユーザ効用の減少を抑えられる可能性がある. 本論文では, ダウンロード形のマルチキャストコンテンツ配信におけるユーザ効用に注目し, ユーザ効用を最大化する配信間隔設定並びに呼受付制御について検討を行っている. その結果, マルチキャストの配信間隔には最適値があること, また, ユーザが待ち時間に対して敏感な状況において呼受付制御が有効であり, 呼受付率に最適値があることを明らかにしている.
著者
山本 浩世 田中 美樹 高野 政子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.110-117, 2009-04
被引用文献数
2

本研究の目的は,母乳不足感を訴える母親の認識と,その認識が母乳育児の中断にどのように影響しているかを明らかにし,母親のニーズに基づいた看護職の支援のあり方について示唆を得ることである。調査対象者は1ヵ月健診を受診した異常がない母親および乳児で,無記名の19項目からなる自記式質問紙を用いて調査した。母乳不足感がある母親のなかには母乳育児への強い思いや,医療職からの励ましにより母乳育児を継続できている人がいた。一方で,「母乳をあげても児が泣き止まない」「母乳が足りないと思いミルクを補足したら児が泣き止んだ」という体験をした母親は「赤ちゃんが満足するのはミルクではないか」や「ミルクをあげれば泣き止むから,母乳より簡単」というような認識をもち,その認識が母乳育児の中断に影響を及ぼしたのではないかと考えられた。今回の調査から,母乳不足を感じた母親がミルクを補足するかどうか不安になる頃の支援が重要であり,母乳育児を継続できるよう,産後1週間頃に看護職が電話で様子をたずねたり,産後2週間健診などの看護介入の推進が示唆された。