著者
和氣 加奈子 田中 利幸 川澄 正史 多氣 昌生
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7-8, pp.806-811, 1998-07-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
15
被引用文献数
2

Induced current density in human head involved in generation of magnetophosphenes is estimated by numerical analysis using the impedance method to gain insight into the mechanism of magnetophosphenes. Complex shape and electrical heterogeneity of real human head are considered and a magnetic field which can cause magnetophosphenes is used. Calculated current density distributes throughout the head and is relatively high around nose and eyes. Induced current density distribution on retina is higher in the upper and lower parts than in the central part, which is consistent with experimental observations. Maximum induced current density at retina is estimated about 11mA/m2.
著者
田中 克明
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.347-352, 2011 (Released:2011-05-02)
参考文献数
14

灌流指標Perfusion Index(PI)とはマシモ社のパルスオキシメータRadical-7TMで計測可能な末梢灌流の定量的な指標であり,脈波変動指標Pleth Variability Index(PVI)とはPIの呼吸性変動をもととした循環血液量の動的指標である.従来の動的指標は侵襲的で測定が煩雑であったが,PVIは非侵襲的で測定が簡便であり,実用性が期待されている.一方で痛みや呼吸状態,測定部位の違いなどにより,PI・PVIの測定値は大きく影響される.今後,基礎的・臨床的データの蓄積が進めば,PI・PVIのモニタリングは麻酔中の血行動態の最適化に大きく寄与するものと考えられる.
著者
三澤 朱実 由田 克士 福村 智恵 田中 太一郎 玉置 淳子 武林 亨 日下 幸則 中川 秀昭 大和 浩 岡山 明 三浦 克之 岡村 智教 上島 弘嗣 HIPOP-OHP Research Group
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.97-107, 2015 (Released:2015-06-15)
参考文献数
28
被引用文献数
3 1

目的:従業員食堂を中心とした長期間の食環境介入が野菜類の摂取量に及ぼす効果を検討する.対象と方法:対象は福井県現業系事業所の従業員約1,200人(19–61歳)である.野菜摂取量を増加させるため,日本型の3要素(主食・主菜・副菜(野菜))を組み合わせた食事の摂取を推進した.適切な食物選択を導くための食環境整備として,従業員食堂の全ての献立表示を3色で示した(3要素順に,黄色・赤色・緑色).食事の代金清算時に,3要素を組み合わせて食事を選択するよう栄養教育を実施した(適切選択者).同時に適切選択者の割合も評価した.介入前後に,半定量食物摂取頻度調査法に準じた質問紙調査を実施した.野菜類の摂取頻度と摂取目安量を質問し,1人1日当たりの推定摂取量の平均値を求めた.結果:適切選択者は,介入1年後63.5%から,介入2年後82.1%(p<0.001),介入3年後80.0%(p<0.001)へと有意に増加した.介入3年後では,朝食時(p<0.001),昼食時(p<0.001),夕食時(p=0.011)の野菜,野菜ジュース(p=0.030)の推定摂取量は,有意に増加した.漬物は有意に減少した(p=0.009).これにより野菜類摂取量は,男性では167.3 gから184.6 g,女性では157.9 gから187.7 gに増加したと推定された.考察:従業員食堂を中心とした長期間の食環境介入によって(3年間),野菜の推定摂取量の増加,漬物の推定摂取量の減少が認められ,野菜類の摂取量に望ましい効果が示された.
著者
塚本 祐也 神保 幸太郎 白濱 善彦 田中 康嗣 下河辺 久雄 重留 広輔 加藤田 倫宏 吉田 史郎 坂井 健介 田中 憲治 吉田 健治 後藤 琢也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.469-471, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
7

近年,加圧トレーニングはトップアスリートだけでなく一般人にも広く普及している.加圧トレーニングによってCrush Syndromeおよび長期運動障害を合併した1例を経験したので報告する.症例は15歳男性.野球部の練習中に加圧トレーニングを約15分実施.直後より両上肢の鬱血と強い疼痛および運動障害をきたしたため当院救急外来受診.血液検査にて白血球14830/μl,CPK2095IU/l,ミオグロビン631ng/mlと上昇,入院にて輸液管理を行った.入院1日目にミオグロビンは2013ng/mlに上昇,入院2日目にCPKは32309IU/lと急激な上昇を認めCrush Syndromeと診断した.輸液負荷を継続することで入院4日目からCPKは改善傾向になり,8日目にはCPKおよびミオグロビンは正常範囲まで改善した.両肘関節運動障害は徐々に改善して,受傷4か月で完全伸展可能となった.
著者
真鍋 陸太郎 水越 伸 宮田 雅子 田中 克明 溝尻 真也 栗原 大介
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.113-116, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
4

本研究は,コミュニティ情報を持続可能な地域・コミュニティに必要不可欠なものと位置付け,コミュニティ情報の収集・蓄積・活用とその有機的な相互作用も含む一連のプロセスを「参加型コミュニティ・アーカイブ」とし,地域・コミュニティの持続可能性に寄与できる「参加型コミュニティ・アーカイブのデザイン」のあり方について,文京区で展開されてきた「文京あなたの名所ものがたり」や,「ことしの一文字」や「ことしかるた」および「ショートムービーコンテスト」などの大田区大森山王商店街で実践されている「商店街を街の情報拠点とするため」の一連の手法,さらに,それらの実践で活用される簡易デジタル・ストーリーテリング手法である「テレフォノスコープ」や,市民参加のためのデジタルサイネージ「まちまど」という具体的な手法・実践・技術の分析を通じて考察する.
著者
田中 誠二 安居 拓恵 辻井 直 西出 雄大
出版者
独立行政法人農業生物資源研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

サバクトビバッタは混み合いに反応して、行動や形態、体色などを著しく変化する相変異を示す。ふだんは個体数が少なく、単独生活を好む習性があり、孤独相とよばれている。大発生すると群生相化して、体色は黒化し、集団で行進したり群飛して作物を食い荒らす群生相になる。本研究は、群生相化の刺激要因を特定し、相変異のメカニズムの解明を目指すのが目的である。孤独相幼虫の体色は緑などの薄い色だが、混み合いを経験すると黒くなる。この刺激として、視覚が重要な役割を果たしており、ビデオでバッタの集団を見せると、黒化することが分かった。
著者
清水 智恵 山中 沙織 西田 雄太 田中 淳 普後 一 島田 順
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.1_033-1_037, 2014 (Released:2014-05-26)
参考文献数
6

シロヘリクチブトカメムシを室内で省力的に増殖することを目的に,人工飼料による飼育方法の開発を試みた。クチブトカメムシの一種であるP. maculivientrisおよびP. sagitta用に開発された飼料(De Clercq and Degheele,1992)にカイコガ蛹乾燥粉末を加え,パラフィルムで密封処理した飼料片を作製した。冷凍保存したこの飼料片を用い,高い生存率でシロヘリクチブトカメムシを飼育することができた。また,16L8Dを長日,8L16Dを短日として若虫期,成虫期を飼育したところ,雌成虫に産卵を誘導するためには,成虫期の長日のみならず若虫期にも長日が必要であることが明らかとなった。1齢若虫期のみの長日条件でも成虫期が長日であれば産卵個体を得ることができるが,若虫期の長日期間が長いほど産卵個体が多くなることが示唆された。 25°C飼育下における本種の生殖休眠は,成虫期の短日条件,あるいは全若虫期を通した短日条件で誘導されることが判明した。
著者
田中 由美 宮田 正和 児玉 直樹 辻 貞俊
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.49-54, 2001-01-01

片側性の眼瞼下垂を主徴とし重症筋無力症が疑われたが転換性障害による偽性眼瞼下垂と診断された患者を2例経験したので報告する.1例目は23歳女性, 四肢脱力と左眼瞼下垂の主訴で受診.2例目は33歳女性, 右眼瞼下垂と右半身感覚低下の主訴で受診した.2例ともエドロフォニウム試験は陰性, 抗アセチルコリン受容体抗体陰性であり, 神経学的にも明らかな異常は眼瞼下垂以外には認められなかった.仕事上のストレスで症状の増悪が認められ, 最終的に転換性障害と診断した.転換性障害の眼症状としては, 複視, 視力低下, 注射麻痺などが知られているが, 偽性眼瞼下垂の報告例は海外で5症例と少ない.転換性障害の発症前や, 症状の増悪時には, 心理的要因が関与していることが多く, 神経学的所見や検査所見に矛盾点がある場合には, 発症前の心理社会的背景を把握するなど心身医学的なアプローチが必要であると考えられた.
著者
田中 昌司
出版者
金原一郎記念医学医療振興財団
巻号頁・発行日
pp.495-499, 2019-12-15

音楽家の美しい音楽表現について考えるとき,また音楽を聴いているときに湧いてくる感情について考察するとき,心に抱くイメージの存在を強く意識する。心的イメージそのものは客観的に捉えにくい部分もあるが,感情を揺さぶる音楽の力は,豊かな心的イメージによるところが大きいと思われる。それでは,心的イメージと音楽表現をつかさどる脳内ネットワークはどのような特徴を持っているのであろうか。それを知るために,筆者はこれまで多数の音楽家・音大生の参加を得て,長期にわたる音楽トレーニングを受けてきた人の脳の研究をイメージング法を用いて行ってきた。本稿では,その成果をわかりやすく解説する。主な内容は,音楽家の脳の構造的特徴,機能的ネットワークの特徴,そしてイメージ演奏時の脳内ネットワークである。
著者
岡本 一 川村 軍蔵 田中 淑人
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.449-454, 2001 (Released:2011-03-05)

魚の摂餌行動に及ぼす背景色の影響をみることを目的とした水槽行動実験を行った。供試魚にはスズキを用い,白,赤,緑,青を背景色として擬餌5種類(白,赤,緑,青および透明)を同時に投入し,擬餌に対する魚の行動記録を水中ビデオカメラで撮影記録し,解析した。背景が白では,緑の擬餌に対する食付き頻度が顕著に高かった。また,背景が赤および青では,透明および白の擬餌に高い食付き頻度を示した。高頻度で選択される擬餌の色は背景色によって異なり,背景色とルアー色の普遍的な組み合わせは見出せなかった。
著者
渡辺 綾子 眞鍋 えみ子 和泉 美枝 植松 紗代 田中 秀樹
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.89.16065, (Released:2018-05-25)
参考文献数
60
被引用文献数
3 5

This study investigated sleep quality, anxiety and depression variations during pregnancy (second and third trimester) to one month postpartum, as well as their relationships with each time period. A survey targeted 402 women who were pregnant or one-month postpartum using the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI) and the Hospital Anxiety and Depression Scale. The total score of PSQI, sleep duration, and habitual sleep efficiency at one month postpartum were worse than during the second and third trimesters; however, sleep disturbance scores were better at one month postpartum. There were no significant differences in anxiety and depression. The second trimester of pregnancy was related to anxiety, The total score of PSQI, and sleep quality. Anxiety was related to the presence of complications. At one month postpartum, sleep quality was related to anxiety and disturbed sleep, whereas sleep quality and difficulty staying awake during the day were related to depression. These results suggest that understanding the characteristics of women's sleep during pregnancy and postpartum period will be helpful in predicting women's anxiety and depression.