著者
高橋 崇太 岡坂 政人 白井 唯
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI2286, 2011

【目的】<BR> 今回、神奈川県体育協会(以下県体協)から依頼を受け、第65回国民体育大会(千葉国体)に、山岳競技神奈川県代表トレーナーとして帯同する機会を得た。同大会の山岳競技に於るトレーナーの帯同は今回が初の試みであり、チームスタッフ間の連携や選手への関わり方に課題は残った。しかし、概ね良好な活動が出来たと考えている。<BR> そこで、活動内容を報告すると共に、帯同にて明らかになった今後の課題と対策についても述べてみたい。<BR>【方法】<BR> 活動期間は平成22年10月1日から4日である。大会前には、施行内容、携帯備品検討のため、選手に身体状況をアンケートにて情報収集した。大会中のトレーナーは選手隔離場所であるアイソレーションルーム(IR)に1人、会場に2人の理学療法士を配置した。また、宿舎での処置も行った。<BR> 携帯器具は、治療用ベッド1台、治療用マット2枚、クーラーボックス2個、アイシングバッグ6個、低周波1台、EMS1台、ホットパック、テーピング各種、アイスラブ、メンタームQ等消耗品を用意した。<BR> 主な施行内容は、競技前後のクーリング、ストレッチ、マッサージ等の徒手療法を施行した。また、希望に応じてテーピングも施行した。競技後のクーリングに関しては、クーラーボックス、またはアイスバッグの水温を10~15°に保ち施行した。<BR>【説明と同意】<BR> 事前アンケートに関しては、経験年数・現病歴、既往歴、処置希望部位の項目を作成した。アンケート回答に関しては、監督選手へ承諾を得た上で配布し記入して頂いた。<BR> トレーナーとしての活動に関しては、各選手へ現在の身体状況を説明し施行した。<BR>【結果】<BR> 事前アンケートの結果は、肩1件、前腕1件、手指1件、腰背部1件であった。また、既往歴として、手指の腱鞘炎1件、TFCC損傷1件が挙げられた。<BR> 今大会中の処置件数集計は、県体協指定の用紙により主訴部位、処置部位、処置方法の件数をまとめた。大会期間中に対応した選手数は、実人数10名、延人数28名、延件数138件であった。主訴部位は、前腕13件、手指10件、肩関節9件、腰背部17件、頸部3件、下腿1件であった。処置部位は、前腕18件、手指13件、肩関節10件、腰背部16件、股関節9件、頸部3件、下腿8件であった。処置方法はアイシング0件、マッサージ22件、低周波治療7件、テーピング2件、徒手療法5件、クーリング20件であった。<BR> 今大会中、チームの選手において障害や事故を呈することなく大会が終了した。<BR>【考察】<BR> 山岳競技は、リード、ボルダリングの2種目に分けられる。リード競技は壁に設置された金具に、自分で登りながらロープを通し、安全を確保して登っていく競技である。ボルダリング競技は一般に高さが5m位までの岩や壁を、ロープを使わずに登る競技である。今回の集計結果より、前腕、手指、腰背部の主訴、処置件数が多かった点に関して述べていきたい。2つの競技に関して共通の動作は、把持動作である。競技はホールドと呼ばれる把持物を掴み登っていく。把持動作はホールドの形が一定ではなく多種多様であり、様々な状況下で前腕屈筋群、手内在筋等に持続的な筋収縮が必要になる。そのため、筋緊張及び、筋収縮による代謝亢進による疲労物質蓄積が生じ前腕、手指の主訴件数、処置件数が多くなったと考える。また、腰背部に関しては、競技中のリーチ動作や身体重心を壁に近づけるため、腰背部の伸展が必要になってくる。今大会においても、競技が予選から決勝に進むにつれて壁の傾斜角度は増し、競技中の腰背部伸展は多く見られていた。そのため、主訴件数・処置件数が多くなっていたと考えられる。これらの部位に関しては、アンケート結果によってもその競技特性上負担がかかることが言えるのではないかと考える。<BR> 今大会における施行内容に関しては、上記内容に対するクーリンング、マッサージが多くなっていた。クーリングは一般的に筋温、皮膚温の低下による代謝抑制、疲労物質蓄積の防止を目的に行う。大会中競技後は選手終了通告と呼ばれる宣言が出るまで、選手は控え場所に待機していなければならなかった。そのため、競技直後にはクーリングを施行出来ない場面もあった。今後はその様な状況下においてどのように選手に処置を施していくかが検討課題である。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 国民体育大会での山岳競技における、代表選手トレーナーとしての帯同は今回が初であった。今後、山岳競技はその競技特性上、局所への負担が大きく特に手指、前腕等に関しては、競技を継続していく上で重要な部位である。そのため、継続的な経過観察、障害特性の探索を行っていくことで選手のパフォーマンス向上及び、選手の競技継続年数の延長、競技中の障害防止に繋がると考える。
著者
北垣 忠温 鈴木 登志郎 小池 嘉秀 小野 正博 白川 清美 永田 充宏 小西 良士
出版者
日本毒性学会
雑誌
Journal of toxicological sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.325-343, 1996-07-05
参考文献数
13
被引用文献数
2

MC903の安全性を検討するため,0,0.4,2および10 μg/kg/dayをSlc:SD系雌雄ラットの頸背部皮下に26週間投与した。さらに,2および10 μg/kg/day群について,5週間の回復試験を実施し,以下の結果を得た。1. 死亡例は試験期間を通して,各群の雌雄に認めなかった。一般状態では10 μg/kg群の雄に眼球表面の一部白濁の発生頻度が増加した。2. 体重および摂餌量は,試験期間を通して,雌雄とも対照群とほぼ同様に推移した。10 μg/kg群の雌雄に,摂水量の増加ないし増加傾向を認めた。3. 投与期間終了時に,眼科学的検査で,10 μg/kg群の雌雄に角膜表面の一部混濁の発生頻度が増加した。尿検査で,2 μg/kg群以上の雄に尿中カルシウム排泄量の増加,10 μg/kg群の雄に尿中ナトリウム・クロライド・無機リン排泄量の増加,雌に尿量の減少,雌雄にpHの低下を認めた。血液化学的検査で,2 μg/kg群の雄および10 μg/kg群の雌雄に血中カルシウム濃度の増加,10 μg/kg群の雄に血中ALP活性の上昇を認めた。器官重量で,2 μg/kg群以上の雄に腎臓絶対重量・相対重量の増加,10 μg/kg群の雌雄に副腎絶対重量・相対重量の増加を認めた。病理組織学的検査で,2 μg/kg群以上の雄に角膜・腎臓の鉱質化の発生頻度の増加を認めた。電子顕微鏡検査で,10 μg/kg群の雌雄の腎臓に遠位尿細管上皮細胞の滑面小胞体を主とした小胞体の拡張を認めた。4. 5週間の休薬により,眼球表面の一部白濁,角膜表面の一部混濁および角膜・腎臓の鉱質化は回復しなかった。その他の変化は回復または軽減し,可逆性の変化であった。5. 以上の結果,本試験条件下におけるMC903の無毒性量は,雌雄とも0.4 μg/kg/dayと推定した。
著者
畠山 史朗 鈴木 規子 安部 一弥 金野 昇 金子 俊幸 豊口 禎子 白石 正
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.8, pp.1095-1101, 2018-08-01 (Released:2018-08-01)
参考文献数
19

Chemotherapy-induced nausea and vomiting (CINV) is the most unbearable adverse effect of chemotherapy. The antiemesis guidelines of the National Comprehensive Cancer Network indicate that hyponatremia is a risk factor for CINV, although the relationship between the incidence of CINV and hyponatremia has not been sufficiently studied. This two-center prospective observational study evaluated whether low serum sodium concentrations were a risk factor for CINV. The study included 34 patients who were scheduled to receive first-line carboplatin- or oxaliplatin-based chemotherapy for gynecological or colorectal cancers. Patient diaries were used to record the daily incidences of CINV events during a 5-day period. The patients were divided based on the median serum sodium concentration into a low Na+ group (<141 mEq/L) and a high Na+ group (≥141 mEq/L). The incidences of delayed nausea were 27.8% in the high Na+ group and 62.5% in the low Na+ group (p=0.042), with complete control rates (no vomiting, rescue medication, or grade 2 nausea) of 77.8% and 43.8%, respectively (p=0.042). The time to complete control failure in each group was analyzed using the Kaplan-Meier method, which revealed a significantly shorter time in the low Na+ group (p=0.03). Therefore, these results indicate that low serum sodium concentrations may increase the risk of CINV.

1 0 0 0 OA 東谷鈔 11巻

著者
白井寛蔭 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[8],
著者
秋山 稔 大石 順一 白井 孝 明石 景泰 吉田 浩一 錦戸 条二 林 絋 白淵 穣 西村 大吉 伊藤 平隆 渋屋 千征 石田 寅夫
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.981-984, 1978-03-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
14 21

In order to obtain 1-β-D-arabinofuranosylcytosine derivatives with better antitumor effect, 12 kinds of saturated fatty acyl groups were introduced at the N4-position of 1-β-D-arabinofuranosylcytosine. The presence of a great excess of water and about two-fold equivalents of carboxylic anhydride was found to be most desirable for selective N4-acylation. This simple method of one-step N4-acylation should be generally applicable to cytosine nucleosides and a variety of carboxylic anhydrides.
著者
白石 卓也 竹島 太郎 小谷 和彦
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.207-211, 2017-08-01 (Released:2017-10-16)
参考文献数
11

目 的:ミネラルの豊富な温泉水を飲む飲泉は温泉療法のひとつである. 群馬県上野村にあるしおじの湯の温泉水はケイ酸を豊富に含んでいるため, 健康保持・増進に寄与すると思われて地域住民に飲用されている. そこで, この飲泉による健康関連指標に関する調査を行い, その効果について検証した.方 法:飲泉習慣のない成人に対して飲泉試験への参加を公募した後, 飲泉群 (80名) と飲泉しない対照群 (31名) で比較検討した. 飲泉群は, しおじの湯の温泉水500 mLを, 4週間に渡って1日3回 (食間) の頻度で飲用した. 飲泉期間前後で自己記入式質問票ならびにGastrointestinal Symptom Rating Scale (日本語版) を用いて健康関連指標の変化について評価した. 対照群にも飲泉群と同様に調査した.結 果:飲泉群と対照群を比較したところ, 飲泉群には脱毛および便臭で有意なスコアの改善がみられた.結 語:ケイ酸を含む温泉水 (しおじの湯) の飲泉は, 脱毛や便臭のような健康改善に寄与する可能性はあるが, これは予備試験の結果に過ぎず, ランダム化比較試験を行ってさらに検討していきたい.
著者
赤松 泰次 北原 桂 白川 晴章 市川 真也 長屋 匡信 須藤 貴森 武田 龍太郎 竹中 一弘 太田 浩良 宮林 秀晴 田中 榮司
出版者
医学書院
雑誌
胃と腸 (ISSN:05362180)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.805-812, 2009-04-25

要旨 当科で診断した胃MALTリンパ腫98例の内視鏡所見を検討した.胃MALTリンパ腫の内視鏡所見は,早期胃癌(IIc)類似型,胃炎類似型,隆起型の3群に大別できた.早期胃癌類似型と早期胃癌の鑑別のポイントは① 正常粘膜との境界が不明瞭,② 蚕食像がないか,あってもごく一部,③ 陥凹内に粘膜模様が観察される,④ 病変が多発することが多い,の4点であった.胃炎類似型はさらに,びらん・潰瘍型,色調変化型,顆粒・結節型に細分類され,びらん性胃炎,急性胃粘膜病変,消化性潰瘍,萎縮性胃炎,鳥肌状胃炎などとの鑑別が必要である.一方,隆起型は,表面にびらんや潰瘍を伴い,形状も不整であることから間葉系腫瘍との鑑別は容易であるが,IIa型早期胃癌や形質細胞腫との鑑別が問題となる.早期胃癌類似型は胃炎類似型に比べて,壁深達度がSM以深の症例が多く(p<0.01),Helicobacter pylori感染を認めない症例の割合が高かった(p<0.01).
著者
春髙 裕美 青山 優子 白澤 早苗 谷口 幹也 中山 智哉 城 佳世 大迫 秀樹 古城 和子
出版者
州女子大学 : 九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要 (ISSN:18840159)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.25-38, 2014

本稿では、本学人間発達学専攻で展開している取得免許種毎の、学生ボランティア事業「グリーンティーチャー事業」の一つである、幼稚園・保育所ボランティア事業の取り組みについて現状を分析し、その課題の検討を行った。平成24年度後期から開始し、現在までに3クールが終了し、延べ153名の学生が参加し、かつ15園に学生ボランティアとして派遣された。 また本事業では、学生の実践力向上のため事前事後指導を行っている。特に事後指導では、学生の学びの振り返りを実施するとともに、より良い事業へしていくために学生への事後アンケート調査を実施している。アンケート調査の結果から学生の本事業に対する満足度は高く、一定の学習成果も見られた。しかしながら、今後、組織的な取り組みを行うためには、指導体制の充実と低意欲の学生に対する支援の在り方の2つの課題が明らかとなった。
著者
山崎 勤 小川 勝比古 山川 宗位 山中 昇 白戸 勝 柳内 統 吉田 真子 山本 一男 福田 勝洋
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.987-1007, 1988-07-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
27

The clinical effect of isosorbide (TYS) for patients with Ménière's disease was first reported in 1981. Long-term treatment by TYS produced considerable symptomatic relief in many patients during the active stage of the disease. In the present study, the effect of TYS for patients with Ménière's disease was evaluated by a multi-centered double blind trial using betahistine meyslate (MR) as a reference drug over a period of 8 weeks. The indices that reflect global improvement and utility showed, by the Wilcoxon rank sum test (one-tailed), that the TYS was significantly (P<0.05) superior to the MR in the effectiveness of the control of Ménière's disease at 2 weeks, 4 weeks, 6 weeks and 8weeks after administration. There was no particular difference in the frequencies of side effects or abnormal clinical laboratory findings between groups treated with TYS and with MR. From the above results, it was concluded that TYS was an effective and useful drug for the treatment of Ménière's disease.
著者
唐李白撰
巻号頁・発行日
vol.[2], 1759
著者
白石 孝之 杉本 和彦 久保 武 松永 亨
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.303-309, 1990-08-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

131名の耳鳴患者のうつ傾向を質問紙法にて調べ, 70名 (53.4%) にうつ傾向を認めた。 特に, 高度難聴者, めまいを伴うものにその傾向が強かった。 抗うつ剤の耳鳴に対する効果を調べるために48名の耳鳴患者でスルピリドとプラセボとの二重盲検試験を行った。 結果, スルピリドの有効率は52.2%でU検定ではプラセボとの間に有意な差はなかったが, うつ傾向の強い症例で著効を含め有効性を認めた。

1 0 0 0 畫乘要略

著者
白井華陽著
出版者
風俗繪卷圖畫刊行會
巻号頁・発行日
1919

1 0 0 0 OA 樹木和名考

著者
白井光太郎 著
出版者
白井光太郎
巻号頁・発行日
vol.[7], 1933