著者
菅原 弘貴 藤谷 武史 瀬口 翔太 澤畠 拓夫 永野 昌博
出版者
Kanagawa Prefectural Museum of Natural History (Kanagawa Prefectural Museum)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.51, pp.47-59, 2022 (Released:2022-03-29)

サンショウウオ属の1 新種を、日本の愛知県西部から記載した。分子遺伝学的および形態学的解析の結果、ヤマトサンショウウオは愛知グループと近畿グループの二つに分けられることが示唆された。このため、ヤマトサンショウウオの愛知グループを、新種Hynobius owariensis sp. nov.(和名:オワリサンショウウオ)として記載した。形態比較の結果、調査した雄個体において、ヤマトサンショウウオが尾の上下縁に明瞭かつ鮮明な黄色線をもつのに対して、本新種ではこの形質が確認できなかった。さらに、雄個体において、体側に沿って前肢と後肢を伸ばした時、本新種は多くの個体が肋皺1 個分よりも離れるが、ヤマトサンショウウオでは多くの個体が肋皺1 個分以内(個体によっては重複する)に収まっていた。その他、両種間には有意に異なる形質が複数存在していることに加えて、判別分析の結果においても、雌雄共に形態的に区別可能であることが示唆された。本新種は愛知県の西部(知多半島から名古屋市周辺部)に固有であるが、既に絶滅したと考えられる集団も複数存在し、現在も開発や乾田化によって、絶滅の危機に瀕している。
著者
伊藤 敞敏 金 武祚 菅原 弘 戸羽 隆宏
出版者
東北大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1991

シアル酸は生化学試薬として、また医薬品製造のための出発原料として、近年需要が急増しているが、その製造のための原料は、ツバメの巣などのごく限られたものとなっており、安価で大量の製造が困難な状況にあった。卵処理工場において卵成分の濾過の際に得られるカラザや卵黄膜の中には、多くのシアル酸が含まれていることに気付いたので、これを原料として工業的規模でシアル酸を製造することを試みた。これらの成分中には、シアル酸として代表的なN-アセチルノイラミン酸が高濃度で含まれているので、これを取り出すことを実験室的規模で検討した。原料を硫酸酸性下で加熱してシアル酸を遊離させ、陰イオン交換樹脂に吸着させたのち、ギ酸で溶出させ、減圧乾固、活性炭処理を行なった結果、湿カラザ試料100gより約50mg,湿卵黄膜試料100gより約175mgのシアル酸を得ることができた。これらの検討をもとに、つぎに大規模工業的製造のための製造テストを行なった。原料としては、カラザおよび卵黄膜部の混合試料800Kgを使用して、実験室的検討で得られた工程に従って処理を行なうことにより精製N-アセチルノイラミン酸を約300g得ることができた。現在試薬として市販されているN-アセチルノイラミン酸の価格は、1g約3万円と非常に高価であるが、卵は世界的に広く分布した食品であり、しかも卵の加工工場で得られるカラザや卵黄膜部は、従来は利用されず廃棄されていた部分である。従って原料は非常に安価であり、シアル酸の含量はかなり高く、かつ分離のための処理工程も比較的簡単であることから、本法によって今後はシアル酸の大量かつ安価な製造が可能となり、シアル酸を用いての研究や医薬品製造が容易になるものと期待される。
著者
石川 日出志 七海 雅人 中野 泰 佐藤 信 平川 新 平川 南 千田 嘉博 川島 秀一 浅野 久枝 竹井 英文 八木 光則 安達 訓仁 宇部 則保 菅野 智則 斉藤 慶吏 佐藤 剛 菅原 弘樹 高橋 憲太郎 千葉 剛史 福井 淳一 室野 秀文 小谷 竜介 辻本 侑生 藤野 哲寛
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

気仙地域は、海・陸域の複合生態系が豊富な資源を生み出し、縄文時代から現代までそれらを活用した人類営為が展開した。本研究は、当地域の歴史文化を歴史・考古・民俗学の手法で研究し、地域の方々と行政に提供する。これは甚大な東日本大震災被害から復興する当地域の方々を支援する取組でもある。調査は多岐に亙る。考古学では、古代・中世の漁撈関係遺物・集落遺跡データの集成、被災地域石碑の所在調査、中世塚・板碑群調査、中世城館群の縄張図作成等。歴史学では、中世遺跡群と文献史料との比較、熊谷家近世文書群の調査、大島正隆論文の公開等。民俗学では横田・小友地区で民俗慣行の調査と実施。3か年市民向け報告会を開催した。
著者
伊藤 敞敏 菅原 弘 北澤 春樹
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

発酵乳用乳酸菌のもつ免疫賦活化能を調べる目的で実験を行った。まず、乳酸菌細胞壁の特徴を明らかにするため、L.bulgaricusとL.acidophilusの細胞壁成分を酵素的に可溶化させ、分画し、構成成分を調べることにより、両菌株の細胞壁の特徴を明らかにしました。次に、L.acidophilus グループ乳酸菌は、腸内で生育し、種々の生理的効果を示すことが知られているので、その生理的効果を追求する目的で、L.acidophilusとL.gasseriについて、マクロファージの腫瘍細胞障害活性に対する高揚効果およびインターフェロン誘起能について調べた。L.acidophilus9菌株の全菌体で刺激した場合、細胞障害活性は2菌株において高い値を示し、さらに4菌株に有意の活性がみられた。インターフェロン誘起能は、細胞障害活性の高かった2菌株を含む4菌株で高い値を示した。一方、L.gasseri13菌株のインターフェロン誘起能を調べたところ、5菌株が比較的高い値を示した。L.acidophilus9菌株については、有効成分を明らかにする目的で、菌体および細胞壁成分の免疫賦活化能を、マウス脾臓リンパ球に対する幼若化作用を指標として調べた。菌体全体を用いた場合は、有効性のみられたのは1菌株のみであったが、細胞壁成分では6菌株に有効性が認められた。そこで、特に活性の高かった1菌株の細胞壁成分をイオン交換クロマトグラフィーで分画し、各成分のリンパ球幼若化活性と組成の特性を調べた。有効成分はグルコース、N-アセチルグルコサミン、グリセロール、リンおよびムラミン酸を含んでおり、グルコースに対するN-アセチルグルコサミンの割合の高い画分の活性が高かった。これらの結果、L.acidophilusグループ乳酸菌の中には、腸内において免疫賦活やインターフェロン誘起などの生理活性を示すもののあることが示唆された。
著者
長谷川 修一 山中 稔 野々村 敦子 伊藤 久敏 菅原 弘樹
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東北日本の太平洋側にある松島は,松島湾とその内外にある大小260余りの島々からなる日本三景の一つである景勝地である.長谷川ほか(2008)は,松島周辺の地形,地質を検討した結果,巨大な地すべりによって形成された可能性が高いとの仮説(松島巨大地すべり説)を示した.本研究では松島巨大地すべり説を実証する目的で,東松島市宮戸島において2015年に深さ70mのオールコアボーリングを実施した。また、想定すべり面の上盤側,想定すべり面,想定すべり面の下盤側の3箇所から得たジルコンのU-Pb年代を試みたが,誤差の範囲で一致する15.2 Maを示し、地すべり説を積極的に支持する結果は得られなかった.
著者
藤代 史 石﨑 梓 新井 宏受 長田 直之 石井 慶造 菅原 弘治 松根 寿
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

福島第一原子力発電所事故により、福島県内で稲作の作付規制が行われている。水田土壌は耕起が年単位で行われないと稲作のための土壌としての役割を果たせなくなるため、一刻も早い放射能除染が望まれている。本研究では、耕起する土壌の深さを変えて試験作付を行い、未除染土壌での稲への放射能移行を調査した。
著者
岡田 健一 菅原 弘雄 益 一哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.217, pp.97-103, 2005-07-21

本研究では, Si CMOS技術によるマルチスタンダード無線回路の実現に向けて, リコンフィギュラブルRF回路技術を提案する.提案する回路アーキテクチャは, RF回路部とディジタルの制御回路から構成されており, トランジスタや可変受動素子のバイアス電圧を制御することにより, また, 回路をブロックごと切り替えることにより, 回路機能を動的に再構成する.再構成機能を用いることで, マルチバンド化のみならず, 歩留まりの向上や低消費電力化が可能であり, 静的な回路では実現不可能な高品質な回路の実現が可能である.
著者
菅原 弘人 丸田 章博 児玉 裕治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.98, no.413, pp.1-6, 1998-11-19

波長分割多重光ソリトン伝送では、異なるチャネル間のパルスの衝突時に相互位相変調効果による周波数シフトが生じ、ファイバの分散性を介してパルスの到着時間にジッタをもたらす。この周波数シフトは、ファイバの分散値を長手方向に周期的に変化させて設計する分散マネージメント技術によって低減することができる。本報告では、分散マネージメントを施した伝送路においてこの周波数シフトがもたらす時間ジッタを統計的に解析し、ジッタの2乗平均やビット誤り率などを評価する。さらに分散マネージメント技術によってこの時間ジッタが低減されることを示す。