著者
佐藤 哲郎
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The Journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.19-31, 2014-03-18

社会福祉協議会の結成時から現在に至るまで活動の拠り所としてきた理論であるコミュニティ・オーガニゼーション(以下、「CO」という)に関して先行研究等を踏まえながら年代別に整理することにより、COが各年代でどのように認識され実践として位置づけられていったのかを関連する政策的動向も含めて明らかにしながら社会福祉協議会発展の経過をまとめる。
著者
富田 吉敏 菊地 裕絵 安藤 哲也
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.849-855, 2017 (Released:2017-08-01)
参考文献数
6

大学受験は重要なライフイベントだが受験ストレスにより不調を訴える受験生は多い. 筆者は4年間で当科を受診した大学受験生を10例経験した. 現役高校生が9例で, そのうち7例が女性であった. 半数が頭痛を訴え, 8例が検査上で不安を認めた.治療前, 受験終了で症状は軽快すること, 受験ストレスで症状を生じた自身の特徴を把握することが将来的に重要であることを筆者は説明. その後, 受容・傾聴の姿勢で, つらい事柄を吐露させるベンチレーションをコーピングとした対応をとり, ほとんどが受験終了とともに軽快した. 受験ストレスによって心身へ影響がでる機序こそが心身相関であり, その理解を促す心身医学的治療は, 現状を受け止め, 症状の悪化を防止し, 目標を達成する一助を果たしている. 本報告は心身が消耗した予備校生たちを “受験生症候群” とした報告のように, 大学受験で心身が不調となり心療内科を受診した受験生の特徴と治療経過をまとめたものである.
著者
本郷 一博 柿澤 幸成 後藤 哲哉 酒井 圭一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.122-128, 2008-02-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

脳幹部病変のうち,海綿状血管腫,比較的限局した神経膠腫などは摘出術の適応となる場合がある.摘出術に際しては,術前の神経症状の改善を目指すのはもちろんであるが,新たな神経症状を生じさせない手術が必要である.そのためのキーポイントは,脳幹部の神経解剖を熟知し,脳幹病変に対してどこから進入し摘出を行うのが最適か,またその際に起こりうる神経症状がどのようなものであるかを十分に把握することである.そして,神経症状が最小限となる摘出ルートを選択することが重要である.さらに,術中の脳幹モニタリングあるいはマッピングにより,可能なかぎり機能温存を図ることも重要である.本稿では,海綿状血管腫の自験例を提示しつつ,機能温存の点から脳幹内の種々の病変部に対する最適な手術アプローチの選択について考察する.
著者
齋藤 哲史
出版者
医用画像情報学会
雑誌
医用画像情報学会雑誌 (ISSN:09101543)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.37-39, 2008-07-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
7

日本の医療体制は崩壊の瀬戸際にある, といっても過言ではありません. 政府による医療費抑制策が原因です. しかし, 医療費は本当に抑制し なければならないのでしょうか. 医療は, 健康・長寿を実現するのに必要なサービスです. また, 高齢化や所得水準の向上に伴って支出に占める割合が上昇するのは必然です . それは他の先進国の例からも明らかでしょう. それにもかかわらず, 政府は財政的見地から医療費抑制策を30 年近くも続けてきました. 現在の 状況は, その報いと言えるのかもしれません. 今回の講演では, 医療崩壊の経済学と題して, 「医療費抑制の是非」, 「後期高齢者医療制度」, 「将来の医療保険設計」の3 点について言及し ましたが, 内容を一部変更・省略しております. 何卒ご容赦ください.
著者
安藤 哲行
出版者
日本イスパニヤ学会
雑誌
HISPANICA / HISPÁNICA (ISSN:09107789)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.24, pp.52-64, 1980-10-25 (Released:2010-06-11)
参考文献数
14
被引用文献数
1
著者
廣川 佐千男 中藤 哲也 殷 成久 鈴木 孝彦 橋本 喜代太
雑誌
人工知能学会全国大会
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-2, 2012-06-12

Since evaluation of food is subjective and the feeling is expressed in Japanese, onomatopoeia is used in many cases. In cooking and sweets, the onomatopoeia used is different. In order to grasp the meaning of onomatopoeia, we need to read and compare the situation where each onomatopoeia is used. In this report, the "Double Rank" method which the first author proposed is applied to Blog documents to compare and to analyze Blogs.set of all words gains the best performance if 90% of the data are used as a training data. However, the set of a small number of words with positive scores outperforms other feature sets, if the training data is only 10%. In such a realistic situation, the feature words are effective in improving discernment.
著者
加藤 哲郎
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究の目的は、ソ連崩壊で明るみに出た秘密文書を発掘・解読しながら、旧ソ連在住日本人に対するスターリン粛清の規模とメカニズムを探求することであった。その基礎は、申請者が『モスクワで粛清された日本人』(青木書店、1994年)及び『国民国家のエルゴロジー』(平凡社、1994年)で挙げた、約80名の粛清候補者リストであった。初年度の95年秋には、代表的犠牲者である元東京大学医学部助教授国崎定洞について、川上武と共著で『人間 国崎定洞』(勁草書房)を刊行し、以後も犠牲者遺族・関係者から聞き取り調査を進めてきた。その間、研究費で購入したパソコン・スキャナー等を用い、インターネットの専用ホームページを立ち上げ、「現代史の謎解き」ページと題して、これまでの研究成果をもとにしたデータベースをそのまま掲載した。その結果広く関係者の情報を集めることとなり、重要な関連情報が電子メール等で寄せられた。その経過と概要は、『読売新聞」1998年2月5日に大きく報道されたが、この3年間で、1920年代・30年代にソ連に在住した86人の日本人について探求し、(1)旧ソ連秘密文書など記録による粛清確認者32名(内銃殺15名、強制収容所6名、国外追放4名、逮捕後行方不明6名、逮捕後釈放1名)、(2)資料・証言で逮捕・粛清の可能性濃厚16名、(3)1936-38年在ソ連が確認され以後行方不明2名、(4)ソ連側資料で当時在ソ連が推定され行方不明約10名、(5)日本側資料で当時在ソ連が推定され行方不明約20名、(6)大粛清期前後の日本人推定犠牲者6名をデータベース化できた。また、そこに、日本人共産主義者同士の疑心暗鬼による密告・告発と、ソ連秘密警察による拷問・強制自白の結合による、明瞭な粛清連鎖のメカニズムを発見して、相関図に仕上げた。98年3月には、モスクワで収集した秘密資料をも用いて、本研究の総括を英文論文にまとめた。この英文論文は、スターリン粛清研究の国際的センターとなっているドイツ・マンハイム大学社会史研究所ヘルマン・ヴェーバー教授の要請により、同研究所編『歴史的共産主義研究年報 1998年版』に寄稿したものであるが、同時にこれをインターネット上にも公開し、広く世界から情報収集するシステムが確立した。また本研究の副産物として、安保由五郎・勝野金政・片山千代・箱守平造らの粛清資料と遺族を発掘して名誉回復をはかり、3年間で10回以上も新聞で取り上げられた。世界でも初めての研究として、所期の目的を達成し得たと結論づけることができる。
著者
大場 眞理子 安藤 哲也 宮崎 隆穂 川村 則行 濱田 孝 大野 貴子 龍田 直子 苅部 正巳 近喰 ふじ子 吾郷 晋浩 小牧 元 石川 俊男
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.315-324, 2002-05-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
16
被引用文献数
3

家族環境からみた摂食障害の危険因子について調べるために,「先行体験」「患者からみた親の養育態度」について,患者からよく聞かれるキーワードを用いて質問表を作成し,健常対照群と比較検討した.その結果,「母親に甘えられずさびしい」がどの病型でも危険因子として抽出された.また患者群全体で「父親との接点が乏しい」も抽出され父親の役割との関連性も見直す必要性があると思われた.さらにANbpとBNにおいては,「両親間の不和」「両親の別居・離婚」といった先行体験の項目も抽出され,"むちゃ食い"が家庭内のストレス状況に対する対処行動としての意味合いをもつのではないかと考えられた.
著者
岡西 尚人 上川 慎太郎 加藤 哲弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.405-409, 2019-04-15

要旨 膝関節周辺には,大腿前脂肪体,膝蓋上脂肪体,膝蓋下脂肪体などがあり,膝関節運動時における筋腱と周囲組織との摩擦の緩衝に寄与している.膝蓋上脂肪体の動態については,屈曲時に関しての報告はあるが伸展時に関しては散見されない.今回われわれは,外側半月板損傷後の膝関節可動域練習中における最終伸展時に,膝蓋骨上部に疼痛が出現した症例を治療した.超音波画像診断装置を用いて観察すると,健側の膝関節最終伸展時では,四頭筋腱下縁と膝蓋骨底の間が広がり,生じた隙間に膝蓋上脂肪体が移動していた.一方患側は,四頭筋腱下縁と膝蓋骨底の拡がりが乏しい状態で膝蓋上脂肪体が移動しようとしていた.運動療法として,四頭筋腱の持ち上げ操作を実施し,疼痛は消失して完全伸展が可能となった.本症例の治療経過を通じて,膝蓋上脂肪体の動態異常による膝伸展時痛と伸展可動域制限の可能性について言及した.
著者
梶川 正弘 薄木 征三 武藤 哲男
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.249-254, 1995-01-31

A strong wind disaster was caused by Typhoon 9119 in the Tohoku district on September 28,1991. The purpose of this report is to investigate the relationship between the surface wind field and the localization phenomena of severe forest damage by the typhoon in Akita Prefecture. The results are summarized as follows. 1)The strong wind of about 20 m/s in mean wind speed prevailed for about three hours in the restricted region of the northern inland part in Akita Prefecture. 2)This restricted region was coincident with the towns and villages suffered the severe forest damage. 3)The facts mentioned above suggest that Typhoon 9119 possessed the unique structure in the dissipating stage.
著者
伊藤 哲司
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-11, 1991-07-20 (Released:2010-02-26)
参考文献数
33
被引用文献数
2 2

本研究の目的は, 2者の相互作用場面でのノンバーバル行動の分析から, ノンバーバル行動の基本的な表出次元を検討することである。被験者の組合せの条件は (男性同士, 女性同士) × (初対面, 友人) の4つで, 各条件5組ずつを用いた。各被験者ペアには, 「アルバイト」について15分間会話をするよう教示し, その場面をビデオカメラによって録画をした。教示前の場面および15分の会話場面から2分ずつをサンプリングし, 8項目のノンバーバル行動 (視線・笑い・前傾姿勢・後傾姿勢・横向き・発話・沈黙・うなずき) と8項目のユニット的ノンバーバル行動 (相槌・笑い反応・話-反応・沈黙共調動作・模倣共調動作・追従共調動作・同時共調動作・反響姿勢) の頻度・総時間・平均時間 (反響姿勢を除いたユニット的ノンバーバル行動とうなずきは頻度のみ) を測定した。全行動変数の因子分析から, コンタクト・リラックス・接近・回避の4因子が抽出された。また, これらの因子に負荷の高い行動間の継起パターンを記述した継起分析から, 個人内で非コンタクト因子 (コンタクト因子の負の負荷の高い行動群) からコンタクト因子, コンタクト因子からリラックス因子, 回避因子から接近因子へ, それぞれ行動が連鎖しやすいことが見い出された。これらの結果を考察して, “コンタクト-非コンタクト”“リラックス-緊張”“接近-回避”の3次元をノンバーバル行動の基本的な表出次元と仮定した。これらの次元は, 心理的指標 (感情評定・相手の人物評定など) との相関から, それぞれ特徴づけられた。また, ノンバーバル行動の重要な機能を反映していると考えられる関与度は, 重回帰分析によって3次元の得点から73.4%が説明された。これらのことから, 仮定した3次元はノンバーバル行動の表出を説明するものとしての妥当性が支持された。ユニット的ノンバーバル行動を除いて分析した結果は, 全行動変数からの結果とほとんど違いはなかった。継起分析の結果から, 個人間では同一行動が繰り返される傾向が示され, 多くのノンバーバル行動がしばしばユニット的ノンバーバル行動を形成していることが示唆された。これが, ユニット的ノンバーバル行動から独自の意味を見い出すことができなかった原因であると推測された。
著者
三宅 正男 石井 俊匡 山上 慶 平藤 哲司
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.135, no.12, pp.109-115, 2019-12-31 (Released:2019-12-26)
参考文献数
20

Leaching of copper anode slime using hydrochloric acid (HCl) and hydrogen peroxide (H2O2) is performed to recover Au. It is imperative to reduce the amount of the costly oxidizing agent, H2O2, used in this leaching. In conventional conditions, the Se contained in the slime is oxidized and dissolved by the leachant as well as Au. If Au alone can be selectively leached, it should reduce the use of H2O2. The calculation of equilibrium potentials showed that when the concentration of HCl is high, it is possible for Au to be selectively leached, while the dissolution of Se is suppressed. The selective leaching of Au was demonstrated by experiments using 8 mol L-1 and 12 mol L-1 HCl solutions with various amounts of added H2O2. In the selective leaching, the increase in the leaching rate of Au with increasing amounts of H2O2 diminished after the leaching rate reached 80%. This may be because Au remained inside the Se particles, and the contact between Au and the leachant was physically inhibited by the Se layer encompassing the Au atoms. However, a leaching rate of Au of greater than 95% was achieved, even when the leaching rate of Se was less than 30%. From these results, it was confirmed that the use of H2O2 can be reduced by the selective leaching of Au compared to the cases in which all Se in the slime is dissolved.
著者
溝口 拓朗 伊藤 哲 光田 靖 山岸 極 平田 令子
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.63-70, 2018-12-25 (Released:2019-02-02)
参考文献数
21

人工林主伐後の土砂移動と植生発達の相互作用について,土砂移動を植生回復の抑制要因とみる考え方と,回復した植生を土砂移動の抑制要因とみる考え方の両面からとらえ,これら二つの仮説を検証することにより,スギ人工林皆伐後約1年間の土砂流出と植生回復の関係を明らかにした。100年生スギ人工林伐採後約1年間の土砂移動量,降雨量,植被率を調査した。各計測期間の平均植被率と降雨で基準化した土砂移動量(土砂移動レート)の間には,全測定期間を通して明瞭な関係は見られず,決定木分析でも土砂移動量の大小を明瞭に区分できるような植被率の閾値は検出できなかった。これに対して,各計測期間で標準化した植被率増加速度は,生育期間中は土砂移動量の絶対量が小さいときに大きい値を示す傾向が認められた。決定木分析でも,土砂移動量が22.25(g/m/day)を下回ると,標準化後の植被率増加速度が大きくなることが示された。以上のことから,皆伐直後の植被率が小さく土砂移動量が大きい段階では,土砂移動が植生発達との相互作用を支配する要因になっており,植生によって土砂移動が抑制される効果よりも,土砂移動が植生発達を抑制する効果の方が大きいことが明らかとなった。また,土砂移動および植生発達の空間的な不均一性は林道開設による不安定土砂の生成や林地の枝条残材の影響を受けることが明らかとなった。
著者
高薄 敏史 菱山 豊平 平 康二 中村 豊 竹内 幹也 近藤 哲 加藤 紘之
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.254-258, 2001-01-25 (Released:2009-08-24)
参考文献数
12

杙創(刺杭創, Impalement injury)は刺創の要素に加えて鈍的外傷の要素をもつ穿通性挫創とも言うべき特異な開放性損傷である.われわれは最近15年間に杙創8例を経験したので治療法の選択を中心に報告する.患者は全例男性で年齢は12~57歳(平均38.9歳)であった.刺入経路,損傷臓器の有無を確認するために腹部X線検査, CT検査および刺入路造影を行った.治療法としては刺入路を十分検索し,デブリードマン,ドレナージを行い,臓器損傷を合併した場合はそれらを修復し,必要に応じて人工肛門,膀胱瘻を造設した.その結果, 1例に術後の肺塞栓を認めたが, 8例全例を救命しえた.杙創における治療方針はまず刺入路を明かにしたうえで,損傷臓器を的確に把握し,それに対する処置を的確に行うことで救命率を高め得る.
著者
松岡 幸代 佐野 喜子 津崎 こころ 同道 正行 岡崎 研太郎 佐藤 哲子 鮒子田 睦子 阿部 圭子 東 あかね 田嶋 佐和子 大石 まり子 坂根 直樹
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.327-331, 2007 (Released:2009-05-20)
参考文献数
15

耐糖能異常を伴う肥満者41名を同じ指示エネルギーの減量食群と,1日1食をフォーミュラ食(マイクロダイエット®; MD)に代替したMD群の2群に無作為に割り付けた.MD群では,減量食群に比べて早期(4週間)に減量効果がみられた(-1.3 kg vs. -3.0 kg; p=0.014). 空腹時血糖とHbA1c値は,MD群では介入12週間後に有意に低下したが,減量食群では有意な変化を認めなかった.収縮期血圧は両群で介入後に有意に低下したが,拡張期血圧と中性脂肪値はMD群でのみ有意に低下した.ビタミンB1, B2, B6, E, 鉄,カルシウムは,MD群で減量食群よりも有意に多く,減量時のビタミン,ミネラルの不足を回避できたが,減量食群では,蛋白質,鉄,B1, B2が有意に低下した.以上の成績は,フォーミュラ食を併用した減量プログラムが安全にかつ早期に減量効果が得られることを示している.
著者
仲田 光輝 楠橋 直 齊藤 哲 大藤 弘明 奈良 正和
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.125, no.6, pp.447-452, 2019-06-15 (Released:2019-09-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1

A “coarse-grained” metabasite body has recently been discovered within the Sambagawa metamorphic rocks in Kumakogen Town, Ehime Prefecture, Southwest Japan. The metabasite is exposed at only a few outcrops, although gravel-sized clasts from the metabasite are also found in the overlying conglomerate beds of the Eocene Hiwadatoge Formation. The metabasite rocks generally have a weak foliation compared with the well-developed foliation in the surrounding Sambagawa crystalline schists. The metabasite includes white to gray “porphyroclasts” (composed mainly of albite and zoisite) within a greenish-brown matrix (including actinolite and chlorite). Rock textures and modal mineral compositions of the metabasite gravels in the Hiwadatoge Formation are more varied than those found in outcrops of the metabasite unit itself. Mineral assemblages found in the metabasite and the surrounding mafic schist show that both rock units were metamorphosed under conditions corresponding to greenschist facies.
著者
松岡 育弘 内藤 哲義 山田 碩道
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.759-765, 2002-09-05 (Released:2009-03-13)
参考文献数
14
被引用文献数
4 7

数多くの溶媒について水を飽和した状態で, 溶媒のアクセプタ性を示すET値と水の溶解度を測定した. 水の溶解度は, カールフィッシャー法により電量滴定で測定した. 用いた溶媒は, 7種類のアルカン, 3種類の芳香族溶媒, 3種類の塩素化炭化水素, 4種類のエステル, 6種類のケトンと5種類のアルコールである. 各溶媒のET値は1,2-ジクロロエタンを除いて対応する水の溶解度とかなりよい直線関係が成立することが分かった. これらの溶媒の中でデカン酸による銅 (II) イオンの抽出に関して研究してきた溶媒に対して, 水の溶解度とこれらの抽出系に含まれる種々の平衡定数との間にかなりよい直線関係があることを示した. このことは, これらの抽出平衡が水和の影響を受けていることを示唆している. 本研究で用いた溶媒への水の溶解度は2.36×10-3から4.74mol dm-3であり, ET値と比べて広い範囲にわたっている. このことは, 有機溶媒への水の溶解度は, 溶媒抽出における溶媒効果を研究する際, 有機溶媒の性質を示す高感度な尺度として有用となることを期待させる.