著者
西田 希久代 遠山 幸男 久野 久美 平野 茂樹 出口 裕子 松田 唯子 渡辺 貴志 山関 知恵 板倉 由縁 斎藤 寛子 長谷川 高明
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.207-213, 2009 (Released:2009-05-15)
参考文献数
12

がん患者は複雑な痛みをさまざまな言葉で表現する. こうした表現から薬剤の効果を推測することができ, 適切な疼痛緩和へつながると考え, 本調査を行った. がん性疼痛のある患者164名から, 529語(108種類)の痛みの表現を収集し, 使用頻度の高い痛みの表現に対するオピオイドおよび非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の効果を評価した. その結果, 「重い」や「どーん」という表現はオピオイドが効きやすく, 「しびれ」や「ぴりぴり」はオピオイドが効きにくい表現であることが推測された. 医療従事者は, 患者の言葉に耳を傾け, 患者の痛みを把握することが重要であり,このことが良好な疼痛緩和につながると考える.Palliat Care Res 2009; 4(1): 207-213
著者
冨松 剛 西山 保弘 中園 貴志 松尾 啓太 内田 陽一朗
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.F1019, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】 交代浴は、温浴に冷浴が加わる部分浴であり、温熱および寒冷療法の相乗効果を備えている。交代浴は、慢性炎症症状、外傷性血腫の吸収に効果を認め、近年では複合性局所疼痛症候群(CRPS)の症状改善にも有効であると水関(1994)は報告している。我々は、温浴および冷水温の異なる交代浴を用い、その皮膚温変化について検討し若干の知見を得たので報告する。【方法】 対象は、研究に理解を得た健常成人ボランティア(男性5名、平均年齢28.5歳)。部分浴は、温浴および2つの交代浴を用い、右手のみを施行した。温浴は40°Cの温水に24分間浸した(以下、温浴)。交代浴は温水40°Cと冷水15°C(以下、15°C交代浴)、冷水5°C(以下、5°C交代浴)の2種類の冷水温を用いた。交代浴の浸水方法は水関らの方法に準じた(温水4分、冷水1分×4 最後は温水)。皮膚温測定は、サーモグラフィーTH3100(NEC三栄株式会社製)を使用し両側手背部中央の皮膚温を測定した。測定間隔は安静時、施行直後、15分、30分、45分、90分、120分、150分、180分後の計9回の皮膚温を測定した。サーモグラフィーの測定は日本サーモロジー学会のテクニカルガイドラインに準じた。統計処理は、paired t-test及び mann-Whitney U-testを行った。【結果】 右検側肢の平均皮膚温の変化について、温浴は施行直後、皮膚温が上昇し、交代浴はいずれも下降した。2つの交代浴は120分を経過すると180分まで、いずれも低下した皮膚温が回復傾向を示した。左非検側肢の平均皮膚温の変化は、どの部分浴も施行直後に皮膚温は低下した。しかしその後、検側肢に同調した皮膚温の回復変化を示した。特に15°C交代浴はその傾向が強く観察されました。統計学的には、安静時に対する各皮膚温の有意差は認められなかった。【考察】 交代浴は、温熱による血管拡張効果に寒冷療法の一次的血管収縮と二次的血管拡張の作用が重複することが考えられる。非検側肢の影響については、三崎は体性-交感神経反射が関与し両側に出現すると述べている。また、施行後低下した皮膚温は、180分以上をかけて緩やかに反応し、回復傾向を見せた。【まとめ】 冷水温の異なる交代浴の皮膚温変化を検側肢及び非検側肢に渡り検討した。温浴に比べ皮膚温の回復は、交代浴が長時間作用していた。
著者
徳永 貴志
出版者
和光大学社会経済研究所
雑誌
和光経済 = Wako Keizai (ISSN:02865866)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.39-46, 2014-02

La revalorisation du Parlement portée par la révision constitutionnelle de 2008 a réalisé l'émancipation de la majorité parlementaire. Dans le même temps, cette révision pourrait accroître le rôle de la minorité et l'opposition dans le travail législatif, par l'assouplissement des mécanismes du parlementarisme rationalisé et le renforcement de l'influence des commisions dans la construction législative.
著者
山下 満智子 松原 秀樹 中島 貴志 上田 奈穂 山本 一恵 大槻 馨 梅岡 俊二 正田 一貴 宮藤 章 市川 恵 鵜飼 智代 村上 恵 真部 真里子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成21年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.2118, 2009 (Released:2009-08-28)

【目的】 加熱調理機器(IHクッキングヒーター[IH]・ガスコンロ[ガス])による調理特性の相異を究明する目的で、本研究では鍋物調理に着目し、加熱調理機器の違いによる土鍋の昇温特性について検討した。 【方法】 IH・ガス兼用土鍋[兼用土鍋]に、鍋肌測定用として鍋胴部の鍋肌最高温到達部(鍋底よりIH 39mm、ガス49mm)にシート熱電対、水温測定用として鍋中央部で鍋底より17.5mmにシース熱電対をあらかじめ設置した。IHは、定格出力が得られるように電圧はコンセント電圧のまま(強使用時 99.5~100.6V)、ガスはガス圧をガスガバナで3段階に調圧(強使用時 0.78kPa、1.44kPa、2kPa)した。1400ccの水道水を入れ、IHならびにガスを用いて加熱し水温と鍋肌温度を連続的に20分間計測した。同条件で、加熱開始15分後の土鍋の状態(水温100℃に到達)を赤外線サーモグラフィ装置で撮影した。 【結果】 IHとガスの加熱開始20分後の鍋肌温度は、それぞれ84℃、125℃(ガス圧0.78kPa)、 156℃(ガス圧1.44kPa)、170℃(ガス圧2kPa)となり、IHとほぼ同じ時間で水が100℃に昇温したガス圧0.78kPaでも、ガスはIHより41℃高くなった。サーモグラフィ画像からも、IHでは鍋肌温度が上昇せず、加熱中鍋肌が水温を超えないことが確認できた。別種の兼用土鍋でも同様の傾向であった。また、ガス専用土鍋を用いて、ガス圧1kPa(ガス専用土鍋中の水温上昇が兼用土鍋とほぼ同様になる条件)にて実験したところ、兼用土鍋と比べ鍋肌温度上昇が抑えられたが、常に水温より高く加熱開始20分後115℃に到達した。このような昇温特性の相違が鍋物調理のおいしさに及ぼす影響は今後の検討課題である。
著者
石井 直弘 清水 雄介 青木 麻利江 鈴木 彩馨 貴志 和生
出版者
日本マイクロサージャリー学会
雑誌
日本マイクロサージャリー学会会誌 (ISSN:09164936)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.178-181, 2020

<p>Various techniques for nail reconstruction have been reported until now; however, a simple one providing good esthetic results was difficult to find. Arterialized venous toenail flap is a free flap that includes the nail bed and matrix with a pedicle formed solely by the subcutaneous vein of the toe. The use of this flap is minimally invasive, easy, and the flap has a high survival rate. The mechanism of graft survival remains unknown given the non-physiological circulation. To the best of our knowledge, no studies have explained this mechanism with reference to detailed postoperative course. We herein present two cases of nail reconstruction performed using arterialized venous toenail flap. We analyzed the postoperative course in detail, which enabled us to postulate on the mechanism of graft survival.</p>
著者
扇原 貴志 村井 潤一郎
出版者
日本子育て学会
雑誌
子育て研究 (ISSN:21890870)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.3-12, 2012 (Released:2020-09-30)
参考文献数
35

本研究の目的は、第一に、大学生が最もイメージする「子ども」の年齢層を調査により定義し、第二に、それに基づき大学生の「子どもへの関心」の程度を測定する尺度を測定し、それに関連する要因を探ることである。まず予備調査として大学生115名に「子ども」として最もイメージする年齢層を尋ねた結果、全体の約67%が「3~6歳の幼児」を挙げた。従って本調査では「子ども」を「(3~6歳の)幼児」と定義して検討した。本調査では、保育学、心理学を専攻する大学生247名を対象とした。その結果、子どもへの関心尺度は「好意的注目」「同情」「好奇心」「寛容性」の4下位尺度から構成されていた。この尺度について信頼性と妥当性を確認した後、関連する要因を検討した結果、幼児との接触経験が多い程、子どもへの関心が高い傾向にあった。また、「好意的注目」「好奇心」では女性の方が得点は高く、専攻別では全下位尺度で保育学専攻の方が得点は高かった。以上のことから、子どもへの関心は幼児との接触経験によって促進され、女性で高く、子どもを扱う学問を専攻する者で高いことが示唆された。
著者
藤代 貴志
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1239-1245, 2019-10-15

半導体レーザー装置CYCLO G6®を用いたマイクロパルス毛様体光凝固術の治療成績は,眼圧下降は良好で,術後の合併症が少ないと報告されているが,これまでのところ報告は海外からのものだけで,わが国では有効性と安全性を示した報告がない。今回,CYCLO G6®を用いた毛様体光凝固術の治療の原理とその有効性と安全性について解説したい。
著者
西谷 隆司 山内 淳行 永山 貴志
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.347-357, 2010 (Released:2015-01-27)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

わが国では,経済成長が進む中で急速に増大し続ける都市ごみを適切に処理するために,焼却処理がその中心的な役割を担ってきた。しかし,資源の消費と環境の負荷への限界が意識され,社会の持続的発展が危ぶまれるに至り,それまでの社会全体のシステムの転換が迫られることとなった。各自治体においても,分別等の導入が急速に広がった。焼却ごみの量と質も,導入された分別等の施策に応じて変化することとなり,ごみ焼却施設の役割についても,システム全体の中で検討される必要がでてきた。そこで,分別等を先進的に取り組んでいる自治体でのごみ量やごみ質の変化を整理し,分別等の施策が焼却ごみにどのような影響を及ぼすのか推計した。その結果,今後10年で,焼却ごみ量は20%程度の減量となり,その組成については可燃ごみが減少するが,発熱量は8,000kJ/kg程度までの減少にとどまると見込まれた。
著者
山田 幸子 上口 貴志 尾方 俊至 荻原 良太 村瀬 研也
出版者
公益社団法人 日本医学物理学会
雑誌
医学物理 (ISSN:13455354)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.35-46, 2014 (Released:2015-03-06)
参考文献数
19
被引用文献数
1

An iterative reconstruction (IR) technique in computed tomography (CT) is expected to play an important role in reducing the radiation dose while preserving both spatial resolution and contrast-to-noise ratio. However, images obtained by using the IR technique are known to have different visual appearances from those obtained by using the traditional filtered back-projection (FBP) reconstruction. This appearance is often figuratively described as “blocky,” but it has not been objectively characterized further. In this paper, we propose a novel image quality metric, called “perceptual image dissimilarity” (PID), to characterize the visual dissimilarity between FBP and IR images. The PID was formulated as a grayscale transformation and subsequent structural similarity (SSIM)-based image quality measurement. The PID metric was validated using phantom images with three different modules. Sixty datasets, each consisting of an IR image and its corresponding noise-level-equivalent FBP image, were visually assigned “subjective dissimilarity scores” on a five level scale by six observers. The data sets were then quantitatively analyzed using both the PID and the traditional mean squared error (MSE) metrics. Our results show that the PID is highly consistent with the subjective dissimilarity score and thus delivers superior performance, whereas the MSE fails to quantify the observers’ visual perception.
著者
大塲 貴志 Takashi Oba
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 = Gakuen (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.946, pp.(1)-(9), 2019-08-01

The purpose of this article is illuminating the theoretical and pedagogical perspectives on grammar instruction in the field of second language acquisition (SLA) research and educational settings. In many educational contexts, although communicative activities have been strenuously implemented into language lessons, grammar instruction has not been appropriately integrated in the lessons. In this article, theoretical perspectives on grammar instruction will be explained and a systematic framework of grammar instruction, “form-focused instruction (FFI)”, will be demonstrated. Then an instructed model integrating FFI and communicative contexts proposed by Lyster (2007, 2017) will be illustrated. Finally, empirical findings regarding FFI will be reviewed.
著者
松野 竜工 橘木 康文 足立 貴志 中西 和毅 木山 良二 榊間 春利 井尻 幸成
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会
雑誌
九州理学療法士学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.102, 2019

<p>【目的】一般に成長期野球選手の投球障害はover useや不良な投球動作により生じる。特に、肩肘の故障しやすい投球動作として、「体の開き」と「肘下がり」が考えられている。これは投球動作指導の重要なポイントになるが「体の開き」と「肘下がり」の関係性に関してはよく分かっていない。今回、投球動作時の体幹及び骨盤回旋運動に着目し、「体の開き」と「肘下がり」の関係性について運動学的に検討した。</p><p>【方法】対象は中学生野球選手32名とした。ポジション及び現在と過去3ヵ月における疼痛の有無に関するアンケート調査を施行した。胸骨柄と第2仙椎後面に3軸加速度センサーを貼付し、スローカメラを用いて投球動作を撮影した。投球動作はワインドアップ期(knee highest position:KHP)-後方引込期-並進運動期-コッキング期(foot plant:FP)-加速期(maximum external rotation:MER)までの投球動作を解析した。体幹及び骨盤の回旋運動は、投球動作開始前の静止立位時の体幹及び骨盤角度を基準とした。「肘下がり」はMER時の肩肩肘ラインにて判断した。「肘下がり」の有無により2群(「肘下がり」群、「肘下がり」無し群)に分類し、体幹回旋角度(胸骨回旋角度)と骨盤回旋角度を各投球相で比較した。さらに「肘下がり」角度と、骨盤と体幹の相対角度との関係性を検討した。統計学的解析には対応のないt検定,Pearsonの相関係数を用い、有意水準を5%未満とした。</p><p>【結果】32例中のポジション別内訳は投手5名、捕手3名、野手24名であった。現在疼痛を有する群は13例(43%)、過去3ヵ月に疼痛が認められた群は23名(71%)であった。疼痛の有無と肘下がり角度の比較では有意差は認められなかった。32例中、14名(44%)の選手に「肘下がり」が認められた。体幹及び骨盤の回旋タイミングは、「肘下がり」群において早期に体幹及び骨盤回旋運動が生じ、体幹及び骨盤回旋角度は増加していた。特に「肘下がり」無し群と比較してFP時の体幹回旋角度は有意に大きかった(p<0.05)。「肘下がり」角度は骨盤と体幹の相対角度と正の相関(r=0.55、p < 0.05)を認めた。</p><p>【考察】今回、肘下がりと疼痛の関連性は認められなかったが、「肘下がり」を呈した選手は、早期に体幹と骨盤の回旋運動が生じ、回旋角度が増加していた。また、「肘下がり」角度が大きい選手は骨盤に対する体幹の回旋角度が大きく、いわゆる「体の開き」を生じていることが示された。成長期野球選手は一般にMER時の肩外転角度が小さく、肘が下がり、体の開きが早く上肢に依存した投球動作になりやすい。今回の結果は、「体の開き」と「肘下がり」には投球動作における骨盤及び体幹回旋運動のタイミングや回旋角度、骨盤に対する体幹回旋角度が密接に関連していることが示唆された。</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究は霧島整形外科倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:00012)。また研究の実施に際し、対象者に研究について十分な説明を行い、同意を得た。</p>