著者
早川 哲也 寺島 貴志 西畑 昭史 山角 浩一 浜岡 荘司 佐伯 浩
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.783-787, 1997 (Released:2011-06-27)
参考文献数
4

Ports and fishing ports in cold regions in Hokkaido freeze during winter. Changes in sea level after ice sheets have adfrozen to port facilities, such as floating structures, quays and breakwaters, create vertical ice loads. Floating structures often suffer damage from sea ice, making it important to consider the influence of the sea ice in the design of such structures in cold regions.In this study, investigations of sea ice conditions were conducted to estimate ice loads, and the distribution of ice thickness and the area range where the ice sheet undergoes flexural failure were clarified.
著者
門間 英毅 神谷 貴志 堤 正幸 長谷川 安利
出版者
The Society of Inorganic Materials, Japan
雑誌
石膏と石灰 (ISSN:21854351)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.208, pp.127-135, 1987

種々の形態とCa/P比の水酸アパタイト (HAp) 粉末の圧粉成形性と焼結性を比較検討した。ブラッシャイト (DCPD) の加水分解によるHAp粉末の假焼後の形態は0.15-0.20μmのテトラポット形微結晶の連結凝集した, モネタイト (DCPA) の加水分解によるものはダンベル状微結晶の凝集した, それぞれ約70×100μmの板状粒子であった。沈殿HAp粉末は微細結晶の凝集した1-6μmの塊状または15-20μmの球状粒子であった。圧粉成形体の密度は〓焼温度とともに高くなるが, 焼結体の密度は〓焼温度700-900℃に, 強度は化学量Ca/P論比より若干低いCa/P比に, それぞれ極大を示した。加水分解法によるHAp粉末でも, 焼結相対密度95%以上, 曲げ強さで100-150MPaの焼結体を得ることができたが, 沈殿HApの方がより易焼結性で高強度焼結しやすかった。焼結体グレインサイズは各HApとも差はないが (約1-4μm), 気孔は沈殿HApより加水分解HApの方で多かった。
著者
大田 洋二郎 海老原 敏 真島 一彦 中塚 貴志 羽田 達夫 平野 浩一 原口 秀俊 緒方 寿夫
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頸部腫瘍 (ISSN:09114335)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.67-71, 1994

国立がんセンター中央病院で1962年から1992年までに治療された口唇扁平上皮癌症例, 44例 (一次症例: 30例, 2次症例: 14例) を対象とし治療成績を検討した。<br>性差に関しては, 男性31例, 女性13例, 2.4:1の比率で男性が多かった。年齢は38歳から85歳にわたり, 平均年齢は63.1歳であった。発生部位は上口唇5例, 下口唇34例, そして口角部5例であった。一次症例の他病死を除く5年推定生存率は80%, 2次症例で67%であった。治療後の障害は, 放射線治療では放射線性口唇炎, 手術では進行癌で口唇変形, 口唇閉鎖不全が認められた。
著者
貴志 真也 鳥居 久展 畑山 大輔
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI1291-CbPI1291, 2011

【目的】<BR> アキレス腱断裂後3ヶ月で剣道競技に復帰した女子高校剣道選手の症例を経験した。そこで今回、早期競技復帰に向けて当院で開発したアキレス腱断裂縫合術後の剣道用装具とアキレス腱縫合術後のリハビリテーションプログラムを紹介し、今後の課題について検討する。<BR>【方法】<BR> 1)手術内容とリハビリテーションプログラムの紹介と検討:術後術式はTriple-Tsuge法+cross-stitch法で、リハビリテーションプログラムは、術後3日目:短下肢装具装着にて歩行開始(状態に合わせて部分荷重から全荷重)、患部外トレーニング、足関節背屈自動運動、足関節底屈以外の足関節筋力トレーニング(isometric)開始。術後2週間目:足関節底屈以外の足関節筋力トレーニング(isotonic)、タオルギャザー、足関節底屈自動運動、術後3週目:足関節底屈筋力トレーニング、術後4週目:エルゴメーター、術後5週目:裸足歩行、術後6週:両脚カーフレイズ、術後8週目:片脚カーフレイズ、剣道の摺り足と引き技練習。術後9~10週目:ジョギング、縄跳び、剣道の基本練習。つま先跳び20回出来ればスポーツ復帰。また、剣道の練習は当院で開発した装具を装着する。<BR>装具は両側(内側・外側)にバネ支柱と底屈誘導バンド(ゴム製)を装着している。ズレを防止するため皮膚接触面はラバー素材である。<BR>2)アンケート調査:(1)競技復帰から1年までの剣道競技の回復レベルについて。(2)アキレス腱用装具とテーピングとの比較(フィット感、安定感、安心感、動きやすさの4項目)。<BR>3)MRIによるアキレス腱修復状況の確認(術後3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月)。<BR>【説明と同意】<BR> 剣道の練習中、左アキレス腱断裂にて当院でアキレス腱縫合術を行った年齢17歳の女子高校剣道選手3名である。対象者には事前に発表の趣旨を十分説明し同意を得ている。<BR>【結果】<BR> 対象者3名とも上記リハビリテーションプログラムに沿って、術後3ヶ月以内で競技復帰を果たし、県総合体育大会に出場し好成績を収めた。<BR>回復レベルのアンケートについては、3~4ヶ月で60%、4~5ヶ月で70~80%、6ヶ月で90%、10~12ヶ月で100%であった。<BR>装着感は、装具装着初期~5ヶ月までは全例とも安定性良く、蹴り出しをサポートするので装具が良いとの回答。ただし、5ヶ月以上になるとテーピングのほうが動きやすいとのことであった。<BR>MRI のT2強調画像でのアキレス腱修復状況は、3ヶ月ではアキレス腱縫合部に高信号があり、周辺組織も腫れている状態で修復は十分とはいえないが連続性は得られていた。6ヶ月では高信号も消失し、周辺組織の状態も安定していた。<BR>【考察】<BR> 剣道競技への早期復帰の要因は、断裂部の固定を強固にする術式と、剣道の練習開始に向けたアキレス腱用装具の開発により、早期リハビリテーションプログラムに沿ったリハビリテーションが行えたことである。したがって、当院で行っているアキレス腱縫合術後のリハビリテーションプログラムは、早期スポーツ復帰に有効であり妥当であったと考えられる。また、当院で開発したアキレス腱用装具は、術後5ヶ月までは底屈誘導バンドにより剣道の踏み込み動作における蹴りだしに有効であると思われた。さらに、アキレス腱が十分修復されたと思われる術後6ヶ月目はテーピングのほうが良いとのアンケート結果とMRIでのアキレス腱修復状況から装具除去の時期は6ヶ月と考える。今後の課題は、スポーツパフォーマンスにおける長期成績について検討する必要がある。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> スポーツ傷害のリハビリテーションにおいて、スポーツ現場への早期復帰は重要な課題の一つである。今回の報告は、スポーツ選手のアキレス腱修復術後における早期スポーツ復帰へのリハビリテーション指標や今後の課題を考える上において有効であると考える。
著者
西 真理子 新開 省二 吉田 裕人 藤原 佳典 深谷 太郎 天野 秀紀 小川 貴志子 金 美芝 渡辺 直紀
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.344-354, 2012 (Released:2012-12-26)
参考文献数
27
被引用文献数
7 9

目的:地域在宅高齢者における「虚弱(Frailty)」の疫学的特徴を明らかにすることを目的とした.方法:2001年に群馬県草津町在住の70歳以上全高齢者を対象に訪問面接調査を行い,虚弱の出現率を求めた.次いで,2005年に同町と新潟県与板町で行われた高齢者健診(対象70歳以上)のデータを使用し,虚弱高齢者の身体医学的,心理社会的特徴を調べた.虚弱の判定には,虚弱性指標として用いることの妥当性が確認されている「介護予防チェックリスト」を用いた.分析は男女別に行い,各変数について虚弱群と非虚弱群で比較検定し,虚弱の有無と各変数との関連は,年齢,地域,共通罹患の有無,ADL障害の有無を共変量においた多重ロジスティック回帰モデルを用いて分析した.結果:訪問面接調査には916名が応答し(応答率88.2%),うち912名を分析対象とした.虚弱の出現率は,男性で24.3%,女性で32.4%であった.虚弱の出現率は,男性は80歳以降,女性は75歳以降で急増する傾向がみられた.高齢者健診は1,005名が受け,うち974名を分析対象とした.多重ロジスティック回帰分析の結果を総合すると,身体的機能や心理社会的機能,生活機能などの低水準が虚弱高齢者の特徴として示された.また,非虚弱群に比べ虚弱群の方が,認知機能検査の成績が低く,抑うつ傾向の割合が高く,男性で聴力障害,女性で尿失禁や歩行障害の保有率が高いなど,いわゆる老年症候群との関連が示された.一方,心拍数と血圧,男性で一般的な血液検査項目と虚弱との関連は示されなかった.結論:70歳以上の在宅高齢者の約3割が虚弱であった.虚弱があらゆる老年症候群と密接に関係するmultifactorial syndromeであるという病態像が浮かび上がった.虚弱の病態は,心身機能や生活機能などの機能的諸側面の低さに現れやすく,一般的な臨床医学検査には表出されにくい特徴を有することが明らかになった.
著者
香川 貴志
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.89-104, 1990
被引用文献数
6 1

筆者は, 先に, 東北6県の県庁所在都市を事例として, 都市内部における人口高齢化現象の地域的展開を明らかにした (香川, 1987)。その結果, 人口高齢化が著しい地区は, 都心部, 都心周辺部および市域縁辺部に展開し, 当該地区では人口減少も著しいことが解明された。また, 人口高齢化の進行は非高齢人口の地区外転出によって促進されていることがわかった。しかし, 広域中心都市である仙台市だけは, 市域縁辺部において人口高齢化および人口減少が顕著ではなかった。本稿は, 唯一例外的であった仙台市の事例が他の広域中心都市でも認められるか否かを解明するため, 北陸3県の広域中心都市として機能する金沢市を事例として進めた研究である。研究手法等は東北6県県庁所在都市の事例に準ずるが, 人口増加が著しい地区を析出するなど, 新たな分析を加え, さらに地域モノグラフとしての性格も持たせるように工夫した。研究の結果, 金沢市のケースは仙台市のそれに酷似していることが明らかとなった。すなわち, 人口高齢化および人口減少が著しい地区は, 都心部, 都心周辺部に限られ, 市域縁辺部では, むしろ人口増加が顕著であることが確認できた。
著者
扇原 貴志 上村 佳世子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.173-176, 2015-11-20 (Released:2015-12-05)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Correlations between the scores on subscales of the Scale of Interest in Infants and preferences for pictures of infants were investigated. University students (N=27) completed the Scale of Interest in Infants. Then they were shown arrays of three pictures of an infant, an adult, and an object and required to choose the picture that interested them the most. The results indicated that pictures of infants were chosen more often than pictures of adults. Positive correlations were found between scores on the subscales for “affectionate attention” or “curiosity” and preference for pictures of infants. “Sympathy” and “tolerance” were not significantly correlated with preference for pictures of infants.
著者
貴志 奈央子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.13, no.8, pp.275-298, 2014-08-25 (Released:2015-08-25)
参考文献数
9

細胞治療や再生医療は、今後、新たな事業機会を提供する産業へと成長していくことが期待されている。しかし、この新たな事業機会を日本経済の成長へとつなげるには、国内企業が、当該産業に新規参入する必要がある。本研究では、旭化成による細胞治療を対象とした新規事業の開発に焦点をあて、川下企業との共同開発の有効性を示す。そして、川上と川下の企業間の関係を構築する仕組みの整備が当該産業に関連した新規事業の開発を促進し、新規参入を後押ししていく可能性を指摘する。
著者
遊佐 貴志 千葉 晋
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF BENTHOLOGY
雑誌
日本ベントス学会誌 (ISSN:1345112X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.18-22, 2014
被引用文献数
1

Member of the genus <i>Neomysis</i> inhabit estuaries or lagoons in temperate to subarctic areas and are important in the food webs of those areas, but there have been few studied of this genus in the Northwest Pacific. We examined geographical variations in the species composition of mysids including <i>Neomysis</i> in eastern Hokkaido, Japan. The species composition of mysids was classified into three groups. The first group consists of mainly <i>Neomysis mirabilis</i>, the second group consists of only <i>N. awatschensis</i>, and the third group consists of several species. These types are closely related to geographical features and salinity. This study reveals that the species compositions of mysids vary considerably between locations even though these locations at similar latitude.
著者
貴志 俊彦 陳 來幸 石川 禎浩 武田 雅哉 川島 真 柴山 守 松本 ますみ 孫 安石 大澤 肇 小林 聡明 谷川 竜一 菊地 暁 富澤 芳亜 泉水 英計 西村 陽子 李 梁
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本共同研究では、近100 年間に東アジア域内で起こった歴史的事件、あるいは時代の画期となるトピックをとりあげ、それぞれの局面で登場した非文字史料がはたした役割とその受容者の解釈を検討した。国内外における広範な調査と成果発表にあたっては、複数の地域で製作された非文字史料を比較対照するとともに、(a)図像解釈学的分析、(b)語彙分析による情報処理、(c)コミュニケーション・パターン分析等を導入して、紛争・協調の時代イメージと非文字史料との因果関係を明らかにした。
著者
磯崎 豊 鈴木 建太朗 松山 竜三 松本 尚之 長尾 泰考 石川 剛 原田 明子 松本 貴弘 谷 知子 辰巳 嘉英 今本 栄子 安藤 貴志 小山田 裕一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1707-1713, 2009 (Released:2012-07-26)
参考文献数
13

クラミジア直腸炎を3例経験した.全例無症状で,便潜血反応陽性の精査の際に直腸の均一な半球状小隆起の集簇像という特徴的な内視鏡所見と直腸擦過診のChlamydia trachomatis抗原検索によって診断された.治療としてazithromycin hydrateを投与した.クラミジア直腸炎は自覚症状の乏しい症例も多く,画像所見から本疾患を疑い,適切な検査で診断・治療することが必要である.
著者
貴志 奈央子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-20, 2014-01-25 (Released:2015-01-25)
参考文献数
11

本研究では、製品開発において「探索」の機会を創出するためのマネジメントについて、次の二点の有効性を指摘する。まず、顧客からの多様な要求を受け入れて、新たな知識を「探索」せざるを得ない機会を組織メンバーに提供すること。 そして、探索を通じて蓄積された知識が活用される機会を獲得し、知識蓄積の重要性を組織メンバーに認識させることである。
著者
貴志 真也 森北 育宏 片岡 大輔 木村 侑史 吉田 隆紀 小林 啓晋 鈴木 俊明
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C3O3042-C3O3042, 2010

【目的】<BR> 剣道活動中の傷害発生率は他のスポーツに比べて低いものの、剣道を継続しているものには腰痛症が多く認められる点が剣道競技におけるスポーツ障害の特徴である(和久1991)。そこで今回、その要因を検討するための指標を得る目的に、剣道選手の脊柱Alignmentと脊柱筋の特徴について調査した。<BR>【方法】<BR> 立位姿勢と踏み込み動作姿勢の脊柱側面像のX-P撮影を行い、腰椎前弯度をL1椎体上縁とL5椎体下縁とのなす角をCobb法に準じて測定し、立位姿勢と踏み込み動作姿勢の比較と腰痛群と非腰痛群の2群の比較を行った。統計学的分析は、2×2(痛み×姿勢)分散分析を用いて各群間の平均値の違いを検証した。さらに、交互作用が認められた場合、Tukey HSDによる多重比較を行った。つぎに、MRIにて腰椎のT2強調画像の横断面像を撮影し、L3高位の多裂筋面積と大腰筋面積との比(多裂筋/大腰筋比)を測定した。多裂筋/大腰筋比は、左右の比較と左右平均値を腰痛群と非腰痛群の2群で比較した。統計学的分析はStudentのt検定を用いた。さらに、立位姿勢から踏み込み動作の腰椎前弯変化度と多裂筋/大腰筋比の相関性について調査した、統計学的分析は、Peasonの相関関係で求めた。有意水準は各々5%未満とした。<BR>【説明と同意】<BR> 本研究の趣旨を説明し同意を得た大学男子剣道選手20名(大学で腰痛を経験したことがある選手:以下腰痛群10名と過去に腰痛を1度も経験したことがない選手:以下非腰痛群10名)とした。腰痛群は、全例がO大学の診療所にて筋・筋膜性腰痛症の診断を受けた症例である。本研究は大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科倫理委員会の承認を得た。<BR>【結果】<BR> 腰椎前弯度は、痛みの有無に有意な主効果が認められ(F(1,36)=14.74,p<0.001)、同じく立位姿勢と踏み込み動作姿勢においても有意な主効果が認められた(F(1,36)=68.29,p<0.001)。さらに、痛みと姿勢について有意な交互作用が認められた(F(1,36)=6.73,p(0.014)。その後の多重比較では、腰痛群と非腰痛群の2群とも立位姿勢に比べ踏み込み動作姿勢の腰椎前弯度が有意に増強した(p<0.01)。また、その増強は腰痛群が有意であった(p<0.05)。多裂筋/大腰筋比は、腰痛群・非腰痛群とも左右で有意差は認められなかった。また、左右平均値は腰痛群37.6±7.8%で非腰痛群61.0±21.6%に比べ有意に低値を示した(p<0.01)。多裂筋/大腰筋比が小さくなると腰椎前弯度が大きくなるという有意な相関が得られた(p<0.01)。<BR>【考察】<BR> 今回行った踏み込み動作姿勢のレントゲン画像による脊柱アライメントは、立位姿勢に比べ腰椎前弯度が有意に増強した。さらに、その腰椎前弯の増強は腰痛群が有意に大きかった。したがって、剣道競技における踏み込み動作は、腰椎前弯に伴うストレスが腰椎部に加わる特徴があり、腰痛群は特にその要素が強いと思われる。腰痛群において腰椎前弯度変化が大きい理由について、腰痛群の立位姿勢における腰椎前弯度が非腰痛群に比べて有意に少ないことが挙げられる。その要因として、多裂筋/大腰筋比が非腰痛群に比べ有意に少ないこと、多裂筋/大腰筋比が少ないと立位姿勢の腰椎前弯度も少ないという正の相関関係が得られたことなどから、多裂筋/大腰筋比の低下が考えられる。以上のことから、多裂筋/大腰筋比が少ないと踏み込み動作時の腰椎前弯変化が大きくなり腰痛を引き起こす危険性があるため、多裂筋を選択的に鍛え筋量を増やすことが腰痛予防につながると示唆された。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 近年、スポーツ医学の進歩に伴い、理学療法士がスポーツ選手の障害予防ならびに早期スポーツ復帰のための理学療法をドクターと連携し行うことが重要とされている。そのため、スポーツの競技特性を理解することは障害予防のリハビリテーション、早期復帰への理学療法を行う上で大切である。今回の研究は剣道競技の身体的特徴と腰痛の関係について調査した内容であり、剣道選手の腰痛予防、腰痛からの競技復帰に向けた理学療法を行う上において意義のあるものと考えています。
著者
近藤 拓也 山際 貴志 山中 光司 山本 正信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.247-255, 1997-01-25
被引用文献数
27

これまでの動画像の解析では, 連続する画像間の対応付けに始まり, もっぱら対象の運動パラメータや3次元情報といった物理的・幾何学的情報の抽出が中心課題であった. これに対して, 我々は人間の動作について「上手である」とか「美しい」とかの印象を定量的に把握することを目指している. 本論文ではスキーにおける滑りを取り上げ, 滑りの動画像を解析することにより, 滑りの上手さを判定することを試みた. 実際, 動画像から得られた動作の運動パラメータから, 動作の対称性や滑らかさなど動作の特徴を抽出した. これらの特徴を用いて滑りの上手さを判定することができた. この判定結果は, 同じ動作を観察したときの人間の受ける印象と一致している.
著者
日野 正輝 富田 和暁 伊東 理 西原 純 村山 祐司 津川 康雄 山崎 健 伊藤 悟 藤井 正 松田 隆典 根田 克彦 千葉 昭彦 寺谷 亮司 山下 宗利 由井 義通 石丸 哲史 香川 貴志 大塚 俊幸 古賀 慎二 豊田 哲也 橋本 雄一 松井 圭介 山田 浩久 山下 博樹 藤塚 吉浩 山下 潤 芳賀 博文 杜 国慶 須田 昌弥 朴 チョン玄 堤 純 伊藤 健司 宮澤 仁 兼子 純 土屋 純 磯田 弦 山神 達也 稲垣 稜 小原 直人 矢部 直人 久保 倫子 小泉 諒 阿部 隆 阿部 和俊 谷 謙二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1990年代後半が日本の都市化において時代を画する時期と位置づけられる。これを「ポスト成長都市」の到来と捉えて、持続可能な都市空間の形成に向けた都市地理学の課題を検討した。その結果、 大都市圏における人口の都心回帰、通勤圏の縮小、ライフサイクルからライフスタイルに対応した居住地移動へのシフト、空き家の増大と都心周辺部でのジェントリフィケーションの併進、中心市街地における住環境整備の在り方、市町村合併と地域自治の在り方、今後の都市研究の方向性などが取組むべき課題として特定された。
著者
津田 敏秀 頼藤 貴志 土居 弘幸 鹿嶋 小緒里
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

国内では大気汚染の健康影響を評価した疫学研究は依然として少ない為、下記目的を達成するために研究を行った。①短期曝露と疾病罹患の関連評価、②短期曝露と疾病別死亡の関連評価、③大気汚染曝露と周産期指標の関連評価、④大気汚染曝露と児の疾病罹患との関連評価。結果として、①では短期曝露により、循環器疾患、呼吸器疾患、心停止による救急搬送のリスクが上昇していた。②においては、日々の二酸化硫黄の濃度と疾病別死亡との関連を認めた。③に関しては、曝露モデルの検討を行っており、更なるデータ蓄積と解析を行う予定である。④に関しては、妊娠中の曝露は満期低出生体重児を増加させ、発達にも影響を及ぼしていた。