著者
辻村 敏樹
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.291-298, 1962-03-25
著者
辻本 諭
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.567-588, 2015-02-25

本論文の目的は,イングランド内の3教区(セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ,チェルシ,ブラッドフォード・オン・エイヴォン)の定住資格審査記録をもとに,18世紀イギリスの陸軍兵士とその家族の実像を明らかにすることにある。兵士の入隊前の職業,識字能力,不動産賃借,市民社会への復帰過程の各項目について審査記録の情報を分析すると,「この世の屑」という言葉でしばしば表現される,18世紀以来の古典的な兵士像がきわめて一面的であることが明らかとなる。むしろ彼らの多くはありふれた中・下層の民衆であり,それぞれの社会的・経済的事情に合わせて自ら主体的に入隊を選択した人々であった。兵士の妻についても,結婚以前に奉公人ないし徒弟として職業経験を持つ,典型的な中・下層の女性が多く含まれていた事実を指摘することができる。軍隊と市民社会の間に見られるこうした人的同質性は,両者が絶えざる人の循環によって強固に結びついていたことを示している。民衆によって媒介されるこの草の根の結合関係こそは,募兵制を原則とするイギリスが大規模な軍事拡大を行っていくための前提条件であった。
著者
辻村 憲雄 三上 智 吉田 忠義 高田 千恵
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.267-276, 2005 (Released:2010-08-05)
参考文献数
15

The authors studied the feasibility of utilizing ebonite as a personal neutron dosemeter in criticality accidents. A disc-shaped ebonite, a hard rubber containing 30wt% sulfur, can be used as a highly effective criticality neutron dosemeter because of a simplicity of measurements of beta activity arising from 32S(n, p)32P reactions. The counting efficiency of beta particles with an end-window GM counter for an ebonite disc in 50mm diameter and 3mm thick was determined by 252Cf neutron irradiation. The neutron spectrum dependency of 32P activity per neutron dose was computed using Monte-Carlo calculations of various neutron spectra that could be encountered in criticality accidents, and the results were tabulated as a set of spectrum correction factors. Performance tests using the SILENE reactor indicated that neutron doses could be evaluated within ±15% with the application of suitable correction factors.
著者
川崎 順久 福田 宏之 辻 (ドミンゴス)浩司 酒向 司 塩谷 彰浩 馬 燕 川井田 政弘
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.38-42, 1992
被引用文献数
1

Neurinoma of the vocal fold is not common. A 43-year-old female with neurinoma of the left vocal fold was treated by microlaryngeal surgery. Clinical observation using laryngostrobovideography and CT revealed a smooth mass localized in the left vocal fold. The tumor was successfully removed under general anesthesia by microlaryngeal surgery. We applied the fibrin-glue (Tisseel®) on the surgical wound of the vocal fold to avoid post-operative scar. Postoperative wound healing of the vocal fold was excellent in this case. Her phonatory function was satisfactory and no tumor recurrence have been noted after surgery. In this case, the fibrin glue might have good effect on the wound healing of the vocal fold.
著者
川崎 順久 福田 宏之 酒向 司 塩谷 彰浩 辻 ドミンゴス 浩司 高山 悦代 蓼原 東紅
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.381-387, 1990

小児声帯結節の治療方針について, 全国の耳鼻咽喉科医62名を対象にアンケート調査を行った.その結果, (1) 60名中55名が小児声帯結節は男児に多いと回答した. (2) 治療方針は保存的治療, 経過観察, 希望があれば手術を行う, の順に多かった. (3) 積極的に手術を施行しない理由として, 再発しやすいから, 自然治癒しやすいから, との回答が多かった. (4) 手術を行う場合, 96.9%が入院のうえ, 93.8%が挿管全身麻酔によるラリンゴマイクロサージェリーを施行すると回答した. (5) 以上の結果から, 小児声帯結節の治療方針として, まずは保存的治療あるいは経過観察を行うという意見が大半を占めたが, 音声外科を専門としない耳鼻咽喉科医の間では本疾患の自然治癒に関する認識は不十分であった.
著者
辻井 重男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FACE, 情報通信倫理
巻号頁・発行日
vol.95, no.569, pp.17-27, 1996-03-09

1995年12月に開催されたOECD暗号政策会議等で得た知見に基づいて、暗号供託システム、鍵管理システム及び電子現金について、プライバシーの観点も含め、国際的な視野の下に記述している。
著者
辻 竜平
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.3, pp.29-44, 2016-03-15

「集団的自衛権」を容認したのは,どのような人だろうか.これについて,ナショナリズムと寛容・信頼の側面から検討した.そのために,2014年12月のいわゆる「アベノミクス解散」以前の2014年9月に松本市で収集された調査票調査のデータに対して,潜在変数を用いたパスモデルで共分散構造分析を行った.その結果,全体効果として,自民党支持者,愛国主義者,排外主義者,男性が「集団的自衛権」を容認し,共産党支持者が容認しないことがわかった.異なる価値観を持つ人を許容しない人も「集団的自衛権」を容認するという直接効果が認められたが,全体効果はなかった.
著者
辻井 弘忠
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.1, pp.95-99, 2003-03 (Released:2011-03-05)

鹿追町のエゾシカ牧場の概要について記述した。主な点は、野生鹿のエゾシカを飼育繁殖し、全国の鹿牧場のモデルとなるシカの健康管理および血液検査など実地している。雄シカの幼角(鹿茸)を毎年採取して健康酒の原料提供を行っている。また、鹿肉処理場を設置し冬場の農作業の余剰労力を使って、有害駆除で捕獲されるエゾシカの肉を解体し、部位別の肉の処理ならびにソーセージなどの肉加工を行い、全国向けに販売を行っているなどであった。
著者
系 正義 辻道 信吾 小菅 義夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-08-13
被引用文献数
1

追尾フイルタは, 距離, 仰角, 方位角からなる目標位置のレーダ観測値をもとに, 位置, 速度などの目標運動諸元を推定する. 単一レーダを使用して追尾を行う場合, レーダ観測値は時系列データとして得られるため, カルマンフィルタを用いた追尾フィルタの実現が可能である. 一方, 広域に散在する複数のレーダを使用する場合, 各レーダから追尾処理装置への観測値の転送時間は必ずしも同一でないため, 追尾処理装置で処理すべき観測値は図1に示すように非時系列なデータとなる場合がある. この場合カルマンフィルタの適用は困難となる. 本稿では, カルマンフィルタの理論を拡張して, 非時系列なレーダ観測値を処理する追尾フィルタアルゴリズムを導出したので, これを報告する.
著者
尾辻 義人 前田 忠 中島 哲 入江 康文 村山 忠裕 今村 一英 福岡 義雄
出版者
Japanese Society of Tropical Medicine
雑誌
Japanese Journal of Tropical Medicine and Hygiene (ISSN:03042146)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.59-65, 1974

フィラリア症は, フィラリア性熱発作, リンパ管炎, 乳び尿, 陰嚢水腫, 象皮病等の多彩な症状を呈する疾患である。鹿児島県はバンクロフト糸状虫症の濃厚な流行地であり, 特に奄美大島地区は高度な浸淫がみられ, 1962年のフィラリア検診の結果でもMf陽性率は11.8%で, かつては多くの典型的な象皮病患者がかなりみられた。然しながら最近では典型的な象皮病をみる機会は減少しつつあり, 著者が行った鹿児島坊津町清原地区における, 1954年から1965年にいたる11年間のフィラリア有症者の追跡調査の結果をみると, 陰嚢水腫3例, 乳び尿7例の新発生をみているが, 象皮病の新発生は1例もなかった。すなわち乳び尿等は新発生があるが象皮病患者は半減していた。最近我々は, 巨大な陰茎, 陰嚢象皮病患者を経験したので報告する。症例は鹿児島県大島郡徳之島在住の44才の男性である。生来の白痴でIQは測定不能であった。生後13才迄は蚊の多い山間の家に住んでいた。14才の頃から月に1-2回熱発作があり, 30才位迄続いた。17才頃から陰茎が異常に大きくなりだして34才の時には膝位の長さになった。34才の時保健所の検診でミクロフィラリア陽性といわれ治療を受けた事がある。当科初診時, 陰茎長は恥骨上縁から58cm, 陰嚢周は76.8cm, 冠状溝周43.5cm, 亀願周50.5cmであった。陰嚢, 陰茎を合わせた重量は18.5kg (患者体重52.6kg) もあった。外尿道口は判然としなかったが, 亀頭先端に不規則にみられる溝から尿が滲みだしていた。各種の検査を行ったがEPT皮内反応が陽性であり%赤沈値中等度促進, 軽度の貧血, 尿蛋白 (+), CRP (+) の他には特に異常所見はみられなかった。
著者
下瀬 純子 角田 幸雄 辻井 康子 江川 宏
出版者
島根県立大学短期大学部
雑誌
島根女子短期大学紀要 (ISSN:02889226)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.11-15, 1984-03-31

毛繊維に付着した食品汚れがイガの食害行動に及ぼす影響について,牛乳,日本酒,ワイン,オレンジジュース,しょう油およびソースの汚染物質付着布を用いて検討した結果,供試した汚染物質間ではイガ幼虫の食害行動に明確な選択性のあることが認められ,特にしょう油およびソースの汚れ付着に顕著な食害の低下が認められた。また,生息密度が食害量に大きな影響を与えることが明らかにされた。
著者
首藤 晃一 入江 一成 熊谷 智浩 西尾 弦一 辻 久雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.97, no.427, pp.9-14, 1997-12-11
参考文献数
4
被引用文献数
14

ホームユーザ、中小ビジネスユーザに対しオフィスと同様なLAN環境を提供する地域情報ネットワークシステムにおけるグループ管理サーバ(GMS)とローエンドカード(LEC)の開発について述べる。地域情報ネットワークシステムは、今後の普及が見込まれるパソコン通信サービスのためのアクセス系通信基盤としての役割を担い、地域社会に新たなコンピュータ通信の利便性を生み出すことを目的としている。本稿ではセンタ側に設置され情報の一括管理とネットワーク監視を行うGMSと、ユーザ宅に置かれインタフェースの変換と接続パソコン端末の自動検出を行うLECについて基本設計と評価結果を報告する。さらに、実用化に向けシステムの保守・運用性向上のため必要なGMSにおけるパケットフィルタリングテーブルのダイナミック更新について述べる。
著者
赤羽 恵一 飯本 武志 伊知地 猛 岩井 敏 大口 裕之 大野 和子 川浦 稚代 立崎 英夫 辻村 憲雄 浜田 信行 藤通 有希 堀田 豊 山崎 直 横山 須美
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.145-152, 2014 (Released:2015-07-18)
参考文献数
52
被引用文献数
4 7

In April 2011, the International Commission on Radiological Protection (ICRP) issued the statement on tissue reactions. This stimulated interest in many countries. The Expert Committee on Radiation Protection of the Lens of the Eye was established in the Japanese Health Physics Society, and in April 2013, started discussion about the international developments and recent studies related to the dosimetry of the lens of the eye. This committee now publishes the interim report consisting of parts I-VI. Of these, this Part I overviews the structure of the eye and lens, cataract types and the scientific evidence of its new dose threshold and equivalent dose limit newly recommended by the ICRP.
著者
赤羽 恵一 飯本 武志 伊知地 猛 岩井 敏 大口 裕之 大野 和子 川浦 稚代 立崎 英夫 辻村 憲雄 浜田 信行 藤通 有希 堀田 豊 山崎 直 横山 須美
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.171-179, 2014 (Released:2015-12-18)
参考文献数
21
被引用文献数
3

Many studies have been internationally reported as part of projects regarding the radiation exposure for the lens of the eye of medical staff members under various conditions, methods of dosimetry and development of dosimeters for the lens of the eye. Recently conducted studies include the Retrospective Evaluation of Lens Injuries and Dose (RELID) of the International Atomic Energy Agency, Occupational Cataracts and Lens Opacities in interventional Cardiology (O’CLOC) study in France, Optimization of Radiation Protection of Medical Staff (ORAMED) project in European countries, and a 20-year prospective cohort study among US radiologic technologists. Given the newly implemented dose limit for the lens of the eye by the International Commission on Radiological Protection (ICRP), we summarized these studies as the necessary information for reconsideration of the Japanese dose limit for the lens of the eye. In addition, this article also covers the exposures for the lens of the eye of clean-up workers in the Chernobyl accident as shown in ICRP Publication 118 and the results of a hearing survey with specialists of the Academy of Medical Science of Ukraine.