著者
黒﨑 紘史 白畑 紘夢 川原 潤也 近藤 健 李 範爽 小田垣 雅人
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.142, no.5, pp.530-535, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)
参考文献数
13
被引用文献数
3

Patient transfer during nursing care imposes a heavy burden on long-term caregivers, frequently causing back pain. It is therefore necessary to improve nursing skills in order to reduce the burden on caregivers so as to prevent accidents. In this study, we fabricated capacitive body-pressure and proximity sensors that use conductive texture for detection, in order to evaluate nursing care movements. To investigate the response of the sensor, an experiment was conducted in which a stainless block was brought close to and then placed in contact with a simulated living body. The results show that the sensor can detect the distance to a living body, in addition to the applied pressure. Based on these response characteristics, a sitting experiment was conducted in which 10-channel body-pressure and proximity sensors were installed. The results indicated that the proposed sensor can be used to analyze the seating position of patients in a wheelchair based on the pressure on the seat surface.
著者
谷村 嘉彦 平山 英夫 近藤 健次郎 永田 寛 岩永 宏平 鈴木 征四郎
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.129-132, 2016 (Released:2016-08-15)
参考文献数
6

Photon energy spectra were measured above the operating floor of unit 3 reactor at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station by using a CdZnTe semiconductor spectrometer. The spectrometer was installed in a lead collimator to measure the photons from the area directly below the detector. The collimator and spectrometer were lifted up by a huge crane and set above the operating floor. The photon spectra were derived by unfolding the pulse height spectra measured using the spectrometer. The response function of the spectrometer was calculated with the MCNP-4C code and was used as an input parameter of the unfolding code MAXED. It was found from the photon energy spectra that low-energy photons with energy below 0.4 MeV were dominant above the operating floor. These spectra are fundamental data for evaluating the dose reduction effect by setting up shields on the operating floor.
著者
菊田 周 近藤 健二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

新生嗅細胞の分化・成熟過程に、嗅覚入力がどのような影響を及ぼすのかを検討した。嗅上皮障害後の再生過程を観察すると、障害後14日以降で、鼻閉側の嗅上皮が薄く、嗅細胞数や成熟嗅細胞数も開放側と比較して減少していた。さらに新生細胞の成熟は、嗅覚入力期間ではなく、障害後7-14日の嗅覚入力に依存することを明らかにした。閉塞後再開放側の嗅球背側領域の匂い刺激に対する神経活動は、開放側と比較して低下しており、嗅覚入力遮断による嗅上皮障害後の組織学的な不完全再生は、嗅覚機能面にも影響を及ぼすことが明らかした。
著者
金田 孝之 近藤 健雄 桜井 慎一 宇於崎 泰寛
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_133-I_138, 2014 (Released:2014-10-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

市街地と隣接し,港湾と都市の空間・機能の再生を目的とし,面整備を伴う港湾再開発においては,商業・業務機能集積が重要な課題であり,そのためには,民間開発者の事業参入が不可欠である.本研究における事例分析により,民間開発者の参入のためには,「基盤整備,土地利用転換及び一団の街区開発による街の形成」に関わる不確定性が公的主体によって大きく低減されることが不可欠であることが明らかになった.また,公的主体のこの不可欠な役割は,「開発者の負担と責任で行われる宅地開発や工場跡地開発の場合」より大きいものであるが,行政機関や利害関係者などが参加し策定された港湾再開発の基本構想や基本計画で重要な役割としてオーソライズされていることが,明らかになった.
著者
近藤 健 徳永 義昌 齊藤 正男 中川 達雄
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.729-733, 2012-11-15 (Released:2012-12-13)
参考文献数
13
被引用文献数
2 5

CTの進歩により小さな肺結節が多数発見されるようになった.それらの病変を術中に同定することは困難な場合があり,しばしばニードルマーカーが使用される.しかし,この手技に伴う空気塞栓の合併が稀に報告されている.当院ではこれまで139例のCTガイド下針マーキングを施行し,2例の空気塞栓を経験したので,考察を加えて報告する.1例目は71歳女性,網状影に加えて両肺多発粒状影を指摘された.結節の一つに対してマーキングを施行したところ,直後に意識消失を来たした.CTにて脳空気塞栓症と診断した.2例目は72歳男性,右下葉肺腫瘤と,右中葉に小結節を指摘された.この小結節にマーキングを施行したところ,直後に胸痛が出現した.CTにて冠動脈空気塞栓症と診断した.2例とも安静等により空気栓が減少し,症状も改善した.空気塞栓症は重篤な経過をたどる可能性もあり,マーキングの適応については熟慮を要する.
著者
佐藤 豊展 近藤 健男 柴本 勇 出江 紳一
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.3-10, 2021-04-30 (Released:2021-08-31)
参考文献数
28

【はじめに】舌挙上は舌骨上筋群の筋力を強化する訓練として適用されることが報告されている.筋力を強化する際,運動負荷量を適切に設定する必要があるが,舌骨上筋群の筋力を強化するための舌圧の強度は明らかになってはいない.そこで本研究は,健常若年者と健常高齢者を対象に,1)舌圧と舌骨上筋群の筋活動の関連性,2)舌骨上筋群を筋力強化するための舌圧強度について明らかにすることを目的に行った.【方法】対象は健常若年者15 名(27.1±2.6 歳,平均±標準偏差;以下同様),健常高齢者12 名(76.0±3.0 歳)とした.測定課題は頭部挙上と舌挙上の全6 課題とした.舌挙上は最大舌圧,舌圧80%,舌圧60%,舌圧40%,舌圧20%の5 課題を行った.測定装置は舌圧測定器と表面筋電図を使用した.被験筋は舌骨上筋群とした.統計解析は舌圧と舌骨上筋群の筋活動の関連についてピアソンの積率相関係数を行った.また,舌骨上筋群を筋力強化するための舌圧強度について,線形単回帰分析を行った.【結果】健常若年群と健常高齢群ともに,舌圧と舌骨上筋群の筋活動に強い正の相関を認めた.健常若年者では65%,健常高齢者では50% の強度で舌圧発揮を行うと,頭部挙上時の舌骨上筋群の筋活動と同程度の筋活動が得られた.【考察】健常高齢者において,50% の強度で舌圧発揮を行うと,舌骨上筋群の筋力を強化できる可能性が示唆された.今後,持続時間や頻度などの運動負荷量,舌前方部や舌後方部などの位置について検討が必要と考えられる.
著者
黒﨑 紘史 白畑 紘夢 川原 潤也 近藤 康人 近藤 健 李 範爽 小田垣 雅人
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.143, no.5, pp.532-538, 2023-05-01 (Released:2023-05-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

In this study, we developed a capacitive seating analysis sensor using a conductive textile for evaluating a Seating Motion. Physical burden on caregivers is a common problem at nursing care sites. Developing long-term caregiving skills can help reduce the physical burden on amateur caregivers. Several quantitative evaluation studies have focused on the skills of caregivers. However, such evaluation is highly expensive and require huge area because it involves the use of motion capture systems with several 3D cameras for dynamic motion analysis. In our previous study, we developed a conductive textile sensor for measuring the seating position of a care recipient in a wheelchair. The sensor could measure either seating body pressure or distance between the buttocks and the seat. The system can measure the care recipient's motion without requiring any motion capture system. We recommend using the sensor to evaluate the skills of caregivers; the sensor output can be used to determine the seating speed of the care recipient on the chair. Herein, we report the validity of the measurement system comprising a conductive textile-based capacitive seating analysis sensor for evaluating seating in nursing care.
著者
山路弘樹 中村輝子 横山潤 近藤健児 諸田隆 竹田秀一 佐々木博 牧雅之
出版者
植物研究雑誌編集委員会
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.57-78, 2007-04-20 (Released:2022-10-20)

日本産カンアオイ属ウスバサイシン節植物の形態変異を明らかにするために,国内の全分布域・既知の分類群,地域集団を含む55集団について野外調査を行った.同節に関する過去の研究はいずれも量的形質の評価が不十分であるため,本研究では今まで用いられてきた形質,新たに採用した形質の評価に加え,花の量的形質に基づく多変量解析を行った.その結果,形態より区別できる8型が認識された.日本の同節はまず萼筒内壁のカラーパターンで2型に分けられ, D 型は全面暗紫色なのに対し, L 型は基底部は暗紫色,中央部は黄緑色ないし淡紫色,萼筒開口部は暗紫色ないし白色だった. D 型はさらに萼筒内壁,萼裂片内面の毛の細胞数,雄蕊・雌蕊の数で D1-D4 の4型に分けられ, L 型は萼筒の形態,萼筒開口部の大きさ,萼裂片の形態,サイズで L1-L4 の4型に分けられた.この8型はほぼ異所的に分布し,それぞれ独立の分類群に値するまとまった地域集団と推定された.
著者
常深 志子 近藤 健 藤原 香子 中野 美佐
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.250-256, 2023-04-15 (Released:2023-04-15)
参考文献数
20

急性期病院での認知症ケアチームにおける作業療法実践を検討した.認知機能低下を伴う運動器疾患術後の高齢者16名を調査した結果,認知機能改善はMini Mental State Examination-Japaneseではなく,Functional Independence Measure(以下,FIM)cognitiveに認められた.また,FIM motorに改善を認め,行動・心理症状,せん妄,向精神薬内服,テープ付き紙おむつの使用数,身体拘束使用数は減少した.作業療法士の認知症ケアチームへの関わりは,急性期医療における高齢者ケアに役立つことが示唆された.
著者
近藤 健
出版者
三輪書店
巻号頁・発行日
pp.1348-1349, 2014-12-15

はじめに 半側空間無視を呈する対象者は,食事時に無視側の食器を見落とすことがある.対応として,無視側への注意を促す声かけ,注意を向ける対象を絞り,無視する範囲を減らすために一つの皿に食物をまとめること,食器の位置を変えること等が考えられる.しかし,これらの方法は,自発的な無視側の探索を促すには不十分と考える. 今回,食事自立,自発的な無視側の探索を目的に,市販のターンテーブルを応用し,回転盆を作製し自助具として使用した.また,症例を通して治療効果を考察した.
著者
島田 直樹 近藤 健文
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.117-132, 2004

<b>目的</b>&emsp;医師・歯科医師・薬剤師調査(三師調査)には届出漏れが存在することが知られているが,その実態は明らかではない。そこで本研究では,三師調査の個票データを使用して,医師,歯科医師および薬剤師の届出率を推計した。<br/><b>方法</b>&emsp;届出率を推計する場合,厚生労働省への登録年ごとに(ある調査年に三師調査へ届出を行った者の数)/(その登録年における医籍,歯科医籍または薬剤師名簿への登録者数)を計算して届出率とする方法が考えられるが,この方法では生存率が補正されない。そこで本研究では,1955年以降の登録者を対象として,1982年から2000年までの三師調査について生存率を補正しない届出率を推計するとともに,2000年の三師調査について,登録時平均年齢と過去の国勢調査結果を用いて登録年ごとの生存率を推定して,その生存率で補正した届出率を推計し,生存率を補正しない届出率との比較検討を行った。<br/><b>成績</b>&emsp;2000年の三師調査において,生存率を補正しない届出率は医師87.08%,歯科医師84.98%,薬剤師71.58%であり,薬剤師の届出率は医師,歯科医師に比較して低かった。また,生存率を補正した届出率は医師90.30%,歯科医師87.15%,薬剤師72.98%であり,いずれも生存率を補正しない届出率より高くなったが,薬剤師は医師,歯科医師に比較して変化が少なかった。登録年ごとにみた生存率を補正しない届出率と補正した届出率の比較では,登録年が古くなるにつれて両者の違いが大きくなる傾向があったが,薬剤師は医師,歯科医師に比較して違いが小さかった。生存率を補正した届出率において2000年から登録年をさかのぼる際の推移をみると,医師,歯科医師では,一時的な低下以外は1965年前後まで90%以上の届出率を維持していたが,薬剤師では登録年をさかのぼるにつれて届出率が低下する傾向にあった。<br/>&emsp;このような医師,歯科医師と薬剤師との違いの理由として,薬剤師では医師,歯科医師に比較して,1) 女性が多い,2) 生存率が高い,3) 登録時平均年齢が若い,ことが考えられたが,それ以外に,医師,歯科医師と薬剤師の間で卒業後の就業状況ならびに三師調査に対する認識が異なっている可能性も考えられた。<br/><b>結論</b>&emsp;本研究により,医師,歯科医師および薬剤師の届出率の特徴が把握された。
著者
近藤 健介 西出 俊 康 シン 任 福継
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.519-520, 2019-02-28

本研究の目的は,神経力学モデルを用いて人の動作時の身体特徴量系列を学習し,各動作のクラスタリングを行うことである.本手法では,Kinectを用いて人の身体動作を骨格データの座標として取得し,取得した座標系列を神経力学モデルで学習し,各学習データのダイナミクス類似度に基づいて自己組織化される動作分類空間において各動作をクラスタリングする.実験データとして,バンザイ,ガッツポーズ,疲労,怒り,悲しみ,絶望,嫌悪,リラックスの8つの身体動作を取得した.評価実験の結果,Kinectで取得した人の身体情報から人物の行動を分類することができ,手法の有効性を確認した.
著者
佐藤 豊展 近藤 健男 柴本 勇 出江 紳一
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.12-19, 2018-04-30 (Released:2019-03-07)
参考文献数
28

【はじめに】頭部挙上訓練は,舌骨上筋群の筋力強化訓練として広く用いられているが,胸鎖乳突筋の筋活動が高く,早期に筋疲労を起こすことから施行することが困難な場合が多い.舌挙上は頭部挙上訓練に代わる喉頭挙上の訓練として有用であることが報告されているが,健常若年者を対象とした報告であり,健常高齢者を対象とした報告は筆者らが検索しうる限りみられない.そこで本研究では,舌挙上が喉頭挙上の改善を目指した訓練として用いることができるか,表面筋電図を用いて検討した.【方法】対象は健常若年者 15名(27.1±2.6歳),健常高齢者 12名(76.0±3.0歳)とした.測定課題は,最大舌圧での舌挙上,頭部挙上,メンデルソン手技とした.表面筋電図を使用し,舌骨上筋群,舌骨下筋群,胸鎖乳突筋の電位変化を記録した.【結果】舌骨上筋群の筋活動は,健常若年者,健常高齢者ともに舌挙上が頭部挙上,メンデルソン手技より有意に高かった(p< 0.01).舌骨下筋群,胸鎖乳突筋の筋活動は,舌挙上が頭部挙上より有意に低かった(p< 0.01).【考察】舌挙上は頭部挙上と比較して,胸鎖乳突筋や舌骨下筋群の筋活動が低く,舌骨上筋群をより効果的に活動させることができ,健常高齢者においても喉頭挙上の改善を目指した訓練として用いることができる可能性が示唆された.