4 0 0 0 OA 狂言記

著者
野村八良 校
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
vol.下, 1926
著者
野村 浩司 大原 美保 目黒 公郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.709-712, 2009 (Released:2009-08-05)
参考文献数
13

現在, 首都直下型地震などの巨大地震の発生が危惧されており, 特に都市部で発生する地震が日本経済へ及ぼす影響は大きい.本研究では, 兵庫県南部地震を対象として, 地震前後での土地価格の変動率関数を作成し, 地震が土地価格に及ぼす影響を分析した.地震直後の1996年は建物被害程度が大きいほど土地価格が下落したが, 2年目の1997年には全壊・全焼率が高い地域では土地価格の下落が止まる一方で, 半壊率が高い地域では下落し続けた.3年目以降は, 全壊・全焼率の高い地域から土地価格が回復し始めたが, 半壊率の高い地域では土地価格の回復に遅れが見られ, これは地域の復旧・復興の遅れによるものと考えられた.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
玉田 泰嗣 古屋 純一 鈴木 啓之 小野寺 彰平 山本 尚德 佐藤 友秀 野村 太郎 近藤 尚知
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.503-509, 2020-03-31 (Released:2020-04-17)
参考文献数
18

摂食嚥下リハビリテーションは,慢性期のみならず急性期病院入院中の早期から行うことも重要である。歯科においても,特に有床義歯に対する歯科補綴学的対応は歯科医師に限定されているため,他職種からの期待も大きい。しかし,摂食嚥下障害を有する急性期病院入院患者における有床義歯の使用状況については,十分には明確になっていない。そこで本研究では,摂食嚥下障害と診断され歯科に依頼のあった急性期病院入院患者627名(平均年齢71.0歳)を対象として,有床義歯の使用状況について調査を行った。患者の多くは脳血管障害や頭頸部癌を有する高齢者で,多数歯欠損であるEichner分類B3~C3の割合が全体の約60%を占めていた。有床義歯に対する歯科補綴処置の必要性は医科の認識よりも実際には高く,全身と口腔の状態から歯科医師が,有床義歯装着が必要と判断した患者は全体の約70%だった。しかし,実際に義歯を使用している患者は全体の約25%であった。また,摂食嚥下障害臨床的重症度分類(Dysphagia Severity Scale:DSS)が低い患者ほど義歯を装着していないことが多いが,誤嚥を認めないDSS 5,6の患者においても,義歯が必要だが使用していない患者を約35%認めた。以上より,摂食嚥下障害を有する急性期病院入院患者においては,有床義歯に対する歯科補綴学的対応が重要であることが示唆された。
著者
野村 紀匡 林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.67-72, 2019 (Released:2019-06-14)

本研究では,欧州発のPlan S(プランS)が日本の学術情報流通に及ぼす潜在的な影響について,論文分析を用いた分析結果をもとに考察を行った。まず欧州と日本が共著する論文のうちのプランS対象論文割合とそのオープンアクセス率を算出し,プランSと日本の関係を概観した。また研究分野別・論文著者所属機関別の分析を実施することにより,分野や機関によりプランSの影響度が異なるかを検討した。その結果,プランSの日本への影響は,米国や中国が受ける影響に比べると限定的ではあるものの,相対的に影響が大きい研究分野・機関があることが判明した。特に東京大,京都大,理化学研究所には,プランS対象論文の責任著者が比較的多く所属しており,今後欧州の研究者と共同研究をする際には,cOAlition S参加機関からの助成有無の確認,成果論文発表先ジャーナルの選定等において,プランSを念頭に置いた注意が求められる。
著者
野村 伸一
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要 言語・文化・コミュニケーション (ISSN:09117229)
巻号頁・発行日
no.31, pp.25-66, 2003

朝鮮民族の伝えた仮面のあそびは夜陰を貫く鮮烈な一条の光芒のようなものであった。それは邑落の広場で多くは夜半,篝火のもとに俗語と歌謡を交えた台詞,強靱な身体を反映する跳舞とともにおこなわれた。 演じ手はクヮンデ(広大)とよばれた者たちである。かれらは文献では高麗時代に突然現れ,その出自は明らかでないが,鮎貝房之進がかつて推定したようにおそらくは北方からきた異邦人であろう。朝鮮朝においても仮面戯や雑戯,またパンソリなどの謡い物の担い手として活動した。かれらは朝鮮時代に賤民とされ,同じく賤民とされた巫覡と縁戚関係を結んだ者も多かった。 また朝鮮朝後期に成立したとおもわれる現存仮面戯の多くは在地の郷吏が陰に陽にかかわっていて,かれらの素養,趣向が反映されたために,台詞のなかに多数の漢文の詩句が挿入されることになった。それはちょうどパンソリという謡い芸の変容と対応する。 朝鮮の仮面戯の系統について,李杜鉉は,ムラの城隍祭におこなわれる仮面戯と「山台都監系統劇」とに大別している。前者としては河回,江陵および東海岸別神クッの仮面戯があげられている。また後者は黄海道や京畿道,慶尚南道の仮面戯のことで,それはいずれも朝鮮朝の儺礼を管掌する官庁「山台都監」の影響下にあるという前提のもとで名づけられている。しかし,李杜鉉自身がいうように,宮中の儺礼の際におこなわれた「山台雑劇」「山台儺戯」は必ずしも仮面のあそびではなく,今日民間に伝承されたものと同一ではない。しかも,京畿道と黄海道のものは類似した部分も多いが,慶尚道の仮面戯をそれらと同類のものとしていいのかどうかは,反論も提起されている。 ただ,わたしは,本論において系統論にはあまり深入りする考えはない。わたしがここで提起した問題は,朝鮮の仮面戯は儺と死霊供養の観点からみる時,「城隍祭」の仮面戯であれ,「山台都監」系統のものであれ,また慶尚南道のものであれ,すべて包括的に論じることができるということである。そもそも山台都監とは宮中の儺にかかわる官庁であり,そこに出入りしたクヮンデらの動向が儺礼の廃止以後,どのていど民間の仮面戯に影響を及ぼしたのかは推測するほかはないのだが,かれらの演戯の根柢は東アジアに広く存在する民間の儺であり,また孤魂供養の場にあった。このことはのちにいろいろな視点から述べることになる。 わたしは,以下では,まず朝鮮全国に広がる主要な仮面戯を概観し,現存する仮面戯の成立にとって主要な契機は何だったのか,また仮面戯の動因は何であったのかを検討し,次に,主として言語伝承の面について,また東アジアの枠内における比較対照の必要性について論じようとした。 論議はかなり広くなるが,仮面戯はそもそもなぜおこなわれたのかということが基本的な問いかけであり,その答えはまだ明確に出されていない。そこで,まずわたしの視点の大枠を提示しておきたい。 朝鮮のムラのまつりは毎年おこなわれるが,すべてのまつりに仮面のモノが訪れるわけではない。従って,ムラまつりが仮面戯を胚胎したというだけでは十分な説明にはならない。ムラの祭儀の場に来訪するモノは無数にあり,いちいち目にみえるかたちでは表現しないのがふつうである。しかし,天災,疫病,飢饉,暴政などムラの存亡にかかわるとき,そうしたモノは姿を現した。いや現れることが待望された。それは巫覡のクッのなかに織りこまれるばあいもあるし,また農楽隊のかたちで訪れ,迎えられることもあっただろう。また男寺党やその前身となる流浪の芸能者のかたちで訪れることもあっただろう。 かれらは,クッの場に集うモノなので,訪れてから,まずはムラのようすをながめる。ムラでは巫覡のクッもあっただろう。農楽隊による出迎えもあっただろう。そうしたところへやってきたモノたちは鬼神,神将などの姿をとる。そして通例,楽の音に誘われてやってきたことを告げる。またかれらは楽士によびとめられる。このとき,楽士らは村人を代表していて,このモノたちを受け入れる。 あそびの場に引き寄せられてきたモノたちは障害を持っていたり,かたちが歪んでいたりする。そうではあってもかれらなりの一生を語り,また演じてみせる。それは辱説(悪態),地口による笑い,あけすけな性の表現,家庭の不和などに満ちていて,身分ある人士の日常とは縁遠いが,東海岸のコリクッの登場人物がそうであったように,農村の日常,あるいは民俗世界の記憶としては真に迫るものがあった。猥談は農作業の合間に頻繁におこなわれ,哄笑にも似た笑いと些細なことが原因の派手な夫婦喧嘩こそは日常茶飯事だった。しかも,その世俗性はほかならぬクッのなかに構造的に埋め込まれていた。 これらの要素は,たとい郷吏のような地方官僚が「風紀上怪しからん」とあそびに介入したとしても消し去ることのできないものであった。なぜなら,かれら,モノたち(孤魂野鬼)の帰趨が邑落の存亡とかかわるという暗黙の前提があり,郷吏はこれを受容せざるをえなかったからである。郷吏は自分たちの主宰する年末の儺戯を仮面戯を中心に構成した。その際,付け加えられたものがあるとすれば,それは漢文もじりの台詞や強烈な両班諷刺のことばなどでしかないであろう。およそ祭儀にかかわる伝来の本質的な面は全面的に受容するほかはない。そのことではじめて地域共同体の儺の儀が全うされたのであるから。 こうして,根源的な問いかけが出されることになる。すなわち,一体,邑落の祭儀にとって原初の仮面戯はどのようなものとして受容されたのか。いいかえると,なぜ仮面戯が必要であったのか。この問いは少なくとも定説に対する根源的な問題提起になるだろう。すなわち,朝鮮には古来,ムラに自然発生した仮面戯と都市に住む専門的な芸人による仮面戯の二種類があったという解説は決して回答とはならないということである。 この根源的な問いかけにこたえるべく,以下には個々の仮面戯をみていくことにしたい。以下の構成は大きくふたつに分かれる。第一は,別神クッのなかの仮面戯である。慶尚北道の河回仮面戯と江原道江陵の官奴仮面戯がそれで,韓国では通例,村まつり系統の仮面戯とされている。第二は黄海道,京畿道および慶尚道の仮面戯で,近年の韓国の研究によると専門的な芸能者の参与したあとが濃厚なものである。 わたしの視点では,とくに両系統を分ける必要はないと考えるが,それについては,ここで論じるよりは全体をみた上で述べるのがよいと考える。従って,ふたつに大別したとはいえ,それはあくまでも便宜的なものである。
著者
野村 希代子 戸松 美紀子 杉山 寿美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的 </b>生活習慣病の増加により塩分量の減少が求められ,具体的な方法として薬味の利用等が挙げられている.我々は,これまでに,薬味(吸い口)として,レモン外皮を含む汁物の塩味の嗜好性について検討し,低濃度の汁が許容されることなどを明らかにしている<sup>1</sup><sup>)</sup>.本研究では,ねぎを含む汁物の塩味の嗜好性について,飯を組み合わせた条件で検討した. <br> <b>方法 </b>官能評価は,塩分濃度0.4-0.9%のねぎを含むみそ汁あるいはすまし汁(各6種類,提供温度60℃)を試料とし,0.4%から順に高濃度へ評価させた.さらに,みそ汁に白飯,すまし汁に桜飯(0.6%塩分)を組み合わせ,汁物として最も好ましい塩分濃度と,汁物として許容できる塩分濃度(複数回答)を選択させた.なお,飯と汁の食べる順序に汁の評価が影響されることから「飯の次に汁」の評価と「汁の次に飯」の評価を行った. <br> <b>結果 </b>みそ汁では,各塩分濃度のねぎを含む汁を許容できるとした者は,ねぎを含まない汁と比較して,高濃度の汁で多く,白飯と組み合わせた「汁の次に飯」の評価でも,同様の傾向であった.すまし汁では,各塩分濃度のねぎを含む汁を許容できるとした者は,ねぎを含まない汁と比較して,ねぎを含むことによる影響は小さかった.一方,桜飯と組み合わせた「汁の次に飯」の評価では,低濃度の汁で許容できる者が多かった.ねぎを含むみそ汁に白飯,ねぎを含むすまし汁に桜飯を組み合わせた「飯の次に汁」の評価では,ねぎを含むことによる影響は小さかった.このことから,吸い口の種類により,汁物の塩味の嗜好性への影響が異なることが示された.<br> &nbsp;1)角田他;日本調理科学会平成26年度大会研究発表要旨集p.32(2014)
著者
野村 康
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.75-89, 2016

This is a preliminary discussion on the development and characteristics of anti-whaling activism in Japan with reference to the activism in Norway. Although Japan and Norway are often considered among the greenest countries in the world, both are also known as major whaling nations without strong anti-whaling movements. While there are several important studies on Norway, little attention has been paid to the case of Japan. Drawing on the framing perspective of social movement theory, this article considers how local political conditions have constrained the growth of Japanese anti-whaling activism and shaped its repertoire of activities, which are significantly less radical compared to its international counterparts. The article concludes by showing an agenda for future research about the nature conservation and animal protection movements in Japan, as well as anti-whaling activism itself, by highlighting the importance of a political-cultural perspective in understanding them.
著者
岩本 秀明 野村 浩郷
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.37(1991-NL-083), pp.7-14, 1991-05-16

法律文の言語モデルを示し、それにより法律文が持つ言語情報と論理情報の両方を共に記述する表現枠組を述べる。さらに、それらを法律文の計算機処理に応用する。法律文には構文的、意味的に制限されて用いられる語や句が多く存在する。これらを考慮すれば法律文に関する制限言語を定義することが可能となる。法律は対象や事象の間の関連を明確に定義するものであるから、法律文の意味表現のベースとして論理表現を採用する。これらより、法律文の表現枠組は、言語情報と論理情報の両方を表現できるものでなければならない。ここで述べる素性論理構造表現はそれらの要求を満たすものである。この表現枠組は、法律の知識ベースを構築し、判例の推論を機械化することへの応用をも意図したものである。
著者
野村 一夫
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.506-523, 2008-03-31

私は1990年代から社会学のテキストとウェブの制作に携わってきた.その経験に基づいて,2つの問題について論じたい.第1に,社会学テキストにおいてディシプリンとしての社会学をどのように提示するべきか.第2に,社会学ウェブのどこまでが社会学教育なのか.そして,それぞれの問題点は何か.テキスト制作上のジレンマや英語圏で盛んなテキストサポートウェブなどを手がかりに考えると,意外に理念的問題が重要であることに気づく.社会学教育には2つの局面があり,それに対応して,2つの社会学教育的情報環境が存在する.社会学ディシプリン的知識空間と社会学的公共圏である.テキストとウェブという社会学教育メディアも,この2つの局面に対応させて展開しなければならないのではないか.そう考えると,現在の日本社会学において「社会学を伝えるメディア」の現実的課題も見えてくる.
著者
藤村 政樹 野村 将春 坂本 さゆり 上尾 友美恵 柴田 和彦 小川 晴彦 西 耕一 松田 保
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.105-112, 1990

若年健康女性にみられる深吸気の Vmax 増加効果と basal bronchomotor tone の関係にっいて, partial and maximum expiratory flow-volume curve を用いて検討した. 深吸気の Vmax 増加効果は, ipratropium bromide によるPEF<sub>25</sub>の増加率 (r=-0.81, p<0.0002) および salbutamol によるPEF<sub>25</sub>の増加率 (r=-0.62, p<0.01) と有意の相関を示した. 深吸気の Vmax 増加効果の日差変動は, PEF<sub>25</sub>の日差変動と有意 (r=0.68,p<0.005) に相関したが, MEF<sub>25</sub>の日差変動とは相関しなかった. 以上より, 若年健康女性における深吸気の Vmax 増加効果は, 迷走神経緊張による basal bronchomotor tone が亢進しているためにみられる現象と考えた.
著者
野村 律夫 高須 晃 入月 俊明 林 広樹 辻本 彰
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

最近,出雲の巨石が注目されている。島根大学のくにびきジオパーク・プロジェクトが主催した10月下旬の探訪会には,30名を超す参加者が出雲市坂浦町にある立石(たていわ)神社を訪れた。そこには今,社殿はないが,12mを超す巨石がご神体として鎮座している。アニミズムの象徴といえるこの巨石は,単なる石ではなく,古来より磐座(いわくら)や石神とよばれる神そのもとして人々のなかに息づいている。ここでは島根半島にみるジオサイトとしての巨石の成因と我々のジオパーク活動の方針について報告する。 東西約70kmにも及ぶ島根半島を西の日御碕から東の美保関までみると,山塊が分かれて少しずつ雁行状に日本海側へずれていることに気がつく。この構造は,今から2000~1500万年前に西南日本弧が大陸から分離し,日本海が形成された地殻変動と密接に関係している。半島地域の変動は,1100万年前まで続いているので,日本海が広がった頃を1700~1500万年前とすると,約400~600万年かかって島根半島の構造的な原形が造られたことになる。この時の地殻は,北西-南東方向の圧縮応力場にあり,著しい変形と変異を受けたため,島根半島は全国でも有名な宍道褶曲帯として知られる。大社の山塊の南麓には,落差が1000mの巨大な大社断層があり,北側の平田付近には弓のように窪んだ向斜構造が形成され,その構造は宍道湖へとつながっている。鹿島町の古浦海岸から美保関にかけて存在する宍道断層も大社断層と同じ性格をもち,半島の形成に参加した。島根半島には,これら二つの断層と平行した多数の断層が形成されているのが特徴で,巨石形成の最も大きな要因の一つになっている。立石神社の巨石も宍道断層の西方延長上につくられていることが,巨石の裏面や大小の割れ目に発達する擦痕からも理解できる。このようなことから島根半島に見られる多くの巨石は,島根半島の形成に伴ってできた地殻変動の結果である。 古代出雲の人々は,1300年も前に島根半島の形成に基づいた地形を反映させて,国引き神話を語っていた。風土記時代から詳細な地形分析がなされていたことは驚くべきことである。
著者
野村 亮
出版者
早稲田大学大学院 社会科学研究科
雑誌
社学研論集 (ISSN:13480790)
巻号頁・発行日
no.11, pp.160-174, 2008

論文