著者
金田 忠吉 海川 正人 Smgh M Rohinikumar 中村 千春 森 直樹
出版者
日本育種学会
雑誌
Breeding science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.159-166, 1996-06
被引用文献数
1

マニプール州はアッサム州の南東に位置し,アジア栽培稲の.多様性中心地の一角を占めている.ここで収集された在来稲鼎種は約270のMRC (Manlpur Rice Collection)として整理され,農業特性が調査されているが,その一部の譲渡を哩けて2,3の生埋的・形態的特性と葉緑体および全DNAの解析を行い,各品種ごとの遺伝的特性とその栽培地域との関係から牛.態種の分化の様相を明らかにした 供試材料はマニプール州の'在来品種.51と改良型10品種.で,対照としてJaponica5(日本品種3といわゆるJavanica2)品種及びIndica2品種を用いた(Tab1e1).まず内外穎のフェノール反応,2〜3葉期の苗の1.5%塩素酸カリ溶液に対する抵抗性,および穎毛の長さを用いた判別関数Z他による48在来品種0)分類では,32品種がIndica,5品種がJaponica,11品種が中間型となった.
著者
伊藤 まゆみ 金子 多喜子 大場 良子 藤塚 未奈子 Mayumi Ito Takiko Kaneko Ryoko Ohba Minako Fujizuka
雑誌
共立女子大学看護学雑誌 = Kyoritsu Journal of Nursing
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-10, 2016-03

近年、ストレスに起因してポジティブな変化が生じることが明らかにされている。このことは終末期ケアにおける看護師のバーンアウト予防に貢献すると考えられるが、これらの検討は不足している。本研究目的は、終末期ケアに携わる看護師のストレスに起因したポジティブな変化がバーンアウトに及ぼす影響を明らかにすることである。本研究では、終末期ケアにおいてストレスフルなケアを体験した看護師207名に、バーンアウト、意味づけ並びに外傷後成長の質問紙調査を実施した。バーンアウトの下位尺度である情緒的消耗感、脱人格化、個人的達成惑を目的変数に、その他の測定変数を説明変数とした重回帰分析を行った。その結果、個人的達成感には意味づけや外傷後成長が影響していた。これらの結果、看護師がストレスに起因してポジティブな変化が生じれば、個人的達成感の低下は改善する可能性が示唆された。
著者
金石 圭祐 松尾 直樹 余宮 きのみ
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.101-108, 2006 (Released:2006-03-31)
参考文献数
18
被引用文献数
1

オピオイド投与時において嘔気の出現はしばしば問題となる副作用のひとつである. 今回オピオイド持続投与の際の嘔気予防としてハロペリドール単独投与群と塩酸ヒドロキシジン, ハロペリドールの併用投与群各50名に関し, 嘔気の出現率等についてretrospectiveな調査を行った. 持続投与開始後の嘔気の出現率はハロペリドール単独投与群(34%)と塩酸ヒドロキシジン併用投与群(10%)間で有意差を認めた. 多変量解析の結果では嘔気の危険因子として, 治療開始前の嘔気, イレウス, 塩酸ヒドロキシジン併用の有無が抽出された. また両群間のモルヒネ投与症例のみを検討しても, 嘔気の出現率はハロペリドール単独投与群(32.5%)と塩酸ヒドロキシジン併用投与群(4.5%)間で有意差を認めた. オピオイド持続投与時の嘔気予防にハロペリドール・塩酸ヒドロキシジン併用が有効である可能性が示唆された.
著者
吉富 淳 佐藤 篤彦 須田 隆文 千田 金吾
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.1352-1355, 1997-12-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
13
被引用文献数
2

症例は86歳の女性で, 気管支拡張症感染増悪のため1996年6月10日に緊急入院し, 気管内挿管下に人工呼吸管理となった. 病室は3階の個室でほぼ毎日家族が付き添っていた. 口腔内洗浄も連日行われていたが, 6月19日に鼻腔, 口腔から体長約1cmのハエ幼虫 (ヒロズキンバエ) が20匹以上出現した. 虫体を除去するとともに, 内視鏡にて鼻咽腔から喉頭を観察したが, ハエ幼虫の温床となるような化膿性病変や壊死性病変は指摘できなかった. 経過から, 挿管後数日の間に親バエが鎮静剤の投与された患者の鼻腔または口腔に産卵したと考えられた. 清潔を旨とする病院においてもハエの侵入は認められ, ハエ幼虫症という事態が起こり得ることに留意する必要がある.
著者
金谷治編
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
1978
著者
五十嵐 暁郎 田島 夏与 松本 康 石坂 浩一 藤林 泰 イ ヒョンジョン ユン イルソン 金 相準 李 国慶 武 玉江
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

都市空間の再編が進む日中韓の北東アジア3国の大都市について実証的、理論的な分析を行った。3国の状況について現地調査や、研究者に対するヒアリングを行って状況を把握した。理論的には、グローバル都市、居住者意識、コミュニティ、住民運動、市民参画、創造都市など、社会科学的分析視角によるアプローチを行った。シンポジウムなどを重ねることによって、こうして獲得した理解を検討し、この主題に関する分析をまとめた。この主題について社会科学的なアプローチは少なかったが、今後の展開にとって先駆的な研究を示すことができたと思う。
著者
影山 隆之 小林 敏生 河島 美枝子 金丸 由希子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.103-114, 2004 (Released:2006-09-21)
参考文献数
62
被引用文献数
30 23

勤労者のコーピング特性(CP)は,職業性ストレス要因から健康問題が発展する過程に大きく影響する.しかしCPに関する既存の質問紙の多くは長すぎて,職域精神保健活動に活用しにくい.本研究で著者らは,わずか18項目から成る,勤労者のCP評価のための新しい自記式質問紙の開発過程と,その信頼性・妥当性・実用性について報告する.予備研究に基づき,コーピング戦略に関する18問6尺度から成るコーピング特性簡易尺度(BSCP)が提案された.これと職業性ストレス簡易評価尺度(BSJS)および抑うつ尺度(CES-D)から成る質問紙を某企業の従業員394名に適用し,328名(83%)から回答を得た.年齢の平均(SD)は40.1(10.0)歳,78%が男性,75%が既婚で,ほとんどがホワイトカラーであった.BSCPの因子分析から抽出された6因子は当初想定した6尺度や先行研究の結果とよく一致した.これらは“積極的問題解決”“解決のための相談”“発想の転換”“気分転換”“他者を巻き込んだ情動発散”“逃避と抑制”と命名された.Cronbachの信頼性係数は0.66~0.75で,十分高い内的一貫性が認められた.どの尺度も性・年齢との関連はなかった.多変量解析の結果,抑うつ度得点の分散の38%がBSJSの“量的負荷”“対人関係の困難”“達成感”およびBSCPの“問題解決”“逃避と抑制”によって説明された.交互作用分析の結果,CPが職業性ストレス要因と抑うつ症状の関係を修飾していることが示唆された;“対人関係の困難”得点が高くかつ“達成感”得点が低い群においてのみ“積極的問題解決”得点は抑うつ度得点と負相関しており,“対人関係の困難”得点が高い群においてのみ“逃避と抑制”得点は抑うつ度得点と正相関していた.以上の結果はBSCPの信頼性・妥当性を支持するとともに,職域精神保健領域における職業性ストレスの自己管理や健康教育の道具としてのBSCPの実用性を支持するものである.今後の研究では,BSCPの再現性や併存的妥当性を確認するとともに,他の集団においてCPが性・年齢・職種あるいは他の職業性ストレスアウトカムと関連しているかどうか確認することが,課題である.
著者
金杉 高雄
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.19-30, 2016 (Released:2017-05-10)

アドルフ・ヒトラー (Adolf Hitler)を総統とする国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)について1920年〜1924年にかけて節目となる出来事を中心に観察を試みた。1920年にヒトラーが開いた最初の大衆討議会(meeting rally)では参加者は僅か25人にしか過ぎなかった。ところが,ニュルンベルグにおける第6回ナチ党・全国大会での参加者は8万6000人にも達していたのである。本来,ドイツ国籍ではなかったオーストリア人のヒトラーがナチ党の総統となり,このような興隆期を成就させた要因の中には少なくとも以下の4項目について,ドイツ国民を巧みに扇動することに成功したことにあったと考えられる。(1) 第一次世界大戦の敗因は軍部の共産主義者・社会民主党支持者・ユダヤ人による (2) ヴェルサイユ条約でのドイツへの理不尽な戦争責任賠償 (3) ドイツ経済が不況に陥ったのは政府の政策が間違っていたからである (4) ユダヤ人がドイツ人の職を奪っている。画家志望の青年,ヒトラーが第一次世界大戦でのドイツの敗戦に憎悪したことがナチ党の結党へと結びついた。やがて,ナチ党は第二次世界大戦を勃発させ,全世界で6000万人にも及ぶ犠牲者を生み出すことになる。
著者
金谷 優莉香 仲谷 佳恵 室田 真男
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.213-216, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
8

語彙力向上のためには,文脈に応じて適切に表現出来る語彙の習得が必要である.本研究の目的は,文脈比較による類語の使い分け学習支援である.各単語が使われる文脈を類語間で比較することで,文脈に応じた適切な使い分けを習得させることを目的とした学習支援システムを開発した.本学習の特徴は,表による比較で類語が使われる文脈の特徴を体系的に学習し文脈の特徴から使い分けを習得させることにある.評価実験の結果,文脈比較を促さない学習と比較して本システムは,文脈に応じた類語の使い分け知識の習得に効果がみられ,より高い学習目標に到達したという達成感を学習者に与えたことが明らかになった.
著者
奥原 洋人 有馬 眞 中村 栄子 金子 慶之 中野 孝教
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.166-166, 2008

神奈川県北西部丹沢山地の渓流水の溶存成分について2001-2008年にわたり調査・分析を行い、各溶存成分の経年変化と地殻変動の関係について評価した。地殻変動の指標として地震回数を用いた。2001-2008年の間、渓流水のpHは約4年周期で有意に変動していることが認められた。岩石・土壌起源と考えられる溶存成分間の相関を評価した。渓流水質は基盤地質を良く反映し、深成岩地域において、HCO3⁻とMg²⁺、Ca²⁺の間に有意の相関が、丹沢層群地域ではSO₄2-とanion当量との間に正の相関が、足柄層群地域ではHCO3-とSO₄2-とCa²⁺及びMg2+濃度間に正の相関が見られた。さらに、深成岩地域の断層にそって鉱泉水が認められ、その近傍の渓流水には、SO₄²⁻とCa²⁺、Mg2+間で正の有意の相関が見られた。2001-2008年に丹沢山地の地震観測点で得られた震度1以上の有感地震回数と渓流水質の相関を評価した。地震回数とpHとの間に良い相関が認められた。渓流水質のpHは、震源の位置に関わらず、地震動の回数に大きく影響されていると考えられる。さらに、地震回数と各溶存成分濃度との間にも有意の相関が認められた。堆積岩地域において、地震回数と渓流水のHCO3⁻およびMg²⁺との間に同位相で正の相関が見られた。一方、深成岩や丹沢層群地域では地震発生から半年遅れて地震回数と渓流水の多くの陽イオン及びHCO3⁻との間に正の相関が見られた。更にSO₄2-濃度の高い鉱泉水地点ではSO₄2-との間に良い正の相関が見られた。 このような、渓流水質と地震活動の間に認められた相関は、鉱泉水から渓流水へのフローが地震活動により変動したか、あるいは、基盤岩に存在する割れ目の風化面が地震活動により更新され、岩石に含まれる各種イオンの溶脱が活発になったことを示唆している。
著者
金子 文夫
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.109, no.2, pp.275-301, 2016-07

特集 : 韓国経済発展の歴史的条件 : 1960年代日本との比較を中心に1965年の日韓条約締結以後, 韓国は日本, 米国等から資本を導入し, 輸出増進と重化学工業化により高度経済成長を遂げ, 発展途上国段階から中進国段階を経て, 2000年代には先進国段階に移行した。こうした段階変化のなかで日本は経済協力, 民間資本輸出, 貿易等を通じて韓国に大きな影響を与えてきたが, 韓国の対日依存度は徐々に低下し, 日韓関係は垂直的関係から水平的関係に移行していった。しかし, 一方通行の資本輸出, 貿易不均衡の継続等の点で, 日韓関係には依然として非対称的性格が残されている。After the conclusion of the Japan-Korea Basic Treaty in 1965, the Republic of Korea (ROK) achieved high economic growth through the introduction of foreign capital from Japan, the U.S., among others ; an increase in exports; and industrialization of their heavy equipment and chemical firms. ROK transitioned from being a developing country through the stage of a semi-industrialized country to becoming a developed country. Through ODA, capital exports, and trade, Japan had significant influence on this stage-wise transition of ROK. Subsequently, ROK's dependency on Japan gradually decreased. However, asymmetry in the relation between Japan and Korea still remains in terms of one-way capital exports, continuity of trade imbalance, and other economic inequities.