著者
石山 達也 戸谷 剛 永田 晴紀 稲場 康彦 井上 遼太 佐々木 俊也 寺川 健 桧物 恒太郎 李 尚駿 金井 竜一朗 脇田 督司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp._S192023-1-_S192023-5, 2012

Although many groups are developing Cansat, a can-sized mock satellite, they have few opportunities to test due to difficulties for students to launch Cansats domestically. To provide the chance to launch Cansats, the authors downsized CAMUI type hybrid rocket and created easy-to-use launch system. The new launcher, miniCAMUI, uses gas oxygen (GOX) as oxidizer and high density polyethylene as fuel. Using GOX instead of liquid oxygen contributes to downsizing and weight saving, reduction of turnaround time for launch due to the simplified procedure to fill the oxidizer. A GOX tank connects to a motor through a valve. An air-driven actuator operates the valve miniCAMUI was launched 6 times in June and July 2012. Three of them were serial successful launches with two rockets in a day, with a turnaround time about 45 minutes. Two of the three launches were with the same rocket in the day. With the wind velocity of 1 to 2 m/s, the apogee altitude was about 74 m, being very close to the predetermined altitude of 80 m. This result shows that miniCAMUI was successfully developed as a small launch system with high operability. miniCAMUI is available for launches to various altitudes below 250 m.
著者
繁田 浩功 間下 以大 金子 雄 菊田 順一 瀬尾 茂人 竹村 治雄 松田 秀雄 石井 優
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-33, no.3, pp.1-6, 2013-03-14

生体イメージング技術の向上により生体内の動態を画像として観察することが可能となり,疾病のメカニズム解明や創薬等への応用が期待されている.一方で統計的信頼性を得るために膨大な画像を解析する必要性が生じている.本研究では,生体骨組織内の血管透過性の制御機構を解明するため,二光子励起顕微鏡を用いて得られた生体画像に対して,血液が骨髄腔に染み出す血管透過性を評価する手法を提案する.提案手法では,対象となる時系列画像に対してグラフカットを用いて骨髄腔領域をセグメンテーションし,その染み出し量を定量的に評価する.評価実験の結果,専門家の手による抽出結果を用いた結果とほぼ同様の結果が得られた.このことから,本手法は染み出しの程度について統計的かつ定量的な評価の一つとして利用できると思われる.
著者
石原 俊信 吉岩 豊三 金﨑 彰三 宮崎 正志 津村 弘
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.287-290, 2015-03-25 (Released:2015-05-22)
参考文献数
8

外傷性環椎後頭骨脱臼は致死的外傷に伴うことが多く,生存例であっても重傷頭部外傷の合併により看過されることがある.今回救命し得た1症例を経験したので報告する.症例は75歳,男性.軽自動車を運転中に大型トレーラーとオフセット衝突して受傷した.自発呼吸はあるが,意識昏睡状態であり,四肢完全麻痺,外転神経麻痺を認めた.急性硬膜下血腫,頭蓋頚椎移行部レベルのくも膜下出血,両側動揺性胸郭,血気胸,骨盤骨折を合併していた.basion-dens intervalは15.8mmと拡大し,condyle-C1 intervalはいずれも正常2.0mmを超える値であり,外傷性環椎後頭骨脱臼と診断した.全身状態が落ち着いた受傷後5週に後頭頚椎固定術を施行した.術後,ベッドアップの制限なく,瞬目で,はい,いいえの意思疎通を行い,離握手も可能となった.
著者
小原 尚 小金井 一隆 辰巳 健志 二木 了 黒木 博介 山田 恭子 荒井 勝彦 杉田 昭 福島 恒男
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.245-252, 2018-03-01 (Released:2018-03-28)
参考文献数
32

30歳未満で難治性直腸肛門病変に対して直腸切断術を施行したクローン病17例の臨床経過と予後を検討した.適応となった病態はのべ症例数で,直腸肛門狭窄12例,難治性痔瘻9例,直腸瘻4例,直腸膣瘻2例,骨盤内膿瘍2例,直腸尿道瘻1例,直腸周囲膿瘍1例,aggressive ulceration 1例,痔瘻癌1例であった.これらの病変により,全例,日常生活や就労・就学に支障を来していた.術後は前述の症状は全例で改善し,術前から未就労であった2例は未就労のままであったが,15例(88%)が就労,就学が可能となった.術後合併症は14例(82%)に認め,のべ症例数で人工肛門関連合併症8例,正中創SSI 5例,会陰創治癒遅延3例,性機能障害(術直後)2例,癒着性イレウス2例であった.クローン病の難治性直腸肛門病変に対する直腸切断術は術後合併症があるものの,自覚症状の改善とQOLの向上に有効であり,若年者に対しても考慮すべき治療の選択肢と考えられた.
著者
西村 義一 魏 仁善 金 絖崙 渡利 一夫 今井 靖子 稲葉 次郎 松坂 尚典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.244-247, 1991-06-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
14
被引用文献数
4 5

Chitosan derived from chitin which is a cellulose-like biopolymer distributed widely in nature, especially in shellfish, insects, fungi and yeast, is known to be one of the natural chelating agents. The purpose of the present study is to investigate whether chitosan can be applied to the animal and human body in order to reduce the bioavailability of radiostrontium in foods.Chitosan solution was orally given and immediately after then 85SrCl2 was administered to rats using a stomach tube. The whole-body retention of 85Sr determined by in vivo counting was lower than that of control rats which were not given chitosan. The activity ratio in urine and f eces f or chitosan-treated rats was higher than control rats.Ten percent of alginate food was given to rats during 10 days and 85Sr was administered orally. The whole-body retention of 85Sr alginatetreated rats was decreased sharply compared with control rats.These results suggested that chitosan and alginate can be used as a drug to reduce bioavailability from gastrointestine of ingested radio strontium.
著者
金子 順一 堀尾 健一郎
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.831-832, 2009

本研究は工作機械の旋回軸加速度を陽に設定可能な知的工具姿勢計画法の実現を目的とする。本報では、M-Map上の各点における工具加工面間の相対姿勢の分布を可視化し、この情報をもとにM-Mapの透明度を設定してCAVE内部の視線透過に反映させる新しい旋回軸指令値候補の計画法について述べる。提案手法により良好な面性状をもたらす相対姿勢の維持と、干渉回避および旋回軸の急激な動作の回避が共に実現可能となった。
著者
久保 稔 金森 強 中山 晃
出版者
小学校英語教育学会
雑誌
小学校英語教育学会誌 (ISSN:13489275)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.4-18, 2012-03-20 (Released:2017-10-05)

本稿では,ICT (information and Communication Technology)を利用した特別支援学級における自立活動という枠組みでの英語活動の実践内容と,その際の留意点,及び平成23年度から必修化された「外国語活動」を特別支援学級で行う際の課題と可能性について報告する。平成22年度に,特別支援学級に在籍する児童(6名)を対象に,自立活動の枠組みで,情緒の安定を図るとともに,友だちとのかかわり方や集団での適応性を高めることめざし,「デジタル読み聞かせ」と「What's missing?」というICTを活用した2つの教材を作成し,英語活動の研究授業を行った。実践の成果として,スキャナで本を読み取りそれを大画面テレビに映し出して読み聞かせを行う「デジタル読み聞かせ」では,子どもたちの「本への興味関心を高める」とともに,「集中力の向上」を図ることができた。また,テレビ画面上に提示しているカードを1枚(または数枚)消し,消えたカードを答えさせるゲーム「What's missing?」では,参加児童は友だちと協力し合いながら勝敗を気にせず楽しく活動することができた。授業参観者からは,「集中力を持続させるのに効果的であった。」,「リハビリ的要素のある活動が含まれていた。」「教師の発音やイントネーションを真似するなど,英語に慣れ親しむ姿が見られた。」等のフィードバックを得られた。今後の特別支援学級における外国語活動では,ICTを利用することで,視覚優位である児童への理解支援や,児童の興味・関心をひきつけることができること,積極的な活動への参加が促せる等の利点があることが示唆された。
著者
岩川 眞由美 今村 史人 大川 治夫 金子 道夫 堀 哲夫 池袋 賢一 雨海 照祥 中村 博史 四本 克己 野田 秀平
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.1208-1212, 1998-12-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
24

body stalk anomalyの1例を4歳時に在宅医療へ移行したので報告する.症例は在胎24週より胎児超音波検査で臍帯ヘルニアが指摘されていた男児.在胎35週3日に帝王切開, 出生時体重2162g, Apgar score 4/6で出生した.巨大臍帯ヘルニア, 脊椎側彎症, 動脈管開存症, 心房中隔欠損症, 気管狭窄症, 気管軟化症を合併し, 出生直後より人工呼吸管理を要した.以後, 臍帯ヘルニア人工膜縫縮術, 2回にわたる腹壁閉鎖術, 胃食道逆流防止術, 胃瘻・腸瘻造設術, 同閉鎖術, 巨大鼠径ヘルニア根治術を施行し, 2歳6カ月頃より病状が安定したので試験期間後4歳時に在宅呼吸管理となった.現在, 6歳であり在宅呼吸管理を支援するネットワークに支えられ社会生活を送っている.
著者
青 雲 金森 平和 黒川 峰夫 宮村 耕一 伊藤 俊朗 衛藤 徹也 片山 義雄 前田 哲生 小寺 良尚 飯田 美奈子 鈴木 律朗 山下 卓也 福田 隆浩 大橋 一輝 小川 啓恭 鬼塚 真仁 近藤 忠一
出版者
一般社団法人 日本造血細胞移植学会
雑誌
日本造血細胞移植学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.6-14, 2012
被引用文献数
2

造血幹細胞(骨髄,末梢血)ドナーの実態を把握し,将来におけるドナーの安全性,満足度を更に向上させる目的で,日本造血細胞移植学会ドナー登録センターに2006年4月から2010年3月までの間に集積された血縁ドナー年次アンケート結果の一部であるドナーの意見(ドナーの声)を解析し,満足度および不満の内容を,骨髄ドナー,末梢血ドナー間で比較した。提供に際しての,満足度(不満度)は両提供法に差は無かったが,不満を表明したドナーにおいてその不満が身体的なものに起因する割合は,骨髄ドナーに多かった。身体的不満の内主要なものは各種疼痛,特に疼痛の遷延であり,採取手技,使用機器(採取針のサイズ等),採取に際しての説明等に対する採取チームの配慮により改善可能と思われた。
著者
青木 光 高金 弘 萬谷 嘉明 藤岡 知昭 久保 隆 大堀 勉
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.1503-1512, 1987-09-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
17

18歳~21歳 (平均19.8歳) の健康成人男子ボランティア5名により, 勃起時に露出型関電極酸素電極法による静脈洞内脱分極電流値変動と陰茎周径変化を同時記録し, 勃起各相における両者の関係を確認した後, 以下の2つのイヌ実験モデルを用いた検討をおこなった.第1番目のイヌ実験モデルでは, 静脈洞内に各種注入速度で血液を灌流し, この際に生じる脱分極電流値変動を露出型関電極 (八木式) で記録し, 脱分極電流値が, 静脈洞内へ流入する動脈血の流入速度に対応した変動を示すことを確認した. 次いで, 第2番目のイヌ実験モデルでは, 陰茎モデルを作製し, ヒト陰茎において確認された勃起各相の静脈洞内脱分極電流値変動と陰茎周径変化の関係を陰茎モデルにて再現した. これら, 再現時の陰茎モデル血液流出路および血液流入路の状態は, ヒト陰茎における勃起各相の血流動態に一致すると考えられ, 以下の結果が得られた.1) 弛緩状態にあるヒト陰茎海綿体静脈洞内には, 少量の血液が流入しているにすぎなかった.2) ヒト陰茎勃起 tumescence phase では, 陰茎海綿体静脈洞への流入血液量が急激増加した. またこの phase では, 流入血液量の増加にともない, 静脈洞からの流出血液量も増加した.3) ヒト陰茎勃起 erection phase では, 血液流出路の受動的閉塞による流入血液量への抵抗が静脈洞への流入血液量を徐々に減少させた. しかし流入血液量と流出血液量が等しくなった時点で安定し, この値は非勃起時よりも高値であった.4) ヒト陰茎勃起 detumescence phase は, 陰茎海綿体静脈洞への流入血液量の減少が生じるとともに, 血液流出路に生じた閉塞が解除され, 流出血液量が増加した.
著者
金子 慎
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1954, pp.31-33, 2018-08-20

1980年代、国鉄の若手エリートだった葛西は、井手正敬(後のJR西日本社長・会長)、松田昌士(後のJR東日本社長・会長)と「国鉄改革3人組」と呼ばれた。そして、巨額の赤字と借金に苦しむ国鉄を、分割民営化で再生させようと邁進した。 葛西は著書で、この解…

1 0 0 0 OA 白根郷の歩み

著者
金内 與一郎
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.581-583,a1, 1982-07-01 (Released:2011-08-11)

白根郷は新潟平野南部, 信濃川・中之口川に囲まれた輪中地帯で総面積559haに及ぶ。本文では, 約400年前からの開拓, 治水開発から, 明治時代の排水改良, 大正に入り大河津分水後の用排水改良, 昭和では戦後の農地改良, 戦後の地盤沈下対策事業などの農地改良の変遷を示した。とくに文末では昭和50年以降の用排水改良経過に及び, 昭和56年3月に白根郷が全国初の農林水産大臣賞の栄を得た経過を示した。
著者
金子 政彦 中村 誠寿
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.6, 2004

【はじめに】<BR> 当園では、1997年より地域療育等支援事業を行っており、施設機能を活用して在宅重症心身障害児(者)(以下在宅重症児者と略す)への療育、相談、指導を提供している。この中、作業療法士はリハビリテーションの実施のみならず、家屋改造や生活に即した各種福祉用具製作等に関わりを持っている。<BR>今回、当園の通園事業を利用していた進行性の疾患を持つ対象者について、経時的な状態低下から生活様式が変容し、これに必要な生活援助をその都度検討して作業療法アプローチを行ったので報告する。<BR>【症例紹介】<BR> 脊髄小脳変性症、精神発達遅滞、てんかんを基礎疾患にもつ19歳の女性。身長163cm、体重40kg。家族構成は父母と8歳上の姉(同疾患で、H医療センター入所中)。40週、体重3230gで出生し出生時異常なし。4歳時、痙攣発作、物につまづく、持っているものを落とすなどの症状により発症。5歳時、性格変化、社会的な不適応行動が見られるようになる。10歳時、S医大で検査入院の結果、脊髄小脳変性症の診断があり、身障手帳1級、療育手帳Aの交付を受ける。<BR>【作業療法評価】<BR> 頚座不安定で、自力での姿勢変換は困難。寝たきりであり、随意的な動きはほとんど無く、関節拘縮と非対称肢位での固定化が進んでいる。感情表出に乏しく、外部からの働きかけに対する反応がほとんどない。光に対して痙攣発作を起こす為、日中も遮光カーテンの中で過ごす。摂食機能も近年低下し、誤嚥性肺炎から胃ろうによる栄養管理となっている。日常生活活動はすべて全介助である。<BR>【経過及び作業療法アプローチ】<BR> 1995年(11歳):姉がH医療センター入院。通園が始まる。歩行困難となったため作業療法士による機能訓練を重点的に行う。また、当園の短期入所利用がある。<BR>1998年(14歳):つかまり立ちが困難となる。母の介護負担が増え、通園への出席が困難となる。地域支援事業に登録し、ボランティアによる外出時の付き添いが開始される。作業療法士による訓練は外来にて継続された。<BR>1999年(15歳):痙攣重積し、長期臥床が余儀なくされる。母の介護負担は一層増加し、来園困難となる。外来訓練が中止となるが機能訓練に対する家族の希望から、地域支援事業での訪問リハビリテーションが開始となる。<BR>2000年(16歳):養護高等学校訪問教育となる。家庭での良姿勢保持の為、室内用座位保持装置とトイレチェアを作製。母の介護負担、腰痛、膝痛が悪化し、介護の方法に関する相談がある。高さ可変式のギャッジベッドを導入する事で介護負担の軽減を図る。また、父が踵骨骨折し、父母で行っていた入浴介助が困難となる。浴室改造(居室から浴室までの段差解消と入浴リフト)とシャワーチェアの作製希望あり。地元の訪問看護にて入浴サービスが開始。年末に、浴室改造完了し、シャワーチェア納品。<BR>2001年(17歳)自力での姿勢変換困難となり、寝たきりの状態となる。摂食機能の低下が進み、誤嚥性肺炎を頻発、経鼻管栄養を経て、胃ろう造設術施行。自家用車が介護用のリフトカーになり、車に合わせる形で外出用(通院用)の座位保持装置を作製する。<BR>2002年(18歳):過労により、母が体調不良となる。短期入所サービスの利用がある。コーディネータと利用可能な社会資源の検討を行う。<BR>2003年(19歳):養護高等学校卒業。居住地であるN市の障害者支援センターから、訪問保育2回/月、訪問リハ2回/月、ホームヘルプ1回/週が開始となる。地元施設が支援事業を開始した為、高校卒業を機に、遠隔である当園のサービスを地元施設に移行する見直しを行い、訓練頻度を1回/月とする。<BR>【考察・まとめ】<BR> 今回、当症例に対して様々な作業療法を提供するに至ったが、進行性の疾患で機能低下が進む事、介護者が高齢化する事、取り巻く環境が整備されていない事など数多くの問題が相互に影響を及ぼし、在宅生活の遂行を妨げる要因となって表面化した。これに対して機能低下を緩徐にし、『出来るADL』維持に努めたが、目的達成には至らなかったように思われる。しかし、介護者の高齢化による負担増加や腰痛などの介護疾病に対して各福祉機器の導入や家屋改造あるいは訪問看護といった社会資源を活用することで在宅生活の維持につながったものと考える。この中、作業療法士は症例の身体機能に即した福祉用具の製作や浴室内リフターの導入に関わり、実際の介護をシミュレーションして介護負担の軽減に努めた。<BR> このように在宅重症児者とその家族が在宅生活を続けていく為には、施設の役割として各専門職において症例の生活全般の評価を共通認識し、長期的な予後予測をもとに、生活援助を行なう必要があると考える。また、施設機能として地域で可能となる他の社会資源に繋ぐ役割も特に重要と考える。