著者
稲垣 幸司 内藤 徹 石原 裕一 金子 高士 中山 洋平 山本 龍生 吉成 伸夫 森田 学 栗原 英見
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.201-219, 2018-12-28 (Released:2018-12-28)
参考文献数
50
被引用文献数
1

日本歯周病学会では2006年に定めた歯周病分類システムの中で,「喫煙は歯周病の最大の環境リスクファクターである」という認識に基づき,リスクファクターによる歯周炎の分類の1つとして喫煙関連歯周炎を提示した。喫煙が関連する歯周炎に対する歯周治療において,患者の喫煙状況の確認,喫煙者への喫煙の健康障害についての情報提供による禁煙支援は,歯周治療の反応や予後を良好に維持するため,重要である。本論文では,喫煙に関連する国情,喫煙者の動向,禁煙支援教育の現状,歯科における禁煙支援の効果に関するエビデンスおよび歯周治療における禁煙支援の手順を概説する。
著者
松下 記代美 山崎 文恵 前田 晃 荒金 兆典 川田 暁 手塚 正
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.201-205, 2003

有棘細胞癌は一旦化学療法や放射線療法に抵抗性を獲得すると治療に難渋する場合が多く,効果的な治療法の開発が求められている。この観点から言うと,少なくとも対癌免疫能の再活性化は治療抵抗性の癌に罹患している患者に残された最後の可能性の一つである。そこで我々は浸潤性有棘細胞癌に対しインターロイキン2(IL-2)の腫瘍内投与を行い良好な結果を得たのでここに報告する。患者75歳,女性。右下肢の再発性の多発性有棘細胞癌に対し10日間IL-2の局所投与を行った。IL-2の投与により腫瘍のサイズは著明に縮小し,免疫染色を行ったところ腫瘍周囲にCD1a陽性細胞の浸潤,CD8陽性T細胞優位の細胞浸潤を認め,<I>in situ</I> TUNEL染色上腫瘍細胞のアポトーシスを認めた。以上の結果より治療抵抗性の皮膚SCCに対しIL-2腫瘍内局注は有効であることが示唆された。
著者
松下 記代美 山崎 文恵 前田 晃 荒金 兆典 川田 暁 手塚 正
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.201-205, 2003

有棘細胞癌は一旦化学療法や放射線療法に抵抗性を獲得すると治療に難渋する場合が多く,効果的な治療法の開発が求められている。この観点から言うと,少なくとも対癌免疫能の再活性化は治療抵抗性の癌に罹患している患者に残された最後の可能性の一つである。そこで我々は浸潤性有棘細胞癌に対しインターロイキン2(IL-2)の腫瘍内投与を行い良好な結果を得たのでここに報告する。患者75歳,女性。右下肢の再発性の多発性有棘細胞癌に対し10日間IL-2の局所投与を行った。IL-2の投与により腫瘍のサイズは著明に縮小し,免疫染色を行ったところ腫瘍周囲にCD1a陽性細胞の浸潤,CD8陽性T細胞優位の細胞浸潤を認め,<I>in situ</I> TUNEL染色上腫瘍細胞のアポトーシスを認めた。以上の結果より治療抵抗性の皮膚SCCに対しIL-2腫瘍内局注は有効であることが示唆された。
著者
山本 淳 橋本 清澄 畑中 久勝 金田 吉男 大路 正雄 日笠 譲
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.T5-T9, 1979-02-05
被引用文献数
1

銅化カドミウムカラム還元法を用いて,水道水及び原水中の硝酸塩の日常分析を行うには,まず還元操作の迅速化が要求される.エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA,0.08%)及び塩酸(試薬特級の0.125mlを水でうすめて1lとしたもの)を含む溶液50mlで1日1回活性化すれば,繰り返し5回の試行で(96〜110)%の還元効率が得られた.この条件での硝酸態窒素(以後NO_3-Nと略記)の4及び20μgの添加回収率は(88〜105)%と良好であり,又定量精度のよいサリチル酸ナトリウム法に匹敵する精度を示した.この改良で,10本のカラムを用いると,1日50件の検査が可能となった.一方,カドミウム及び銅のみを含む実験排水の処理は,硫酸第一鉄七水和物30g/l1を用いて鉄共沈法でよい結果を得た.EDTA-重金属キレート含有排水処理には,硫化ナトリウム法及び過マンガン酸カリウム酸化-鉄共沈法を工夫して適用してみたところ,後者はより簡便であるうえ,カドミウム,銅,マンガン及び鉄の残存濃度が排水基準をはるかに下回る濃度にまで処理できた.
著者
鈴木 達也 内山 明 金子 政弘 山本 広美 舟場 正幸 入来 常徳 波多野 義一 阿部 又信
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.12-20, 2003-01-10 (Released:2012-09-24)
参考文献数
29

健康な成ネコにおいて食餌のCP含量および炭水化物(粗繊維とNFE)含量が,水分出納およびストルバイト尿石形成の難易に及ぼす影響について比較検討した。実験1(n=12)では乾物当たりのCP含量が29%,50%および71%のドライフードを不断給与し,CP含量の影響を評価した。その結果,CP含量の増加に伴って飲水量と尿量は増加し,尿pHは低下し,[Mg2+]×[NH4+]×[PO43-]つにより求められるストルバイト活性積の負の対数(pSAP)は増加した。一方,尿不溶性の塩酸不溶性画分はCP摂取量の増加とともに減少し,尿中ストルバイト結晶数は逆に減少した。実験2(n=9)ではCP摂取量が等しく炭水化物摂取量が異なる3区間で比較した。対照食は実験1のCP71%食と同じで,他の2種類はCP含量が乾物当たり52%の高デンプン食と高繊維食であった。各区のCP摂取量がほぼ等しくなるよう給与量を調整した結果,炭水化物摂取量は対照区より他の2区で2.5-3倍多かった。その結果,飲水量と尿量には区間で差が生じなかった。対照区と比較して高炭水化物区はpSAPが低下し,特に高デンプン区は尿pHが上昇した。加えて,尿不溶性の塩酸不溶性画分と尿中ストルバイト結晶数は高炭水化物区で増加または増加傾向を示した。以上により,蛋白質とは異なり食餌中の炭水化物は,健康な成ネコにおいてストルバイト尿石形成を促進する可能性が示唆された.
著者
金丸 芳 遠藤 千鶴 高橋 啓子 松下 純子 後藤 月江 武田 珠美 長尾 久美子 有内 尚子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

【目的】前大会で、徳島県における行事食・儀礼食の認知と経験、料理の喫食の状況を年齢区分別で比較した。そこで今回、県を地形の特徴で4区分した地域の現状を比較した。 <br>【方法】調査は留め置き法で行い、10年以上徳島県在住者240名を、徳島市105名・北部(平野部)49名・西部(山間部)47名・南部(沿岸部)39名に4区分し、行事の認知と経験、料理の喫食についてクロス集計(有意差:&chi;<sup>2</sup>検定)をした。 <br>【結果】<u>徳島市は</u>人日の経験度、お節の黒豆・昆布巻・きんとん・魚料理、人日の七草粥、上巳の潮汁の喫食度が高く、百日祝の経験度は低いが、行事全体でみると高い傾向にあり、豊かさが伺えた。<u>北部は</u>土用の丑、百日祝、結納の経験度、お節の田作り・煮しめ・蒲鉾、上巳の潮汁、結納の各種料理の喫食度が高いが、お節の魚料理の喫食度は低かった。他地域より結納、土用の丑の行事を重んじている傾向があった。<u>南部は</u>クリスマスの経験度が高かった。一方、経験度の低い行事は、秋祭り、冬至、土用の丑、結納であり、喫食度の低い料理はお節の黒豆・田作り・昆布巻・きんとん・煮しめ、節分の鰯料理、上巳の潮汁、冬至の南瓜煮物、お七夜の尾頭付魚、初誕生の餅、葬儀の精進料理、結納の各種料理であった。漁業が盛んな沿岸部にも関わらず、魚料理の喫食が低かった。<u>西部は</u>秋祭り、冬至の経験度、節分の鰯料理、冬至の南瓜煮物、お七夜の尾頭付魚、初誕生の餅、葬儀の精進料理の喫食度が高く、人日、クリスマスの経験度、お節の蒲鉾・肉料理、人日の七草粥の喫食度は低かった。他地域では経験度・喫食度の低い行事が西部では高い傾向にあった。以上、地域間に有意差があり、重視する行事に特徴が認められた。&nbsp;
著者
金田 修 坂田 未央 山梨 広一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1368, pp.100-103, 2006-11-27

牛丼販売の再開時に吉野家各店舗にできた人だかり。これを見れば、吉野家ディー・アンド・シーが米国におけるBSE(牛海綿状脳症)発生に伴う牛丼販売中止という逆境を力強く乗り切ったことは明らかだ。 牛丼のない吉野家など、全盛期の読売巨人軍が長嶋茂雄と王貞治と堀内恒夫抜きで戦うようなもの。
著者
林 純子 金子 和幸 井上 豊仁 下村 和則 横瀬 勝美 廣瀬 英晴 西山 實 黒田 隆
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.279-286, 2004-07-25 (Released:2018-04-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

市販石膏溶解剤12製品を組成分析(IR, WDX, TG-DTA)して主成分を同定するとともに,石膏浸漬前後での溶解剤のpH変化,浸漬時間による溶解量を測定した.石膏溶解剤の主成分はN-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N, N', N'-三酢酸三ナトリウムである可能性が高かった.溶解剤の固形分含有率は10.4〜31.8%であった.未使用の石膏溶解剤のpHは,10製品で8〜9を,2製品で13以上を示した.普通石膏硬化物の溶解率は,浸漬時間の増加に件い増大し,pH8〜9の10製品では浸漬2〜3時間で100%を示したが,pH13以上の2製品では浸漬3時間で14.3〜37.4%であった.
著者
金城 朝永
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.88-100, 1950

The name of Ryukyu (Luchu) first appeared in the Sui-shu (History of the Sui Dynasty). Some scholars considered that the Ryukyu mentioned here was another name for Okinawa, while others insisted that it was Formosa. Tan Shidehara, ex-President of Formosa University, criticized these ideas and concluded that it might be a colony of the old Ryukyuans in the southern part of Formosa, explored by the Chinese in early times. If his assumption is true, we may be able to reconstruct the culture and customs of old Okinawa through their colonial phase in Formosa. A no less interesting problem is raised by the legend of the Japanese hero and archer, Tametomo, who is said to have sired King Shunten, the first ruler (1187-1237 A.D.) of Okinawa according to the authorized history of Okinawa. This legend indicates the existence of a close connection between medieval Okinawa and Japan. The Yumiharizuki, a novel adapted from the legend, by Bakin Takizawa in the later years of the Tokugawa Shogunate, exerted a powerful influence upon the Japanese. There were not a few who having read the novel while young, made a visit to the legendary land. Another work on Okinawa of note during the Tokugawa period was the Nantoshi (Notes on Southern Islands), published in 1719, by Hakuseki Arai, a statesman and noted scholar of Chinese classics. After the Restoration of Meiji (1867), the Ryukyus were formally annexed to Japan in spite of Chinese protest, many Japanese came to Okinawa and wrote historical and geographical reports on the islands. As most of them were concerned with Japanizing the Okinawans, they stressed the concept of similar racial and cultural origins of the Okinawans and the Japanese, as well as the existence of close connections between them from early times. It was about half a century until the Okinawans themselves participated in research on their country. Among them, three of the most famous are Fuyu Ifa who devoted his life to the study of the Omorososhi (Collection of old songs of Okinawa), Anko Majikina, author of the History of Okinawa for IO centuries, and Kwanjun Higaonna, editor of the Nanto-Fudoki (Geographical Dictionary of Okinawa). Among the Japanese scholars who were interested in things Okinawan and not only supported but also instructed students in the field of Okinawan studies, are Kunio Yanagita, founder of Japanese Volkskunde, and Shinobu Orikuchi, noted poet and excellent folklorist. Both of thein visited Okinawa about 1920 for the research in folk religion and old customs, and made many contributions to the study of similarity between Japan and Okinawa. Yanagita organized the "Nanto-Danwa-kai." (Southern Islands Coversazione) and edited the "Rohen-sosho" (Fireside Series) in which are contained several works on Okinawa. With the moving of Ifa from Okinawa to Tokyo, the "Nanto-Danwa-kai" was reorganized by the Okinawans in Tokyo and named "Nanto-Bunka-kyokai" (Southern Islands Culture Association) which was the predecessor of the present "Okinawa-Bunka-Kyokai" (Okinawa Culture Association), now the only organ for studies on Okinawa in Japan. Before the war, in Okinawa, the "Okinawa-Kyodo-Kyokai" (Association for Studies on Okinawa) was established centering around Majikina, then President of the Okinawa Library, where there existed a collection of more than three thousand books on Okinawa. All of them were destroyed in air-raids. Since the end of the war, the Okinawans at home have been too preoccupied with their daily livelihoods and with the reconstruction of their war-devastated islands to resume studies on their own country. Members of the "Okinawa-Bunka-Kyokai", conscious of their mission to foster research on their culture, hold lecture meetings once a month and publish a bimonthly mimeographed organ.
著者
成相孝一 金山喜一 佐藤嘉兵
出版者
日本生殖免疫学会
雑誌
Reproductive Immunology and Biology (ISSN:1881607X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.1-6, 2003 (Released:2012-08-20)
参考文献数
38

卵巣の機能調節は視床下部-下垂体-卵巣-子宮を中心とする内分泌系が, その主軸をなすことが知られている。これに加えて, 近年では卵巣に存在するマクロファージやリンパ球などの免疫系細胞や腫瘍壊死因子 (TNF)-αやインターフェロン (IFN)-γといったサイトカインも内分泌系 (ホルモン) による調節と絡み合って卵巣機能の調節に加わっていることが知られるようになった。本稿では, 卵巣機能の中でも短時間に劇的な変化をなす黄体退行という現象に免疫系がどのように関わっているのかについて, これまでに国内外で行われてきた研究をもとに展望した。
著者
金森 修
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.68-75, 2014

本稿は現代の生命倫理学でも重要な位置を占める<人間の尊厳>という概念が、ヨーロッパの歴史の中でどのような文脈の中で生まれ使われてきたのか、その主要な流れを最低限確認することから始めた。その際、インノケンティウス三世の<人間の悲惨>論に重きを置いた記述をした。また、ピコ・デラ・ミランドラの高名な一節が含意する、一種の知性鼓舞論が、純粋に世俗的な位相のみにおいて<人間の尊厳>概念を理解することを困難にしているという事実に注意を喚起した。それらの検討を通してわれわれは、この概念が十全に機能するためには、神のような超越的存在との関係における人間の定位を必要とするということを示した。では現代の世俗的社会の中で、この概念の使命は既に終わったと考えるべきだろうか。いや、そうは考えない。この神的背景を備えた概念は、世俗的微調整の中でその神的含意を解除されながらプラグマティックに使用され続けるという趨勢の中でも、依然として人間存在の超越性を示唆し続けることをやめないだろう。それこそが、この概念の独自な価値なのである。
著者
金川 昭啓
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.167-171, 2013-12-01 (Released:2014-09-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
金光 真治 高尾 仁二 藤永 一弥 小野田 幸治 下野 高嗣 新保 秀人 矢田 公 並河 尚二
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.301-306, 2003-08-20
参考文献数
11
被引用文献数
4

目的・方法.癌の診断技術や治療法の進歩に伴い,生存中に重複癌が発見される機会が増加している.そこで1968年から2000年12月までに当科で経験した原発性肺癌切除例1361例のうち他臓器重複癌(三重複癌12例を含む)を伴う90例(6.6%)について臨床像と治療成績を検討した.結果.男女比は3:1(三重複癌症例はすべて男性)であった.喫煙指数が1000以上の重度喫煙者は重複癌症例では27例(32%),三重複癌症例では12例中10例(83%)であった.肺癌手術時年齢は,重複癌症例は平均64.5歳,三重複癌症例は平均70.7歳であった.重複癌臓器では胃,大腸,喉頭,乳腺,膀胱,子宮の順で頻度が高かった.死亡原因は肺癌での死亡が最も多く,肺癌先行症例での肺癌切除後の5年生存率は75.0%,他臓器癌先行症例では60.1%,同時性発症例では14.5%であり,異時性発症例に比べ同時性発症例の予後は不良であった.結語.原発性肺癌を含む重複癌患者の重度喫煙者は高率であった.したがって,第1癌の経過観察と同時に他臓器癌,特に喫煙と因果関係が強い臓器に対して注意深い観察が必要であると思われた.(肺癌.2003;43:301-306)
著者
金子 有子
出版者
東洋大学国際哲学研究センター(「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブ)事務局
雑誌
「エコ・フィロソフィ」研究 = Eco-Philosophy (ISSN:18846904)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.101-112, 2017-03

The clonal diversities of Potamogeton pectinatus L. (Potamogetonaceae) and Vallisneria asiatica var. biwaensis (Hydrocharitaceae) were evaluated for conservation of genetic diversity of these species. Potamogeton pectinatus is a rare submerged macrophyte in Japan. Protection of the genetic variability of these rare and endemic species is required from a viewpoint of conservation genetic. According to microsatellite analysis, the clonal diversities (Shannon’s index) of P. pectinatus populations varied widely among 11 sampled populations, with ranging from 0.000 to 0.990. The low clonal diversities were found in some populations in Kinki districts. These populations were affected by the anthropogenic disturbances because of cutting these areas before flowering. Vallisneria asiatica var. biwaensis is an endemic submerged macrophyte in the Lake Biwa-Yodo River system. Local populations of V. asiatica var. biwaensis have decreased in the south basin of Lake Biwa since the 1970s. Genetic variation of this species was evaluated by using allozyme analysis. The clonal diversities (Simpson’s D index) of 13 sampled populations were ranging from 0.782 to 0.972. These results would be useful information for development of conservation program.