著者
木村 みさか 岡山 寧子 田中 靖人 金子 公宥
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.401-410, 1998-08-01
被引用文献数
7 4 3

安全かつ簡便にフィールドでも測定可能な高齢者の持久性評価法の開発を目的として, シャトル・スタミナテスト (SST; 10m折り返し3分間走) の「走り」を「歩き」に応用したシャトル・スタミナ・ウオークテスト (SSTw) の信頼性・妥当性を検討した.<BR>1) SSTwの成績はVo<SUB>2</SUB>maxとr=0.827の相関を示し, 2) 初回時テストと再テストの間にはr=0.853の相関が認められ, 3) 推定最大心拍数に対するテスト中のピーク心拍数の割合は平均86.3%で, 男女差, 年齢差がなく, 4) 運動中の主観的身体負担度は, 全体の73.7%が「普通fairy light」または「ややきついsomewhat hard」と回答し, 5) SSTwの成績は運動能 (持久性) の自己評価を反映していた.また, 6) SSTwの加齢に伴う低下率は, 40歳以上においてVo<SUB>2</SUB>maxで報告されている低下率と同程度の値を示した.<BR>以上より, SSTwは, 40歳以後の中高齢者, 特に後期高齢者や低体力者を含む広範囲な高齢者にとって安全で, 屋内で多人数を同時に短時間に測定できる簡便な持久性評価法として信頼性, 妥当性に優れるテストであることが示唆された.
著者
金西 計英 戸川 聡 大久保 正信 佐藤 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.606, pp.9-16, 1998-03-14

多くの大学に既にキャンパスネットワークが導入されている.それにつれ学内のインターネットの利用も増大している。インターネット利用の普及によって新しい問題が表面化することになった.WWWの利用でブラウザ上の表示が遅い, つまり、インターネットが混んでいる, と言うことである.そこで, 我々は, マルチホームによるインターネット接続の手法を提案する.本稿では, 本学における, マルチホームの設計について述べる.
著者
中村 英仁 岡本 純也 江頭 満正 金子 史弥
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.173-189, 2010 (Released:2010-11-22)
参考文献数
34
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to explain why the number of participants in the Tour de Okinawa has been increasing during the past twenty years, focusing on the supply-side. Previous research has mainly analyzed participants’ incentives and judgments about the event product’ s overall excellence from the demand-side perspective, which does not clearly explain the marketing effectiveness of the Tour de Okinawa. Because the Tour de Okinawa organizer was not a profit organization, its marketing activities confronted resource constraints that indicated we should consider the effects of the situation. Therefore, we focused upon the marketing activities and methods to overcome the resource constraints. The result shows that the organizer incorporated their organization as a nonprofit corporation, which stabilized their finances so that marketing mixes were improved. The improvement of the marketing mix was also aided by accumulated marketing know-how about the event, which occurred after hiring experts because of the financial stability. These activities by the organizer explain the reason why the number of participants in the event has been increasing.
著者
金井 崇
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.649-657, 2005-02-15

メッシュの球体パラメータ化は,メッシュを球体に写像する技術であり,コンピュータグラフィックスやCAD/CAMなどの分野での様々な応用が期待されている.本論文では,その中でも品質の高い等角球体パラメータ化に関して,頑健でかつ高速な計算手法を提案する.本手法では,メッシュの多重解像度表現に基づき,その階層構造をパラメータ化計算に利用する.従来手法に比べて高速であり,また球体パラメータを頑健かつ安定して求めることができることを様々な実験を通じて実証する.
著者
嵯峨山 茂樹 小野 順貴 西本 卓也 齋藤 大輔 堀 玄 中村 和幸 金子 仁美
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

統計的信号処理と音楽理論の数理モデルを融合して、音楽(および音響・音声)の信号処理と情報処理に多面的に取り組んだ。音声認識分野では音響処理と言語処理の融合がキー技術であったように、音楽においては信号処理と音楽理論の融合が必須である。具体的には、A: 数理モデルと統計学習を軸にした音楽信号の解析・変換・加工・分離・検出、B: 音楽理論の数理的定式化を軸にした音楽信号の和音認識・リズム解析・セグメンテーション・構造解析・ジャンル認識、C: 機械学習と最適化を軸にした自動演奏・自動作曲・自動伴奏・自動編曲などを研究・開発した。
著者
中條拓伯 藏前 健治 金田 悠紀夫 前川 禎男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1719-1728, 1995-07-15
被引用文献数
8

本論文では、ワークステーション・クラスタ上においてOSのカーネルに手を加えず、ユーザレベルのソフトウェア制御のみによって、分散共有メモリ(DSM,Distributed Shared?Memory)の構築を試みた結果について報告する。分散共有メモリヘのアクセスの高速化を図るためにアクセス遅延を隠蔽する方法として、ソフトウェア制御のコヒーレントキャッシュを実装する。本稿では、本システムの構成および我々が提案する、無効化に巡回型マノレチキャストメッセージを用いたコンシステンシ・プロトコルについて述べ、基本的な性能評価を行うため、キャッシュヘのミス/ヒットなどのアクセスタイプによる遅延時間を測定した結果を示す、さらに、実際の並列プログラムによりシステムを評価するために、行列の乗算と、SPLASHベンチマークプログラムを実行した場合の性能評価も示す。現有のイーサネットを用いたネットワーク環境では十分な性能を発揮することはできなかったが、今後の高速ネットワーク環境において、本システムの可能性について述べる。
著者
篠原 雅尚 村井 芳夫 藤本 博己 日野 亮太 佐藤 利典 平田 直 小原 一成 塩原 肇 飯尾 能久 植平 賢司 宮町 宏樹 金田 義行 小平 秀一 松澤 暢 岡田 知己 八木 勇治 纐纈 一起 山中 佳子 平原 和朗 谷岡 勇市郎 今村 文彦 佐竹 健治 田中 淳 高橋 智幸 岡村 眞 安田 進 壁谷澤 寿海 堀 宗朗 平田 賢治 都司 嘉宣 高橋 良和 後藤 浩之 盛川 仁
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2010

2011年3月11日、東北地方太平洋沖でM9.0の巨大地震が発生し、地震動・津波被害をもたらした。この地震の詳細を明らかにするために、各種観測研究を行った。海底地震観測と陸域地震観測により、余震活動の時空間変化を明らかにした。海底地殻変動観測及び地震波反射法構造調査から、震源断層の位置・形状を求めた。さらに、各種データを用いて、断層面滑り分布を明らかにした。現地調査により、津波の実態を明らかにし、津波発生様式を解明した。構造物被害や地盤災害の状況を明らかにするとともに、防災対策に資するデータを収集した。
著者
川島 司郎 仲野 領二郎 船橋 直樹 水野 雅夫 三浦 信彦 三戸部 京子 金田 朋子 池亀 守
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.1271-1274, 1982

少ない血流量で、効率のよい膜血漿分離をおこなうことを目的として前希釈血漿分離法(Pre-diluted Plasma Pheresis, 以下PDPP)を考案し、臨床応用を試みた。悪性関節リウマチの56才男子症例にPDPPを計6回施行した。いずれの場合も、左、右前腕皮静脈をそれぞれ動、静脈側として血流を得た。<br>毎分70mlの血流量に毎分30mlのハルトマン液を注入して血液を希釈し、希釈血流量の100ml/分によりPFO-02を使用して血漿分離をおこなった。第3回のPDPP前後における血液検査成績では、IgG, A, Mはいずれも前値の50%以下に低下し、RAHAは10240倍から2560倍へ、ANAも16倍から4倍へと低下し、臨床的にも自、他覚所見が改善した。また、IgMの篩分け効率、濾過効率は60分後でも低下せず、膜の分離能がよく保たれていた。
著者
南谷 幹夫 八森 啓 金田 一孝
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.1817-1827, 1986

米国メルク社研究所が創製したImipenem (MK-0787) はThienamycinの<I>N</I>-Formimidoyl誘導体であり, グラム陽性, 陰性菌を通じて広範囲の菌種に対し優れた抗菌活性を示すばかりでなく, <I>Pseudomonas aeruginosa</I>, Gentamicin (GM) 耐性<I>P. aeruginosa, Enterococcus faecalis, Bacteroides fragilis</I>を含む嫌気性菌に対しても有効とされる。MK-0787の欠点とされるRenal dipeptidaseによる水解不活化や腎毒性の阻害剤として開発されたCilastatin sodium (MK-0791) との等量配合によつて新しい化学療法剤としてMK-0787/MK-0791が登場した。<BR>ここでは本剤の小児科領域の各種感染症に対し使用した結果について述べる。<BR>吸収, 排泄については11歳児, 3歳児に対しそれぞれ13.2mg/kg, 16.1mg/kgを30分点滴静注し血漿中濃度を測定したところ, MK-0787のピークは点滴静注終了直後で, それぞれ56.33, 55.98μg/mlであり, T1/2は1.21, 1.04時間であつた。<BR>MK-0791のピークは点滴静注終了直後で53.73, 22.99μg/ml, 1時間には10.54μg/ml及び測定不能であり, その後も検出し得なかつた。投与後6時間までの尿中累積回収率はMK-0787はそれぞれ82.9%, 63.6%であり, MK-0791のそれは57.9%, 74.6%であつた。<BR>臨床使用成績では急性扁桃炎, 溶連菌感染症, 気管支肺炎, 蜂窩織炎, 敗血症の疑, サルモネラ症の6例に本剤を投与し, 著効3例, 有効3例と全例に効果を認めた。<BR>副作用は臨床的にも臨床検査においても特に異常は認められなかつた。
著者
川上 大輔 金子 仁美 嵯峨山 茂樹
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2010-MUS-84, no.6, pp.1-6, 2010-02-08

和声は西洋音楽の重要な要素であり、特に音楽音響信号からの和声推定や自動採譜などにおいては、精密な和声進行の統計的モデルが必要である。筆者らは、和声に関する研究推進のため、人手による和声ラベル作業の容易さと、コンピュータ可読性の両立を主眼にして、和声記述仕様を策定し、それに基づいて和声の18世紀から20世紀初頭までのクラシック音楽作品60曲に機能和声ラベルデータを付与した。その和声系列を統計解析し、音楽的な知見から説明を試みる。また、統計的和声モデルとしてN-gramモデルに関して、Nの値、スムージング法等を検討する。調や機能和声などを反映した詳細な和声進行のモデルは、従来の和声モデルよりperplexityを低くできることを示す。