著者
吉岡 尚文 津金澤 督雄 石津 日出雄 辻 力 山内 春夫 鈴木 庸夫 高浜 桂一
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

自殺率の高い県、低い県あるいは全国平均並みの県等、14県を対象に、平成元年から7年までの7年間の自殺者の総計約31500例(男性19800、女性11700)につき、各県警察本部の協力を得て、個々の内容を詳しく調査し、統計学的に分析、考察した。その結果以下の点が明らかとなった。*秋田県、新潟県、岩手県はどの年も自殺率が極めて高く、交通事故による死亡者の2〜3倍の数である。一方、石川県、滋賀県、三重県、岡山県の自殺率は常に低い。*男女とも高齢者群での自殺者が多い。また、男性では働き盛りの年代での自殺も多く、経済的要因が背景となっている。*高齢者の自殺の背景は病苦とされているものが大部分である。しかし、それが真の動機となった例は少ない。壮年〜中高年では精神疾患を有する人の自殺が多い(女性で顕著)。*自殺の手段はどの年齢層でも縊頸が多く、特に高齢者で顕著である。*自殺者の内、独居者の占める割合は極めて少ないが、独居者の自殺は独居5年目以降で多くなる。*季節的にみると、春から初夏にかけて多く、冬期間はむしろ少ない。以上より、差し当たり着手すべきは、高齢者ならびに精神科的疾患を有する人に的を絞り具体的な防止対策を講ずることであろうと考える。例えば、高齢者の相談にのるシステムの徹底と情宣、市町村単位での自殺防止運動の展開、精神科医を含め医療関係者の自殺防止への積極的な取り組み、マスメディアの自殺防止キャンペーンへの協力などの他、優先されるべきこととして、家庭内、家族内での内面問題の解消が挙げられる。これらと併行して老人自身の自立心向上、精神面の教育がなされる環境を整えることも肝要である。
著者
金丸 恭文
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.180, pp.44-47, 1999-09

金丸 朝九時半くらいに大和証券の本社に行き、幹部の方に挨拶をしてから、応接室で待機していました。初値が付いたのは一一時ですが、それまでは電話で刻々と状況が入ってきておりまして。一つ心配だったのは、その日の朝に言われたんですが、うちのような額面五万円の値がさ株は、初値が公募価格の六倍以上になると、コンピューター・システムの制約上、問題が生じるらしいんです。
著者
金本 めぐみ 鷲尾 澪子
出版者
上智大学
雑誌
上智大学体育 (ISSN:02870568)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.63-77, 1990-03-25
被引用文献数
1

大学1・2年生580名を対象として,身体意識に関する調査を行い,次のような結果を得た。1. 調査対象者の体格は, 客観的評価からみれば, 男子4割, 女子3割が「痩身型」, 「やや痩せ型」に分類されるが自己評価では, 男子3割強, 女子1割強の者が「痩せている」「痩せている方である」に評価している。このことから客観的評価と自己評価に差があることがわかる。2. 日常の食習慣については, 男子に比べ, 女子の方が3食規則的に食事を摂取している。欠食状況は, 男女ともに「普通」から「太っている方である」に自己評価している者に, 朝食ぬきの傾向がみられる。3. 運動経験と身体の自己評価との関連は, 運動経験有りよりも運動経験無しの方が, 男女ともに「太っている方である」に自己評価している者が多い。4. 自分の身体について気にしている部位は, 男子は身体全体にわたッており, 女子は下半身に集中している。気にしている部位を今後どうしたいかについては, 男子は身長はより高く, 上半身は筋肉をつけて逞しくしたいという反面, 脚は長く細くなりたいという願望が強い。女子では脚, ウエスト, 腹部, ヒップなど下半身を細くしたいという願望が圧倒的に多くみられる。5. 身体に対する今後の願望については, 男子では現状維持が過半数を占めたが, 女子は現在より痩せたいが7割を占め, 女子の痩せることへの願望は顕著である。男子に比べ女子の極端な痩せ指向ということが, 本調査で明らかになった。これは, 思春期を過ぎた女子学生が美しくなりたい, 美しくみせたいと思う現れであろう。このような願望を持つことは, 自然なことでありそれ自体問題はないが, 痩せすぎのために, 女性としての生理機能にまで影響を及ぼすならば, 深刻な問題となってくるであろう。今後, 女子学生が極端な「痩せ指向」を望むのではなく, 美しく, はつらつとした健康的な身体づくりに目を向けられるよう, 体育指導者の一人として考えていく必要があると思われる。
著者
金子準二著
出版者
南光社
巻号頁・発行日
1937
著者
金子準二著
出版者
白揚社
巻号頁・発行日
1926
著者
金城 須美子
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.323-331, 1971-12-01

1 琉大の男子寮, 女子寮生を対象に食品の嗜好調査を行った。その結果, 肉料理, すし類, 果物, 野菜サラダの平均嗜好度は男女とも高く標準偏差も小さい。男子の肉料理に対する嗜好は女子より高い。特にビフテキは全食品中最も高い嗜好を示し偏差も1.04と非常に小さい。これは殆んどの男性が, 文句なしにビフテキを好んでいることが分る。これに対して女子は野菜サラダを最も好む食品としている。琉球料理のイリチーやチャンプルーはさ程好まれない。各食品に対する男女の嗜好の相違は顕著でないように思う。2 気候, 健康状態によって嗜好が異るかどうかを調査した。その結果, 夏と冬, それに疲れたときの食品に対する嗜好が異ることが分った。特に気候の影響が大きい。それ故, 食品の嗜好に及ぼす要因として性別よりも, むしろ季節, その他の要因が大きいと思われる。
著者
金 泰勲
出版者
国際基督教大学
雑誌
教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
no.50, pp.41-53, 2008-03

日本では「過熱する受験競争の緩和」を目的に大学入試の改革が進められてきたが,この10年来,推薦入学の拡大や新たな選抜方法であるAO入試の導入など大学入試における多様化・個性化へ新たな改革の動きが見られる.一方,日本同様に,長い間過度な受験競争に悩んできた韓国でも,近年,大学入試の改革への取組が進んでいる.本稿では,韓国における大学入試の改革がどのような背景に基づき行われたか,受験生の思考力や表現力を高めるためのどのような判定や選抜方法・評価基準を設けられたか,また,大学入試では,生徒の資質能力を養うために,どのような選抜方法で評価しようとするのかについて考察する.
著者
鶯亭金升 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1892
著者
金原 壽郎 竹村 千幹
出版者
東京帝国大学地震研究所
雑誌
東京帝国大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.966-984, 1935-12-20

The present report contains following articles, in which are described what we have observed at the time of the Siduoka earthquake of July 11, 1935: (1)Geographical distribution and modes of damages of houses. (2)Cracks on the ground and landslides. (3)Modes of vibrations of houses which may be suggested from data of their horizontal displacements.
著者
金原 俊輔
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学現代社会学部紀要 (ISSN:13481142)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.53-62, 2008-03

高等学校において、生徒たちの問題・悩みにどのように対応するかを、森田療法の見地から解説した。まず、森田療法が有する理論や技法を概観し、その後、高校生の諸問題を「不登校・別室登校」「学校がらみの問題」「勉強」の3項目に分けて、森田療法的なアドバイスを記した。アドバイスは、教師が生徒に与えるという状況を想定している。一例をあげれば、いわゆる「不登校」に関しては、登校できない事情があるかもしれないが、とにかく学校へ行き、他者と会い、授業を受け、帰ってくる、それをめざして、実行すべきで、毎日、歯をくいしばり登校を継続する、時々休みを入れながらで構わない、やがては卒業式に到達し、その間に、がんばった成果として以前よりも多くの知識や経験や能力が身についている、このような目的本位の指導例を述べた。本論文は、高校生に見られる気分本位の生活パターンを目的本位の生活パターンに改めることに主眼を置き、それにより生徒たちに行動面の変化が現れることを企図したものである。
著者
李 真 仲野 隆士 金子 守男 守能 信次 江橋 慎四郎
出版者
中京大学
雑誌
中京大学体育学論叢 (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.1-10, 1989-03-15

本研究では, 20歳代の人は地域スポーツクラブへの加入率が低く, 参加頻度も低い, ということが明らかにされた。次にこうした傾向をもたらす原因を, 調査結果に基づき考察を進めた。以下に示す3つが, その考察の結果である。1. 年齢が低ければ低いほど, 地域に対する共通の愛着感, 統一感, 永住意識などといった帰属意識が低くなる。2. さらに, 年齢が低ければ低いほど, チームへの帰属意識も低くなる。3. ほかの角度からみると, ニュースポーツ, あるいは流行のスポーツや趣味・娯楽といった余暇活動を行う人は中高年の人よりも20代の人が多い。このことから, 20代の人は活動範囲が広く, 特定の地域スポーツクラブの以外の余暇空間を占めているのではないかと考えられる (図2参照)。また, T市では, 若い人は技術・勝利志向のほうが強いこと, そして技術・勝利志向の人は参加頻度が高いということは, 「若い年齢層」(A) と「技術・勝利志向」(B) と「参加頻度」(C) の積事象, すなわち, A∩B∩Cの式で表すことができる。そして, 若い人は地域スポーツへの参加頻度が低いということは, (A∪B∪C)-(A∩B∩C) の式で示され, しかも, そのうちの一部分であると考えられる (図3)。T市の地域スポーツ活動の現状は, 若い人たちは中高年の人々より, よくスポーツ活動を行うが, 地域スポーツクラブに加入する人が少なく, チームのスポーツ活動への参加頻度が低くなっているという傾向にあるのではなかろうか。そして, T市の地域スポーツクラブの個々のチームは年齢構成の点から次にのべるように, 大きく二つに分かれている。一つは, 若い層のチームで, 技術・勝利志向が強いというチームであり, もう一つは, 中高年層のチームで, ゲームを楽しむ, あるいは健康のためにスポーツをするといった志向のチームの二つである。このことは, 参加者間の親睦や交流を図ることにチーム活動の目的を置くと, 地域スポーツ活動への若者の参加が減り, 反対に競技パフォーマンス・レベルの向上にチーム活動の目的を置くと, 中高年者の参加が減っていくという傾向を示唆している。自由回答 (資料a〜d) は, こうした傾向を述べた典型例であるが, 特に, T市ではチーム構成員が中・高年齢層に傾斜しつつあることを反映している。こうしたことから, より多くの若者を地域スポーツ活動へ参与させていくため, そして地域スポーツ活動に参加する人々の活動欲求を充足させていくために, クラブの組織構成や運営方法, あるいは施設管理にまで至るソフト・ハード面をいかして充実させ, 発揮させていくか, ということが今後の地域スポーツに課せられた主要な課題であると考えられる。
著者
金 志虎
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

今年度は、昨年度の当麻寺本尊の様式研究と当麻寺の伽藍配置の研究に引継ぎ、当麻寺における信仰の問題について検討することにした。まず当麻寺本尊の尊名の問題について検討した。現在当麻寺本尊の尊名は弥勒仏として伝わっているが、創建当初から弥勒であると伝える同時代の史料はなく、当麻寺本尊が創建当初から弥勒如来として制作安置されていたかははなはだ疑問である。当麻寺は古代日本において死者が往く場所として認識されていた二上山の東麓に立っており、当麻寺を建立した当麻氏は、その二上山の入口で喪葬関連の任務を担っていた氏族であったこと、そして、『日本書紀』や『続日本紀』などには当麻氏が天皇の死後に誄をのべるなど、喪葬関連の記事に多く登場していることに注目した。さらに七世紀後半の日本では、弥勒下生信仰に基づいた弥勒如来の造像例がないことを考慮すると、当麻寺本尊の尊名は弥勒ではなく阿弥陀とみるのがより自然な解釈である。つぎに当麻寺が浄土信仰の代表寺院として発展した背景について考察した。治承四年(1180)に平家勢の攻撃によって被害を受けた当麻寺では、復興するための手段として、聖徳太子信仰を利用しようとしたが、太子関連寺院として発展する要素がなかったため、新たに曼荼羅堂の当麻曼荼羅の存在に注目しなおし、太子信仰から当麻曼荼羅信仰に方向を転換した。その後、当麻曼荼羅は浄土宗西山派によって日本全国へ転写されるようになり、その結果当麻寺は当麻曼荼羅と中将姫の信仰の中心地として日本全国へ知られるようになった。鎌倉時代以降、当麻寺の復興事業が順調に進んでいることを考えると、当麻曼荼羅と中将姫を中心とする浄土信仰は成功したといえよう。報告者は、未だ解明されていない当麻寺史の全貌について美術史、仏教史、考古学の方向から新たな解釈を試みた。今後の当麻寺研究において新しい角度からより活発な議論が出ることを期待する。
著者
金谷 まり子
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.47-60, 2010 (Released:2011-03-28)
参考文献数
47
被引用文献数
1 1

多くの顔を持つと言われる間歇性外斜視の治療は古くて新しい問題である。 運動面では、せっかく手術をしても、術前、術後の視能矯正的管理がきちんと行われていなければ、多くの症例に戻りが見られ、手術を繰り返している症例も多い。一方視能矯正訓練においても、感覚面の状況をきちんと把握できず、見かけの輻湊訓練等のみを行っていることにより、せっかくの効果を得られていないことも多い。間歇性外斜視の治療においては、感覚面の治療なくしては、間歇性外斜視から、外斜視状態(tropia)をなくした外斜位(phoria)への完全治癒はあり得ないと考える。間歇性外斜視における感覚面で重要なのは、耳側網膜抑制状態であり、そのため、間歇性外斜視の感覚面の視能矯正的検査においては、この抑制状態をきちんと検査、把握することが大切である。 この感覚面の状態把握が大切なことは、今も昔も変わらず、間歇性外斜視の視能矯正的検査の基本である。したがって、1996年の日本視能訓練士協会の講演会シンポジウム「間歇性外斜視」の「間歇性外斜視の視能矯正的検査法」でも述べたことが基本である。その基本的視能矯正的検査を振り返り、特に、間歇性外斜視の病態像の中心である抑制状態の把握、治療方針決定に重要な眼位(最大偏位量)測定方法、その偏位量測定には欠かせない固視視標の重要性と意義、そして抑制検出にもつながる視能矯正的輻湊検査の理論と検査内容の把握について述べた。
著者
望月 昌子 内山 真一郎 金井 由美子 鄭 秀明 長山 隆 柴垣 泰郎 小林 逸郎 丸山 勝一
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.979-979, 1990-11-25

第5回東京女子医科大学血栓止血研究会 平成2年3月9日 第一臨床講堂
著者
望月 雅光 関田 一彦 山﨑 めぐみ 金子 徹哉
出版者
創価大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

国内の大学を対象にeポートフォリオの利用状況を調査した。また、学内のシステムの利用状況を調査すると、授業に深く関連づけたキャリアポートフォリオは、年間を通して利用されているが、その結果を踏まえつつ、eポートフォリオの大学での活用促進方法について研究を行った。教職履修カルテの必要な資質能力について5段階による自己評価を例にして、アドバイザーの支援環境のための自己評価の検証方法について研究を行った。履修科目のシラバスの到達目標と同指標を紐付けることにより、成績と自己評価を対比させることで自己評価の検証を半自動的した。また学習ポートフォリオから自動生成する教職履修カルテの精度も検証した。