著者
中塚 久美子 広渡 俊哉 池内 健 長田 庸平 金沢 至
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.154-167, 2013-12-25

Species diversity of dead-plant feeding moths in various forest ecosystems in Osaka Prefecture was investigated from March to November 2011. The study sites included a beech forest (Site A), an evergreen forest (Site B), a suburban forest park (Site C), a university campus (Site D) and an urban park (Site E). For the extraction of the larvae, two methods 1) hand-sorting, and 2) the Tullgren apparatus, were used. We also collected some flying adults and case-bearing larvae on the dead leaves in each site. A total of 27 species belonging to 10 families of dead-leaf feeding moths emerged: 15 species belonging to 8 families at Site A, 13 species belonging to 7 families at Site B, 10 species belonging to 9 families at Site C, 4 species belonging to 4 families at Site D, and 3 species belonging to 2 families at Site E. Dead-plant feeding habits were newly confirmed by rearing the larvae of Opogona thiadelpha, Hypsopygia kawabei, Endotricha minialis, E. consocia and Bradina angustalis pryeri. The results indicate that further assessments of the characteristics of each dead-leaf feeding moth enables us to apply them as an indicator for the assessment of various forest ecosystems.
著者
吉田 翔 金井 秀明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.52, pp.1-8, 2014-03-06

本研究は,食事中のそしゃく癖の改善を目的としたそしゃく状況通知手法に関する研究である.共食の場において周囲に悪影響を及ぼす 「クチャラー」 を対象とし,聴覚遅延フィードバックを用いたそしゃく状態の通知を行った.被験者のそしゃく音を遅延させて再生することで,自分のそしゃく行為が周囲からどのように認識されているかを通知する.構築システムでは通知だけでなく,被験者の顎の動きを検出することで,そしゃく状態を測定することが可能である.このシステムを用いた実験により,遅延時間を大きくした場合,被験者は自らのそしゃく状態を認知でき,そしゃく行為を控えようとする傾向が確認できた.In this paper, we propose a notification system of a state of mastication in order to improve a habit of mastication during the meals. The system senses user's mastication state, and uses the delayed auditory feedback to notify the user of the state. The system does the feedback of user's mastication sound depending on the mastication state in order to make sense of the state. We carried out user experiments in order to investigate the effects of the system and how to change user's behavior of masticating using the system. From the experiments, we found that the subjects tend to change their masticating action depending on the delayed auditory feedback.
著者
成田 長人 金澤 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.401, pp.29-36, 1999-10-29
被引用文献数
5

高臨場感放送サービスの研究として,広視野・超高精細映像が観視者の心理に及ぼす影響をスライドプロジェクターを使用して検討した.まず,画面サイズ,観視距離,絵柄を変化させたとき,観視者が静止映像及びパンニング映像から受ける印象をSD法を用いて評価し,因子分析法により心理因子「力量感」,「快適感」,「大小・遠近感」を抽出した.次に,静止映像を対象に,画面サイズ,観視画角,絵柄の幾つかのパラメータについて,「力量感」と「快適感」を7段階尺度で評価し,観視者の"好ましい観視距離"が「力量感」と「快適感」の効果を最大限に引き出せる場所に相当することを示した.最後に,撮影画角の影響を検討し,広画角で撮影した映像の方が,近距離で観視する傾向が強いことを示した.
著者
金 嘉章
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土と基礎 (ISSN:00413798)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.1-3, 2005-02-01
被引用文献数
1

In Laos, many mountainous roads in northern region have been suffering from severe slope failures. Main road slope protection technique is gabion work in Laos. However, gabions are expensive for Laos, because iron wires for gabions must be imported from foreign countries. Therefore, lower-cost road slope protection techniques have been demanded. Japanese road slope protection techniques by planting can be less expensive than gabion work, because they need only Lao domestic plants and material without depending on foreign products. Now, experimental works of road slope protection by planting are being implemented by Japan in Laos. The purpose of the experimental works is to study the applicability of Japanese techniques to Laos and develop low-cost slope protection techniques suitable for Laos.
著者
岩佐 絵里子 入江 道生 金子 雅志 福元 健 飯尾 政美 上田 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.408, pp.65-70, 2012-01-19

N-Active型を採用したスケールアウト型セッション制御サーバでは,クラスタを構成するメンバ数を増減することで,多様なトラヒック処理にも柔軟に対応することが可能である.増設されたクラスタメンバでは,既存セッションに関するメッセージ処理を実施する際に,セッションデータを格納しているクラスタメンバを特定し,セッションデータを取得した後に処理を継続する.このように,増設メンバでは通常のメッセージ処理に加えて既存セッションデータを取得する処理が加わり負荷が高くなるため,既存セッションの切断や新規セッションの不成立に繋がりサービス品質を担保することができない恐れがある.本稿では,クラスタメンバの増設に伴う増設メンバへの負荷軽減方式を提案し,実機検証により提案方式の負荷軽減効果を検証する.
著者
冥加 修 生稲 一洋 金子 友哉 古谷 充 岡田 芳嗣
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.224-227, 2000-05-01

ガラスセラミック(GC)に円板状フェライトを埋め込んだ複合基板型サーキュレータ(CIR)を開発した。本CIRは, 直径1.7mm, 厚さ0.25mmのNi-Znフェライト円板をGCに埋め込み, 一方の面に30GHz付近で動作するように設計した信号回路, 他方の面にグラウンドを印刷技術で形成した一辺3mmの寸法形状である。印刷用導体材料としてAu, Ag, Ag-Pdを使用し, 信号回路の円形導体部直径1.26mm∿1.54mmの5種類を作製し周波数特性を測定した。その結果, 安価なAg導体材料を使用して円形導体部直径1.33mmで挿入損失0.5dBを実現した。本CIRは温度サイクル試験(-55℃∿125℃)の結果, 1000サイクル以上で信号回路の破断や構成材料の破壊は起こらなかった。Coffin-Manson's Lawから模擬的に寿命を見積もると, 58年以上の予測寿命を算出した。
著者
金田 裕子
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.201-208, 2000-06-30 (Released:2007-12-27)
被引用文献数
1

<摘要邦文訳>本稿では、教室の会話に教師と子どもたちがどのように参加しているのか着目し、参加の様式の特徴を記述する方法を検討する。授業の過程は、単に認知的なだけでなく、知識と言葉を媒介にして参加者たちが社会的な関係を構成する過程でもある。その際に鍵になる概念は、エリクソンの提示した参加構造である。この概念は、いつ誰が誰に、何を言うことが出来るのかに関しての参加者たちの権利と義務であると定義できる。参加構造の研究は、教師と子どもたちの相互作用場面でのトラブルが、コミュニケーション様式についての予想が互いに異なることによって起こっていると説明してきた。しかし本稿では、以下の二点から参加構造の研究の新しい可能性を探りたい。第1に、参加構造の研究が提示している視点と研究方法は、教室に混在する会話の規則の静的なパターンを明らかにしているだけではない。コンテクストが変化するのに伴い、参加者たちの役割関係は再配分され、協同的な行為において異なる形状を作り出している。そうした点に着目することで、参加構造の研究は、教室の会話が即興的に展開していく側面を記述することを可能にする。個々の教室における参加構造の微細な変化は、会話の順番どり、発話のタイミング、会話フロアの生成に着目して記述することができる。教室の会話における即興的な側面を記述することで、子どもたちが積極的に状況を構成し、また教師が様々な方略を用いてコミュニケーションを組織している複雑な過程を捉えることが可能になるだろう。第2に、学習課題との関連をどのように捉えるかである。従来の参加構造の研究においては、構造的な会話の規則は、発話の際の手続きややりくりを簡素化して、学習の内容に集中できる機能を果たしていることが示されていた。しかし、教室のディスコースと学習課題の関係は、より複雑である。キャズデンが示した教室の「ディスカッション」では、即興的な会話の連続においては話題の選択に関する役割関係が重要になってくることが予見されていた。ランパートの研究において参加構造は、「何を知識とみなし、どのように知識を獲得するか」を決定するやり取りにおける権利と責任の配置として再定義される。その様な参加構造の形成によって、妥当な知識を決定する権威は教師から生徒たちのディスコースコミュニティへと移行し、同時にディスコースコミュニティの形成と維持において教師が果たす役割の複雑な側面が明らかになる。
著者
金子 洋之
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、「証明」という概念に基づく意味論を再構築するための基礎研究として、非形式的証明という概念に焦点を合わせてきた。その結果、論理的証明の有用性と妥当性をどう調停するかという問題に非形式的な証明の概念が密接に関連すること、また、ブラウワーのバー定理の証明を分析することを通して、心的構成としての証明が、非形式的証明という概念の解明への重要な手がかりになることが、明らかになってきた。
著者
吉田 伸治 村上 周三 持田 灯 大岡 龍三 富永 禎秀 金 相進
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.529, pp.77-84, 2000
被引用文献数
38 12

Outdoor thermal environment in summer become worse due to a change of land cover and an increase of artificial heat release according to the urban development. In this paper, the authors have developed a new method for predicting the human comfort in outdoor thermal space with the aid of CFD (Computational Fluid Dynamics). Furthermore, the effect of greening on outdoor wind and thermal environment was analyzed. Spatial distribution of SET (Standard Effective Temperature) was calculated in order to assess the pedestrian level comfort using the data given from the CFD predictions. Two cases of predictions were carried out. In easel, green area ratio of ground surface was assumed 10%, while the green area ratio of ground surface was changed to 100% in case2. By comparing the SET* distributions in both cases, effects of greening were thus clarified.
著者
金子 格
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

EV/HEVの接近報知音の評価方法を検討した。Bフォーマットマイク(Sound Field ST450)を4本用いた評価システムの構成を構築した。報知音の定位の評価方法を構築し、「EV/HEVの報知音を想定した漸増刺激音の定位の主観評価 (応用音響)」電子情報通信学会技術研究報告等で発表した。たとえばトーン性の妨害音がノイズ性の目標音の定位を妨害する効果が,妨害音が目標音の臨界帯域内であるか否かにかかわらずほぼ7dB程度であること、など有益な知見が得られた。
著者
西山 清 植月 惠一郎 川津 雅江 大石 和欣 吉川 朗子 金津 和美 小口 一郎 直原 典子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

環境に対する生命体の感応性-「環境感受性」-は、近年自然科学において注目を集めているテーマである。本研究は人文科学研究にこの概念を援用し、文学・文化および思想テクストにおいてその動態を考察することで、現代のエコロジカルな感性・思想の萌芽と展開を分析したものである。研究対象は、自然・環境の現代的認識の萌芽がもっとも顕著に観察されるイギリス・ロマン主義、およびその前後の時代の文学、文化、思想とした。本研究は、「環境感受性」が生み出され、現代的なあり方に展開していく様態を多面的に検証し、あわせて、文学研究が他分野と有機的な関連をもちつつ発展する、持続可能な営為であることも証明している。
著者
草薙金四郎 著
出版者
文友堂
巻号頁・発行日
1939
著者
木村 達明 金 鳳均
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.155, pp.141-158, 1989-09-30
被引用文献数
1

韓半島の大同, 金浦, 漣川, 忠南, 聞慶および丹陽炭田地域に露出する非海成の大同累層群の植物化石は, かつて矢部長克, 川崎繁太郎, 大石三郎, 小畠信夫らによって研究されたが, 1945年以来その研究は途絶えていた。筆者らは1973年以来, この地域の炭田の開発にともない, おもに忠南および聞慶炭田地域の新産地から多くの植物化石を入手することに成功し, 現在までに, 38属79種を識別し, またこれらの中には, 従来知られていなかった分類群, 1新属および10新種を加え20属33種を含む。本論文は以上の新種を含むこの植物群の特徴種14属19種を記載した。大同累層群の植物群の時代は, かつて, ジュラ紀初〜中期と考えられたが, 少なくとも金浦, 忠南, 聞慶炭田地域から得られた化石植物群集に関する限り, その組成は, 日本, 沿海州南部および中国東北の東南部, および中国南部の三畳紀後期植物群と完全に一致し, これら地域のジュラ紀初〜中期植物群とは著しく異なる。

1 0 0 0 OA 道理を語る

著者
金杉英五郎 著
出版者
古今書院
巻号頁・発行日
1941
著者
諸山 正則 今井 陽子 唐澤 昌宏 木田 拓也 北村 仁美 横溝 曠子 三上 美和 金子 賢治 内藤 裕子 服部 文隆
出版者
独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

明治期に万国博覧会が開催された地域の主要美術館のコレクションの調査を平成22年度はヨーロッパ、同23年度はアメリカにおいて、工芸作品の所在及び実地の調査を実施した。イギリスのアシュモリアン美術館と大英博物館(担当:唐澤昌宏、服部文孝)、フランスのチェルヌスキ美術館とギメ美術館、装飾美術館、エルリー美術館(担当:北村仁美、三上美和)、ドイツ、チェコ、オーストリアではハンブルグ工芸美術館、マインフランケン美術館、ナープルステク・アジア・アフリカ・文化博物館、プラハ国立美術館、オーストリア国立応用美術館、ウィーン民族学博物館、ゲルマン博物館(担当:今井陽子)、アメリカではフィラデルフィア美術館とウォルターズ美術館、フリーア美術館、国立自然史博物館(担当:諸山正則)、フィールド・ミュージアムとミシガン大学美術館、サン・アントニオ美術館(担当:横溝廣子)、ポートランド美術館とロサンゼルス・カウンティ・ミュージアム、サンフランシスコとシアトルのアジア美術館(担当:木田拓也)で各種の明治期工芸の収蔵作品調査を実施した。追加調査として、横溝が、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館で漆工や金工作品等の調査を行った。そうした明治期に各地で開催された万国博覧会に出品された工芸作品や海外の有力なコレクションとして流出した近代工芸の優れた作品資料の実地調査が達成され、データの収集及び撮影に基づく記録が作成された。各担当で整理しその特質を研究して調査成果を論考にまとめ、報告書『明治期に流出した近代工芸作品の調査』を編集発行、統一されたデータとして整理し、データベース化を検討した成果を掲載した。
著者
金田 重郎 吉田 和正 吉澤 憲治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.32, pp.31-38, 2009-03-11
参考文献数
21
被引用文献数
4

概念データモデリング (CDM) では,対象ビジネスの 「意味」 を図や言葉によって表現するこれは,対象ビジネスをひとつの 「語彙」 により表現し,モデラの間で相互に伝達していることに他ならないそうであるなら,言語学の意味論の蓄積を用いて,「CDM には何ができて,何ができないか」 を明らかにできる可能性がある.そこで,三浦つとむの言語過程説をベースとして,S.I.ハヤカワの一般意味論を用いて CDM を分析する.これによって,現状の CDM では,ハヤカワの外在的意味の範囲にモデリング対象が限定されていることを示す.そして,その限界を打破するため,CDM の組織間連携図に内在的意味を導入する手法を提案する.具体的に,心理学の動機付け理論を導入し,人間らしい組織改革の指針が CDM から得られることを示す.Conceptual Data Modeling (CDM) is a requirment-analysis method proposed by MASP Association. This paper analyzes the CDM approach by using Semantics Theory. Hayakawa's Generalized Semantics Theory shows that the CDM modeling is restricted to Externalized Semantics defined by the operation definition. As the result, CDM approach can be reinforced by introducing Internal Semantics to the modeling process. Thus, this paper applies Motivation Theory to the "Soshiki-kan Renkeizu" of the CDM. The proposed method has been applied to a road maintenance application and the effects of the proposed methods has been clarified.
著者
堀内 啓次 布田 裕一 境 隆一 金子 昌信 笠原 正雄
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.8, pp.1269-1277, 1999-08
被引用文献数
7

楕円暗号において, 楕円曲線の群の位数は重要なパラメータである. 特に, その位数が素数であることが望ましい. 楕円曲線の位数を計算する方法としてSchoofのアルゴリズム及びそれを改良したElkies, Atkinのアルゴリズムが知られている. 本論文ではSchoofの改良アルゴリズムを用いた素数位数を有する楕円曲線の効率的な構成法を示す. 更に, 楕円曲線の位数分布及び位数が素数である確率を導出した後, 素数位数を有する楕円曲線の構成に必要な計算量を評価する. また, 法pの条件による計算時間の違いについて考察する.