著者
齊藤 里奈 鈴木 誠 前野 隆司 眞山 博幸 野々村 美宗
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.2-8, 2014 (Released:2014-02-05)
参考文献数
36
被引用文献数
5

The tactile texture of water is not necessarily favourable. When 20 subjects applied 0.1mL of water and five thickener solutions to artificial skin, the favourability score for water was the lowest among the six liquids. This unfavorability is caused by non-smooth and stick-slip feel, which reflect the increase of friction coefficient and their drastic changes on wet skin. The Stribeck plots show that the rupture of a fluid film on human skin can induce the stick-slip feel during application. These findings could potentially be applied for the design of cosmetic products and cleansing products.
著者
鈴木 誠
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.61-66, 1985-03-30

摘要 20年以上放置され荒廃した明治期の庭,旧伏見宮家別邸銚子福鶴荘の庭を発掘調査し,実測,文献,ヒアリングにより往時の姿を推定した。特に主庭部分については旧景観の図上復元を試みた結果,明冶期の庭園の特徴とされる自然を生かした借景庭園てあることがわかった。また,千葉県銚子犬吠埼という庭の立地の意味するものもあわせて考察した。
著者
新藤 義昭 松田 洋 鈴木 誠史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.2782-2796, 2002-08-15
被引用文献数
6

情報処理演習室での質疑応答コミュニケーション用に開発したCyber Teaching Assistant(CTA)というCG-Animationシステムと,そのシナリオを記述するハイパーテキスト言語CPSL(Cyber Person Scenario Language)について述べる.CTAは,受講者からの質問が殺到したとき,人間型3DCGモデル(Cyber Person)を回答代行者としたCG-Animationを提示するシステムで,CPSL BrowserとCTA Starterで構成される.CPSL Browserは各々の受講者側PCで別個に動作する.CTAのシナリオはCPSLで記述し,ネットワークサーバに格納する.講師は受講者の画面を見て,CTAのシナリオで質問に回答できると判断したときは,シナリオを指定して質問者のCTAを遠隔起動する.CTAは,シナリオに従って必要な舞台や小道具を設定し,顔表情を変えたり体演技したりしながら台詞を音声合成で読み上げて質問に回答する.CPSLは,非専門家でも低コストでCG-Animationを制作できることを目標に開発したハイパーテキスト言語で,HTML言語に類似した文法と簡単な平文表記で制作できる.本論文では,CPSLの機能とCTAのシナリオの制作技法を述べ,従来の技法によるCG-Animationの制作コストとの比較実験を行いCPSLの有効性を確認した.This Paper describes CG-Animation system named Cyber Teaching Assistant (CTA), developed for new type communication between Teacher and Students in the Computer Seminar Room and Animation Scenario Language named CPSL (Cyber Person Scenario Language). CTA is a Cyber Person Animation system based on 3DCG technology, which includes CPSL Browser and CTA Starter. CPSL Browser is installed in each student's PC. CTA's Scenario files are written by CPSL and they are saved in the network file server. When teacher detects the student's question or help request and if student's difficult situation would be resolved by the CTA Scenario, he can start the CTA with appropriate scenario by using CTA Starter. CTA sets up the stage and properties and reads aloud the Japanese text by Voice Synthesizer with Facial Expression and plays specified body Action according to the Animation Scenario. CPSL is a Script Language similar to the HTML Language to produce the Animation Scenario by a low cost even for a non-expert. This paper describes a function of CPSL and production technique of a scenario of CTA. In addition, we did a comparison experiment with a production cost of CG Animation by conventional technique and confirmed the effectiveness of CPSL.
著者
真子 正史 鈴木 伸一 鈴木 誠
出版者
神奈川県農業総合研究所
巻号頁・発行日
no.145, pp.35-41, 2004 (Released:2011-03-05)

‘湘南ゴールド’は1988年に‘黄金柑’に‘今村温州’を交配して得られた実生の中から選抜・育成した品種である。樹や果実の特性から‘黄金柑’の珠心胚実生と考えられる。2000年に品種登録を申請し、2003年11月18日付けで品種登録(第11469号)された。‘湘南ゴールド’の樹勢は強く、有刺で、樹姿は当初直立性であるが、結実し始めると次第に開張する。若木を放任すると結実までに長年月を要するため、枝の誘引が必要である。樹勢が落ち着くと結実性は安定し、豊産性であるが、隔年結果性は強い。大玉果生産のためには7月摘果が有効である。果実は‘黄金柑’より大きく、平均果重は77gである。果形は球形で、‘黄金柑’に比べて果面が滑らかで、剥皮しやすい。また、果皮は黄色で、果皮厚は薄い。種子は少なく、果肉は柔軟多汁で、風味がよい。適熟期は4月で、4-5月にかけて優れた食味を有している。樹上越冬して4月に収穫するため、海岸沿いの風当たりの少ない、温暖な地域が適地と思われる。
著者
相田 明 鈴木 誠 進士 五十八
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.393-396, 2002-03-30
被引用文献数
4 6

英国のイングランドとウェールズにおけるナショナル・ガーデン・スキーム(NGS)は,1927年より現在に至るまで組織化されたオープンガーデン(個人庭園の公開)を開催している。本研究はその議事録を中心に,団体が設立されるまでの背景ならびに,その変遷を調査した。その結果,NGSの活動の特色として(1)団体との提携・合併による組織の強化,(2)ナーサリーや小規模な庭園にいたる公開庭園タイプの充実や,茶菓の提供,植物販売という,サービスプログラムの多様化,(3)時代の要請によって寄付先の選択肢の拡大・多様化を行なう一方,庭園主に選択権の一部を委託する運営手法の柔軟性,といった3つがあげられた。
著者
我妻 昂樹 鈴木 博人 村上 賢一 鈴木 誠 藤澤 宏幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.32-41, 2019 (Released:2019-05-17)
参考文献数
17

〔目的〕フォームに着目した運動学習課題として膝立ち位でのファンクショナルリーチ(FR-k)を取り上げ,Internal Focus of Attention(IFA)のより優れた教示内容を明らかにすることを目的とした。〔対象〕健常青年18名とした。〔方法〕プレテストにてFR-k距離及び重心位置を測定した後,上肢へのIFA教示群(IFA-U)と下肢への教示群(IFA-L)の2群に割り付け,各群30試行の練習を実施させた。また,練習期間終了後の翌日と1週間後における保持テストを実施した。〔結果〕FR-k距離については両群で即時的に有意な変化が認められ,運動学習効果が確認された。また,保持テストにおいて群間で有意な差があり,IFA-L群の方が優れたパフォーマンスを示した。〔結語〕FR-kにおいて,下肢への教示は上肢への教示よりも,運動学習に優れた効果を示した。
著者
天野 公太朗 松本 恵樹 國井 洋一 鈴木 誠
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.493-496, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
27

Yokoyama Taikan Memorial Hall was used as a residence-atelier during 1909-1945 and 1953-1958 by Taikan Yokoyama (1868-1958) who was a representative of modern Japanese-style painter. There is a characteristic garden in the former Taikan Yokoyama residence. In 1909, Taikan built a residence-atelier at Ueno Ikenohata on the banks of Sinobazunoike where was a famous cultural and scenic place of Tokyo. However, unfortunately the residence-atelier had destroyed by an air raid on Tokyo in 1945 and the garden had damaged also. After that, Taikan's residence-atelier was rebuilt and his garden was restored by his strong intention. We had on-site surveying the garden, considering Taikan’s career, analyzing relationships between his representational paintings and the garden features, and interviewing to Mr. Jiro Fujii who was involved in the restoration of the garden. In the result, we found that Taikan ordered to plant the trees and shrubs in the garden, just like he painted on his pictures. The garden was landscaped to have more spiritual meaning than natural landscaped garden by his intention. This attitude toward to the garden was different from the gardens created by the other representative of modern Japanese-style painters.
著者
大貫 麻美 鈴木 誠
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.513-526, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
27

自然科学に関する幼児期からの継続的なコンピテンス基盤型教育の重要性は近年,国際的に周知されている。一方で,日本では,生命科学を科目として扱う幼児教育はなされていない。本論文では,日本の幼児教育において実施可能な生命科学に関するコンピテンス基盤型教育の検討のために,幼児期に育成が期待される生命科学に関する資質・能力の整理を試みた。まず,幼児期の生命科学教育が設定されている米国,オーストラリア,フィリピンの幼児教育スタンダードを調査し,先行研究に依拠しながら整理した。また,日本と同様に生命科学に関する科目設置のないフィンランドのコンピテンス基盤型幼児教育についても調査,分析を行った。これらの知見を基に,幼児期に育成が期待される生命科学に関する資質・能力について,日本の幼稚園教育要領を参照しながら考察を行った結果,日本の幼児教育で扱われる5領域全体を横断する形での学びが期待されることが分かった。
著者
西東 力 鈴木 誠
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.232-236, 1982-11-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
11
被引用文献数
11 9

1980∼1981年に静岡県伊豆地方でツバキシギゾウムシの生活史を調査した。成虫は5月下旬から7月下旬まで観察され,6月にツバキ種子内に産卵した。ふ化幼虫は種子を摂食し,約1ヵ月で4齢まで発育した。7月下旬から老熟幼虫は果実に穴をあけて脱出し,ツバキ樹下の土中で幼虫越冬した。本種は伊豆半島の東部と南部で多発生していた。幼虫は昆虫病原糸状菌Metarhizium anisopliaeおよびBeauveria tenellaに対して高い感受性を示した。土壌殺菌の有無は菌の病原性に影響を及ぼさず,いずれの菌も土中で増殖することが示唆された。以上のことから,これらの菌を土壌施用することによってツバキシギゾウムシの微生物的防除ができるものと考えられる。
著者
鈴木 誠 鎌形 清人 最上 譲二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

がん抑制機能をもつp53蛋白質は、2重らせんDNA(dsDNA)上を拡散運動し標的配列と強く結合する。本研究ではDNA結合蛋白質とDNAとの結合と探索メカニズム解明に向けて、dsDNAの周りのHMW層の量をbuffer種等で制御したときのp53とdsDNA結合定数測定への影響を実験と計算で調べ、さらに1分子測定によるdsDNA上のp53の1次元拡散係数に及ぼすハイパーモバイル水(HMW)の効果について明らかにする。
著者
鈴木 誠
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.61-66, 1984-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
5

20年以上放置され荒廃した明治期の庭, 旧伏見宮家別邸銚子瑞鶴荘の庭を発掘調査し, 実測, 文献, ヒアリングにより往時の姿を推定した。特に主庭部分については旧景観の図上復元を試みた結果, 明治期の庭園の特徴とされる自然を生かした借景庭園であることがわかった。また, 千葉県銚子犬吠埼という庭の立地の意味するものもあわせて考察した。
著者
長井 真弓 桂 理江子 鈴木 誠
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.27-31, 2022-03-31

2013年度より我々は,主に重複障害を有する児童生徒が通う支援学校にて,外部支援専門員として継続的な活動を行ってきた.しかし,重複障害の児童生徒に関わる教員が,理学療法士に対してどのような支援を求めているかは検討されていない.そこで,支援学校教員を対象に理学療法士に対する支援ニーズの把握を目的にアンケート調査を実施したので報告する.アンケート結果から,支援学校の教員は,下肢の身体機能面に関する助言が有用と感じていた.また研修会など情報共有の場の確保,理学療法士の積極的な活用を望んでいた.今後の活動では,児童生徒の教育に活かせるように支援するためにも,理学療法士からの一方的な支援ではなく,相互理解が進む方法を検討する必要があると考えられた.
著者
鈴木 誠
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.C0188, 2004

【はじめに】現在、某中学校サッカー部にてメディカルサポート活動を行っている。試合を前にして選手が筋肉の疼痛や張り、それに伴う関節可動域や筋力の低下といった筋肉痛と思われる症状を訴えることがあり、筆者が対応している。中学生という発育の加速期でもあるこの時期には、筋肉や筋腱付着部にトラブルを起こしやすく、スポーツ障害を招きやすいという事は過去の報告にも数多くある。しかし、筋肉痛に注目した中学校サッカー選手の報告は少ない。今回の調査では筋肉痛を訴えた選手の傾向に着目した。<BR>【目的】筋肉痛を訴えてきた中学校サッカー選手の傾向を分析する。また、中学生年代のサッカー選手に理学療法士(以下、PT)が関わる際の一考察を示す。<BR>【対象及び方法】対象は、2002,2003年の2年間で某中学校サッカー部に所属していた選手46名(12歳から15歳)のうち、公式戦(5大会)及び練習試合(1試合)において筋肉痛を訴え、メディカルサポートを行なった選手5名である。当チームは2002,2003年の2年連続県大会出場の実績を有する。調査は、事前にチェックリストを作成し選手にメディカルサポートを行った際、記入した。そのリストを、筋肉痛を訴えた選手の(1)ポジション(2)部位(3)学年についてそれぞれ分類した。<BR>【結果】(1)ポジションでみると、ディフェンダー(以下、DF)が4件,ミッドフィルダー(以下、MF)が1件であった。(2)部位は、腰部が2件,大腿部が5件であった。(3)学年においては、中学3年生が4件,中学1年生が1件であった。<BR>【考察】今回の結果では、DFの筋肉痛の訴えが多く、部位は腰部から下肢に集中していた。また、中学3年生の訴えが大半を占めていた。サッカーという競技の中で、DFは守備を中心とし、ボディーバランスを保ちながらボールを奪い守備を行なわなければならず、個人対個人の局面においては自身の意志とは別の、相手に応じた動きを強いられる事が多いという動作特性がある。このような動作は、筋肉が伸張しながら張力を発揮する伸張性収縮の連続であり、これが試合中常に繰り返されていると考えられる。筋肉痛は筋肉の伸張性収縮運動時に発生すると言われている。よって、DFの動作特性から筋肉への過剰な刺激が負担となった結果、筋肉痛を誘発しているのではないかと考えられる。また中学3年生という学年は発育の加速期でもあり、骨の伸びに対し筋肉や腱の成長が伴わず相対的に柔軟性が低下する時期でもあることも、原因として考えられる。そこでPTが関わる際には、ポジションごとの動作特性を把握した上でのケアが必要であると考えられる。また、中学生年代の選手にはトレーニングはもちろんのこと、ストレッチやマッサージ、クーリングダウンといった日頃のケアの実施と啓蒙活動が必要ではないかと考えられる。今回の研究は症例数が少ないため、今後さらなる調査研究が必要だと考えられる。
著者
鈴木 誠史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.291, pp.25-30, 2002-08-22
参考文献数
29

筆者は、1955年に郵政省電波研究所(現独立行政法人通信総合研究所)に入所して、情報通信、音声情報処理の研究を始めた。これらの分野の黎明期であったため、限られた情報源から、広い関連分野を学びながらの実験的研究を進めた。音声研究を主としたが、その方向性は手探り状態だった。中田和男氏がMIT留学から帰国後、ホルマント合成方式の合成器を制作し、母音.半母音・子音の合成音による言語音知覚の実験を行った。引き続き、母音、数字語の認識装置を試作した。ハードウェアによる限界を知り、1960年頃からは、計算機処理による分析、認識を開始した。これらの研究は、研究法が定式化していない時代としては、正鵠を得ていたと思う。1965年頃には連続音声認識、神経回路による分析などを手がけた。FFTを導入するとともに基礎的研究を指向した。音声、通信、信号処理の境界領域のプロジェクト的研究も行った。ヘリウム音声の性質の解明.了解性改善、騒音や雑音で妨害された音声の品質向上などがあげられる。研究テーマが早すきたり、技術が追いつかなかったことも多い。ほとんどの研究が初めてチャレンジするもので、研究・開発に際しての考え方等は、今の研究者の参考になるであろう。
著者
三木 千栄 小野部 純 鈴木 誠 武田 涼子 横塚 美恵子 小林 武 藤澤 宏幸 吉田 忠義 梁川 和也 村上 賢一 鈴木 博人 高橋 純平 西山 徹 高橋 一揮 佐藤 洋一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ed0824, 2012

【はじめに、目的】 本学理学療法学専攻の数名の理学療法士と地域包括支援センター(以下、包括センター)と協力して、包括センターの担当地域での一般高齢者への介護予防事業を2008年度から実施し、2011年度からその事業を当専攻で取り組むことした。2010年度から介護予防教室を開催後、参加した高齢者をグループ化し、自主的に活動を行えるよう支援することを始めた。この取り組みは、この地域の社会資源としての当専攻が、高齢者の介護予防にためのシステムを形成していくことであり、これを活動の目的としている。【方法】 包括センターの担当地域は、1つの中学校区で、その中に3つの小学校区がある。包括センターが予防教室を年20回の開催を予定しているため、10回を1クールとする予防教室を小学校区単位での開催を考え、2010年度には2か所、2011年度に残り1か所を予定し、残り10回を小地域単位で開催を計画した。予防教室の目的を転倒予防とし、隔週に1回(2時間)を計10回、そのうち1回目と9回目は体力測定とした。教室の内容は、ストレッチ体操、筋力トレーニング、サイドスッテプ、ラダーエクササイズである。自主活動しやすいようにストレッチ体操と筋力トレーニングのビデオテープ・DVDディスクを当専攻で作製した。グループが自主活動する場合に、ビデオテープあるいはDVDディスク、ラダーを進呈することとした。2010年度はAとBの小学校区でそれぞれ6月と10月から開催した。また、地域で自主グループの転倒予防のための活動ができるように、2011年3月に介護予防サポーター養成講座(以下、養成講座)を、1回2時間計5回の講座を大学内で開催を計画した。2011年度には、C小学校区で教室を、B小学校区で再度、隔週に1回、計4回(うち1回は体力測定)の教室を6月から開催した。当大学の学園祭時に当専攻の催しで「測るんです」という体力測定を毎年実施しており、各教室に参加した高齢者等にそれをチラシビラで周知し、高齢者等が年1回体力を測定する機会として勧めた。A小学校区内のD町内会で老人クラブ加入者のみ参加できる小地域で、体力測定と1回の運動の計2回を、また、別の小地域で3回の運動のみの教室を計画している。また養成講座を企画する予定である。【倫理的配慮、説明と同意】 予防教室と養成講座では、町内会に開催目的・対象者を記載したチラシビラを回覧し、参加者は自らの希望で申し込み、予防教室・養成講座の開催時に参加者に対して目的等を説明し、同意のうえで参加とした。【結果】 A小学校区での転倒予防教室には平均26名の参加者があり、2010年11月から自主グループとして月2回の活動を開始し、現在も継続している。B小学校区では毎回20名程度の参加者があったが、リーダーとなる人材がいなかったため自主活動はできなかった。2011年度に4回コースで再度教室を実施し、平均36名の参加者があった。教室開始前から複数名の参加者に包括センターが声掛けし、自主活動に向けてリーダーとなることを要請し承諾を得て、2011年8月から月2回の活動を始めた。A・B小学校区ともにビデオあるいはDVDを使用して、運動を実施している。C小学校区では2011年6月から教室を開始し、平均14名の参加者であった。教室の最初の3回までは約18名の参加であったが、その後7名から14名の参加で、毎回参加したのは3名だけで自主活動には至らなかった。2010年度3月に予定していた養成講座は、東日本大震災により開催できなかったが、25名の参加希望者があった。A小学校区内の小地域での1回目の予防教室の参加者は16名であった。大学の学園祭での「測るんです」の体力測定には139名の参加者があり、そのうち数名であるが教室の参加者も来場された。【考察】 事例より、予防教室後に参加者が自主活動するには、活動できる人数の参加者がいること、リーダーとなる人材がいること、自主活動の運営に大きな負担がないことなどの要因があった。自主グループの活動やそれを継続には、2011年3月の地震後、高齢者の体力維持・増進が重要という意識の高まりも影響を及ぼしている。C小学校区の事例で、自主活動できなかった要因を考えるうえで、A・B小学校区と異なる地域特性、地域診断を詳細にする必要性があると考える。リーダーを養成することでC小学校区での高齢者が自主活動できるか検討する必要もある。高齢者の身体状況に合わせて、自主活動できる場所を小学校区単位、小地域単位で検討する必要がある。【理学療法学研究としての意義】 介護予防事業を包括センター、予防事業所などだけが取り組む事業ではなく、理学療法士が地域の社会資源としてそのことに取り組み、さらに介護予防、健康増進、障害、介護に関することなどの地域社会にある課題を住民とともに解決するための地域システムを構築していくことは、現在の社会のなかでは必要であると考える。
著者
鈴木 誠 渡辺 敏郎 三浦 麻子 原島 恵美子 中川 靖枝 辻 啓介
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.507-511, 2002-07-15
参考文献数
20
被引用文献数
13 18

本実験ではFolin-Denis法の抽出溶媒の比較検討をおこなった.抽出溶媒には,蒸留水,各種濃度の含水メタノール,含水ェタノール,含水アセトン,およびDMSOを用いた.<BR>結果は各試料ごとに異なり,赤ワイン抽出物では含水エタノール,緑茶抽出物では含水メタノール,イチョウ葉抽出物では含水アセトンが高い値を示したが,DMSOで抽出すると,いずれの試料を用いた場合でも最も高い値を示した.また添加回収実験では,DMSOで抽出した場合に添加した(+)-カテキンが最も効率よく回収できた.このことより,Folin-Denis法における抽出溶媒にはDMSOが最も適していることがわかった.
著者
若泉 悠 鈴木 誠
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.469-474, 2008
被引用文献数
2

Fukuba Hayato (1856-1921) is known as a person who created the foundation of modern gardening. This study is aimed to search his thoughts of modern horticulture and landscape gardening in Japan through his personal records.Also the author intended to clarify his influences on modern horticulture and landscape gardening in Japan. He studied knowledge and skills of modern horticulture and landscape gardening from foreign countries over his life for refining the Shinjuku Imperial Gardens (Shinjuku Gyoen National Garden). He advocated the ideal way of Imperial gardens and gardening in Japan, established Kunaisyo Naienkyoku (after Imperial Household Agency, Maintenance and Works Department, Gardens Division), and popularized skills of modern landscape gardening not only inside of imperial palaces. In addition, he greatly contributed to the development of the modern landscape gardening including professional educations. In conclusion, the author pointed out the influence that he had given to the horticulture and landscape gardening in Japan was considered as a critical one that has continued until today.