著者
鈴木 渉
出版者
全国英語教育学会
雑誌
全国英語教育学会紀要 (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.81-90, 2009

When second language (L2) learners produce and comprehend their target language, they are engaged in languaging, "a dynamic, never-ending process of using language to make meaning" (Swain, 2006, p. 96). According to Swain (2006), languaging is a major source of L2 learning. This paper investigates whether individuals learn an L2 more effectively when they language in response to written feedback that they receive than when they do not. I report the data from 24 students who engaged in a three-stage writing task: (1) writing a draft, (2) languaging about specific linguistic errors corrected in the draft, and (3) revising the draft. The average number of linguistic errors significantly decreased from the draft to its revision. Similarly, if an error was explained, it was more likely to be changed, whereas if an error was not explained, it was less likely to be changed. These findings suggest that languaging may have improved L2 writing accuracy. I point out several limitations of this study and conclude this paper by suggesting the need for further studies to examine the role of languaging in L2 learning.
著者
鈴木 由美
出版者
桐生短期大学
雑誌
桐生短期大学紀要 (ISSN:13424076)
巻号頁・発行日
no.18, pp.79-85, 2007

看護職が暴力問題を扱うようになってから久しいが, DVはもはや健康問題であることが背景にあり,モラル・ハラスメントも健康問題である.看護者は自己の生活体験に関わらず,被害者を支援することが望まれるが,支援者に関わる方法を学ぶ前に, DVの認識を深めることが早道であるといわれている. DVは身体的な暴力を伴う場合は緊急性や重症度が高く,モラル・ハラスメントの場合は主に言葉や態度による暴力であるため,重大視されないことが予測される.モラル・ハラスメントがDVと同様に健康問題であることから,看護職の認識や看護職の根底にある夫唱婦随などの日本的な男女間の考えや男女間の言葉や態度による暴力をどのように解釈するかを知る目的で調査をおこなった.モラル・ハラスメントの調査で看護職416人を対象とし,有効回答数は377人(有効回答率89.9%)であった.モラル・ハラスメントでは客観的な証拠に乏しいため,第三者が加害者に寛大であるとき,被害者は二次被害をこうむると考え,調査では男性に対する寛大度に焦点を当てた.モラル・ハラスメントという言葉を聞いたことがある者は163人(43.6%)であった. DVは医療者の誰もが知っているが,モラル・ハラスメントは半数以上が知らなかった.また夫婦間の精神的暴力10項目に対して,対象者の年代,結婚暦,キャリアなどの背景による相違があるとすれば,年代,キャリア,結婚暦が長いほうが伝統的な夫唱婦随を支持する傾向があったが,大差はみられなかった.また結婚生活の背景として,既婚の対象者では9割以上が自身の結婚生活を普通以上であると評価をしたが,このことはむしろ暴力に対するバイアスが生じるというより,自己の体験によるバイアスがかかる可能性も少ないと考えられる.本来,看護者は自らの生活背景が,疾病や支援に影響しないように律することが期待されることから,生活背景が安定していることが望ましいからである.
著者
新井 高 鈴木 賢 旗生 隆 横田 誠 長谷川 紘司 木下 四郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.170-176, 1977-06-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2

Purpose of this study was to know the effect of natural and synthetic bristle toothbrushes on plaque removal.Two kinds of natural toothbrushes (animal bristle and pig bristle) and two kinds of synthetic toothbrushes (nylon bristle and rubber) were evaluated using Scrub brushing method. Twelve adults, 6 patients and 6 dentists, 6 males and 6 females, aged 19 to 42, volunteered for this study.Plaque score was calculated with the modified Volpe's method which Suzuki et al. reported before. Facial and lingual tooth surfaces of the six representative teeth (6/41|14/6) were scored, after disclosing the plaque with a 0.5% basic fuchsin.The average percentage of plaque removal on facial and lingual tooth surfaces were as follows.(1) 59.6±16.1% (nylon bristle) (2) 42.3±13.2% (pig bristle)(3) 39.8±14.7% (rubber) (4) 39.5±13.3% (animal bristle)There was a statistically significance at the 5 percent level of confidence between nylon bristle brush and the other three brushes.A similar trend was recognized on labial, lingual, medial and papillary tooth surfaces independently.The scores after brushing were evaluated, also.(The materials of animal bristles are of horse and badger hair.)
著者
戸谷 智明 鈴木 健 藤井 義晴
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.373-379, 2020 (Released:2020-12-31)
参考文献数
16
被引用文献数
2

ニホンナシでは前作樹の残根がいや地現象の発生要因であるかが明らかになっていない.そこで,本研究ではニホンナシ根を混和した土壌のいや地リスクの経時変化に加え,根を混和した土壌に定植したニホンナシ1年生苗木の樹体生育への影響を調査した.まず,ニホンナシ未植栽土壌にニホンナシの生根もしくは乾燥根を混和した区を設け,土壌をニホンナシのいや地リスクを評価できる根圏土壌アッセイ法を用いて経時的に測定した.その結果,ニホンナシでは根の乾燥条件にかかわらず,土壌の阻害率は根を混和しない区と差がなく,根の分解過程では生育阻害物質が放出されない可能性が高いことが示唆された.次に,ニホンナシ未植栽土壌にニホンナシ乾燥根を混和し,ニホンナシ1年生苗木を定植した区を設け,根を混和していないニホンナシ未植栽土壌やいや地現象が発現する連作土に定植した区と樹体生育を比較した.その結果,連作土区では樹体生育が抑制されたが,根を混和した区の生育は混和していない区と同様に抑制されなかった.以上の結果から,ニホンナシでは,土壌への根の混和は,いや地現象の発生要因ではない可能性が高いことが明らかになった.一方で,ニホンナシ1年生苗木をニホンナシ未植栽土壌に定植後,土壌を根圏土壌アッセイ法で経時的に測定した結果,樹の生育が進むに従い土壌の阻害率が上昇した.これらのことから,ニホンナシでは樹が生育する過程で根から生育阻害物質が分泌され,土壌に蓄積されることでいや地現象が発現する可能性があることが示唆された.
著者
並木 陽一 米野 正博 鈴木 敦夫 山本 保
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.183-189, 2003-05-01 (Released:2014-10-31)
参考文献数
2
被引用文献数
2

ウレタンアクリレート系uv硬化性樹脂の厚膜について,硬化率のデプスプロファイルに及ぼすuv光照射条件の影響を光DSC法を用いて追究した。uv光の照射強度と照射時間を変えて得られた硬化物について光DSC法で硬化率デプスプロファイル(80.90および95%硬化の硬化深度)を求め,i)一定照射光強度における硬化率デプスプロファイルの経時変化.ii)一定照射時間において硬化率デプスプロファイルに及ぼす照射光強度の影響,およびiii)一定照射光エネルギー量下での硬化率デプスプロファイルに及ぼす照射光強度の影響を調べた。その結果,一定照射光強度における本樹脂の硬化率デプスプロファイルの経時特性を明らかにすることができた。さらに照射光強度の影響につ↓ては,おおよそ140mW/cm-までは照射光強度の増加と共に硬化深度が増加し,それ以降は逆に減少した。この樹脂膜について,最高の硬化深度を得るためには最適な照射光強度が存在することが確認できた。
著者
廣瀬 美幸 森山 紋由美 鈴木 孝夫 李 相潤
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.A0231, 2008

【目的】最近、患者一人ひとりの栄養状態が極めて重要視され、栄養状態の管理・改善を院内栄養サポートチーム(Nutrition Support Team)で取り組んでいる病院もある。そこで、ラットを用いて運動と食餌・カロリー摂取量の違いが骨格筋にどのような影響を及ぼすかを比較・検討した。<BR>【方法】実験動物は生後8週齢の雄性Wistar系ラット15匹を用い、普通食自由摂取+運動負荷(CT)群、普通食制限摂取+運動負荷(LT)群、高カロリー食自由摂取+運動負荷(HT)群の3群各5匹に分けた。実験期間を通して、CT群には普通食、LT群にはCT群の餌摂取量の60%、HT群には普通食比カロリー120%、脂肪含有率332.6%の高カロリー食を与えた。その間、1日1回45分同時間帯に、最高速度25m/minのトレッドミル走行を5回/週、2週間実施した。実験終了後、対象筋である左右のヒラメ筋、足底筋、腓腹筋外側頭を摘出し、通常の方法、手順により筋線維横断面積を測定し、統計処理を行った。なお、運動負荷のない通常飼育の対照(C)群は先行研究の同週齢ラットの値を参考とした。<BR>【結果】体重:実験開始時には群間有意差は見られなかったが、実験終了時にはLT群はCT群に比較し78.1%の低値と有意差を示した。一方、CT群とHT群間には有意差は認められなかった。平均餌摂取量:HT群はCT群の摂取量の83.5%であった。筋線維横断面積:3種の筋においてCT群はC群と比較し有意の高値を示した。LT群はCT群と比較し有意の低値を示したが、C群と比較すると有意の高値を示した。HT群はヒラメ筋においてCT群と有意差が認められた。<BR>【考察】3筋の筋線維横断面積において、LT群はCT群、HT群と比較し有意の低値を示した。従って、栄養不良状態では筋萎縮が進行することが示唆された。これは、1)低栄養状態で筋内蛋白質の合成不良によること、2)筋線維横断面積は収縮の強度に関係するので、LT群は各筋の収縮の強さが飢餓の影響を受け低下したことが考えられる。一方、LT群はC群と比較すると有意の高値を示した。これはLT群は週5回の運動を実施したため、低栄養状態であっても運動負荷により筋萎縮予防、筋肥大が得られたと考えられる。<BR> 今回、足底筋と腓腹筋においてはHT群とCT群間に有意差が認められなかった。これは筋肉の主要構成成分は蛋白質であり、運動時には蛋白質の必要量が増加するが、今回与えた高カロリー食は蛋白質含有量が普通食とほぼ同じであったためと考えられる。蛋白質を多く摂取することで、より効果的に筋力増強が得られると考えられる。<BR>【まとめ】低栄養状態であっても運動負荷により筋萎縮予防、筋肥大が得られ、また蛋白質を多く摂取することにより、より効果的に筋力増強が得られると考えられる。
著者
出口 万由子 高野 佑紀奈 鈴木 麗璽 有田 隆也
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.35-36, 2020-02-20

本研究の目的はドラマの各回へのユーザー評価の変遷の可聴化により集団心理ダイナミクスを理解することである.レビュー中の単語の評価極性をドラマ回ごとに鍛治らのPolar phrase dictionaryで実数値化(A),あるいは小林らの日本語評価極性辞書でラベル化(正/負感情,主/客観)(B)し,音を発して移動する各粒子の属性に割当てる.Aでは,評価極性の高低を音程の高低とx座標の正負に,評価極性の正負を長・短調に割当て,評価の頻度分布を音長に反映させる.Bでは,正/負を長/短調,主/客観を高/低音に割当て,ラベル4つを各象限に対応させる.試作システムの初期評価で「ネタバレ」なしにドラマが喚起する集団心理の典型的ダイナミクスを体感できることが示された.
著者
上野 貴大 高橋 幸司 座間 拓弥 荻野 雅史 鈴木 英二(MD) 原 和彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100317, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】大腿骨近位部骨折患者における回復期に生じる疼痛に、筋痛が存在する。過去の報告において、筋痛は代償運動による筋の過負荷が原因とされており、その動作を繰り返すことで慢性痛への移行が危惧されている。しかし、いずれの報告も経験則として述べられるに留まっており、代償運動とその際の筋活動を運動力学的・筋電図学的側面から分析し、筋痛発生原因を示した報告はない。そこで、本研究では立ち上がり動作を運動力学的・筋電図学的に分析し、筋痛の原因となる代償運動とその際の筋活動を明らかにすることで筋痛発生原因を検討した。【方法】対象は当院へ入院された大腿骨近位部骨折患者の中から、除外対象を除いた19名であった。除外対象は認知機能低下を認めた例(MMSE<19pt)、過去に動作能力に大きな影響及ぼす程度の重篤な既往を有する例とした。対象に対し基本特性の調査として、性・年齢・診断名・術式を調査した。発症から2~3週の間に、対象の立ち上がり動作(下腿長の120%の高さに設定した椅子からの支持物を用いない立ち上がり)に対し、三次元動作計測及び筋電図計測を同期計測した。身体運動計測には三次元動作解析装置VICON MX(Oxfordmetrics社製)と床反力計(Kistler社製)を用いた。標点位置は左右の肩峰、股関節、膝関節、外果、第5中足骨の計10点とした。得られたデータは、解析ソフト(Vicon Body Builder)を用いて解析した。解析データは力学データの体重による正規化、時間軸100%正規化を実施した後、床反力鉛直成分、関節運動角度、関節運動モーメントを抽出した。筋電図計測は、筋電計WEB-5000(日本光電社製)を用い、被検筋は左右の大殿筋、外側広筋、大腿二頭筋の計6筋とした。筋電図波形の解析は、解析ソフト(scilab)を用いButterworth filter(10Hz-400Hz)で波形処理し、全波整流の後、筋活動積分値(IEMG)を抽出した。IEMGについて、正規化のために計測した体重の2%の重錘を用いた等尺性収縮時のIEMGで除し、%IEMGを算出した。筋痛の程度・部位の評価は、動作計測時に視覚的アナログスケール(VAS)を用い実施した。術部や骨折部以外に認め、筋の走行に沿った圧痛を伴う痛みを筋痛と規定し、筋痛の有無により筋痛あり群・筋痛なし群へ分類した。調査及び分析結果について、群間で比較検討を実施した。比較検討には、結果の尺度に応じてMann-WhitneyのU検定・χ²独立性の検定のいずれかを用い、有意水準5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者には、研究の主旨等について説明を行い、書面にて同意を得た。本研究は当院及び研究協力機関における倫理委員会の承認を得ている。【結果】筋痛あり群と筋痛なし群は、それぞれ11例(男性4例、女性7例、平均年齢75.1±15.2歳)、8例(男性1例、女性7例、平均年齢70.8±9.8歳)であった。筋痛あり群においては大腿四頭筋8例、ハムストリングス3例にVAS3.2の筋痛を有していた。診断名は、筋痛あり群で大腿骨転子部骨折6例、大腿骨頸部骨折5例、筋痛なし群で大腿骨転子部骨折6例、大腿骨頸部骨折2例であり、各群の特性には有意差を認めなかった。床反力鉛直成分(健側比)では、群間に有意差を認めなかった。関節運動範囲では、筋痛あり群の患側股関節運動範囲が有意に小さかった。関節運動モーメント積分値では、筋痛あり群の膝関節伸展運動モーメント積分値が有意に大きかった。患側股関節伸展運動モーメントを100%とした場合の患側膝関節伸展運動モーメントの割合は、筋痛あり群で有意に大きかった。筋痛あり群の筋活動量(健側比)は、筋痛あり群の外側広筋で有意に大きかった。【考察】荷重量の側面では、両群共に健側下肢で大きく健側下肢に依存した動作様式を取っていた。よって、健側での代償運動は筋痛発生に関与しないことが示唆された。関節運動範囲・関節運動モーメントにおける分析結果を解釈すると、筋痛あり群では、患側股関節運動範囲の低下により患側股関節伸展運動モーメントは低下し、代償的に患側膝関節伸展運動モーメントの増大を認めることが示された。これに筋電図分析結果を加味すると患側膝関節伸展運動モーメントを生成するため、患側膝関節伸展筋の活動増大を生じていることが考えられた。これは筋痛発生筋と一致し、患側股関節への負荷を膝関節が代償する代償運動が筋痛発生原因となっていることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】大腿骨近位部骨折患者において慢性痛の原因となる筋痛について、その発生メカ二ズムを客観的データから示せたことは意義のあるものと考える。
著者
鈴木 潤 姜 娟
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.195-208, 2012
参考文献数
15

近年,「グリーン・イノベーション」に対する重視と重点投資は,世界的な潮流となっている。しかし真に有効な関連政策や企業戦略などを検討するためには,従来言われてきた「日本の環境技術は世界一である」という通説を盲目的に引用することは慎むべきであり,今一度冷静に各種の環境関連の「コア技術」とそれらをサポートする「近隣技術」を俯瞰し,日本企業の技術競争力の国際的位置づけをエビデンスに基づいて明らかにすることが必要であると考えられる。本論文では,PATSTATを用い,IPCコードの「共起」に基づいて,より科学的かつ合理的な環境技術の定義法を提示するとともに,各技術分野の「近隣技術」を同定し,分析の視野に加えた。さらに,企業が自国の国内に多くの特許を出願するという"home country bias"を考慮したうえで,新たに定義された個々の技術領域の「コア技術」及び「近隣技術」における各国の国際特許出願数を集計し,国単位のマクロレベルで,各技術分野における日本の国際競争力の実像の把握を試みた。これらの分析の結果,環境技術のほとんどの分野において世界で最も高い技術競争力を有するのはほぼ例外なく米国とドイツであり,日本はいくつかの分野でトップではあるものの,圧倒的とは言えないという事実が明らかになった。さらに,特定の分野ではアジアの新興国による追い上げを受けている。少なくとも現時点で日本が「世界一の環境大国」であるとするのは幻想であるかもしれない。
著者
緒方 英彦 高田 龍一 鈴木 哲也 山崎 大輔 佐藤 周之
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.405-409,a2, 2010 (Released:2019-01-08)
参考文献数
4

農業水利施設の機能保全では,それぞれの施設で異なる構造形式,供用される環境条件に応じた変状発生パターンに基づいて機能診断が実施され,施設特有の変状に即した対策工法が実施されなければならない。そのためには,表面変状だけでなく内部変状を的確に見極める変状認知力を持つことが必要になる。本報では,寒冷地にあるRC開水路を対象に,凍害による内部変状の発生パターンを採取したコアから考察するとともに,現地踏査(概査)でこの内部変状を推測する手段を述べる。また,RC開水路の凍害ひび割れ発生形態に基づいた対策工法について提言を行う。
著者
松浦 利江子 鈴木 英子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.319-328, 2017 (Released:2018-02-07)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

目的:精神科看護師の自尊感情の関連要因を患者に対する陰性感情経験も視野に入れて明らかにし,看護師支援策を検討する.方法:9私立精神科病院に勤務する看護師737名を対象に質問紙調査を実施した.有効回答数は365名(49.5%)であった.調査内容は,基本的属性,職場環境要因,心理的健康,自尊感情尺度(Rosenberg, 1965;山本ら,1982)とし,自尊感情尺度合計得点を従属変数とした重回帰分析を行った.結果:重回帰分析の結果,自由度調整済み決定係数は0.44であった.自尊感情尺度合計得点と有意な関連が認められた要因は,環境制御力,患者に対する陰性感情経験への嫌悪度,既婚,職位が主任,コーピング行動は当事者と話し合う手法をとる,最長勤務領域が外科系病棟,であった.結論:患者に対する陰性感情への嫌悪感が過度にならない支援,患者を取り巻く精神科看護師も含めた人的・物的環境を制御する能力としての患者支援技術修得への支援,問題の当事者と話し合う対処方法修得への支援の重要性が示唆された.