著者
馬田 一郎 鈴木 紀子 鳥山 朋二
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

共同作業における作業ミス予測のため、視線検出装置・モーションキャプチャー装置などのセンサによるデータと発話データを用いてミスコミュニケーションが起こりやすい状態を推定することを目標とした。分析の結果、ミス予測については、各作業者が並列で作業を行う状態が続いている状態で共同注視の発生頻度が低い場合、ミスコミュニケーションの発生頻度が高くなる可能性が示唆されたが、共同注視が起こらない場合には必ずミス発生につながるという訳ではないことが観察された。この結果から、現状ではミスを起こしやすい作業チームを共同注視推測データから分類する可能性は有望であるものの、このデータを作業現場でのリアルタイムのミス予防にそのまま応用することは困難であることが示された。
著者
鈴木 諒一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1-8, 1996-12-25

平成時代に入ってから,関東地方のように大平野があり,気候も温和な地区を商工業の発展地区にしたいと云う開発計画が聞かれた。但し,京浜工業地帯や神奈川県の海岸地帯は過密地帯でこれ以上,人ロを増やすことは好ましくないし,房総半島のような小高い丘のある場所は開発計画から外してある。又,開発拠点としては,人口20万人以上の都市を中心として開発を進めれば,自らその周辺を潤おすであろうとの観察も成り立つ筈である。かくして開発拠点としては, (1)八高線より東,(2)千葉-成田を結ぶ線及び常磐線より西,(3)相模原市, (4)北は,水戸-高崎を結ぶ線より南,の地区に集中させる。そこで,先ず小売業の売上金額を考察すると,人口の大小と売上高との取引はある筈であるが,その相関を大きく乱しているのは,宇都宮市と水戸市であって,いずれも人口の割に,販売高が多い。この原因を小売業の内部構造に求める。千葉県船橋市は各種商品小売業の販売額が大きく,北関東の都市では,各専門店の売上高の割合で大きい。又,人口増加率と売上高の伸び率が大きいのは,川越市と所沢市である。第2に製造業との相関をとると,高崎市は小売業の割に製造業の出荷額が大きく,船橋市はその逆である。前者は電気機械,輸送用機械等のシェアが大きく,後者は化学工業,一般機械等の消費財のウエイトが大きい。第3にサービス業と小売業の相関を見ると,船橋市では宿泊所のウェイトが低く,自動車等の修理業のウェイトが大きい。これに対して高崎市では,宿泊所のウェイトが高く,「その他の修理業」のウェイトが低い。そして千葉県の方が群馬県より零細経営の事業所が少ない。
著者
岡田 全司 大原 直也 吉田 栄人 鈴木 克洋 井上 義一 源 誠二郎
出版者
独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.結核菌症のキラーT細胞分化機構:(1)抗結核キラーT細胞から産出されるGranulysin〔15kdのGranulysin(15KGra)〕が結核殺傷に極めて重要な役割を果たしている発見をした。GraはMφ内結核菌を殺傷した。(2)結核患者キラーT細胞から分泌されるkiller secretory protein(Ksp37)が血清中で低下していることを初めて明らかにした。(3)15K Gra DNAワクチンは結核予防効果を示した。(a)15K Granulysin DNAワクチン(b)9K Granulysin DNAワクチン(c)分泌型9K Granulysin DNAワクチン(d)Adenovirusベクター/15K Granulysinワクチンをすでに作製した。(4)15K Gra Transgenicマウスを初めて作製し、Granulysin transgenicマウスは生体内の抗結核菌殺傷作用のみでなく、結核に対するキラーT細胞の分化誘導を増強した。また、結核菌に対するT細胞増殖能増強作用とIFN-γ産生増強効果を示した。2.新しい結核予防ワクチンの開発(1)新しいDNAワクチンの開発(1)BCGワクチンより1万倍強力な結核予防ワクチン(HVJ/Hsp65+IL-12DNAワクチン)開発に成功した。(2)カニクイザルの系で世界で初めて、結核予防ワクチンの有効性を示した。(Vaccine 2005)これらのワクチン効果とキラーT誘導活性は相関した。3.新しい結核治療ワクチンの開発(Hsp65DNA+IL-12DNAワクチン)上記のHsp65+IL-12DNAワクチンは結核治療ワクチン効果も示し、世界で初めて結核治療ワクチンを創製することに成功した。これらの治療ワクチン効果と、IFN-γ産生細胞の増殖(Elispotアッセイで測定)活性は相関した。
著者
岡田 全司 吉田 栄人 大原 直也 鈴木 克洋 井上 義一 露口 一成
出版者
独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

(1)新しい結核治療ワクチンの開発:HVJ-エンベロープ/HSP65 DNA+IL-12 DNAワクチンはマウス及びヒト結核感染に最も近いカニクイザルを用い、多剤耐性結核や超薬剤耐性結核に対し、治療効果(結核菌数減少及び延命効果)を発揮する画期的なワクチンであることを発見。(2)この抗結核効果がキラーT細胞分化誘導と関係。(3)15K granulysinタンパクが結核菌に対するキラーT細胞分化誘導活性を示すことを発見。IL-6 やIL-2と相乗的なキラーT分化誘導を示した。(4)granulysin Tgマウスを作製した。
著者
浦田 耕二 福井 美佳 藤井 寛子 鈴木 優 酒井 哲也 齋藤 佳美 市村 由美 佐々木 寛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.36, pp.23-29, 2004-03-26
被引用文献数
6

ユーザからの質問に対し、映像・音声・取扱説明(テキスト)などで構成される表現力豊かなマルチモーダルコンテンツの検索技術、および、質問内容を理解しユーザが必要としている情報に対して的確に回答する質問応答技術を融合することにより、より分かりやすい情報提供を実現した質問応答型マルチモーダルヘルプを開発した。このシステムを用いて、オーブンレンジ、デジタルカメラの取扱説明書データ(テキスト160ページ、映像108分)を登録し、質問データ123件による実験を行い、次のような知見が得られた。(1)質問応答技術により取扱説明情報の探索作業が軽減される見込みを得た。(2)映像、音声、取扱説明書の該当ページの表示を併用することにより,取扱説明に関するわかりやすさが向上すること確認した。映像収集、編集について、作業の軽減と質の向上を支援する必要がある。We have developed a user-friendly help system by integrating multimodal content retrieval technology and question answering technology. Multimodal content retrieval enables the user to access contents with a rich power of expression such as those comprising video, speech and textual instructions, while question answering enables pinpoint access to the required information. We conducted a preliminary experiment using the manuals of a microwave oven and a digital camera (160 pages of text and 108 minutes of video) as the knowledge source, with 123 questions. Our findings are: (1) Question answering technology enables efficient access to the desired instructions; and (2) Responses in video/audio accompanied by presentation of a relevant manual page helps the user understand the instructions better. However, we need a mechanism for facilitating gathering/editing of video contents and for improving their quality.
著者
飛田 良文 鈴木 庸子 ベデル ジョージ
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.明治・大正・昭和の約100年にわたる日本語の近代化する現象を、外来語を対照として考察した。そのため、作品数1000の外来語を採取し、約14万用例をデータベースに入力した。この用例集をもとに、時代的変化を計量的に分析し、また、語形や煮味の変化した外来語の語史を解明した。2.第一に、研究方法を検討し、外来語とは何か、定義が時代によって変っていることを明らかにした。「外来語研究の方法」である。外来語を借用語と日本人の造語した外来語とに分類し、比較した。この点が本研究の独創的な点である。3.第二に、用例の確認作業の完了した40作品約1万用例について計量的分析を行った。「明治大正昭和期における40作品の外来語」である。原語別にみると、明治期から英語からの借用語が圧倒的で、ポルトガル語とオランダ語がこれにつづく。ドイツ語・フランス語がその存在を示すのは大正期からである。また、和製洋語が出現するのは、原語により異なるが、外来語と日本語の混種語の誕生後であることを発見した。固有名詞の外来語は地名、人名が圧倒的であるが、漢字表記の地名、人名は、漢訳洋書からの借用が多いことを発見した。4.語史については、和製外来語リヤカーの誕生、語形の統一されるヒステリックとヒステリカルの語史、漢字表記からカタカナ表記へと移り変わるタバコの歴史、イメージの変化するデリケートの語史、学術用語として問題のある考古学の石器用語について考察した。5.索引には、作品別五十音順用例集と、語別年代順用例集を作成した。これは日本最初の外来語用例集である。
著者
鈴木 泉 大里有生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.1, pp.55-60, 2006-01-12

インターネット検索において、人間が検索クエリーを作成する際の支援をするシステムを提案する。そのために先ず、検索行為の認知モデルを実験により明らかにした。本システムでは、人間は最初に1回だけ、クエリーに使われる可能性のある語をファジィ集合として与える。実際に検索で使用するクエリーは、人間が与えたファジィ集合に基づいて生成される。検索に成功するまでクエリーを変更してこれを繰り返すが、その際、人間が与えた指示には常に必ずしも従わないほうが、逆に良い結果をもたらすという、大局的学習法の考え方が適用できる。大局的学習法を適用することの有効性を、実際の検索を行って検証する。A human support system is introduced that assists human to create queries in Internet searching. For this purpose, a human recognition model of searching activity is described by performing an experiment. In the initial stage of the system, the human is requested to identify the entire word set that can be part of the queries, by means of a fussy set. Then, every seaching query is generated by obeying the Fuzzy set until the human successes the searching. However, the system can be even more useful if the system does not always obey the human instruction, which is outlined as the Global Learning Method. How the Global Learning Method is applied to this system, and why it can be useful are discussed by referring an experiment in which the proposing system is employed.
著者
渋谷 茂一 石塚 春夫 木下 敏雄 吉村 和昭 安藤 秀哉 亀島 昭徳 鈴木 喬 賀来 壽一 海野 幸次郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.314, pp.73-80, 1996-10-18
被引用文献数
18

過去10年来, CISPRは,「EMI(放射妨害波)測定法の合理化」を最重要課題に挙げてきたが, 依然として未解決のままである. すなわち, 1991年のEMCシンポジュウム(チューリッヒ)では, IBM社が, 全世界の優良34サイトについて3m法の比較試験を実施し, EMI電界測定値に約10 dBのバラツキがあることを公表した. 1994年の会議(北京)では, ドイツが, 同じく6サイトについて10dB以上の差異を検出, CISPR測定法の不適合性を指摘した. 最新の1995年の会議(ダーバン)では,「EMIテストサイトと測定法の問題点と理論的検討」があらためて各国に要請された. 本論文は, それらに対応して,「3m法を含むCISPR勧告型サイトの相関係数が不確定で, 容易に10db以上の誤差が生じる理由を理論的に証明」, また, 「放射妨害波限度値ならびにサイトの自由空間化のみが唯一の解決手段」であることを示す.
著者
鈴木 喜久 室崎 益輝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性
巻号頁・発行日
vol.108, no.186, pp.1-2, 2008-08-18

7月10日、11日に日本学術会議で、安全工学シンポジュウム2008が開催された。関西からの出席者は少ないように思うので、概略を報告する。
著者
鈴木 祐介
出版者
広島市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は,地図や罫線文書などの平面上に描画可能な構造を持つ平面データを対象としたマイニング手法の開発,及びそのための理論的基盤についての確立である.TTSPグラフ,外平面的グラフ,順序グラフでモデル化される平面データを対象に,それらの特徴を表現するグラフパターンの提案を行った.さらに,それらのグラフパターンに対する多項式時間機械学習アルゴリズムを提案した.またその結果を応用したグラフマイニング手法について考察した.
著者
鈴木 誠 大須賀 昭彦 後藤 正幸 須子 統太
出版者
湘南工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

文字N-グラムに基づく言語独立なテキスト分類手法である蓄積手法を提案した。蓄積手法は、索引語を形成する際に文字N-グラムを使用するので、言語固有の文法構造に依存しない。テキスト文書がUnicodeで表現されてさえいれば、蓄積手法は異なる言語に対しても同一のプログラムを用いて文書を分類することができる。そこで、この蓄積手法を用いて英語と日本語と韓国語と中国語のテキスト文書の分類実験をした。その結果、英語のReuters-21578は94.5%、日本語の毎日新聞の実験データは88.5%、韓国語のハンギョレー新聞の実験データは90.2%、中国語の人民日報の実験データに対しても92.6%の精度で分類することができた。このように、蓄積手法が様々な言語で比較的高い精度で分類できることを確認した。さらに、蓄積手法の数理モデルを構築し、その数理的な意味を解明することができた。