著者
鈴木 満 唐橋 拓史 木下 哲男 白鳥 則郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.489-490, 1997-03-12

インターネットの普及にともないネットワーク接続された異機種分散系上の計算機資源の共有, 利用, 管理や, その上でのユーザ間コミュニケーション等の実現のために,マルチエージェントシステムが提案されている. マルチエージェントシステムとは, 複数のエージェントが互いにコミュニケーションを行い, 協調動作する事で1つのシステムを構成するものである. エージェントとは自律的な計算主体であり, 計算機資源利用に関する知識や制御機構を持つ. このようなエージェントを用いてシステムを構成することにより異機種間での差異を吸収し, また, 柔軟なシステム運用が可能となる. しかしながら, 個々のエージェンは1つ以上のプロセスにより実現され, マルチエージェントシステムの実装にはマルチプロセスが前提となっている. そのため, PC等マルチタスクをサポートしない OS による小規模な計算機システムにおいては, その実装がそのままの形では困難なものとなっている. 小規摸計算機システム上の資源をマルチエージェントシステムから利用するためには, 対象となる計算機システムやアプリケーションに特化したエージェントを用意することが必要であり, またその計算機資源の管理の一部を計算機システム外部から行なうための機構が必要どなる. 本稿では, マルチエージェントシステム上のエージェントから小規模計算機システム上の資源を利用するために, GWA-ACA モデルを提案する. GWA-ACA モデルとは小規模計算機システム上にアプリケーションコントロール機構を設け, マルチエージェントシステム上からその計算機システム上の資源を利用できるようするものである. また, 本モデルをマルチエージェントシステム ADIPS 上に実装し, その有効性を示す.
著者
浅野 智 鈴木 平 山田 雅代 和田 夏希 佐藤 純 田中 拓也
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第57回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.P41, 2010 (Released:2010-06-15)

人間中心設計を応用したWeb開発プロセスでは、フィールドワークやインタビューでユーザーの潜在的欲求を探り、その情報を可視化するペルソナやシナリオといった手法が活用されるようになってきた。また可視化されたユーザーが利用する人工物をモデル化する過程としてペーパープロトタイプなどが注目されている。 本研究は、Webサービスの設計において可視化されたユーザーがどのようなコンテクストで人工物を扱いゴールにたどり着くかを、スケッチからプロトタイピングという流れに着目しその手法について提案と検証を試みた。
著者
鈴木 康夫
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.香港(1999年)におけるウズラおよびニワトリからのインフルエンザウイルス分離株の一部は、ヘマグルチニン(HA)分子内アミノ酸226がトリ型からヒト型へ変異していることを見出した。この結果は、自然宿主カモのウイルスが家禽宿主に伝播し、流行している間に、宿主動物の受容体糖鎖による進化上の選択を受け、HA分子内のアミノ酸置換起こり、その置換がヒト型受容体認識特異性を持った場合、ブクを介さず直接ヒトへ伝播する可能性を見出した。2.発育鶏卵しょう尿膜中に、トリまたはヒトインフルエンザHAと特異的に結合するシアロ糖脂質を発見した。また、ヒト、トリ、ブタ、ウマウイルスのいずれにも強く結合できるシアロ糖脂質も見出した。後者は、ヒト、その他の動物インフルエンザウイルス共通の受容体であることが示された。その部分化学構造も明らかにした。3.ホンコン風邪(A/1968,H3N2)の原因ウイルスイラミニダーゼスパイク(NA)は、酸性pHに安定であり、トリウイルスNAの性質を持つことを発見した。また、1968年に発生したパンデミック株(H3N2)のN2は、1971年以降に出現した流行株H3N2のN2ではないことを見出した。4.インフルエンザウイルス感染を阻害する数種の新HA阻害剤を見出した(シアリルラクトサミン含有ポリグルタミン酸、HA3量体の受容体認識ポケットにはまる新規インフルエンザウイルス感染阻害物質、水棲バクテリアから見出した中性グリセロ糖脂質他)。また、グルコサミン6-硫酸および硫酸化スフィンゴ糖脂質(スルファチド)によるNAの阻害活性を見出した。
著者
鈴木 忠二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.18, no.42, pp.1-5, 1994-07-21

SID'94国際会議は6月12日(日)〜6月17日(金)の6日間,米国 カリフォーニア州サンノゼ市で開催された.参加者数(1450名),発表論文数(238)とも前回のSID'93を上回り,盛況であった.論文発表における日本の貢献度は引続き高レベルであった.会議はMcEner Convention Centerで行われ,5会議室で45セションが円滑に運営された.なお,セミナーおよび展 示会も開催され,4000名の参加者で賜わった.
著者
杉信 賢一 鈴木 信治 小松 敏憲
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.300-308, 1989-03-31
被引用文献数
3

採種栽培時におけるイタリアンライグラスの耐倒伏性を高めるため,この選抜に必要な個体レベルでの耐倒伏性と,関連形質の変異及び相互関係を明らかにしようとした。耐倒伏性が強く直立型のワセアオバと,耐倒伏性が弱くて中間型のワセヒカリの2品種を供試し,検討を行った。1981年8月下旬に播種,10月中旬に圃場に個体植えした材料について,翌年,耐倒伏性,種子収量及び関連形質の調査を行った。両品種とも出穂始めころから倒伏が始まり,登熟が進むにしたがい倒伏が著しくなったが,常にワセアオバがワセヒカリより倒伏の程度が低かった。一方,種子収量はワセヒカリがワセアオバより42.5%高かった。ワセアオバでは耐倒伏性の優れた個体は,出穂日が晩く,出穂から開花までの日数が少なく,草型は直立型で,最上位節間が長く,最太節間径が太く,茎数,二次分げつ茎数・穂数及び頴果数が少なくて,曲げ抵抗が強い傾向が認められた。ワセヒカリで耐倒伏性の優れた個体は,葉の下垂度が大きく,最太節間径が太く,茎数及び二次分げつ茎数とも少なく,穂重/稈重比が小さく,1穂当たりの小穂数が多く,穂重及び1穂当たりの種子重が重い傾向が認められた。ワセヒカリで種子収量の優れた個体は,穂数は多いが,二次分げつ茎数が少なく,穂重/稈重比が大きく,1穂当たりの種子重が重い傾向が認められた。耐倒伏性と重相関の高い形質として,ワセアオバでは最上位節間長,出穂時の草丈,出穂日,草型及び曲げ抵抗の5形質が選択され,ワセヒカリでは曲げ抵抗,出穂時の草丈,最上位節間長,二次分げつ茎数,最太節間径,穂重/稈重比及び葉長の7形質が選択された。種子収量と重相関の高い形質として,両品種とも1穂当たりの種子重と穂数が選択され,これに加えて,ワセヒカリでは,出穂時の草丈,主茎分枝数,最上位節間長及び主茎節数が選択された。耐倒伏性と種子収量との複合形質と関連の強い形質として,両品種とも耐倒伏性及び種子収量自体が選択され,これに加えて,ワセアオバで小穂数,最上位節間長,葉型,出穂日及び上第二位節間長,ワセヒカリで二次分げつ茎数が選択された。以上の結果から,採種栽培において高種子重を保ちつつ耐倒伏性を高めるには,1穂当たりの種子重を高めるとともに,これを支える茎基部の節間径を太くして,曲げ抵抗力の大きい強健な茎を持つ植物を選抜することが有効と結論された。
著者
鈴木 猛 緒方 一喜 平社 俊之助 長田 泰博
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.258-267, 1959

1.1959年5月8日より6月9日に至る間, 長崎県西彼杵郡高島町の端島において, ゴキブリの棲息状況の調査, 及び殺虫剤による駆除実験を試みた.2.採集数1232匹中, 3匹のクロゴキブリPeriplaneta fuliginosa Servilleを除いて, 他はすべてワモンゴキブリPeriplaneta americana L.であり, 1958年の予備調査の結果とあわせ, 端島のゴキブリの優占種はワモンゴキブリであり, しかもきわめて高い比率を占めることを認めた.3.実験地のアパートからトラツプによつて採集されたワモンゴキブリは, ♀より♂の方がはるかに多い.一方, ほぼ同時間に採炭坑内から採集されたワモンゴキブリは, ♀の方が♂より多いことを知つた.4.ワモンゴキブリは実験地のアパートに確率的に分布するのではなく, ある特定の家に集中する.そして, 各戸面接調査によつて得た環境条件と, トラップで捕獲したゴキブリ数の相関をしらべた結果, カマドの使用頻度が高く, カマドの下にたきぎや紙などがつまつており, また屋内全体の湿気が高い家ほどゴキブリの棲息密度が高いことを知つた.5. diazinon 5%乳剤(塗布及び撒布, 各原液及び5倍), lindane 10%乳剤(各2倍及び10倍), dieldrin 4% lindane 6%乳剤(各2倍及び10倍), BHC50%水和剤(各10倍及び50倍)をカツコ内の濃度に稀釈し, 塗布実験区では, 1戸150ccの割でカマドや流しの周辺, 台所のすみ, 押入の入口などに刷毛を用いて巾5〜7cmに塗布した.撒布実験区では, 台所や押入入口附近のゴキブリの潜伏場所やその周辺に対し, 1戸あたり約800ccを全自動式噴霧器によつて撒布した.6.薬剤の効果を正しく把握するため, トラップあるいは視察によつて得たデータに対し, 次の補正によつて相対棲息密度指数RPIを算出した.RPI=T_<ai>/E_i×100=C_b/C_<ai>×T_<ai>/T_b×100ここで, T_<ai>, T_bはそれぞれ薬剤処理区の処理以前の1日平均捕集数, C_b, C_<ai>は同じく対照区の平均捕集数であり, またE_iは, 薬剤処理を全く行わないと仮定した場合の処理区のi日後の期待捕集数で, 次によつて得られる.E_i=T_b×C_<ai>/C_b 7.同種の薬剤で, 塗布の効果は一般に撒布の効果に劣る.トラップの捕集数から判定すると, lindane撒布, lindane・dieldrin混合剤撒布がもつとも有効であるが, 1ヵ月後にはほぼもとの相対密度まで回復する.diazinon撒布及び塗布, 混合剤塗布がこれにつゞき, lindane塗布は効果がそれほど大きくない.BHCの撒布と塗布は, 効果がほとんど認められなかつた.8.視察及び死亡虫数から効果を判定すると, おゝむねトラップによる方法と結果が一致するが, ただBHC撒布の効果が著しく高くあらわれた.9.薬剤処理後のワモンゴキブリの性比及び幼虫比を, 処理前及び対照区のそれと比較検討した結果, 処理区では, 全成虫中に占める♂の比率及び全ゴキブリ中の幼虫の比率がともに減少する傾向にあることを知り, これを♀に対する♂の, また成虫に対する幼虫の, 薬剤に対する高い感受性によるものと推定した.結果において, 薬剤処理区では, ♀の比率が高まることを知つた.10.アパートの各戸内に床面積1m^2あたり9.2cc(約300cc/33m^2)のDDVP0.3%油剤を煙霧機によつてふきこんだが, ワモンゴキブリに対して, ほとんど効果が認められなかつた.11.端島で1959年6月以降行われたゴキブリ全島駆除の概況を附記した.
著者
鈴木 輝好
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.29-40, 2004-03-09

生命保険会社が取り扱っている企業年金には額面保証や利率保証、特別配当といった仕組みがある。本稿は、これらの仕組みをどちらか一方が行使可能な永久アメリカン・プットオプションと永久アメリカン・コールオプションの組み合わせとして定式化し企業年金保険の価格を解析的に導出した。その際、保険会社にデフォルトの可能性がありデフォルト時にはペイオフが減額されることを考慮に入れた。その結果、いくつかの数値例から、企業年金保険の価格はデフォルトリスクの影響を受けにくいが逆に最適解約戦略はその影響を大きく受けること、および運用フィーを控除した基金のネットの受け取り利息は委託先が投資適格級の生命保険会社であればその格付けの違いからは大きな影響を受けないことが分かった。また、アメリカン・コールオプションとして定式化される価格上昇時の解約を考慮に入れないと、場合によって企業年金保険は解約に際して違約金の生じる永久利率保証契約にすぎないことを解析的に示した。
著者
二山 拓也 藤田 憲浩 常盤 直哉 進藤 佳彦 枝広 俊昭 亀井 輝彦 那須 弘明 岩井 信 加藤 光司 福田 康之 金川 直晃 安彦 尚文 松本 雅英 姫野 敏彦 橋本 寿文 劉 逸青 Chivongodze Hardwell 堺 学 丁 虹 竹内 義昭 梶村 則文 梶谷 泰之 櫻井 清史 柳平 康輔 鈴木 俊宏 並木 裕子 藤村 朋史 丸山 徹 渡辺 寿治 原 毅彦 大島 成夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.2, pp.39-42, 2009-04-06

32nmCMOS製造プロセスを用いて3ビット/セルの多値技術を持った32GビットのNANDフラッシュメモリを開発した。微細化と3ビット/セル技術の導入により、チップサイズ113mm2を実現した。プレスリリースされている32GビットNANDフラッシュとしては世界最小かつ最高密度であり、マイクロSDカードに実装できるNANDフラッシュメモリとしては世界最大容量を実現した。本発表では、最近のNANDフラッシュメモリの技術動向に関してもあわせて紹介する。
著者
鈴木 聡 鈴木 宏昭
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

アカデミックライティングの学習において,参照したテキストの中から学習者自ら議論する問題を発見し,協調学習を通じて内容を洗練させる問題構築的読解のプロセスは重要な役割を果たす.著者らは,問題構築的読解のためのマーキング・相互コメントが可能なWebベースの学習環境を開発し,大学授業にて運用した.本発表では,その際の相互コメントの内容を分析し,相互コメントの質とライティングの質との関係について検討する.
著者
工藤 誠治 稲積 秀一 鈴木 唯司 森田 秀 高橋 信好
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1063-1066, 1989-07-20

患者は,28歳の男性で,1987年10月,腰痛を主訴に,某医受診し,精査目的にて同年11月11日,当院紹介入院となった.入院時の検査成績では,著明な腎機能低下が認められた他,超音波検査並びに,胃部CT撮影にて,両側腎皮質の厚い石灰化が認められた.腎生検では,一部に骨髄細胞を伴った骨形成の病理所見が得られた.その後,外来にて経過観察中であったが,1988年6月3日,再入院となり,現在,血液透析施行中である.腎における異所性骨形成は,比較的稀な疾患であり,しかもこれまでの報告例は,全て片側腎に限られていた.今回,我々は,両側腎における異所骨形成を認め,同時に慢性腎不全を呈する1症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.両側腎における異所性骨形成は,我々の調べ得た限りでは本邦での他の文献発表は,認めなかった.
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 鈴木 孝雄 清水 孝徳 軍司 祥雄 剣持 敬 島田 英昭 岡住 慎一 林 秀樹 西郷 健一 高山 亘 岩崎 好太郎 牧野 治文 松井 芳文 宮内 英聡 夏目 俊彦 伊藤 泰平 近藤 悟 平山 信夫 星野 敏彦 井上 雅仁 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 一瀬 正治 吉田 英生 大沼 直躬 横須賀 収 今関 文夫 丸山 紀史 須永 雅彦 税所 宏光 篠塚 典弘 佐藤 二郎 西野 卓 中西 加寿也 志賀 英敏 織田 成人 平澤 博之 守田 文範 梁川 範幸 北原 宏 中村 裕義 北田 光一 古山 信明 菅野 治重 野村 文夫 内貴 恵子 斎藤 洋子 久保 悦子 倉山 富久子 田村 道子 酒巻 建夫 柏原 英彦 島津 元秀 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.231-237, 2000-10-01
被引用文献数
1

今回,千葉大学医学部附属病院において,本県第1例目となるウイルソン病肝不全症例に対する生体部分肝移植の1例を実施したので報告する。症例(レシピエント)は13歳,男児であり,術前,凝固異常(HPT<35%)とともに,傾眠傾向を示していた。血液型はAB型,入院時の身長は176.0cm,体重は67.0kgであり,標準肝容積(SLV)=1273.6cm^3であった。ドナーは姉(異父)であり,血液型はA型(適合),身長は148.0cm,体重は50.0kgと比較的小柄であり,肝右葉の移植となった。術後は極めて良好な経過をたどり,肝機能は正常化(HPT>100%)し,術後72病日で退院となった。