著者
鳥居 洋祐 大西 崇文 長友 忠相 佐藤 元 中村 純子 鳥居 良貴 森井 英一 廣田 誠一
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.221-227, 2018-03-25 (Released:2018-03-27)
参考文献数
8

グロコット染色は一般に,銀液の温度や反応時間の設定が難しく,施行者間での染色性に差が生じやすい。特にメセナミン銀液を用いる従来法ではその傾向が強いことから,銀液の反応時間の許容範囲が大幅に広く,また塩化金液による菌体の染色性を調節することができるクロム酸アンモニア銀法を用いることで施行者間での相違が少なくなることが期待される。しかし,これまでには温熱下での銀液反応時間の設定や,真菌ごとの至適条件の検討は十分には行われていない。今回我々は,従来法とクロム酸アンモニア銀法における各種真菌での溶融器と温浴槽を用いた銀液の反応時間および塩化金液の反応時間を比較検討した。検討した真菌はアスペルギルス,クリプトコッカス,ニューモシスチス・イロベチーの3種類で,いずれの真菌でも溶融器を用いた場合に,良好な染色性を示す銀液の反応時間の幅が最も広いことが確認された。また,いずれの真菌においても塩化金液の反応時間を変えることで菌体の色の濃さが調節でき,いずれも1~5分で十分な染色が行えることが明らかになった。溶融器を用いたクロム酸アンモニア銀法によるグロコット染色は,塩化金液での染色時間を真菌ごとに調節することで,施行者間の差の少ない安定した結果が得られるものと考えられる。
著者
鈴木 廣志 谷川 昇 長友 隆行 津田 英治
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.22, pp.55-64, 1993-11-10
被引用文献数
2

1986年5月,1987年6月および1990-1991年に,鹿児島県本土からトカラ列島にかけて,陸水産コエビ類の分布調査を行った.また,本土内を流れる川内川,万之瀬川および肝属川では,流程分布調査も行った.採集されたコエビ類は,ヌマエビ科が4属8種,テナガエビ科が2属9種であった.これら17種のうち13種が南方系の種類であったが,北方系の種も4種類出現し,本調査地域は両系の混棲する地域と考えられた.また,今まで沖縄島が北限とされていた,スベスベテナガエビMacrobrachium equidens,コツノテナガエビM. latimanus,およびツブテナガエビM. gracilirostreが大隅諸島(種子島,屋久島,口永長都島)でも採集された.したがって,これら3種の北限は大隅諸島まで引き上げられると考える.3つの河川における流程分布は,従来報告されているように河川形態,ダム,自然の滝などに影響されていることがわかり,河口から傾斜の緩やかな流域にかけては,両側回遊型のミゾレヌマエビCaridina leucostictaやミナミテナガエビMacrobrachium formosenseなどが分布し,ダムや滝などの上流域には,陸封型のミナミヌマエビNeocaridina denticulataやスジエビPalaemon (P.) pauddensのみが分布していた.
著者
長友 謙治
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済研究 (ISSN:18805647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.2_23-2_35, 2016 (Released:2016-06-28)
参考文献数
28

ロシアの農業生産は,1990年代の市場経済移行期に劇的に縮小したが,2000年代以降回復が進んだ.回復の中心となった自然条件や地理的条件に恵まれた地域では,農業組織の法人形態の農業生産協同組合から有限責任会社や株式会社への転換と,農業投資の拡大が同時並行的に進んでいた.こうした現象が生じたのは,その背後で,アグロホールディングに代表されるような,企業家による農業組織の所有と経営の集中が進行していたためと考えられる.
著者
長友 健太郎 西村 竜一 小松 久美子 黒田 由香 李晃伸 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
電子情報通信学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.2884-2893, 2002-09-15
参考文献数
15
被引用文献数
23

高精度な言語モデルの融合手法として,相補的バックオフアルゴリズムに基づく融合アルゴリズムを提案するとともに,それを用いた言語モデルの融合ツールを構築した.N-gram言語モデルは,学習元のコーパスの話題や知識,語調や発話様式などの特徴を反映する.そのため,タスクごとの特徴を反映した複数の言語モデルを融合することで,より多様な入力に対処できるモデルを構築できる.この言語モデルの融合において,既存の融合手法では,モデルの持つ特性が損なわれるためタスクに対する特徴がぼやけてしまう.また,従来手法である学習元コーパスの単純な結合および再学習による融合を行うためには,学習元のコーパス自体が必要になる.これに対して,他方のモデルには現れない未観測N-gramの生起確率を他方のモデルから相互に推定する高精度な相補的バックオフアルゴリズムを提案する.さらに本手法を用いて,学習元コーパスが不要で利便性の高い言語モデル融合ツールを構築した.実際に医療相談,グルメ・レシピ検索および新聞記事の各タスクの言語モデルを融合し,それらを評価した結果,各モデルの特性をなるべく保存しながら,コーパス結合モデルと比較しても精度が劣化しないモデルを得ることができた.A new complemental back-off algorithm for merging two N-gram languagemodels is proposed. By merging several topic-dependent orstyle-dependent models, we can construct a general model that coverswider range of topics easily. However, a conventional method thatsimply concatenates the training corpora or interpolating eachprobabilities often levels off the task-dependent characteristics in each languagemodels, and weaken the linguistic constraint in total. We propose anew back-off scheme that assigns the unseen N-gram probabilitiesaccording to the probabilities of the another model. It can assignmore reliable probabilities to the unseen N-grams, and no originalcorpora is needed for the merging. We implemented a command tool thatrealizes this method, and evaluated it on three recognition tasks(medical consulting, food recipe query and newspaper article). The results reveal that our merged model can keep the same accuracy of each original one.
著者
松原 秀也 丸田 頼一 近江 慶光 長友 大幸 柳井 重人
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.355-360, 1994-03-31
被引用文献数
6 9

本研究では,都市における巨樹の保全のあり方を探ることを目的とした。調査は住居系の土地利用が大半を占める東京都足立区花畑地域に残存する巨樹を取り上げ,所有者への意見聴取,住民へのアンケート,行政からの助直に係わる資料調査および意見聴取を行い,調査対象とした巨樹に対するそれぞれの意見や意識を調査した。その結果,所有者は周辺住民への落葉の影響を気兼ねはしているが,今後も調査対象木を保全していきたいと考えていることがわかった。管理に関しては,行政と所有者との意見や意識の差異が生じていた。また,調査対象木の近くの住民ほど,調査対象木との係わり合いが深くなり,関心も高まることが把握された。
著者
加治 俊幸 長友 誠
出版者
鹿児島県農業開発総合センター
雑誌
鹿児島県農業開発総合センター研究報告 耕種部門 (ISSN:18818609)
巻号頁・発行日
no.2, pp.43-51, 2008-03

サトウキビ'NiF8'における施肥窒素の利用率を重窒素トレーサー法(以下、(15)Nトレーサー法)で明らかにした。当年に施肥した窒素の利用率は、春植え栽培で46%、株出し栽培で51%であった。施肥期別にみると、春植え栽培では、基肥窒素26%、追肥窒素64%で、基肥窒素の利用率は、追肥窒素の0.4倍であった。株出し栽培では、基肥窒素65%、追肥窒素45%で、逆に基肥窒素の利用率が追肥窒素の1.4倍で、作型によって大きく異なった。春植え栽培では、生育量確保のために追肥は梅雨明け後に施用される場合が多く、溶脱の機会が少ないこと、株出し栽培では、基肥は、生育初期から吸収され、サトウキビ体内に取り込まれ、溶脱しにくいことが大きな要因と考えられた。
著者
前田 直樹 長友 真実 田中 陽子 三浦 宏子
出版者
九州保健福祉大学
雑誌
九州保健福祉大学研究紀要 (ISSN:13455451)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.79-87, 2007-03-25

Co-dependency is a functional deficit whereby individuals control both other's behaviour and their own behaviour in order to keep being depended on by others. It has been pointed out in the clinical field that co-dependency is associated with a variety of mental health problems. There are two parts in this study. The purpose of the first part of the study was to develop a questionnaire of particular co-dependent behaviours and to examine the relationship between co-dependency, depression and dependent personality. The factor analysis of the questionnaire generated two factors, "Self-sacrifice" and "Immaturity" . Based on these factors the subscales were developed. Besides, Self-Depression Scale (SDS) was used to assess their mental health With regard to measuring dependent personality, eight items were extracted from dependent personality disorder from Cluster "C" Personality Disorder of DSM-IV-TR. The sample was 290 social welfare students (179 males, 111 females). The analysis of correlation showed a significant relation between co-dependency, depression and dependent personality. The second part of the study hypothesised that co-dependency of social welfare students would be higher than students majoring in a different subject The co-dependent data, gained from the first par of the study, was compared with data from students majoring in another subject (n=142). However, it was not found a significant difference between them. Further studies in this area should gather more data from clinical field.
著者
長友 慶子 並木 薫 林 要人 武田 龍一郎 松尾 寿栄 安部 博史 橋口 浩志 石田 康
出版者
宮崎県医師会
雑誌
宮崎県医師会医学会誌 (ISSN:03898288)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.15-20, 2007

宮崎大学医学部附属病院精神科は,宮崎県の身体合併症治療施設として重要な役割を担っており,コンサルテーション・リエゾン精神医療を要する患者が,外来・入院ともに増加する傾向にある。重篤な身体合併症を有する精神障害者に対して,生命予後に関わる処置等を優先せざるを得ないために,精神科医師や看護スタッフが本来,精神科的なアプローチを必要とする患者へ時間を割くことができない状況もしばしばみられる。こうした地域特性の中での精神障害者の身体合併症治療の現状について調査したので,考察を加えて報告する。
著者
彦根 悠人 長友 優典 井上 将行
出版者
公益社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.81, no.12, pp.1136-1149, 2023-12-01 (Released:2023-12-13)
参考文献数
95

Resiniferatoxin (1) belongs to a daphnane diterpenoid family, and has strong agonistic effects on TRPV1, a transducer of noxious temperature and chemical stimuli. The densely oxygenated trans-fused 5/7/6-tricarbocycle (ABC-ring) of 1 presents a daunting challenge for chemical synthesis. We accomplished three radical-based total syntheses of 1 to streamline the overall route. In the first-generation synthesis, we implemented a novel radical three-component coupling reaction. This transformation formed the hindered linkage between the A and C-rings and extended the carbon chain in a stereoselective fashion. The 7-membered B-ring was cyclized by the second radical reaction. In the second-generation synthesis, we improved the efficacy and practicality by reorganizing the reaction sequence and retaining the intermediates of the first route. Thus, we utilized intermolecular radical allylation, Stille coupling, and photocatalytic decarboxylative radical cyclization as the three key transformations. In the third-generation synthesis, we designed a specific intermediate based on the common substructure of not only 1, but also structurally related diterpenoids, and established a unified strategy. The common intermediate was efficiently built by exploiting the bridgehead radical cyclization and derivatized into 1 through efficient C-ring functionalizations. These three total syntheses of 1 together demonstrate the advantages of radical reactions for linking hindered bonds within carbocycles without damaging preexisting functionalities, thereby offering a new strategic design for multi-step target-oriented synthesis.
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 奥村 友利愛 長友 陸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.I_721-I_733, 2022 (Released:2022-05-18)
参考文献数
27

人々にとって身近な移動手段である路線バスは誰にでも使いやすいものであることが望まれる.しかし多くの場合,基本的な情報が利用者にわかりやすい形で提供されておらず,そのため乗る際の心理的抵抗が大きいと指摘されるような状況にある.そこで本研究では,バス利用に関わる案内の中でも路線図に着目し,特にバス路線図の変形(デフォルメ)の実態と,デフォルメが人々の「わかりやすさ」に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,評価実験を行った.そのために,まず全国の 202 件の路線図に対してクラスター分析による類型化を行い 6 パターンに分類した.そして,各パターンの路線図に対して経路探索による評価実験を行い,路線図を見る際の人の挙動と意識の面からわかりやすさに関する要因について明らかにした.
著者
杉本 耕一 佐藤 尚昭 加藤 徳之 佐藤 博明 長友 康 土田 幸広 冨岡 一幸 伴野 悠士 能勢 忠男
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.538-542, 1995-11-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
15

当院脳神経外科入院患者の胆道系感染合併症につき検討した.829名のうち腹部エコーにて胆嚢炎・胆管炎と診断された12例を対象とした.男女比は11:1で,年齢は37〜73歳(平均57.8歳)であった.全例に発熱と肝胆道系酵素値の異常を認めた.腹部エコーにて胆嚢・胆管炎の診断が確定すると,ただちに抗生剤を投与した.11例は中等度以上の効果を示した.脳神経外科領域において胆道系合併症の存在はあまり注目されていない.発熱と肝胆道系酵素異常が診断上重要な指標となる胆嚢・胆管炎の合併は,頻度は低いが,腹部エコーによる早期診断と抗生剤による早期治療により,その予後も比較的よいといえる.
著者
長友 謙治
出版者
ロシア・東欧学会
雑誌
ロシア・東欧研究 (ISSN:13486497)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.43, pp.135-152, 2014 (Released:2016-09-09)
参考文献数
30

The USSR was one of the main grain importing countries, because their grain production was insufficient for domestic consumption, including livestock feeding. After the collapse of the USSR, Russia’s agricultural production was dramatically curtailed through the 1990s, but in the 2000s, Russia returned to the international grain market as an emerging and one of the main wheat exporting countries. The primary reason for Russia’s transformation from a grain importing to a grain exporting country was its dramatic decrease in feed grain consumption in the 1990s, which was caused by reduced livestock production and the recovery of grain production in the 2000s. Russia’s livestock production recovered substantially in the latter half of the 2000s, but the increase in Russia’s feed grain consumption has been relatively small. It seems meaningful to analyze this phenomenon and to anticipate, to what extent further recovery of Russia’s livestock production will influence its feed grain consumption and grain exporting capacity. This paper attempts this analysis by examining concentrate feed consumption (mostly of grain) in Russian agricultural enterprises by types of livestock products (beef, pork, milk, etc.) and the contribution of two factors (“quantity of livestock production” and “concentrated feed conversion ratio”) to changes in concentrate feed consumption. The results of this analysis reveal two main reasons for the relatively small increase in feed grain consumption after Russia’s livestock production recovery. First, continued stagnating production prevented significant increase in feed consumption in the bovine sector (beef and milk production). Second, the declining concentrated feed conversion ratio curbed the increase of concentrated feed consumption in the poultry and pig sectors. Increasing livestock production in Russia would cause increased feed grain consumption and contribute to a decline in grain export capacity to some extent. However, considering the above-mentioned changes in Russia’s livestock industry, Russia’s reversion to a grain importing country seems unrealistic.
著者
吉留 浩 長友 博文 水田 隆史 佐藤 健一郎 宮前 稔 古野 鶴吉
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.125, pp.7-23, 2018-06-30 (Released:2020-07-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1

‘はると34’は,1997年に宮崎県総合農業試験場茶業支場において,‘さえみどり’を種子親,‘さきみどり’を花粉親として交配した実生群から選抜された極早生の緑茶用品種である。2007年から2015年まで‘宮崎34号’の系統名で宮崎県を含む全国の14試験場所 (一部の場所は2010年まで) で系統適応性検定試験第12群として地域適応性試験等を実施した。更に,2011年から2013年までは農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業23014に参画した試験場所の一部で特性調査を行った。その結果,‘はると34’は,温暖地の好適条件の茶産地であれば,高価格が期待できる一番茶の極早期に製茶できる品種で,煎茶,釜炒り茶いずれにおいても品質が優れる良質極早生品種として普及に移し得ると判断され,2016年1月12日に種苗法に基づく品種登録出願を行い,2016年12月27日に品種登録出願公表された。‘はると34’の特性の概要は次のとおりである。1) 樹姿は‘中間’,樹勢は‘強’,株張りは‘やぶきた’より大きい。一番茶期の新芽は,萌芽後18日目の早い極みる芽の時期から30日目のやや硬化した時期まで‘さえみどり’より葉色が濃く,鮮やかな緑色である。2) 晩霜による生育遅延を受けなかった場合の一番茶の萌芽期は,‘やぶきた’より7日程度,摘採期は5日程度早い極早生品種であり,特に温暖な茶産地では摘採期が‘やぶきた’より10日程度,‘さえみどり’より5日程度早い。3) 一番茶,二番茶の収量は‘やぶきた,さえみどり’より多い。4) 耐寒性は,裂傷型凍害や赤枯れ,青枯れには‘やぶきた,さえみどり’より強いが,越冬芽の凍害は‘ゆたかみどり,さえみどり’並に弱い。5) 耐病虫性は,輪斑病は‘やや強’,炭疽病,もち病には‘弱’である。クワシロカイガラムシに対する抵抗性は‘極弱’である。6) 製茶品質は,煎茶の一番茶は色沢,水色が特に優れ,‘やぶきた’より優れる。防霜施設が整えられた温暖地での栽培等,条件が良ければ‘さえみどり’より優れる時がある。煎茶の二番茶は色沢,香気,滋味が特に優れ,‘やぶきた,さえみどり’より優れる。釜炒り茶の一番茶では色沢,香気,滋味が特に優れ,‘やぶきた,さえみどり’より優れる。7) 煎茶及び釜炒り茶における一番茶荒茶の化学成分含有率は‘やぶきた’より遊離アミノ酸含有率が高く,タンニン含有率は低い。煎茶の二番茶荒茶の化学成分含有率は‘やぶきた,さえみどり’より遊離アミノ酸含有率が高く,タンニン含有率は低い。8) 一番茶の3.5葉期頃から80%遮光率5日間程度の直接短期被覆処理を行うと,製茶品質では形状,色沢,水色が向上し,化学成分含有率では遊離アミノ酸が増加し,タンニンが減少するため品質が向上する。