著者
椋木 雅之 森田 裕士 馬場 雅志 浅田 尚紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.234, pp.43-48, 2006-09-05
参考文献数
13
被引用文献数
3

本研究では,シーン構成グラフを用いてドラマ映像の構造を表現する手法を提案する.シーン構成グラフでは,ショット,シーン,シークエンス,シチュエーションという概念を用いる.連続した映像区間をショット,意味的に一致するショットの集合をシーンと呼ぶ.同一シーン内におけるショットは同じ状況下で同じ対象群を撮影しており,この状況をシチュエーションと呼ぶ.さらに,ストーリー的に一致するシーンの集合をシークエンスと呼ぶ.このドラマ映像の構成を利用することで,映像を構造化することが可能と考え,これらの概念に基づく階層を画像特徴,音声特徴を利用することで抽出し,シーン構成グラフを作成することで,映像の構造を表現する.本稿では,シーン構成グラフを半自動生成する手法について述べるとともに,生成されたシーン構成グラフについて検討する.
著者
天野 俊康 今尾 哲也 竹前 克朗 岩本 晃明 馬場 克幸 山川 克典 中澤 龍斗 吉田 勝美 杉森 裕樹 田中 利明 方波見 卓行 田中 政巳 テストステロン軟膏共同研究グループ
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.25-29, 2007-01

男性更年期障害(LOH)で暫定的指標として定めた値である血中総テストステロン(TT)3.18ng/ml, 遊離型テストステロン(FT)10.0pg/ml未満を示した50名(年齢34~81歳)を対象としたが解析可能は36名であった。調査項目のCut off値を定め, 男性更年期障害の症状スコア(AMS)総得点50点未満の軽/中等症25名と50点以上の重症11名, TT3.18ng/ml以上の高値12名と未満の低値24名, FT7.3pg/ml(YAM値の50%)以上の高値20名と未満の低値16名, FT9.1pg/ml(YAM値の60%)以上の高値7名と低値20名を重症度分類で2分割し比較した。男性ホルモン軟膏使用前後におけるAMS, 国際勃起機能スコア(IIEF5), 健康調査票(SF-36)変化ではAMSの心理ドメイン, SF-36の体の痛み(BP), 社会生活(SF), RE日常的役割においてAMSスコアが高い重症群に, より改善が見られ有意差を認めた。また, TT値の高値群においてSF-36のBPに, より改善が見られたがその他に有意差は認められなかった。
著者
東馬場 郁生
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.1-22, 2007-06-30

一九八○年代以降、北米宗教学界を中心に展開した還元論争は、一学術分野としての在り方が依然不透明な宗教研究について、その理論と方法の特徴を精査するうえで貴重な議論であった。還元論争は、M・エリアーデの方法論的主張に対する社会科学系宗教研究者からの反駁として始まり、やがて、宗教現象とその研究方法の独自性を主張する非還元主義と、その立場をとらない還元主義との対立という構図を生んだ。本稿では、還元論争の展開を批判的に検討する。まず、論争のきっかけとなったエリアーデの非還元的主張を確認した後、還元主義からの反論の要旨と問題点をR・シーガルを中心にまとめる。そして、還元論争の重要な結論である、非還元主義的立場もひとつの還元主義とする論理を整理する。最後に、還元論争が残した課題として、宗教研究における還元と信仰者の立場との関係について新たな方法論的問題を提起する。
著者
小山 聡 馬場 雪乃 大向 一輝 堂腰 裕明 鹿島 久嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SC, サービスコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.182, pp.1-6, 2014-08-13

多くの国々においてオープンデータめ取組みが進んでおり,様々な統計データが行政等によって公開されている.しかしこれらのデータは画像やPDFの形式で与えられるものが少なくなく,分析やサービスの開発などでの再利用を妨げている.そこで,クラウドソーシングを用いて,画像として与えられたレガシーな統計データを機械可読な表形式に変換する枠組みを提案する.その際,作業者に表だけを作成させるのではなく,画像をスプレッドシート上でグラフとして視覚的に再現させるタスク設計を行った.このタスク設計により,データの誤りに気付き易くなる効果に加えて,再現されたグラフオブジェクトのプロパティとして項目名や系列といったデータの構造を容易に取り出し,作業結果の統合や品質管理に利用することが可能となる.国土交通省が公開している観光白書を対象に評価実験を行い,提案手法の有効性を検証した.
著者
大谷 直樹 馬場 雪乃 鹿島 久嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

クラウドソーシングで大規模なデータに対して注釈付けを行うためには、高い品質を小さなコストで実現する品質管理手法が求められる。本研究は、階層的な構造を持つタグを付与する階層的分類タスクに対して高精度にラベルを統合する手法を提案する。中間階層での情報を加味してワーカーの意思決定のモデルを設計し、多数決や既存手法よりも高い精度で正解ラベルを推定できることを実データを用いた実験により示した。
著者
田中 弥生 馬場 英朗 渋井 進
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.111-121, 2010

NPO法人数の財政的な持続性などの経営課題が顕著になっている.しかし,NPOなどの民間非営利組織の財政面に関する分析や評価手法は,1990年代に入ってようやく米国を中心に開発された分野である.また,日本ではデータベースが不在であったために,定量的な分析はほとんどなされてこなかった.そこで本研究では,NPO法人のパネル・データベースを構築し,財務的な評価ツールを開発することによって分析を行ない,NPOの持続性にかかる実態と促進・疎外要因を明らかにしようとした.ここでは,主たる収入要素及び持続性指標間における順位相関を算出した上で,持続性確保に至る道筋を,共分散構造モデルを用いて構築した.その結果,事業収入は収入規模の拡大に寄与するが,財務的持続性の向上にはあまり貢献しないこと,その一方で,寄付や会費などの社会的支援収入は収入規模の拡大には寄与しないが,財務的持続性の向上に貢献することが明らかになった.<br>
著者
鎌倉 哲史 馬場 章
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.47-57, 2011

本研究は小学校6年生85名を対象として,情報技術の記録性の特性に関する実体験に基づく情報モラル教育を実施し,その教育効果を検討したものである.実験の結果,MMORPGの実体験と行動ログのフィードバックを受けた実験群は,統制群と比較して記録性に関するテスト成績が有意に大きく向上した.また,実験群の子ども達は事前と比較して事後にインターネットの利活用意識と利用不安感が有意に増加していた.上記の教育効果は5ヵ月後にも持続しており,本研究の方法に一定の教育効果があることが示された.
著者
都築 正喜 馬場 景子 市﨑 一章 神谷 厚徳 伊関 敏之
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

視覚障害のある学生の英語教育において、音声の取り扱いはかなり難しく、教育の現場では試行錯誤を続けてきた。発音記号やイントネーション符号などのプロソディの取り扱いは暗中模索の状態であった。本研究は、従来ほとんど取り組まれてこなかった視覚障害のある学生の英語発音を改善するための指導法と教材研究に特化して研究を行った。その結果、今回導入した、点字プリンタ「ロメオアタッシュ」を有効活用することにより、英文教材の点字化を推し進め、先行研究で一部稼働に成功していた、音調文字式符号と音調音符式符号の併用を可能とした。視覚障害のある学生のための英語補助教材も点字式補助符号を併記して有効活用への道を開いた。
著者
河本 光平 坂口 麻理子 島野 卓史 宮本 真 馬場 奨 高田 洋平 濱田 聡子 河内 理咲 尹 泰貴 林 佑伊子 朝子 幹也 友田 幸一
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.260-274, 2013-11-01 (Released:2014-11-01)
参考文献数
26

スギ花粉症の患者に対して第 2 世代抗ヒスタミン薬を問診表を用いて選択させた報告では患者満足度はのきなみ高く、患者参加型医療は満足度を向上させ、ひいてはアドヒアランス向上につながることを示唆している。今回われわれは、スギ花粉症の診断から薬剤選択までの作業に患者が参加できるような問診表を作成し、2011 年のスギ花粉症に対して使用し、アンケート調査も行った。実際に鼻アレルギー診療ガイドラインどおりに薬剤が処方されたのは約 55%の患者であった。41.2%の患者はガイドラインの重症度分類を認知しており、35.3%の患者は重症度に応じて推奨薬剤が異なることを知っていた。 64.7%の患者は自分で薬剤を選択できてよかったとした。総合的な満足度では「やや満足」、「満足」以上で 100%という評価であり、このような薬剤自己選択式問診表はスギ花粉症患者の満足度を向上できることが示唆された。
著者
大場 裕之 馬場 孝祐 橋岡 恵子 伊藤 一也 森本 将司 朝日 大介 貞松 俊弘 久我 哲也 秋山 寛治 蒲田 和芳
出版者
Japan Society of Health Promotion and Physical Therapy
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.113-117, 2013

要旨:ハイヒール用インソールの使用が,ハイヒール着用時の前足部荷重圧と運動機能へ与える影響を解明することを目的とした。ハイヒールを常用しない健常女性8名を対象とし,ヒール高9㎝のハイヒールに対して,ハイヒール用インソール(リアライン<sup>Ⓡ</sup>・インソール・フェム,以下フェム)の有無で片脚立位時間,片脚連続ジャンプ回数,片脚立位時における前足部最大圧および前足部平均圧,階段昇降時間を比較した。片脚立位持前足部最大圧が統計学的有意に減少した。フェム使用による主観的な不快感を訴えたものはいなかった。フェムの使用がハイヒール着用時の前足部の疼痛減少につながる可能性を示した。
著者
馬場 久志
出版者
東京大学教育学部
雑誌
東京大学教育学部紀要 (ISSN:04957849)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.297-305, 1988-02-10

Ten students were given a task to find the division procedure on a hand-operated calculator. Their acts and verbal protecols in the task were recorded on VTR. The procedure in question is based on repeated subtractions, and is very similar to written calculation in many ways. In spite of the similarity of their procedures, there is two reasons for which the task will be hard for adult subjects to solve. 1. Students think that dividing equally is the dominant aspect as their 'division-concept', so this thinking will interfere with their finding out the procedures of repeated subtraction. 2. Students have a kind of 'belief' about the function of a calculator, and they are apt to depend on it. Results showed difficulties for many of them. Moreover their characteristics of inferences, for example, avoidance for subtractions, and errors of columns, are consistent with two hypotheses of 'division-concepts' and 'belief' in calculators. Therefore it has revealed that the procedural learning cannot be improved even if one possesses a similar procedure, when one has opposite concepts. And it suggests the importance to consider the procedural learning in relation to the relevant concepts possessed by learners. Furthermore, it will become necessary to clarify the aspect of learning of new knowledge as the transformational process of a known concepts.
著者
馬場 久也 黒田 義浩
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.97-101, 1982-02-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
橋本 亮太 安田 由華 大井 一高 福本 素由己 山森 英長 新谷 紀人 橋本 均 馬場 明道 武田 雅俊
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.137, no.2, pp.79-82, 2011-02-01
被引用文献数
1

精神疾患によって失われる普通の健康な生活は,他のすべての疾患と比較して最も大きいことが知られており,社会的経済的な影響は重大である.精神疾患の代表である統合失調症の治療薬である抗精神病薬はその効果が偶然見出された薬剤の発展型であるが,これらを用いると20~30%の患者さんが普通の生活を送ることができるものの,40~60%が生活全体に重篤な障害をきたし,10%が最終的に自殺に至る.そこで統合失調症の病態に基づいた新たな治療薬の開発が望まれており,分子遺伝学と中間表現型を用いて,統合失調症のリスク遺伝子群を見出す研究が進められている.これらのリスク遺伝子群に基づいた治療薬の開発研究が始まっており,今後の成果が期待される.
著者
久留島 典子 林 譲 本郷 恵子 柴山 守 有川 正俊 山口 英男 遠藤 基郎 木村 直樹 山家 浩樹 馬場 基 山田 太造 近藤 成一 小宮 木代良 古瀬 蔵
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

前年度に引き続き東大史料編纂所歴史情報システム(以下、SHIPSと略記)が擁するDB群から、各DBに格納された人物情報を抽出し、人物情報レポジトリへとデータ移行を推進した。レポジトリへ移行を可能とするDB数もさらに2つ増加し、計19種へと拡大することで、総登録データ数は約42万件に達した。前近代における人物情報を総覧する環境が整いつつあり、これを軸として、地理情報・史料典拠情報・史料目録情報といった情報との連接を視野に入れたところである。SHIPS-DBから人物情報レポジトリを参照・応答するAPIについては、前年度に構築したシステムを基盤として、より詳細な応答を実現するモジュールを「新花押データベース」内に実装した。花押を記した人物を比定するために、随意にレポジトリ参照が可能となったことは、より正確な情報蓄積を進めるうえで極めて有効と言ってよい。また人物レポジトリを直接検索するためのインターフェイス(「人名典拠サービスモジュール」)が安定的に運用されるに至り、多様な検索に応答しうる環境が整備されつつある。蓄積データのシームレスな運用という観点からは、前年度に引き続き、人物情報レポジトリ総体のRDFストア化を推進し、検索結果をRDF形式で出力するためのAPIの安定運用を実践することで、オープンデータ環境への移行を目指した。地理情報レポジトリについては、外部参照用APIの運用を開始し、国立歴史民俗博物館の「荘園データベース」との連携を実現した。