著者
岩井 大 小西 将矢 安藤 奈央美 馬場 奨 友田 幸一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.228-231, 2014 (Released:2014-10-31)
参考文献数
10

高度肥満(BMI 52)の甲状腺癌手術症例を経験した。術後出血の診断や,出血に対する気管切開術の容易化のため,甲状腺手術の際に前頸部脂肪組織切除術を併用した。今後の高度肥満症例の増加が考えられるが,肥満症例でも積極的に甲状腺手術が行えるよう,前頸部脂肪組織切除術併用などの手術法の工夫が必要と思われる。
著者
馬場 卓也 肥満 智紀 梅枝 覚 山本 隆行 湯澤 浩之 中山 茂樹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.608-612, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
12

症例は65歳,女性.腹部膨満を主訴に来院.腹部CT・MRIで多量の腹水と下腹部に分葉状軟部腫瘍を認め,PET-CTで同部に高度集積を認めた.血清CA125は高値であった.腹水穿刺細胞診でadenocarcinomaと診断された.消化管・子宮・卵巣に異常を認めなかったため,原発不明癌として試験腹腔鏡を施行した.大網に一塊となった多房充実性腫瘍と腹膜播種を認めた.腫瘍は可及的に切除した.病理組織学的検査は漿液性乳頭状腺癌であった.以上より,腹膜原発漿液性乳頭状腺癌の診断で術後はpaclitaxel・carboplatin併用による化学療法を施行した.一時は奏効したが次第に腫瘍は増大し,腹水も貯留するようになっていった.腹水濾過濃縮再静注法(CART)を行うことで全身状態は保持しえたが,術後18カ月で死亡した.稀ではあるが原発不明癌では本症例も念頭に置き,診断・治療にあたるべきと考えられた.
著者
横田 明 峰澤 満 中村 伸 金井塚 務 後藤 俊二 馬場 駿吉
出版者
Primate Society of Japan
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.112-118, 1987 (Released:2009-09-07)
参考文献数
10
被引用文献数
13 11

Pollenosis is a IgE-mediated allergic disease which has the symptoms of snivel, sneezing, eye mucus, and/or tear resulting from mucous membrane inflammation of nostrils and/or eye. In Japan, Japanese cedar (Cryptomeria japonica) pollenosis is a typical one occurring in spring, and recently the number of its patients is remarkably increasing.We found the pollenosis in adult-female Japanese monkeys (Macaca fuscata) inhabiting Miyajima Island under free-ranging conditions, who are derived from different female lineages one another. Their sera contained higher level of specific IgE antibody against Japanese cedar pollen than those of normal monkeys. The sera also induced a skin allergic reaction to the pollen upon Prausnitz-Kustner Test using normal healthy monkeys as a recipient. Thus, the current paper is the first report concerning naturally occurring pollenosis in wild non-human primates.
著者
馬場 洋
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

成熟ラットから後根付き脊髄スライスを作成し、脊髄後角細胞からホールセルパッチクランプ記録を行った。そして、後根の電気刺激で誘発される単シナプス性興奮性シナプス後電流に対するプレガバリンやガバペンチンの作用を検証した。これらの薬物は単シナプス性興奮性シナプス後電流の大きさを減少させなかった。これらの結果から、プレガバリンやガバペンチンは臨床濃度において一次求心性線維終末からのグルタミン酸放出に影響しないことが明らかとなり、これらの薬物の鎮痛作用は従来言われていたような一次求心性線維終末の電位依存性カルシウムチャネルの抑制によるシナプス前抑制ではないことがわかった。
著者
馬場 由成
出版者
佐賀大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究の目的は、蟹や海老殻のバイオマス廃棄物に含まれるキチンから容易に得られるキトサンを原料とする安価で選択性の高い新規の吸着剤を合成し、これを用いて貴金属イオンの選択的分離を行い、これらの分離・精製プロセスの大幅な省エネルギーとコスト削減を実現すると共に、バイオマス廃棄物の有効利用を図ることである。本研究ではキトサンが分子内に反応性の高いアミノ基を有していることに着目し、このアミノ基を利用してキトサンの各種の化学修飾を行い、貴金属イオンの新しい高選択性の吸着剤の開発を行った。キトサンおよびその誘導体による金属イオンの吸着については多くの報告がなされているが、これらは酸・アルカリに不安定であり工業的な吸着剤としては利用できない。工業的な吸着剤として利用するためには架橋が必要であるが架橋すればキトサンの官能基である一級アミノ基が潰され、金属の吸着能を低下させる。そこで本報告ではキトサンにキレート形成能を有する官能基を導入する際にキトサンのアミノ基をシッフ塩基にし、アミノ基を保護した状態で架橋反応を行った。その結果、ここで提案した架橋法を利用すれば、酸、アルカリに安定な、しかも貴金属イオンに対して高選択性を有するキトサン誘導体が得られることが明らかとなった。すなわちこうして架橋された2種類キトサン誘導体であるビリジルキトサンおよびチエニルキトサンを用いて塩酸溶液からの貴金属イオンの吸着特性を調べた。その結果、両者とも鉄、銅、ニッケル、コバルト、カドミウムおよび亜鉛等のベースメタルはほとんど吸着せず、金、パラジウムおよび白金に対して高選択性を有する吸着剤であることが明らかとなった。さらに市販のキレート樹脂などと比較すると、2〜3倍の優れた吸着容量を有することが見い出され、本研究で提案したキトサン誘導体が貴金属イオンに対して優れた選択性を有する新しい工業的吸着剤として期待されることが明らかとなった。
著者
馬場 重行
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.52-61, 2011-08-10 (Released:2017-05-19)

田中実氏が提示する「読むこと」の理論を基に、小説作品の〈文脈〉を読むとはいかなることか、その具体的なあり方を、川端康成の「金塊」を素材に考察したのが本稿である。その結果、戦争へと傾斜していく国家の「地下性」に潜む暴力を語り手が暴き出す「金塊」の問題点を指摘し、この作品の重要性、および教材価値について示唆することができた。
著者
中井 義明 大橋 淑宏 江崎 裕介 石塚 洋一 松下 隆 伊藤 博隆 馬場 駿吉 平川 勝洋 原田 康夫 菊屋 義則 岡崎 英登 黒川 道徳 二宮 優子 村上 譲 伊東 一則 深水 浩三 大山 勝 松根 彰志 飯田 冨美子 小川 敬 大堀 八洲一 花田 武浩
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.33, no.Supplement5, pp.655-673, 1990-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

漢方製剤である麻黄附子細辛湯の通年性鼻アレルギーに対する効果を検討した。漢方の古典の記載に忠実に基づいた製法により得られたエキスを含む細粒剤と, それまでの経験に基づいた製法により得られたエキスを含む散剤の比較試験を実施した。有効率 (著効+有効) は散剤投与群で63.5%, 細粒投与群で76.7%と, 両群とも良好な結果であり, 統計学的に差は認められなかった。各症状の改善率において, 細粒投与群が散剤投与群より鼻汁, 鼻閉症状に高い効果を示したが, 統計学的な差は認められなかった。細粒剤といわゆる抗アレルギー剤の有効率を比較すると, くしゃみ発作および鼻汁は同程度の効果が, 鼻閉については優る効果であったと考えられる。副作用については, 散剤投与群で6.2%, 細粒剤投与群で5.1%の症例に認められたが, いずれも症状は軽微であり, また臨床検査値にもなんら異常は与えなかった。
著者
田内 亮吏 川上 紀明 小原 徹哉 齊藤 敏樹 馬場 聡史 森下 和明 山内 一平
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, pp.1285-1290, 2020-11-20 (Released:2020-11-20)
参考文献数
9

側弯症矯正手術後におけるインプラント抜去に関する報告は散見されるが,主にフックを使用した症例の報告であり,近年のペディクルスクリューを主体とした矯正術後のインプラント抜去に関するまとまった報告はない.今回,特発性側弯症に対するインプラント抜去の手術成績およびアライメント変化の評価を行った.2005年から2018年までに抜釘術を施行した126例について手術成績を評価,術後2年以上経過しえた53例について冠状面および矢状面アライメントを評価した.合併症発生率は約11.9%で,1例に術中骨折,3例に術後骨折が発生した.抜釘術後の主カーブCobb角の矯正損失平均2.8度で,胸椎後弯角の増加は平均6.6度であった.頚椎前弯,T1 slope角,SVAも有意に変化していた.10度以上の主カーブCobb角の増加症例が3.8%に対し,胸椎後弯の増加は18.9%と,抜釘術は矢状面アライメントにより影響していたことが示唆された.こうした結果を踏まえ,本人および家族に抜釘術の問題点などを十分に説明した後に抜釘術を考慮する必要がある.
著者
徳田 雄一 橋口 尚文 浜田 富志夫 山下 亙 田中 啓三 馬場 泰忠 中島 晢 原田 隆二 渋江 正 有馬 暉勝
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.23, no.9, pp.1021-1025, 1990-09-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
19

慢性腎不全患者の胃粘膜病変の原因解明のため血液透析患者 (137名) に内視鏡検査を行い胃粘膜病変の頻度および発生部位について検討し, さらに胃粘膜防御機構に関して血中HCO3-濃度測定 (66名), レーザードップラー法による胃粘膜血流量の測定 (46名) を行った. また胃疾患との関連性が指摘されているCampylobacter pyloriを胃粘膜より培養法にて検出 (23名) した. 血液透析患者の胃粘膜病変には, びらん性胃炎, 胃潰瘍, 急性胃炎などが多くみられ, その発生部位は胃前庭部に多かったが急性胃炎については胃体部にも66.7%に病変が認められた. 血液透析患者の血中HCO3-濃度は19.5±2.6mEq/lとコントロール群に比較して低値を示した. 血液透析患者ではコントロール群との比較で胃体上部大彎にて胃粘膜血流量の低下がみられた. Campylobacter pyloriの検出率は43.5%でコントロール群と有意差は認めなかった. 以上より慢性腎不全患者における胃粘膜病変の原因として血中HCO3-濃度低下による胃粘膜HCO3-分泌の低下, 胃体部の胃粘膜血流量の低下などの胃粘膜防御機構の障害が関与していると考えられた.
著者
馬場 まゆみ
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.196-200, 2019-06-01 (Released:2019-08-06)
参考文献数
26

奄美大島には Leptoconops nipponensis Tokunaga(トクナガクロヌカカ)の亜種である Leptoconops nipponensis oshimaensis が生息しており,毎年春には吸血被害に遭い強い痒みを訴える患者の受診が増える。2011 年 4 月 18 日から 2018 年 5 月 31 日までの 8 年間に当科を受診し,医療記録をもとにヌカカ刺症と診断した患者 64 例について,①年齢,②性別,③受診した月,④被害にあった場所,⑤受傷部位,⑥治療内容,⑦各年毎の患者数,⑧加害昆虫の同定,の 8 項目について検討した。結果として,①患者の年齢は 50∼79 歳が 73%を占めた,②患者の性別は男性 14 例,女性 50 例で,男女比は 1:3.6 で女性の方が多かった,③患者が受診した月は 4 月から 5 月前半に集中していた,④場所はほとんどが海岸で刺されていた,⑤受傷部位は頚部,衣類で覆われた前胸部や上背部が多くを占めていた,⑥治療を行った 42 例(66%)の症例でステロイド内服薬を処方した,⑦各年毎の受診者は 2011 年から 2016 年までは 7 例以下であったが,2017 年に 15 例,2018 年に 21 例で,この 2 年間で半数以上を占めていた,⑧加害昆虫は,その形態的特徴からクロヌカカと同定した,などの特徴がみられた。
著者
高田 瞬 馬場 洋一 岡元 満 柿澤 広美 伊藤 武
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.40-44, 2017-03-30 (Released:2017-04-10)
参考文献数
15

筆者らは多数の食品従事者の糞便を対象に生物発光酵素免疫法(BLEIA法)に基づく高感度な全自動免疫測定システムと遺伝子検査法(RT-PCR法)の感度,特異性,検出率について検討し,本システムの有効性を評価した.今回対象とした2,427例中ノロウイルスの陽性率はBLEIA法が7.3%,RT-PCR法が6.3%であった.BLEIA法はRT-PCR法に対して,相対感度95.4%,相対特異度98.7%,一致率98.4%であったことから遺伝子検査法と同等の性能を有することが示唆された.BLEIA法は遺伝子検査法と比べて操作性と検査時間を大きく改善する方法であり,1検体あたり46 minでの迅速な測定ができ,処理能力は1 hrあたり120検体を可能としている.高いスクリーニング性能を有していることから,食品従事者の定期検査等の大量の検査に導入して,コスト,時間の削減につながることが期待できる.
著者
仙石 学 松本 充豊 井上 睦 馬場 香織 油本 真理 磯崎 典世 横田 正顕 出岡 直也 小森 宏美 中田 瑞穂 上谷 直克
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究課題「政党政治の変動と社会政策の変容の連関:新興民主主義国の比較」は、世界金融危機の発生以後の新興民主主義国(主に東欧・南欧・ラテンアメリカ・東アジア)における社会政策・福祉枠組みの変容について、危機後の政治経済状況の変化に起因する「政党政治の変動」を軸に検討していくことを目的とする。特に世界金融危機の後に生じた既存政党の弱体化とポピュリスト系を中心とする新興政党の台頭が、危機以前に存在していた社会政策や福祉のあり方をどのように変革させたかという点に注目し、各国ごとの政党政治と制度変容の展開を検討すると同時に、これを体系的な形で比較分析を行うことを進めることとする。
著者
石村 大輔 馬場 俊孝 近貞 直孝 山田 圭太郎
出版者
東京都立大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

人類の多くは沿岸低地に居住しており,津波リスクにさらされている.中でもフィリピンが面する南シナ海の周辺人口は数億人にのぼり,東南アジアの主要都市が立地している.しかし,南シナ海の津波リスク把握のための基礎的情報が圧倒的に不足しており,実証的なデータ(津波堆積物)に立脚した津波リスク評価は喫緊の課題である.そこで本研究では,南シナ海における津波リスク評価の高度化を目指して,ルソン島の海岸に分布する巨礫を対象にし,1)空撮画像による巨礫の大きさ・分布の把握,2)巨礫を運搬させうる津波の数値計算,を行う.そして,過去に南シナ海を襲った津波の規模と波源の推定を行い,津波リスクを評価する.
著者
甲斐 久博 古稲 岳彦 馬場 正樹 奥山 徹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.124, no.6, pp.349-354, 2004-06-01 (Released:2004-05-28)
参考文献数
20
被引用文献数
11 13

Daphne genkwa (Thymelaeaceae) has been used as a folk medicine in China. We investigated the effects of D. genkwa and Jyu-So-To on various pharmacologic models in mice including the azoxymethane (AOM)-induced colonic aberrant crypt focus formation assay, ornithine decarboxylase (ODC) activity assay, and two types of mouse ear swelling model. Administration of 236.3 ppm of Jyu-So-To in drinking water significantly suppressed AOM-induced colonic aberrant crypt focus formation (p < 0.05), with an inhibitory ratio of 46.7%. The effects of several extracts with organic solvents of D. genkwa on murine epidermal ODC activity were examined. In particular, the inhibitory ratio of the n-hexane extract was 30.8%. In the 12-O-Tetradecanoylphorbol-13-acetate (TPA)-induced ear edema model in mice, the methanol extract resulted in 56.3% inhibition compared with the control. On the other hand, there are two peaks of responses at 1 h (immediate-phase reaction; IPR) and 24 h (late-phase reaction) in biphasic cutaneous reactions, which are enhanced in the dinitrofluorobenzene model (DNFB). The water extract of D. genkwa clearly inhibited the IPR ear swelling. These results suggest that D. genkwa and Jyu-So-To should be a promising source of antitumor, antiinflammatory, and antiallergy agents.
著者
馬場 英朗 石田 祐 奥山 尚子
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.101-110, 2010 (Released:2011-08-06)
参考文献数
20
被引用文献数
2

NPO法人の財源については,事業収入のような自律した財源を伸ばすべき,寄付や会費などの多様な財源も確保すべき,といった様々な議論が行なわれている.本稿では,NPO法人の収入構造と財務的持続性の関係について,大阪大学NPO研究情報センターが公開するNPO法人財務データベースを用いて,計量モデルによる実証分析を行なった.その結果,短期持続性については事業収入を集中的に拡大することが有効であり,中長期持続性については寄付金や会費などの多様な財源を獲得することが有効であると判明した.現在,多くのNPO法人では日々の業務に追われ,ファンドレイジング活動に労力を割けないという実態がある.しかし,寄付などの幅広い財源を確保できなければ中長期的に疲弊して,NPO法人が活動を持続できなくなる可能性がある.パネルデータや寄付及び事業収入などの内訳情報を入手して引き続き研究成果を積み上げることにより,NPO法人がとるべき収入戦略を探る必要がある.
著者
岡藤 勇希 牧田 昌大 松村 耕平 馬場 惇 中西 惇也
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.366-376, 2023-02-15

近年では,人間の労働力のサポート手段の1つとして,コミュニケーションロボットが積極的に活用され始めている.一方で,公共空間でロボットと対話をする際には恥ずかしさが発生することが知られており,これによりロボットの利用が妨げられる可能性がある.そこで本研究では,公共空間においてロボットの利用を促進させるために,ロボット利用時の恥ずかしさの発生要因と,恥ずかしさがロボット利用に対して与える影響を明らかにすることを目的として,ロボットを利用するサクラを用いた実験を実施した.実験結果より,ロボット利用中に感じる恥ずかしさは,周辺からの注目と周辺からの理解による要因に影響を受けることが示された.また,利用中の恥ずかしさを減少させることにより,ロボットとのインタラクション時間が延びることが示された.