著者
馬場 景子 中野 典子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
巻号頁・発行日
pp.30, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 正月のとろろ飯の調査開始から、正月に食されるとろろ飯は、年取りの魚や雑煮の餅の形と同様に、東西文化の指標となる儀礼食であることが判明した。とろろの材料である山芋は、日本の農耕文化の発達過程において稲に先行する作物であり、儀礼食として東日本を中心に連綿と食されてきた食であったにも関わらず、全国的な調査が行われていないのが現状である。その結果、正月のとろろ飯は、郷土食として位置付けされているに留まっている。本研究では、正月のとろろ飯を東西文化の指標となる儀礼食であると捉え東西文化の分岐集中地域を、調査より知多半島であることを確認した。【方法】 知多半島の市町村の教育委員会に調査を依頼し、地域特徴が明確になる中学校に在籍する生徒の父兄にアンケートを実施した。また地元の郷土学習会へもアンケートを実施し、世代差間の調査を行った。【結果】 アンケートの結果から知多半島では一月二日の朝にとろろ飯を食べることが多いことが分かった。また一月二日は、知多半島では予祝儀礼である「仕事はじめ」の儀式が行われていることから、半田市ではこの儀礼と結び付き正月のとろろ飯が食されていた。また半田市に隣接する武豊町では、松の内に食する習慣があり、必ずしも正月のとろろ飯が一定の日程で行われている行事ではなく、日程のバリエーションが存在することが判明した。さらに全国的に見た場合は、明治初年の改暦により儀礼の意味に差が存在することが判明した。儀礼のバリエーションとしては、新しい儀礼食の発生を意味するで、あろう事例も発見できた。分布に関しては、北高南低の分布傾向があった。
著者
馬場 景子 中野 典子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成20年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.34, 2008 (Released:2008-08-29)

「正月のとろろ飯」習慣を単に郷土食としてではなく、東西文化の分岐の指標と規定できる食習慣であることを今までの調査で明らかにしてきた。さらに「正月のとろろ飯」の東西分岐地域は愛知県知多半島であることを聞き取り調査により推定した。知多半島の市町村の教育委員会の協力を得て、各中学校の父兄および郷土研究会の会員を対象に2006年8月から12月の期間にアンケート調を行った。今回の発表では、アンケート調査の結果をもとに、「正月のとろろ飯」習慣が集中的に現存する知多半島での、当該習慣の推移、伝播経路、とろろ飯に付随する行事食の発生を報告する。
著者
小野 眞 岩田 尚史 馬場 毅 金子 俊一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.8, pp.1404-1410, 2010-08-01 (Released:2010-08-01)
参考文献数
21

Control charts are widely applied to monitoring quality variation from stable status to instable status in many manufacturing lines. Large-scale integrated circuit(LSI) manufacturing requires to monitor thin film thicknesses, circuit pattern dimensions, particle count on a wafer and so on. This paper proposes a new monitoring method for particles on a wafer. If particles induce random location based on Poison distribution, the c-chart is applicable. However, actual particle generation is not dependent of Poison distribution and then the c-chart indicates many false alarms. The proposed method predicts particle-limited yield to apply the p-chart to monitoring particle data. The method uses data outputted by a particle inspection tool such as a particle location and a scattered light intensity with respect to each particle. Experiments show that the method reduces false alarms.
著者
馬場 みちえ 西田 和子 藤丸 知子 兒玉 尚子 伊藤 直子 今村 桃子 津山 佳子
出版者
一般社団法人 日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.63-71, 2008-03-25 (Released:2017-04-20)

看護師の喫煙率は高いといわれ,看護学生時代に喫煙開始する人が多いと報告されており,看護学生時代の禁煙支援は重要なことである.本研究では,女子看護学生の喫煙習慣と性格特性の関連について検討を行った.性格特性の測定にはMPI性格調査票を用い,喫煙者と禁煙者は,非喫煙者と比較すると外向的であった.喫煙者は,神経質傾向がみられ,精神的健康度を測定するGHQ28ではストレスが高くなっていた.しかし禁煙者では神経質傾向がなくストレスは低かった.また禁煙ステージ別にみると,喫煙者の関心期,準備期と禁煙者の性格特性は類似していた.看護学生時代の禁煙支援あるいは喫煙防止教育には,性格特性を踏まえて行う必要があることが示唆された.禁煙教育は喫煙者にはもちろんであるが,禁煙者が再度喫煙者へ移行しないよう,禁煙者も含めて支援することが重要である.
著者
馬場 優大 藤生 慎 森崎 裕磨
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.942-951, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
20

我が国において,人口減少と少子高齢化が進行する地方では,地域の機能を維持し,活性化させていくことが課題となっている.こうした中,観光産業はこれらを解決する施策として注目されており,観光産業を発展させていくためには,観光客が抱いた観光地の改善点を把握し,これに即した新たな施策の立案・実施を行う必要がある.そこで本研究では,旅行情報サイトの観光地に関する口コミデータを収集し,深層学習を用いたセンチメント分析を行うことで口コミから観光客のネガティブな感情が伺える文を抽出し,テキストマイニングを行うことで観光地の改善点の抽出を自動的に行うシステムを構築した.また,システムに関して観光の研究を行う専門家へのヒアリングを行うことで得た評価を基に,システムの有意性や改良すべき点を考察した.
著者
毛利 光男 馬場 直紀 青木 陽士 平澤 卓也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.23-00045, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
19

本研究は,実機による枯葉剤ダイオキシン汚染土壌の実証試験において土壌洗浄の浄化性能を定量的に評価したものである.サイクロンによるダイオキシン除去率は67~87%(平均79.2%)であったが,後段のフローテーションによって除去率は91~97%(平均94.0%)へ大きく向上した.土壌洗浄によって16,000pg-TEQ/gまでの汚染土壌から住宅地(300),緑地・公園(600),商業地・工業地(1,200)のいずれかの基準を満足する浄化土を実際に産出できることを実証した.回収される浄化産物(浄化土+粗粒分)の割合は元土壌の59~74%(平均65%),濃縮残渣の割合は26~41%(平均35%)であり十分な減容化効果が認められた.濃縮残渣の濃縮倍率は1.3~3.8の範囲にあり平均は2.4であった.
著者
新開 瑞希 中川 悠 馬場 政典 松田 有加子 佐藤 理加子 高野 日南子 鈴木 拓 真柄 仁 井上 誠
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.128-129, 2023 (Released:2023-11-22)

I.目的加齢に伴う口腔内の生理学的変化の一つとして,唾液分泌量の減少が挙げられる.我々は,本学会第66回,67回学術大会において,唾液分泌量の減少が摂食嚥下動態に及ぼす影響について報告した.今回,健常成人を対象に,塩酸ピロカルピン誘発性の唾液分泌量の増加が咀嚼嚥下に及ぼす影響を検証した.
著者
魚住 祥二郎 馬場 俊之 吉田 仁
出版者
日本門脈圧亢進症学会
雑誌
日本門脈圧亢進症学会雑誌 (ISSN:13448447)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.113-121, 2015 (Released:2017-12-27)
参考文献数
19
被引用文献数
2

食道胃静脈瘤を合併した肝硬変184例に対する内視鏡的治療後の生存に寄与する因子について検討した.全体の累積生存率は1年:84.0%,3年:67.3%,5年:50.7%であり,生存に最も寄与する因子は肝細胞癌の合併であった.経過観察期間における肝細胞癌の合併により「肝細胞癌非合併群」と「肝細胞癌合併群」に分類し,さらに肝細胞癌合併群を進行肝細胞癌(Vp3-4,肝外転移,治療抵抗性肝細胞癌)の合併の有無により「進行肝細胞癌非合併群」と「進行肝細胞癌合併群」に分類した.進行肝細胞癌合併群は,他の2群に比較し有意に予後が不良であった.また,進行肝細胞癌合併群のうち内視鏡的治療時にすでに進行肝細胞癌を合併していた「治療時進行肝細胞癌合併群」は,内視鏡的治療後に進行肝細胞癌を合併した「治療時進行肝細胞癌非合併群」に比較し有意に予後が不良であり,門脈腫瘍塞栓(Vp3-4)を高率に合併していた.食道胃静脈瘤を合併した肝硬変に対する内視鏡的治療後には肝細胞癌のコントロールが重要であり,門脈腫瘍塞栓(Vp3-4)に進展する前に内視鏡的治療を行うような経過観察が必要であると考えられた.
著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.425-436, 1995-06-01 (Released:2017-06-02)

本研究は、救急車の警告音について住民意識調査を行い、多重分析法を用いて因果分析を行い検討したものである。調査は、久留米市の救急病院周辺と住宅地の4地域を、メッシュ統計で区分けして、留め置き法で行い、1,183人の有効な回答を得た。分析結果を以下に述べる。警告音は、住民に交通騒音と同程度に邪魔に感じられており、不快感や睡眠の妨害等、心理的にかなりの影響を及ぼしている。次に、「気になる」ことに着目すると、その時間帯がほとんど夜間であり、昼間と答えた人は1.3%にすぎない。そして、すべての地域で「聞こえる回数」が強く影響を及ぼしている。また、「住居地と主要道路との間の距離」、「年齢」、「世帯」による差は、地区により異なる。
著者
関根 正人 馬場 航 小方 公美子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_1315-I_1320, 2019 (Released:2020-11-16)
参考文献数
9

台風や局地的豪雨による被害が日本各地で多発している.2015年に改正された水防法では,想定しうる最大規模の洪水・内水および高潮に係わる浸水想定区域を公表する制度が創設された.今後は起こりうる各々の水災害に対し,適切な対策を講じることが求められる.本研究では,浸水予測手法S-uiPSを用いて大規模豪雨と高潮が同時発生する状況下を想定し,浸水予測計算を行った.高潮時には,臨海部から都市河川を遡上する流れが生じ,河川水位によっては雨水吐を経由して下水道内への水の逆流や河川からの越水が生じる.こうした危険性は,河口から離れた地点においても十分に考えられる.本研究では,都市河川のどの範囲にまで高潮の影響が現れ,いずれか一方の外力による浸水と比較してどの程度深刻な事態となるかを明らかにすることができた.
著者
村田 英之 朝子 幹也 馬場 一泰 友田 幸一
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.297-300, 2011 (Released:2012-10-15)
参考文献数
2

A video-endoscope is a popular device in the ENT clinic. We usually use it only in observation. In case of a hemostasis in the nasal cavity, we use a rigid endoscope, however all clinics do not possess a rigid type because of its high price. In this background, we try to use the video-endoscope using a hard sheath of Endoscrub®. This application makes us easier in stopping the epistaxis in our daily clinic. Also in a treatment after endoscopic sinus surgery and a biopsy from deep lesion of a nasal cavity.
著者
澤瀬 隆 熱田 充 柴田 恭明 馬場 友巳
出版者
長崎大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

我々はリン酸カルシウムを貝殻の成分として有するミドリシャミセンガイの貝殻-貝柱間の強固な接着機構に着目し,バイオミメティックス技術を応用することで,生体材料であるチタンに同様の軟組織との結合能を付与することを目的として研究を開始した.平成17年度においてはチタン表面へのアパタイト/ラミニンの析出及びラミニン含有アパタイトコーティングディスクを用いたin vitroにおける細胞培養に関する研究を行い,その結果は昨年の報告書に記載した通りである.引き続き本年度はファイブロネクチンコーティングディスクにより線維芽細胞を用いたin vitroでの検討,ならびに同様の処理・コーティングを行ったスクリューインプラントを用い,ラット口蓋粘膜への埋入実験を行い,in vivoでの検討も加えた.その結果接着タンパクであるファイブロネクチンの存在により線維芽細胞の有意なケモタキシスが観察され,またインプラントに直行する線維の走行を可能とした.しかしながらバイオミメティックスという本題に振り返ると,貝殻-貝柱間において観察された,貝殻内面再表層と貝柱筋線維を繋ぐような10-15μm程度の膜様構造を再現することは困難であった.この膜様構造は,興味深いことに歯根表面と歯槽骨とを繋ぐ歯根膜と類似の構造を呈し,独立した組織を連結するためには,この2層構造が鍵となるのではないかとの仮説に至っている.今後,発展の一途をたどる再生医療とのコラボレートも視野に入れ,本研究を一層深めることが必要である.
著者
下馬場 朋禄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.137-141, 2015-02-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
15
被引用文献数
1

ディジタルホログラフィや計算機合成ホログラムなど,コンピュータ上でホログラムを扱う技術を総称してコンピュータホログラフィと呼ぶ.コンピュータホログラフィの応用は多岐にわたるが,本稿では,特に大面積のホログラムを撮影するためのスキャンニング技術とレンズを使用しないホログラフィックプロジェクション技術について紹介する.
著者
薄井 佳子 小野 滋 馬場 勝尚 辻 由貴 河原 仁守 前田 貢作
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.927-932, 2016-06-20 (Released:2016-06-20)
参考文献数
12

【目的】小児気道異物の臨床像は多彩であり,異物吸引のエピソードが明らかでない場合や非典型例では初期診断が難しい.胸部単純X 線(以下CXR)のみによる画像診断は困難なため,CT 検査(以下CT)の有用性について検討した. 【方法】過去7 年間に当科で診療した16 歳未満の気道異物(疑いを含む)の症例を対象として後方視的に解析した. 【結果】12 症例が対象となり,発症時年齢は1 歳5 か月から10 歳4 か月(中央値3 歳5 か月)であった.10 例に対して硬性気管支鏡が行われ,7 例で気道異物(ピーナッツ5 例,小石1 例,円筒形・中空のプラスチックチューブ1 例)が確認されたが,2 例は異物吸引による誤嚥性肺炎,1 例は異常所見なしと診断した.非典型的な臨床経過の2 例は,CXR,CT および入院経過により気道異物なしと判断して気管支鏡を施行しなかった.術前の画像検査は,12 例全てにCXR,10 例にCT が施行されていた.2 例は来院直後に硬性気管支鏡を施行して診断したため,CT を施行しなかった.気管支鏡での異物摘出を要した7 例全てが,術前にCXR およびCT を施行されており,それぞれの画像検査所見を比較した.CXR では3 例に異常所見を認めたが異物を描出できたのは1 例のみで,2 例は過膨張や無気肺など間接的所見のみであった.一方CT では6 例に明瞭な異物描出および間接的な肺野情報を詳細に得られた. 【結論】気道異物を疑う症例では迅速な気管支鏡による確定診断と異物の摘出が基本であるが,近年のCT は数秒の撮影時間で異物の大きさ,部位,間接的な肺野異常など詳細な情報を得られるため,小児気道異物の画像診断におけるCT の有用性は高い.
著者
内山 雄介 西井 達也 森 信人 馬場 康之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_481-I_485, 2013 (Released:2013-11-12)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

Oceanic response to a series of typhoon passages is investigated with a triply-nested oceanic downscaling model forced by the assimilative GPV-MSM reanalysis dataset for the coastal marginal sea off Kii Peninsula, Japan. Temperature is decreased about 2 degrees for 2 weeks during three typhoons passing by. An EOF analysis decomposes the modeled SST properly into 1) a seasonal signal as a linear trend attributed to enhanced vertical mixing and mixed layer deepening due to the seasonal surface cooling in the 1st mode, 2) coastal upwelling at several locations through the Ekman transport due to the stormy surface wind field in the 2nd and 4th modes, and 3) SSH changes caused by the meso- and submeso-scale, cyclonic cold eddies near the topography and subsequent eastward transport by the Kuroshio in the 3rd mode.
著者
長坂 侑里 中堀 祐香 阿部 隼人 中川 智史 山口 諭 馬場 俊見 川上 純平 山崎 武志 萩谷 功一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.5-13, 2022-02-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
21

本研究はタイストール(TS,126,492頭),フリーストール(FS,88,851頭)および放牧主体(GZ,3,989頭)において,ホルスタイン雌牛の体型形質と在群期間(HL)の関係を調査した.データは1993から2008年の間に初産分娩した雌牛の体型審査記録から初産次の体型6形質(肢蹄得率,胸の幅,鋭角性,乳房の懸垂,乳房の深さ,前乳頭の配置)であった.各飼養形態において,体型形質におけるHLの最小二乗平均値(LSMHL)を比較した.FSとTSの肢蹄得率が高いほどLSMHLは高かったが,GZの肢蹄得率が79以下のとき,LSMHLは一定の値を示した.すべての飼養形態において,乳房が浅いときおよび乳頭が中央に位置するとき,LSMHLは高かった.FSおよびTSにおけるLSMHLは,多くの形質で近似したが,GZにおいて低い肢蹄得率でHLに大きな影響を与えない点が他と異なった.
著者
新谷 歳三 馬場 美智子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00163, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
10

災害時の基礎自治体への主な人的支援スキームは,「被災市区町村応援職員確保システム」として制度化された.加えて基礎自治体は,他の自治体間との応援協定の締結を進めているが,それらが災害時にどのように機能するかが十分に検討されているとは言えず,基礎自治体の受援計画が機能しない可能性が指摘されている.そこで本研究では,応援職員派遣と倉敷市の受援対応の状況を客観的に把握するために,平成30年7月豪雨で倉敷市が受け入れた応援職員やその支援業務の実態を分析し,(1) 人的支援スキーム毎に受援プロセスや特性が異なることを踏まえた運用,(2) 応援協定による事前の応援内容の協議,(3) 担当部署のマネジメント機能の確保が,基礎自治体の受援の観点から見た人的支援スキームに求められる要件と受援体制の課題であることを明らかにした.