著者
山崎 了 馬場 彩
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.196-200, 2009-03-05
被引用文献数
1

宇宙空間を飛び交う高エネルギーの荷電粒子(宇宙線)のうち,エネルギーが10^<15.5>eV以下の核子は我々の天の川銀河内にある若い超新星残骸などに見られる衝撃波で加速されていると考えられている.しかし,その決定的証拠は未だに得られていない.本稿では,銀河宇宙線の起源に迫る理論的研究や最新のX線・TeVガンマ線等の観測的研究の進展を紹介する.
著者
馬場 彰子 鄭 紹輝 松永 亮一 井上 眞理 古屋 忠彦 福山 正隆
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.384-389, 2003-12-05
被引用文献数
2

西南暖地向けに育成されたダイズ新品種サチユタカの生育特性を明らかにするため,フクユタカと比較しその乾物生産特性について調査を行った.両品種を2001年7月9日および2002年7月4日に播種し,生育,乾物生産,収量および収量構成要素を測定した.その結果,サチユタカはフクユタカに比べて開花期,成熟期ともに早く栄養成長量は小さかったが,収量には有意な差はなかったため,粒茎比が高くなった.葉面積指数(LAI),個体群成長速度(CGR),地上部全重,茎重については開花期まではサチユタカの方が高かったが,開花期以降サチユタカではあまり増加がみられず,最大値はフクユタカのほうが高かった.なお,両品種の光合成速度,純同化率(NAR)には差異はみられなかった.一方,莢実重は,サチユタカでは増加開始時期は早いが成長速度には両品種間に差はみられなかった.茎重は成熟期に近づくにつれて減少した.さらに,茎中の非構造性炭水化物含有率は開花期においては両品種に差がなかったが,成熟期に近づくにつれて大きく低下し,その低下率はサチユタカで65%,フクユタカで40%であった.これらのことから茎中に蓄積された炭水化物が子実肥大期に莢実に再転流されたことが考えられた.以上の結果から,栄養成長量の小さいサチユタカがフクユタカに匹敵する収量を得られたのは,開花までの成長速度がやや高く,栄養成長の停止が早いため栄養成長と生殖成長の間の同化産物の競合が弱く,さらに茎中の非構造性炭水化物の再転流が多いことで同化産物の利用効率が高まったためであると考えられた.
著者
澤田 伸一 坂東 宏和 馬場 康宏 小野 和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.96, pp.1-8, 2002-10-18
被引用文献数
4

近年,小中学校でパソコンを使った授業が盛んにおこなわれている.幼稚園でも創造性を豊かにする道具としてパソコンが使われ始めた.しかし,文字を習う前の幼児にキーボードやマウスの操作は困難である.我々はパソコンの操作をキーボードやマウスではなく,ペン入力デバイスを使うことで幼児にとってパソコンを操作しやすい環境を構築することを考えた.本稿ではその環境で,幼児が楽しく遊べるソフトウェアの開発について述べる.幾つかのプロトタイプ版をもとに現場の先生と話し合って,文字を極力使わず,イラストや音声を使うといった改良点を見出した.今後,その改良を行い,幼児の運動能力やペンインタフェースの特質を考慮し,幼児が興味を持つソフトウェアを導入し,評価して幼稚園の情報化を試みたいと考えている.In recent years, the lesson using a personal computer is spreading at elementary and junior high schools. A personal computer began to be used also in a kindergarten as a tool which makes creativity rich. However, the operation of a keyboard and a mouse is difficult for the small children before learning words. We think that we want to build the environment where it is easy to operate a personal computer by using a pen device for a small child.This paper will describe about a development of the software which small children can enjoy in that environment. We found it improve the problem using illustrations and voice, reduce using words as much as possible, through the experience that we have talked about some software of prototype versions with the teacher of the kindergarten. From now on, we will improve the software, and we will be trying to computerize child care of the kindergarten, with the software that considers of the children's physical ability and of the quality of a pen interface.
著者
馬場 聡史 浅沼 健一 前田 忠彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.201, pp.85-90, 2004-07-14
被引用文献数
2

タブレットコンピュータなど手に持って利用される端末を想定した場合,手部がアンテナ素子に与える影響は大きく人体に吸収される電力も大きい.そこで本報告では液晶ディスプレイの金属フレームに複数のアンテナ素子を設置するモデルにおいて,適応的に人体で吸収される電力を低減することを目的とした給電方法について検討を行なった.給電の構成は複数のアンテナ素子間を伝送線路で並列に接続する方法を用いた.解析手法はFDTD法を用い,相対放射電力を評価の指標として単独給電モデル,同時給電モデル,並列給電モデルの3つのモデルについて比較を行い,並列給電の有用性の検討を行なった.その結果,手部の保持位置が変化する場合でも並列給電を行なうことにより,人体の影響を受けにくいアンテナ素子に励振される電力が適応的に多く分配されることを確認した.また,最も人体の影響が表われる場合において約25%,平均では約20%の相対放射電力の向上を確認することができた.さらに,並列給電を行なった場合の指向性に関して検討を行なった.
著者
馬場 達也 藤本 浩 角 将高 稲田 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.193, pp.15-21, 2005-07-14

現在、ワームやスパイウェアなどのマルウェアの感染による被害が大きな問題となっている。そこで、PCを企業ネットワークに接続する際に、そのPCがマルウェアに感染していないことをチェックする検疫技術が必要とされている。しかし、クライアントOSとしてWindowsを対象とした技術は存在するが、Mac OSやLinuxなどの非Windows OSが混在した環境への対応は十分であるとはいえない。本稿では、Windows以外のOSが混在した環境でも適切な検疫を行う方式について検討した結果を報告する。
著者
馬場 嘉信 富崎 理代 角田 ちぬよ 田中 淳子 秀 佳余子 津波古 充朝
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.853-857, 1993-12-05
被引用文献数
4 1

DNAの高分解能分離を達成するために, キャピラリーゲル電気泳動におけるゲル組成が, DNAの分解能に与える影響について検討した.1本鎖DNAの分離においては, 非架橋ポリアクリルアミドのゲル濃度について検討し, 最適条件下では, オリゴマーから250塩基までの1本鎖DNAが60分以内に1塩基の違いのみでベースライン分離された.又, 2本鎖DNAの分離においては, 架橋ポリアクリルアミドゲルのゲル濃度及び架橋度を検討し, 最適条件下では, PCR生成物を含む100から12000塩基対の2本鎖DNAが, 40分以内に10塩基程度の違いで分離された.その際の理論段数は, 1m当たり数百万段であった.
著者
馬場 尚一郎 堀 政義 佐藤 建樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, no.9, pp.61-62, 2003-03-13

On Dynamic-type ice storage system, the continuously preventing technique of the ice growing and adhering to the pipe wall from supercooled releaser to Supercooling chiller is proposed. -2.0 degree level supercooled water cooled by the evaporator of an electric refrigerator is able to be changed to sherbet ice perfectly by the supercooled releaser. Heating (less than 100W) the plastic pipe prevents the ice growing and adhering. 50USRT level experiment results are discussed and the stability prevention of the ice growing and adhering condition is shown.
著者
小林 宏行 河合 伸 押谷 浩 酒寄 享 小池 隆夫 大西 勝憲 斎藤 玲 中山 一朗 富沢 磨須美 大道 光秀 平賀 洋明 渡辺 彰 貫和 敏博 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 荒川 正昭 和田 光一 岡 慎一 稲松 孝思 増田 義重 島田 馨 柴 孝也 吉田 雅樹 佐藤 哲夫 林 泉 宍戸 春美 赤川 志のぶ 永井 英明 渡辺 尚 馬場 基男 松本 文夫 桜井 磐 嶋田 甚五郎 堀 誠治 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 健一 平居 義裕 石丸 百合子 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 俊信 下方 薫 齋藤 英彦 成田 亘啓 三笠 桂一 三木 文雄 二木 芳人 副島 林造 澤江 義郎 仁保 喜之 大泉 耕太郎 市川 洋一郎 徳永 尚登 原 耕平 河野 茂 門田 淳一 朝野 和典 平潟 洋一 前崎 繁文 伊藤 直美 松本 慶蔵 永武 毅 宇都宮 嘉明 力富 直人 那須 勝 山崎 透 斎藤 厚 普久原 浩 広瀬 崇興 佐藤 嘉一 熊本 悦明 河村 信夫 岡田 敬司 稲土 博右 守殿 貞夫 荒川 創一 宮崎 茂典 大森 弘之 公文 裕巳 小野 憲昭 渡辺 豊彦 村田 匡 熊澤 淨一 松本 哲朗 尾形 信雄 高橋 康一 天野 拓哉 中村 元信 山本 松男 清水 武昭 岩井 重富 国松 正彦 大塚 一秀 中川 良英 渡辺 哲弥 松山 秀樹 杉山 勇治 中山 一誠 品川 長夫 真下 啓二 真辺 忠夫 木下 博明 森本 健 久保 正二 藤本 幹夫 上田 隆美 岩佐 隆太郎 横山 隆 児玉 節 津村 裕昭 松田 静治 保田 仁介 山元 貴雄 岡田 弘二 遠藤 重厚 山田 裕彦 高桑 徹也 斎藤 和好 相川 直樹 田熊 清継 藤井 千穂 福田 充宏
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.846-871, 1997-10-25
被引用文献数
7
著者
案田 岳夫 米倉 正大 馬場 啓至 馬場 史郎 吉田 光一 小野 智憲 鎌田 健作 戸田 啓介 陶山 一彦
出版者
日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.426-430, 2004-11-30
被引用文献数
2

長崎県離島(対馬,壱岐,五島)には脳神経外科手術施設が存在しないため,脳神経外科的治療を要する患者が発生した場合,以前からヘリコプター搬送が利用されており,その大部分が国立病院長崎医療センター脳神経外科に運ばれ治療を受けてきた.近年,その件数は年間約90例となっている.くも膜下出血(SAH)患者も,急性期に当院に搬送されているが,ヘリコプター搬送中,患者は騒音,振動,気温変化,気圧変化などの再破裂の危険に曝されると考えられる.また機内で医師が行いうる医療行為には制限があることも事実である.以上のことから,救急車により搬送される内地発症SAH症例に比較し,離島発症例には予後不良となる要因がより多く存在する可能性がある.そこで,当施設にて治療を受けたSAH症例を離島発症群,内地発症群に分け転帰を比較してみた.
著者
秋月 達人 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.100, pp.31-36, 2006-06-09

近年,インターネット,テレビといった通信媒体の性能向上に伴い,大量の映像コンテンツの入手が可能となった.また,計算機上での映像編集ツールも多々開発されており,素材映像の編集による映像制作は身近なものとなりつつある.しかし実際に魅力的な編集映像を制作するには,いまだ高度な編集技術や知識,時間,費用を要する.そこで我々は,専門家により編集された事例映像から編集技術を学習することにより,一般ユーザの映像編集を支援するシステムを提案している.ここで編集技術の一つとして,映像全体に調和感を持たせるために,映像を構成する動画と音を同期させることが知られている,そこで本稿では,映像をショットの並びとみなした際の,ショットの切り替え時における音の低レベル特徴に基づいた変化を,動画と音の時系列変化の同期パターンとして学習する.
著者
秋月 達人 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.98, pp.31-36, 2006-06-09
被引用文献数
1

近年,インターネット,テレビといった通信媒体の性能向上に伴い,大量の映像コンテンツの入手が可能となった.また,計算機上での映像編集ツールも多々開発されており,素材映像の編集による映像制作は身近なものとなりつつある.しかし実際に魅力的な編集映像を制作するには,いまだ高度な編集技術や知識,時間,費用を要する.そこで我々は,専門家により編集された事例映像から編集技術を学習することにより,一般ユーザの映像編集を支援するシステムを提案している.ここで編集技術の一つとして,映像全体に調和感を持たせるために,映像を構成する動画と音を同期させることが知られている.そこで本稿では,映像をショットの並びとみなした際の,ショットの切り替え時における音の低レベル特徴に基づいた変化を,動画と音の時系列変化の同期パターンとして学習する.
著者
滝川 桂子 馬場 景子
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.87-91, 1999-03-31

本研究は, 先行研究からの流れを受けて, 文部省認定・工業英語検定試験(以下, 工業英検)から工業英語の専門性と英語教育との接点を見出す目的をもっている.さらに目的を包括するために, 高等教育機関におけるESP(English for Specific Purposes)教育の適応性を考察する.今回は, 四年制大学工学部に在籍する学生128名に工業英検4級と3級の試験問題を与え, その得点状況を比較分析した.結果, 4級及び3級の選択問題に関しては先行研究を裏付ける結果となったが, 3級の特徴である記述問題では被験者全体の得点率が極めて低調であり, 英語教育の見地から大きな課題を残す結果となった.つまり3級の記述問題では単に工業の知識だけでは克服できない, 英語の文章力の問題が大きく影響を与えていると考えられる.現段階ではtechnical termやjargonという語彙教育中心と思われているESP教育に次なる展開を見出すことが可能になってきた.
著者
木戸川 紀子 田原 弘幸 坂本 繁樹 山本 秀正 本田 亜紀子 田代 泰信 馬場 礼美 井口 茂
雑誌
長崎大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.193-196, 1992-03-31

病院における事故について,リハビリテーションカルテ,看護日誌をもとに調査した. 対象は,昭和63年4月から平成3年11月までに当院に入院した患者,合計673名(男性274名,女性409名)である. 多数回事故を起こしている患者は痴呆を有し,それによる異常行動が原因と思われた. 事故多発時間帯は起床時・消灯時で院内の体制の再検討を示唆するものもあった.事故に伴う傷害で骨折では大腿骨,肋骨,上腕骨と全身的であった. この調査の結果から事故予防策を考えた. ① 移動・移乗能力の評価を厳密にし過大なプログラムを避ける. ② ベッド周囲の環境整備 ③ 事故報告の様式を整える.