著者
向井 紀子 高橋 良平 中川 紗央里
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.333-337, 2020-10-01 (Released:2020-11-16)
参考文献数
10

「ジャパンサーチ」は、我が国が保有する多様なコンテンツのメタデータを検索できる国の分野横断型統合ポータルである。内閣府をはじめとする関係府省及び国の主要なアーカイブ機関等と連携・協力し、国立国会図書館が中心となって2017年から構築を進め、2019年2月の試験版公開を経て、2020年8月の正式版公開に至った。本稿では、まずジャパンサーチに登録されているメタデータについて、分野別、権利区分別等の状況を分析することで、ジャパンサーチで検索可能なコンテンツの内容等を概観する。続いて、ジャパンサーチとアーカイブ機関との連携の現状を紹介した上で、今後の連携拡大に向けて目指す方向性などを示す。
著者
鷲田 和夫 加藤 有希子 川又 純 高橋 良輔
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.147-149, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
7

症例は58歳,男性.パーキンソン病発症14年目に寡動が増悪したため,非麦角系ドーパミンアゴニストであるプラミペキソールの投与を開始したところ深刻な病的賭博症状が出現した.薬剤変更により病的賭博行為は可逆的かつ速やかに消失したが,社会経済的に不可逆的な損害が生じた.病的賭博の発症理由として大脳辺縁系に位置するドーパミンD3受容体へのドーパミンアゴニストによる特異的刺激が関与していると考えられている.
著者
高橋 良平 中川 紗央里 徳原 直子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.203-206, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
5

「ジャパンサーチ」は、我が国が保有する多様なコンテンツのメタデータを検索できる国の分野横断型統合ポータルである。本発表は、2020年夏までの正式版公開に向けて、機能改善及び連携拡大を進めているジャパンサーチについて、現時点の到達点をまとめ、今後の課題を考察するものである。すなわち、構築に至る背景と構築の目的を説明したのち、ユーザや連携機関のためのさまざまな機能、権利表示の仕組み及び連携拡大のための取組を紹介し、最後にジャパンサーチが発展していくために解決すべき課題について報告する。
著者
高橋 良輔 金子 文成 柴田 恵理子 松田 直樹
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.59-67, 2018 (Released:2019-09-01)
参考文献数
28

本研究の目的は, 肩関節外旋運動反復トレーニングが肩関節外転運動中の棘下筋を支配する皮質脊髄路興奮性を増大させるのか明らかにすることである. 外旋反復運動をトレーニング課題として, その前後に外転運動中の皮質脊髄路興奮性を経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位で評価した. 外旋反復運動は15分毎に100回を3セット実施した. 運動誘発電位は外旋運動反復トレーニング前に2回, 各トレーニング直後, そして3回目のトレーニング直後から30分後と60分後に測定した. 棘下筋の運動誘発電位振幅は3回目のトレーニング直後から60分後まで有意に増大した. 本研究結果から, 肩関節外旋運動反復トレーニングによって, トレーニングと異なる運動である肩関節外転運動中に棘下筋を支配する皮質脊髄路興奮性が持続的に増大することが示された.
著者
高橋 良 伊藤 久敏
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.69-82, 2020-09-30 (Released:2020-10-13)
参考文献数
32
被引用文献数
1

We detected thick pumice layers by observations of cuttings taken from a 1,000 m deep hot spring well at the central Hakodate City, southwestern Hokkaido. In this study, we perform petrological investigations and U-Pb dating for these pumice layers and compare them with the eruptive products from the Quaternary volcanoes at the southern Oshima Peninsula. The pumice layers can be divided into several porphyritic pumice (depth 570-420 m, 310-283 m and 261-66 m) and aphyric pumice (depth 950-660 m, 420-380 m, 343-310 m and 283-261 m) layers. The porphyritic pumice is rich in plagioclase and hornblende phenocrysts and occasionally contains minor amounts of orthopyroxene, clinopyroxene, biotite, quartz and cummingtonite phenocrysts. The U-Pb ages of the lowermost and uppermost parts of the porphyritic pumice layers are 0.93±0.04 Ma and 0.81±0.06 Ma, respectively. Although lithic-rich part is partly observed, these pumice layers mostly consist of pumice clasts. In addition, pumices show variously welded textures at several depths. These features suggest that the thick pumice layers resulted from repeated pyroclastic flows and that reworked deposits are limited. This indicates that the source of the pumice layers should be located adjacent to Hakodate City, whereas the petrological features and U-Pb age of the pumice layers are inconsistent with the known eruptive products of the Quaternary volcanoes at the southern Oshima Peninsula. Therefore, our results indicate that unknown pumice eruptions repeatedly occurred around this area during 0.9-0.8 Ma. Although any pumice eruptions have not been detected in Hakodateyama volcano (1.5 km SW of the hot spring well), the eruption ages and mineral assemblage of the porphyritic pumice are similar to the lavas of the volcano, implying that the source of the pumices was Hakodateyama volcano or its adjacent area.
著者
高橋 良 岡田 諄
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.411-415,396, 1966-10-15 (Released:2011-08-10)

Since domestic air lines commenced their service in Japan, the department Otorhynolaryngogy, the Jikei University School of Medicine has been participating to the health controls of flight crews of the 'domestic air lines and students of the Aviation Academy.Highly developed airplanes, vastly increased number of flight crews and serial domestic air accidents prompted us to establish the details of medical standards in accepting new crews and students.The Otorhynolaryngological standards have been set to prevent individual health hazards in long duties, to eliminate the accidents due to human errors and to save resultant losses of the air line companies.The standards were prescribed based mainly on the experience and date in our dapartment, which were accumulated previously, in conjunction with the Japanese domestic flight rules and the medical standards of Air France and F. A. A.
著者
寺尾 洋介 テラオ ヨウスケ TERAO Yosuke 高橋 良幸 タカハシ ヨシユキ TAKAHASHI Yoshiyuki 正木 治恵 マサキ ハルエ MASAKI Harue 谷本 真理子 タニモト マリコ TANIMOTO Mariko
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.47-54, 2014-09-30

本研究の目的は,特別養護老人ホーム入居高齢者への家族の関わりを支えるものを明らかにすることである。特別養護老人ホーム入居高齢者の家族5名(男性2名,女性3名,看取り介護ケアが導入されている高齢者3名の家族を含む)を対象に,半構造化インタビュー及び,家族-高齢者間の面会場面の参加観察からデータ収集を行い,質的統合法(KJ法)を用いて個別分析と全体分析を行った。全体分析より特別養護老人ホーム入居高齢者への家族の関わりを支えるものとは,【家族の関係:時・場所を超えて変わらない家族の関係性】【ホームでの出来事:関わるから得られる不思議さを伴う発見】【ホームでの出来事:ホームで支えられる双方の平穏】【ホームでの出来事:安楽・希望に繋がる日常の繰り返し】【繋がろうとする欲求:生老病死を受容しながらの愛情の共有】【繋がろうとする欲求:厳しい介護経験を超えての社会発信】の6つのシンボルマークから成る空間配置を示した。結果より,高齢者が衰退する中でも平穏で在り続けることで,家族自身の自己欲求を満たし,社会化をもたらし,家族自身の存在を支え直すものと考察された。家族-高齢者双方を支えるために高齢者が平穏で在り続ける援助の必要性,並びに家族がケア提供者と共に高齢者と関わり,家族の自己肯定感と家族-高齢者双方の安寧をもたらす援助の方向性が示唆された。This research aims to clarify the basis for the relationship between families and elderly people residing in nursing homes. In Japan, nursing homes provide welfare facilities for elderly people requiring long-term care. Data were collected using semi-structured interviews with two male and three female family members and participant observation of five family members and elderly people, three of whom were receiving end-of-life care in nursing homes. Individual and comprehensive analyses were performed using a qualitative synthesis method( the KJ method). The comprehensive analysis focused on the basis of the relationship between family members and elderly people on six parameters:" the family's relationship: the quality of family ties regardless of time and place"; " events at the nursing home: the extent of family member's wondering discovery of the elderly's new aspect obtained from related,""events at the nursing home: the extent of feelings of ease and comfort among family members and nursing home residents";" events at the nursing home: daily routines that engender feelings of calmness and hope";" desire for connection:the extent of affectionate behavior in the face of birth, aging, sickness, and death"; and" desire for connection:the extent of the family's release from challenging, albeit caring, tasks, and experiences." Although elderly people in nursing homes are losing their physical and mental vitality, the calmness they tend to express helps satisfy their family members' individual desires to be part of the family, brings family members together, and supports the family as it rediscovers the very core of its existence. It is important that caregivers assist in the maintenance of elderly people's tranquility to facilitate family members' self-affirmation and to ensure that elderly people and their family members are both at peace.
著者
李 虎奎 米田 郁夫 繁成 剛 高橋 良至 河合 俊宏 橋詰 努 北川 博巳
出版者
一般社団法人日本福祉のまちづくり学会
雑誌
福祉のまちづくり研究 (ISSN:13458973)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.A1-A12, 2013-03-15

移動動作は日常生活活動の根幹をなす動作である。とくに、外出活動は、日常生活を変化のあるものにし、また社会生活を構築するうえで必要不可欠なものである。したがって、下肢機能が低下し移動が困難になった高齢者の日常生活を潤いのあるものにするためには、安全・楽に外出できる手段を確保することが必要である。本研究では、高齢者のための外出支援機器を開発した。開発した外出支援機器は、転倒のリスクが少ない4輪型とし、また、下肢機能の維持・向上のためにペダルを漕いで推進する方式とし、身体負担を軽減するために電動アシスト装置を組み込んでいる。開発機器について使用評価および走行実験による操作負担の検証を行った結果、下肢機能が低下した移動困難な高齢者の外出を支援する機器としての可能性が示唆された。
著者
中村 晋 内田 大学 高橋 良枝 龍野 一郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.805-808, 2006 (Released:2009-01-19)
参考文献数
11

塩酸バラシクロビルは,アシクロビルのプロドラッグでその副作用として過量投与による腎不全がある.今回,糖尿病腎症2期にて微量アルブミン尿を認める糖尿病で,塩酸バラシクロビルが原因と考えられる急性腎不全を発症した症例を経験した.症例は75歳の男性で,高血圧症と糖尿病で治療中であった.2004年8月に背部の帯状ヘルペスを発症し,塩酸バラシクロビルの内服を開始したところ急性腎不全を発症した.急性腎不全は塩酸バラシクロビルの内服中止と補液にて改善した.本症例では,もともと糖尿病腎症は2期と軽度であったが,塩酸バラシクロビルの常用量で急性腎不全を発症しており,使用する際には腎機能に注意して慎重に行う必要があったと考えられた.
著者
高橋 良二 RODRIGUEZ BENITEZ E.
出版者
独立行政法人農業技術研究機構
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

乾燥、高温等の環境ストレスによって大豆の種子に裂皮(種皮の亀裂)が発生し、外観品質が悪化して商品価値が低下する。特に、納豆、煮豆等、種子の形で流通する商品においては裂皮の発生は致命的であるため実需者から高度抵抗性品種の育成が強く求められているが、年次によって裂皮が多発する。本研究では、難裂皮性品種と易裂皮性品種の交雑後代を供試し、裂皮抵抗性のQTL解析を行うことにより選抜マーカーを開発する。難裂皮性品種「エンレイ」と易裂皮性品種「ナスシロメ」とのF_6系統(100個体、各30個体)を圃場で栽培し、個体ごとに開花日を調査した。開花始40日後に上位半数の莢を摘除し、裂皮の発生を促した。成熟期に種子の裂皮指数(裂皮無:0〜甚:4)を1粒ごとに評価し、個体および系統の難裂皮性を調査した。さらに、成熟期、莢数、子実重等の生育特性を評価した。MAPMAKER/EXP. ver. 3.0を用いて連鎖地図を作成し、QTL Cartographer ver. 2.0を用いて、composite interval mappingによって開花まで日数、成熟まで日数、裂皮指数、莢数、子実重、100粒重のQTL解析を行った。その結果、成熟まで日数を支配するQTLが1個見いだされた。主茎長を支配するQTLが2個見いだされた。種子数、子実重、100粒重を支配するQTLが、それぞれ1個、1個、3個見いだされた。難裂皮性を支配するQTLが2個見いだされた(D1 b連鎖群のACI2とM連鎖群のACI1)。ACI1とACI2は、昨年度にF_3系統でも検出され、年次・世代間で再現性が認められた。ACI1とACI2は、早晩性や粒大を支配するQTLとは異なった位置に見いだされ、それらのQTL近傍のマーカーを用いることにより、早晩性や粒大とは無関係に難裂皮性を選抜できることが明らかになった。
著者
稲毛 真一 高橋 良典 大城 翔貴
出版者
一般社団法人 産業応用工学会
雑誌
産業応用工学会全国大会講演論文集 2022 (ISSN:2424211X)
巻号頁・発行日
pp.19-20, 2022 (Released:2022-10-01)
参考文献数
3

最適化問題の解法は, 多くの工学的応用や研究ツールに不可欠なものである.著者は,既報でモンテカルロ法を用いた新たな最適化手法MOST(Monte Carlo Stochastic Optimization)を開発してきた本論文は,その手法を多目的化し,ベンチマーク問題に適用し,検証したものである.以下に詳説する.
著者
亀井 美玲 菊池 暢之 中城 正夫 高橋 良彰 秋月 真一郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.950-954, 2015 (Released:2015-11-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

症例は93歳,女性.呼吸困難感とめまいを主訴に来院し,心不全の診断で入院となった.入院時CTで左乳房腫大を指摘されたため当科紹介となった.視診では著明な左乳房腫大があり,触診では明らかな腫瘤は触知せず,pitting edemaを認めた.圧痛は認めなかった.超音波検査では皮膚皮下組織の肥厚を認め,C領域には良性病変とみられる低エコー域を認めるのみであった.心不全治療開始後6日目には心不全症状は改善したが,乳房腫大は改善なく,さらに発赤も認めた.炎症性乳癌を疑い,針生検と皮膚生検とを施行した.病理学的には悪性所見は認めず,真皮に毛細血管の拡張とリンパ球の軽度浸潤を認めるのみであった.心不全に伴う乳房浮腫と診断し心不全治療を継続したところ,2カ月経過した段階で左乳房浮腫は軽快した.炎症性乳癌との鑑別が困難であった心不全に伴う乳房腫大の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.
著者
原 毅 高橋 良介 尾原 裕康 岩室 宏一 下地 一彰 志村 有永 佐藤 達哉 宮川 慶 奥田 貴俊 野尻 英俊
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.12, no.7, pp.926-932, 2021-07-20 (Released:2021-07-20)
参考文献数
9

DuragenⓇは多孔性のcollagen matrixにより形成されている吸収性の人工硬膜で,内部に血小板が浸潤することでフィブリン塊による膜を形成し,早期の髄液漏防止効果が得られる.DuragenⓇの脊椎脊髄手術における髄液漏防止効果について,後方視的に検討した.DuragenⓇを用いた脊椎脊髄手術34例中,髄液漏発生は2例であった.DuragenⓇは脊椎脊髄手術において髄液漏予防に有用と考えられる.水との親和性により様々な使用方法が期待できる素材と考える.
著者
高橋 良輔 角野 拓真 東条 かおり 岡崎 慎一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.3, no.J2, pp.1053-1058, 2022 (Released:2022-11-12)
参考文献数
8

近年,極端豪雨により激甚化する豪雨災害の一つとして,局所洗掘による橋脚の損傷やそれに伴う落橋等が日本各地で頻発している.この種の災害に対する維持管理では,被災リスクが高い橋脚を抽出し,計画的な予防保全措置を実施するとともに,橋脚の健全度を把握するために適切な残存耐力評価が必要となる.本研究では,機械学習を援用し実効雨量を説明変数とした河川水位予測モデルを提案するとともに,局所洗掘の進展に応じた橋脚の残存耐力評価モデルを提案する.これらモデルを組み合わせることで,気象変動により変動する河川水位および局所洗掘の進展に応じた橋脚の残存評価が可能となる.