著者
田中 均 高橋 努 一瀬 めぐみ 坂本 大輔 林 智洋 本多 栄喜
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要. 自然科学 (ISSN:04546148)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.61-70, 2007-11-30

Mukujima Island is 16 kilometers northeast of Tsukumi City, Oita Prefecture, and is geotectonically occupied by the Chichibu Terrain of the Outer Zone of Southwest Japan. In this area the Upper Mesozoic strata are exposed in Jimukujima and Okimukujima Islands, and are lithostratigraphically divided into four formations, i.e. Mukujima, Jimukujima, Okimukujima and Bungo Formations in ascending order. In this paper, the stratigraphy is described in some detail, with remarks on correlation, and the features of the bivalve faunas are made clear. The Mukujima Formation, about 65m thick, is characterized by the predominance of feldspathic quartzsandstone. Several shallow marine bivalves which were conspecific with the bivalves from the Torinosu Group in Sakawa, Sakamoto, Yatsushiro and Tanoura areas, and Soma Group (Nakanosawa Formation) in Soma area, and the fragmental plant fossils occur from this formation. From the faunal aspects and lithological characters, the Mukujima Formation is best comparable to the Torinosu Group in Shikoku, and is assigned to the Late Jurassic. The Jimukujima Formation about 550m thick is in fault contact with the Mukujima Formation. The formation is characterized by the frequent occurrence of red-colored rocks, with intercalation of brackish-water shell beds. From the fossil-contents (Ryoseki fauna) and lithological characters, the formation is comparable to the Ryoseki Formation of the Monobegawa area, the Koshigoe Formation of the Haidateyama area, the Togawa Formation of the Gokase area and the Kohara Formation of the Yatsushiro area.
著者
高橋 洋成
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.6, pp.1-7, 2013-07-27

本報告は,紀元前 14 世紀のエジプトとパレスチナとの間でやり取りされた書簡 (アマルナ文書) の電子化について,これまでの経緯,現状および将来の展望について報告する.具体的には,TEI/XML を利用して画像・文字・翻字・言語解釈の各データを有機的に関連付ける方法と,作成されたデータを開かれた言語研究のネットワーク (LLOD) に参加させていく必要性について述べる.This paper describes the background and current approach to the digitalization of Amarna letters, most of which were diplomatic documents between Egypt and Palestina in 14 BCE. Using TEI/XML, images, cuneiforms, transliteration and linguistic analysis are systematically combined, which in turn are intended to contribute to the open network of linguistic studies, called LLOD.
著者
大橋 寿美子 小谷部 育子 篠原 聡子 小泉 雅生 高橋 鷹志
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.577, pp.17-24, 2004
被引用文献数
2 2

Increasing of double-income, non-blood and single or couple family has revealed the limit of the nLDK housing for nuclear family. In this paper, spatial organization model for future family is proposed and based on the model works of houses are analyzed. We hypothesized that family functions are substituted by the habitation network which builds relationship not only between individuals other than blood relatives, but also between individuals and regional society are substitute for family function. The notion of the Open Common is proposed as a domain in which a resident interact with other people who constitute this habitation network. Furthermore, a model plan and existing houses of the free adaptation type are presented and analyzed.
著者
新美 文彩 久米 春喜 熊野 信太郎 石川 晃 西松 寛明 冨田 京一 高橋 悟 武内 巧 北村 唯一
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.98, no.5, pp.713-717, 2007-07-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
22

症例は27歳女性. 気胸の既往があり他院にて加療されていた. 2回目の左気胸発症時に肺生検にて肺リンパ管筋腫症 (LAM) と診断された. その後の精査目的のCTで右腎前面に径10cmの脂肪濃度を含む腫瘤を認め, 腎血管筋脂肪腫 (AML) と診断され, 当科に紹介された. 当科にて腎部分切除術が施行された. 腫瘍は腎実質と5cm程度の部分で連緯しており, 有茎状に発育していた. LAMは病理学的に肺の気道, 血管, リンパ管周囲の平滑筋の異常増生を示し, 気道閉塞による多数の肺嚢胞状病変形成が特徴とされ, 殆どの症例で経過中に気胸を発生する予後不良の疾患である. また47~60%の症例にAMLを合併することが知られている. LAMを合併したAML患者の特徴としては20代から30代の生殖可能な女性に好発しており, 結節性硬化症に合併するAMLと比較すると片側単発傾向ではあるが, 両側例が25~62%と比較的多く, また多発例も報告されている. LAMは予後不良のため, AMLに対しては出血などの症状が出現するまで無治療で経過することが多く, 治療としては腎摘除術が多い. しかしながら, 最近の報告ではLAMの予後はやや改善してきており, AMLの再発例も認められることから, 可能な限り腎温存を図るべきである. 本症例は本邦10例目である.
著者
大木 基史 武藤 睦治 大原 稔 高橋 雅士 石橋 達弥
出版者
社団法人溶接学会
雑誌
溶接学会論文集 : quarterly journal of the Japan Welding Society (ISSN:02884771)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.395-404, 1998-08-05
参考文献数
18
被引用文献数
8

Two kinds of thermal cycle tests with short (10 min) and long (23h) holding times were carried out to investigate thermal cycling damage characteristics and thermal barrier property of thermal barrier coatings (TBCs). Surface cracks vertical to the coating surface were nucleated due to thermal stress during both the thermal cycle tests. Holding time had no significant influence on the surface cracking behavior. On the other hand, holding time had a significant influence on the thermal barrier property, which was degraded with increasing total holding time. The degradation of thermal barrier property was caused by the decrease in porosity and hence by the increase in density of ceramic layer.
著者
高橋 節子 海老原 昌絵 貝沼 圭二
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.235-241, 1998-03-15
参考文献数
14
被引用文献数
3

新形質米の米紛および澱粉の性質を知る目的で, バスマテー型香り米のサリークイーン, 低アミロース米の道北43号, 多収米のオオチカラ, 巨大粒米のハバタキ, インディカ系高アミロース米のホシュタカの5種を日本晴と比較した.測定は膨潤力・溶解度, フォトペーストグラフィー, ビスコグラフィー, ゲルのテクスチャーを求め, ゲルの離水率, ハンター白度の測定からは低温貯蔵安定性を検討した.90℃における米澱粉の膨潤力は17〜26を示し, 高アミロースのホシユタカが低く巨大粒のオオチカラは大であり低アミロースの道北43号・日本晴は膨潤しにくい.米澱粉の透光度上昇温度は58〜64℃を示し, ホシユタカは低く日本晴は高く, 添加物の影響では食塩・ショ糖が顕著であった.粘度測定から香り米のサリークイーンは粘度が高く, ホシユタカはコーンスターチに近似に曲線を描き, 米粉は米澱粉に比べて糊化温度が高く粘度は低い.澱粉ゲルはホシユタカ, 香り米のサリークイーンは硬さがあり日本晴は軟らかく低アミロース米の道北43号はこれらの中間であった.ビスコグラフィーで冷却25℃まで撹拌を継続したゲルは, ゲル化が阻害され硬さが低下し付着性が増大した.低アミロース米の道北43号は離水・白度が低く, ホシユタカは老化しやすく不透明なゲルであった.本報告で用いた新形質米各種は幅広い性質を示し、いろいろな調理や加工に利用できることが明らかとなったことから, 今後は北アフリカ料理のクスクス, 団子やういろうなど伝統的な和菓子や蒸し菓子などの調製について検討を行う予定である.
著者
菊池 亮 高橋 克巳
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.69-73, 2013-02-01
参考文献数
4

健全なログ情報活用のためには,プライバシー上のリスクに対する正しい理解の上で,最善な技術的措置を講じることが重要である。本稿ではログ情報の活用のために必要と考えられるプライバシー保護の技術的手段に関して考察を行う。本稿ではログ活用のプロセスをログ情報の提供者,処理者,活用者の3主体に分類し,その主体間でそれぞれ,入力プライバシー,処理プライバシー,出力プライバシーを定義する。次にその上でのリスクを定義し,リスクの要因となる処理形式や背景知識について整理し,対策となる技術を紹介する。
著者
高橋 正人 原沢 延幸 吉田 博久
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.455-458, 1990-05-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

ポリエチレンオキシド (PEO) /ポリメタクリル酸メチル (PMMA) ブレンド中でのPEOの等温結晶化過程に及ぼすPMMAのタクチシチーならびに分子量の影響を検討した. 結晶化速度はPMMAの組成と分子量の増加に伴い遅くなる. ブレンド試料の融解熱はPMMA分子量には依存せず, PMMA組成が増加すると小さくなる. また, 融解熱はPMMAタクチシチーに依存しアイソタクチック, シンジオタクチック, アタクチックの順に小さくなる. 結晶化の活性化エネルギーはPMMA組成と分子量には依存せず, PMMAタクチシチーに依存し, アイソタクチック, シンジオタクチック, アタクチックの順に小さくなる.
著者
佐藤 雅美 斎藤 泰紀 遠藤 千顕 薄田 勝男 高橋 里美 菅間 敬治 佐川 元保 永元 則義 藤村 重文
出版者
The Japanese Association for Chest Surgery
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.638-642, 1993
被引用文献数
15 5

悪性中皮腫11例を対象に進展再発様式を検討したその結果, 血行性転移のみの例は無くリノハ行性転移のみの形態をとった例か4例, 血行性およひリノハ行性転移か4例見られたまた術創, 穿刺部位の播種か各1例, 腫瘍か臓側胸膜に浸潤したために発症したと考えられる気胸か4例見られた組織学的に肺門肺内リノハ節を検索しえた3例すへてに転移かみられた肉眼的に完全に切除されたと考えられた症例ては1例を除くと初再発部位は縦隔リノパ節, 術創, 術側胸水と局所再発の形態をとり全例6ヵ月以内に再発していたこれらの事より悪性中皮腫に対しては肺門, 縦隔をも加えた系統的なリノハ節郭清や術中の胸腔内洗浄, 術衣, 手術器械の交換なとを考慮すへきと考えられたまた高齢者の気胸症例ては本疾患を念頭におくへきと考えられた
著者
中村 譲 山形 洋一 高岡 宏行 高橋 正和 OCHOA A. J. Onofre MOLINA Pedro A. 高橋 弘
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.51-58, 1981
被引用文献数
3

国際協力事業団のグアテマラ共和国におけるオンコセルカ症の研究と防除プロジェクトは1976年から5年計画として開始された。その昆虫学部門は, エスクイントラ県サンビセンテパカヤ郡のパイロット地区の北部を流れるラバデロス川流域において最初のブユ駆除をおこなった。対象種はSimulium ochraceumとし, テメフォス10%固型剤を水量0.5l/secあたり2g投入することを2週ごとに繰り返した。作業は1979年3月下旬より開始され, 同年5月末までの結果につき報告した。同川には支流が21本あり, 支流上流部で水量0.1l/sec以上の流れのすべての水源と, 途中で2倍以上に水量が増加する点とを殺虫剤投入点としたところ, 5月末現在で投入点は57カ所となった。投入薬量は合計242gであった。作業量は2人1組で乾季で1日半であった。殺虫剤投入前に19支流調査して11支流にS. ochraceum幼虫が存在したが, 2回目の殺虫剤投入後には21支流中4支流のみで同種幼虫が見いだされた。幼虫定期観察のための2カ所の定点においては, 10分間採集法でも人工基物(シリコンチューブ)法でも1∿5週後に幼虫はゼロになった。成虫は, 殺虫剤投入2∿4週間前に人囮3時間採集法で286∿403個体採集されたが, 徐々に減少し, 5月かには6個体になった。テメフォス固型剤は, ブユ幼虫に対する高い有効性とともに作製, 保存, 運搬, 投入などの点から野外での実際の散布計画でも有望と思われる。
著者
栗原 嘉一郎 冨江 伸治 植松 貞夫 土肥 博至 若林 時郎 高橋 義英
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
研究報告集. 計画系
巻号頁・発行日
vol.47, pp.429-432, 1976-07-05

筑波研究学園都市の主要構成機関の1つである筑波大学は、昭和49年度第1期生を受け入れ、昭和50年度1・2年生計1,930名の学生が教育を受けている。これら学生は、学園都市内の主要な人口集団を形成するものである。以下、都市及び大学創成期における「学生の生活と意識」に関する調査報告である。
著者
高橋 正輝 奥野 拓 川嶋 稔夫
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.9, pp.1-6, 2013-01-11

函館のデジタルアーカイブに含まれる大量の写真資料はメタデータが少なく,写真間が歴史的関連で関連付けられていない.そこで,函館の歴史に関する文献を利用することで写真資料のメタデータを補い写真間が関連付く可能性がある.写真資料と函館市史年表編,はこだて人物誌を Linked Open Data (LOD) として作成し公開する. LOD とは外部とのデータ連携を実現する技術である.函館の歴史資料を LOD 化することで,地域写真アーカイブの編纂を目指す.Photos in Hakodate photo archives have historical relations to each other, but there is no links between them. There is a possibility that the photos are linked by using historical records of Hakodate. This study aims to link the photos in the archives by generating Linked Open Data of photo archives, historical calendar, and historical figure of Hakodate.
著者
窪田 聡 遠藤 路子 林 里紀 高橋 博徳 村松 嘉幸 腰岡 政二
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.97-102, 2013 (Released:2013-04-01)
参考文献数
20
被引用文献数
3

根域環境制御システムを用いて根域温度を調節することによって,鉢植え花きの生育制御が可能かどうかを明らかにするために,バーベナとゼラニウムの生育と開花に及ぼす根域温度の影響について検討した.バーベナを根域温度15,20および25℃で栽培したところ,地上部の生育は25℃で著しく促進され,植物体の乾物重は15℃の約1.5倍に増加した.ゼラニウムを冬季に最低気温8℃とし,根域加温温度を無加温,13および18℃で栽培した.その結果,根域温度が18℃では地上部の生育と着蕾率および小花数は明らかに増加し,植物体の乾物重は無加温に比べて約2倍に増加した.以上のことから,根域環境制御システムを利用して根域温度を制御することにより,植物の成長を制御できることが明らかとなった.