著者
小野 三嗣 高橋 泰光 尾谷 良行 高橋 基泰
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.104-112, 1965-09-01
被引用文献数
2 1

東京都区立東山中学校の男子1年生106名, 男子2年生224名の体力測定を行い, 各測定項目相互の関係を追究の結果, 太要次のような結論を得た。<BR>1.反復横跳, 懸垂屈腕, ステツプテスト点の3者には学年差がみとめられなかつたが, 他の測定項目は2年生の方が優れていた。<BR>2.中学2年生において体重50.0~55.0kg群が短距離疾走能力最大であり, 体重の増減に従つて低下する。1500m以上の短離では体重最低の35.0kg末満群が最も速く, 体重増加に従つて速度が低下する。<BR>3.1500m以上の疾走速度はステプテスト点, 肺活量に対する相関度よりも100m疾走能力との間の相関度の方が高い。<BR>4.走幅跳と脚力の相関関係には学年差がないが, 走幅跳と25m走所要時間との間の逆相関度は2年生の方が高い。<BR>5.背筋力及び懸垂跳は1年生では体重の増加に従つて大きくなり, 体重最大の45.0kg以上群が最大であるが, 2年生では50.0~55.0kg群が最大であり, それよりも体重が減少するに従つて低下すると同時に, それ以上の体重でも低下している。<BR>6.懸垂屈腕能力では中学2年の場合体重45.0~50.0kg群が最もすぐれ, この群を中心として体重増減いずれの場合でも低下度が強くなる。1年生でも類似の傾向がみとめられるが2年生ほど著名でない。<BR>7.中学2年生では, 比体重値32.5~35.0の間の群が懸垂屈腕力が最もすぐれているが, この群において身長をcm単位で表した無名数との差は107.132±0.461であつた。
著者
高橋秀実著
出版者
小学館
巻号頁・発行日
2002
著者
高橋 正一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.45, no.446, pp.788-804, 1925

本論文は、昨年七月號本誌記載の「高壓送電線の充電と發電機の自己勵磁現象に就て」に關して筆者が九月電氣學會東京支部講演會の席上で、豫稿に掲載してある以外に、述べたるものに、補足追加したものである。高壓長距離送電線に就て、無負荷充電の際は往々恐る可き、發電機の自己勵磁現象を起して、送電系統を脅すことがあるが、無接地式送電系統に就て、送電線を一線接地すれば、送電線の容量は、發電機に對しては、不平衡容量となり、平常状態よりも尚恐る可き自己勵磁を惹起し易い。本論文には欺るゝ場合の正確なる圖式的解法を與へた。先づ一般に不平衡容量負荷の解法に對して.所謂重疊の理論を應用すれば便利なるを示し、之に依つて不平衡の場合の充電特性曲線、發電子零力率不平衡進電流によつて勵磁せらるゝ飽和特性曲線の正確なる求め方を示した。送電線の一線接地の際も重疊の理論を應用しつゝ、上記兩特性曲線を用ひて、發電機が自己勵磁を起す際の異常電壓、電流の求め方を記し、併せて電壓電流のヴエクトル圖も示した。期の如き自己勵磁現象の實例として、筆者は京濱電力株式會社龍島發電所の遞信省試驗の自己勵磁に就いて數字例を示した。ピーターゼンコイルにて中性點を接地することは、發電機の自己勵磁による異常電壓防止の點より論ずるも極めて、有效である事にも論及して居る。
著者
高橋 昭次 桑田 五郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.409-416, 1967 (Released:2008-11-21)
参考文献数
14

(1)水飴の加水分解係数について検討し, Critical Data TablesのD. Eと,各構成糖の表より算術的に計算を行ない,実用的な値として“0.94”と定めた. (2)この加水分解係数“0.94”を酸糖化水飴以外の製造法による水飴に適応したが,よい結果を得た. (3)本定量に使用するamylase量は第1報のglucose oxidase量,およびその他の分解条件を一定にした場合,安全を見込んで2,500単位とした. (4)水飴の全糖測定法は現在一般に行なわれているアンスロン法と分別全糖測定法を比較検討したところ,アンスロン法の不偏分散平方根は0.47であり,分別全糖測定法は0.12であった.また両者について等分散検定を行なったところ,有意水準5%で有意差のあることがわかった.そこで分別全糖測定法にて全糖を測定した. (5)酸糖化,純麦芽糖化,酸液化麦芽糖化水飴のそれぞれD. Eの異なる試料について消化率を測定したが,酸糖化水飴では88.9~92.7%で, D. Eが増加するにしたがい消化率が低下した.純麦芽水飴は98.4~99.2%とほぼ完全に消化された.またM .Eの増加に対しても,消化率は一定であった.酸液化麦芽糖化水飴は96.2~96.7%であり,その消化率も酸糖化水飴,純麦芽糖化水飴の中間の値を示し,他の両者の分解率および製造法から推定して酸液化麦芽糖化の場合,最初の酸液化が大きい影響を与えるものと考えられる. (5)混合糖でも,分別全糖測定法の問題を解決すれば第1報と同様な操作および精度で,系統的な糖定量法が可能であることがわかった.
著者
森實 雅司 讃井 將満 岩谷 理恵子 高橋 由典 上岡 晃一 山香 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.423-425, 2017-07-01 (Released:2017-07-05)
参考文献数
3
被引用文献数
1

【目的】急性期病院における持続的腎代替療法(continuous renal replacement therapy, CRRT)関連業務の実情は明らかでない。CRRT関連業務の発生時間帯および管理体制について多施設実態調査を行った。【対象と方法】24施設において2013年1月から12月までに行われたCRRT 1,785例6,024回路交換を対象とし,初回CRRTの導入および回路交換が行われた時間帯別総数および管理体制を臨床工学技士(clinical engineer, CE)の24時間院内常駐体制(以下,CE常駐)の有無で比較した。【結果】CE常駐ありの施設は12施設(50%)であった。8~17時:17~8時の初回CRRT導入および回路交換の総数の比はそれぞれ50.4:49.6,70.6:29.4であった。CE常駐なしの施設における夜間のプライミングや返血操作は多くが医師・看護師によって行われ(P<0.05),CE常駐ありの施設に比べて実施が控えられていた(P<0.01)。【まとめ】CRRT関連業務は昼夜を問わず発生するが,CEの24時間院内常駐体制を整備している施設の割合は高くなく,CRRT関連業務に関わる職種とその実施状況はCEの夜間勤務体制に影響されていることが明らかとなった。
著者
彦坂 洋信 小林 達明 浅野 義人 高橋 輝昌
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.221-229, 2000-02-28 (Released:2011-02-09)
参考文献数
19
被引用文献数
1

神奈川県の丹沢山地において, 周辺植生と登山道荒廃の程度等との関係について調査を行った。その結果, 傾斜度や登山道周辺植生の低木・草本層の違い, あるいは土性の違いによって, 侵食量・侵食幅・侵食深といった登山道荒廃の程度等に明らかな差異が認められた。特に, 草本層の植被率が低い所やイネ科の草地内など, 周辺植生の表土中に太い根が少なく, 植被率や植生高が低く人が脇にそれやすい地点では, 登山道幅の拡大が顕著にみられた。また, 登山道内の土性が, 透水性が悪く侵食されやすい壌土の地点では, 侵食深が拡大する傾向がみられた。逆に, ササ類が密に生育し, 表土中の太い根の量が多い地点では, 侵食幅の拡大はほとんどみられず, また透水性の良い砂壌土の地点では比較的侵食深の拡大は抑えられていた。
著者
高橋 奈津子 Natsuko Takahashi 千葉大学理学部地球科学教室 Department of Earth Sciemees Faculty of Sciemee Chiba University
雑誌
地質学論集 = The memoirs of the Geological Society of Japan (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.87-105, 1997-04-24

北海道, 日高帯の幌満かんらん岩体は, かつてのマントルダイアピルの断片であり, その物理条件の違いから, 様々な段階でのマグマ分離現象が凍結されている。高温部では上昇の最終課程まで部分溶融していたため形成されたメルトとそのメルトが小規模クラックに分離して形成された斜長石に富む脈が見られ, 大規模なメルト分離現象は現在SDWで占められているかつてのmelt conduit周辺部に凍結されている。規模の違いこそあれ, 両者の基本的なマグマ分離メカニズムは, 溶融メルトのクラックへの吸い込みであった。
著者
高橋 誠一郎
出版者
International Society of Histology and Cytology
雑誌
Archivum histologicum japonicum (ISSN:00040681)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.297-309, 1957

正常犬の視床下部神経分泌細胞の位相差顕微鏡所見を記載した.<br>Ravonal 麻酔下に両側内頸静脈より潟血しつつ両側内頸動脈より先ず Ringer 氏液1500cc, ついで冷却40%庶糖液1000ccで灌流後, 開頭, 視索上核と脳室旁核を摘出, 凍結切片を40%庶糖液で封入するか, 或は Zenker 氏液, Bouin 氏液, formalin, alcohol の何れかで固定後4μ paraffin 切片とし, 脱パラ後 glycerin で封入して, 何れも主として dark contrast, 特にP. M. で観察し, かつ Gomori 氏C. H. P. 標本及び Nissl 標本の所見と比較した.<br>無固定神経分泌細胞の細胞質内及び突起内にはその形態並びに配列状態が Gomori 標本におけるC. H. 好性顆粒に酷似する多数の小球形顆粒が認められ, それらは, 小脳皮質の Purkinje 細胞や大脳皮質の錐体細胞には同様の顆粒が見出されないが, 後葉の血管周囲には同様の顆粒の密集所見があり, 渇状態においては視床下部においても後葉においてもそれらが激減する等のことから, 神経分泌顆粒と同定される. Mitochondria は神経分泌顆粒に混合し, 後者よりも明るい短桿状の顆粒として区別される. Nissl 物質は, 神経分泌顆粒及び mitochondria の少い細胞辺縁部に, 均質, 暗調, かつ粗大な顆粒又は塊状物として認められ, Nissl 標本における Nissl 物質の所見と一致した所見を呈する. これらの細胞内構造のうち, 最も長時間にわたって安定した位相差像を保つものは神経分泌顆粒であり, 秋-冬季, 室温で高張庶糖液中において約6-7時間その所見に著変を来さない.<br>固定標本における所見は Zenker 氏液, Bouin 氏液, formalin の何れを用いた場合にも著しい差異はなく, 無固定標本におけるに比して位相差像の鮮明さが稍々劣るが, 上記の細胞内諸形態は何れも識別される.<br>Alcohol 固定の標本では神経分泌顆粒が認められない. Alcohol 固定標本の Gomori 染色標本においても神経分泌顆粒が消失しているが, 位相差所見はそのことが分泌顆粒の染色性の変化に基ずく所見ではなく, 分泌顆粒の消失に基ずく所見であることを示し, その点後葉における同一所見とは全く意義を異にする (後報).<br>Golgi 装置は無固定, Zenker 固定, Bouin 固定, formalin 固定の何れの場合にも認められないが, 青山氏法の固定を行えば鍍銀を行わなくとも, 微細管腔状の構造が固定鍍銀標本におけると同様な形態で見出される.
著者
高橋 文行 水野 忠則 菅澤 喜男
出版者
特定非営利活動法人 日本コンペティティブ・インテリジェンス学会
雑誌
インテリジェンス・マネジメント (ISSN:21866252)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-48, 2010-09-18 (Released:2013-01-31)
参考文献数
19

本論文では,中国国内で収集したCI関連の公開情報及び文献を基に,中国におけるCI研究の現状と展望を概説する。特に中国におけるCI研究に関する公的機関と企業間を横断的に連結した情報交換システム,そして企業向けCIソフトウェア開発と活用の実態を明らかにする。さらに中国のCI研究と展望を描く中で,中国市場に進出を策する,又は既に進出して現地での競争に苦慮する日本企業が,いかにして中国市場に関する競争情報を収集し,堅実な経営成果をあげるかについて具体的問題を提起し,実務的方策を提言する。
著者
佐野 浩彬 田口 仁 花島 誠人 伊勢 正 佐藤 良太 高橋 拓也 池田 真幸 鈴木 比奈子 李 泰榮 臼田 裕一郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

<b>報告の背景と目的</b> <br>2016年4月14日21時26分に発生した震度7の地震(Mj6.5)と,4月16日1時35分に発生した地震(Mj7.3)およびそれ以降に続く余震(2016年熊本地震)に対して,防災科学技術研究所(防災科研)では災害対応の一環として,地図情報の作成・集約・共有による情報支援を実施した.防災科研が独自に行っている地震や液状化,降雨,火山,土砂災害などの観測・予測データや,熊本県庁から提供された道路規制情報や避難所情報,通水復旧のインフラ情報などをWeb-GISに統合し,俯瞰的な被害状況を把握できる仕組みを構築した.各種情報が集約された地図は,防災科研が構築した熊本地震のクライシスレスポンスサイト(http://ecom-plat.jp/nied-cr/index.php?gid=10153)において公開したほか,避難所情報などの公開が難しい一部の情報については,熊本地震災害対応にあたる特定機関向け地図を構築して提供した. 本報告では,熊本地震における地図情報の作成・集約・共有における災害対応支援のなかで,熊本県庁をはじめとする各種機関が集約・発信する情報が,どのように地図情報として一つの地理空間情報基盤上に整理されたのかについて報告する. <b><br>熊本地震における地図情報支援</b> <br>4月14日に発生した震度7の地震を受けて,防災科研では地震による被害状況把握ならびに情報集約のためのWeb-GISを構築した.当初は防災科研が観測した震度分布や推定全壊棟数分布のデータをWeb-GISに統合した.また,地震発生翌日の4月15日には,熊本県庁に防災科研研究員が派遣され,熊本県や中央省庁などと連携し,各機関から提供される災害情報を,構築したWeb-GIS上に統合した.直接Web-GIS上に取り込める形で提供された情報には,国土地理院の「被災後空中写真」やITSジャパンの「通れた道マップ」,地震推進本部の「活断層図」などが挙げられる.また,熊本県庁から提供された道路被害情報や避難所情報などはテキスト形式やExcelで整理されたもの,独自の地図で描画されたものなど,Web-GISに直接地図情報として取り込むことができなかったものもあり,それらは住所情報などを頼りにして位置情報を付与することでWeb-GIS上に統合した.各機関から集約・整備したデータは約45種類,データ数として424を数える(6月27日時点).Web-GIS上で集約されたデータは,利用者がニーズに応じて必要な情報を適宜選択して表示することができる.例えば,通水復旧状況のレイヤと避難所情報のレイヤを組み合わせることで,給水支援が必要な避難所を分析できたり,避難所と推定全壊棟数分布,道路規制情報の3レイヤを重ね合わせることで,生活支援が必要な地域と,支援に向かうためにたどり着くための最適ルートを事前に検討することが可能となる. <b><br>地図情報作成・集約・共有における課題</b> <br>被害情報をWeb-GIS上に統合することで、災害対応支援への活用が可能となるが、情報の統合化においては様々な課題が明らかとなった。例えば、避難所情報については国土交通省があらかじめ国土数値情報のなかで整備している避難所情報もあれば、DMATが独自に収集し整理している広域災害救急医療情報システム(EMIS)の避難所情報、また熊本県庁で集約されたものや熊本市で集約されたものなど、災害発生直後に各種機関が独自に情報収集を始めてしまったため、一つの情報として集約することが困難な状態だった。また、避難所情報の統合にあたっては、各機関が整理する情報の避難所名称に差異があったり、本来は指定されていない避難所が開設されているなど、単純な統合化・集約化が難しいという課題があった。こうした各種機関が独自に情報を収集、集約すると、その後の情報統合化が難しくなるため、あらかじめ共有情報の標準化(COP,Common Operational Picture)を検討しておくことが重要となる。今後の課題としては、地図情報の作成・集約・共有における自動化や高度化、災害情報におけるCOP実現に向けた検討が挙げられる。 &nbsp; <br> <b>謝辞:</b>本報告の一部には、総合科学技術・イノベーション会議のSIP(先着的イノベーション創造プログラム)「レジリエントな防災・減災機能の強化」(管理法人:科学技術振興機構)の予算を活用した。
著者
早川 博文 高橋 弘
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.389-392, 1977

福岡と大分の県境に位置する英彦山で, 1948年, 宮本正一教授によって採集された標本について, 新種Haematopota hikosanensisヒコサンゴマフアブを記載した。本種はH. toyamaensis Watanabe, Kamimura and Takahasiに酷似するが, 明瞭な額の中央斑およびほぼ円形の側斑, 背縁が真直ぐな触角基節, 小楯板上の灰色斑, および腹部背面の各節は縁帯を欠き, 全体が暗褐色であることにより, 容易に区別される。
著者
武田 力 高橋 徹 山本 五郎 長谷川 武夫 武田 和 武田 寛子
出版者
日本ハイパーサーミア学会
雑誌
Thermal Medicine (ISSN:18822576)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.11-16, 2012-03-20 (Released:2012-05-21)
参考文献数
9
被引用文献数
2

第28回日本ハイパーサーミア学会大会においてシンポジウム, 温熱の免疫科学 (基礎と臨床) が開かれた. その内容をもとにまとめられた4論文の一つである. 臨床 : 6年間に1,386例の進行再発癌患者に温熱または免疫療法を行った. ハイパーサーミアを1,307例に, 活性化リンパ球を995例に, 樹状細胞を689例に施行した. 評価可能な1,307例のうち臨床的有効例 (CR+PR+longSD) は188例 (14.0%) で完治例は35例であった. 免疫療法の臨床的有効率は, ハイパーサーミアを併用することにより8.1%から17.9%にあがった. もっとも効果のあったのは樹状細胞療法と活性化リンパ球とハイパーサーミアを併用した群で20.5%であった. 基礎 : マウスにLLC腫瘍を移植したのちハイパーサーミアと活性化リンパ球とその双方で治療する3群で腫瘍の増殖と肺転移数を比較したところ, ハイパーサーミアと活性化リンパ球単独でも抑制されるが双方を併用した群では相乗的な抑制がみとめられた. 次に同じ実験系で分子標的治療物質 (erlotinibとsorafenib) を与える群とハイパーサーミア群で比較したところ, 腫瘍増殖および肺転移数いずれにおいても, 分子標的治療物質単独群とハイパーサーミア単独群より, 両者を併用した群で抑制が強かった. また同時にアポトーシスの誘導も併用群で増強していた. 臨床データおよび基礎実験において温熱療法が癌に対する免疫療法を増強することが示された.