著者
高野 誠一 畑山 範 高橋 召 高橋 洋子 岩田 裕光 宍戸 宏造 小笠原 国郎
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.50-57, 1978

A new synthetic approach to the alkaloids related to emetine (3) and quinine(5) from norbornylene(1) is described. Norbornylene(1) was transformed into (±)-norcamphor(2) which was oxidized to the bicyclic lactone(8) by Baeyer-Villiger oxidation then alkylated with ethyl bromide and allyl bromide in a stereospecific fashion to give (9) and (29), respectively. The former lactone(9) was converted into the emetine precursor(21) and protoemetinol(4) both in dl form via the α-diketone monothioketal (13). The latter lactone(29) was converted into the homomeroquinene equivalent(37) via the α-diketone monothioketal(32) which was then transformed into dl-meroquinene aldehyde(6) via the olefin formation through the phenylselenide(41). Since norbornylene(1) has been converted into a chiral norcamphor(2), the present method would be applicable to the synthesis of the above alkaloids together with various indole alkaloids in a chiral form.
著者
藤本 直浩 原田 修治 日田 官 高橋 康一 松本 哲郎
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, 2002-03-01

androgen receptor(AR)の転写活性を調節する共役因子、および抗アンドロゲン作用を示すとされる2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)の受容体であるAryl hydrocarbon receptor(AhR)の発現について前立腺癌培養細胞、前立腺組織における発現を調べた。【方法】前立腺癌培養細胞(DU145,PC3,LNCaP,LN-TR2)、針生検または手術(TUR-P)によって得られた前立腺組織(肥大症9例、癌21例)についてRT-PCRを行い、ARA55、ARA54、ARA70、SRC1、TIF2、RAC3、FHL2、AhRの発現を調べた。【結果】ARA54、ARA70、SRC1、RAC3は調べたすべての細胞株で発現していたが、ARA55、TIF2はLNCaP、DU145で発現を認めないか、わずかな発現しか認めず、FHL2はLNCaP、LN-TR2には発現していなかった。前立腺組織に於いてはTIF2,RAC3以外の共役因子は発現しており、ARA55、SRC1はホルモン療法に反応が悪い症例で発現が高かった。AhRはLNCaP、LN-TR2には発現していなかったがDU145、LNCaP、前立腺組織においては発現を認め、その発現量には各検体間で明らかな差はなかった。【結論】共役因子の発現パターンに相違があることから、共役因子の相違が前立腺細胞のアンドロゲンに対する反応性の違いに寄与している可能性が考えられる。また、前立腺におけるAhRの役割に関しては、良性(肥大症)、癌およびその悪性度において明らかな差は見られず、明らかではなかった。
著者
佐々木 理 高橋 皇基 丹治 雅博
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.195-197, 2017-07-31 (Released:2017-07-26)
参考文献数
7

Ehlers-Danlos症候群(EDS)は結合織に脆弱性を持つ遺伝性疾患である.なかでも血管型(IV型)は血管壁,消化管壁に脆弱性を示し非常に重篤な合併症をもたらす.今回,われわれの経験したEDS IV型が疑われた症例について報告する.症例は30歳男性.突然の右下腿の腫脹,疼痛を主訴に来院した.精査の結果,右後脛骨動脈瘤破裂と診断され,緊急コイル塞栓術を施行された.22歳時に樹状肺骨化症,25歳時に脳梗塞,脳内硬膜動静脈奇形,左内頸動脈–海綿静脈洞瘻,症候性てんかんの既往があり,特徴的な病歴からEDS IV型が疑われた.術後は順調に経過したが,術後23日の早朝に突然の腹痛を訴え,その後ショック状態となった.緊急の造影CTの結果,右後腹膜への造影剤漏出と多量の血腫を認め,外腸骨動脈の破裂が疑われた.直ちに救命のため尽力したが奏功せず死亡した.本症候群は急性に致命的合併症を来す疾患である.今回の症例でわれわれが反省すべき点を含め,文献的考察を加えて報告する.
著者
高橋 教雄 朝倉 博幸
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.11-13, 2015

降着装置システムは安全に地上から離れ安全に地上に降りることに加えて地上では離着陸,速度制御,操向角制御タキシング等を行う装置であることから軽量・コンパクトで高い信頼性のあることが要求される.このために古くに確立された技術が現在も引き継がれているが,近年の航空機電動化技術は確実に降着装置システムにも適用範囲を広げている.飛行制御系統に適用されているEHA(Electro Hydrostatic Actuator)やEMA(Electro Mechanical Actuator)を中心にして従来の集中油圧方式の置き換えによる航空機全体の軽量化と,エネルギー利用の効率化は自動車の電動化技術に類似した動きと捉えても良いように思える.ここでは,降着装置システムの電動化技術の端緒となったボーイング787に採用された電動式ブレーキと,近年開発が進められている電動タキシング技術について紹介するとともに,日本で開発を進めている降清装置の電動化研究についても触れながらエアラインの視点を含めて紹介する.
著者
三上 可菜子 高橋 亮輔 東山 和寿 野村 健一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.137, no.8, pp.561-564, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
1

1. はじめに1.1 シンデレラ・テクノロジーとは読者のみなさんは「盛る」という言葉の意味をどのように解釈しているだろうか。一般的には, 例えば「料理を皿に盛る」といった使い方をする言葉であるが, 近年は, 特に若い女性の間で本来の意味と異なる使い方で用いられている。彼女たちにとって「盛る」とは, バーチャル世界
著者
高橋 昌也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.40, pp.9-16, 2001-05-12
参考文献数
10

コンピュータがどのような発展を遂げ、社会でどのように活用されているかを知ることは、大変重要なことである。しかし、内容が非常に豊富で、範囲が広く、かつ高度であるため、これらの内容の全体像を理解することは大変困難である。そこで、本稿では、これらの内容に関して講述すべき具体的な事項について考察することにした。It is very important to study the development and applications of computers in the society. However, since these contents are very abundant and advanced, and their range is very wide, it is very difficult to appreciate the whole figure of these contents. So, in this paper, we consider the concrete items which should be mentioned about them.
著者
岸本 有之 高橋 徹 高橋 雅和 山田 隆志 津田 和彦 寺野 隆雄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

本研究では,店舗内の顧客に対する商品販売促進施策として「店舗レイアウト変更」,「店内広告」,「店内推薦システム」を組み合わせ,施策実験を可能とするシミュレーターを開発した.シミュレーターを用いて,様々な販売促進施策シナリオを作成し,その比較実験を行った.
著者
神内 謙至 橋本 善隆 新美 美貴子 山下 亜希 山内 光子 四井 真由美 西田 なほみ 山崎 徹 早川 太朗 中山 英夫 槻本 康人 並河 孝 笹田 侑子 前林 佳朗 高橋 正洋 磯野 元秀
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.256-263, 2014

50歳女性.平成4年に糖尿病を指摘され平成16年より当院にて加療中.低血糖で救急搬送された既往あり.インスリン治療で血糖コントロール不良,また低血糖も起こすため,平成23年2月教育入院となった.入院中,血糖正常であるものの低血糖症状のためパニックになることがあった.翌日のスケジュールを説明しても当日になると忘れる,糖尿病教室でテキストを忘れる,と言う出来事があった.そのため,注意欠如/多動性障害(ADHD)を疑い本人の同意の上で滋賀医科大学精神神経科に紹介しADHDの診断となった.抽象的な情報を処理する能力は低く,簡潔で具体的な手本を示し,時間的余裕が必要な症例であると判断された.全成人の4.7 %の有病率とされるADHDであるが,今のところADHDと糖尿病の合併にかかわる報告は極めて少ない.血糖コントロールが極めて悪化することが考えられ,適切な治療方法が必要である.
著者
高橋 翼 中村 寛子 木村 啓志
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.850, pp.16-00560-16-00560, 2017 (Released:2017-06-25)
参考文献数
16

Nowadays, in vitro fertilization (IVF) of mammalian embryos is an essential technique in the reproductive technology and other related life science fields. However, the fertility rate by this technique is still less than 25%. Therefore, a novel in vitro fertilization method which obtains high fertility rate has been highly desired to the reproductive technology. In this study, we proposed and developed an in vitro embryo production device which allows three steps of sperm selection, fertilization and culture on a microdevice. To realize this concept, we integrated the sperm sorting function combining with swim-up and swim-down methods onto the device. To evaluate the device functions, sperm sorting experiment, in vitro fertilization experiment, and embryo culture experiment have been carried out. As results, we concluded that the device has ability to produce high quality embryos by integrating the sperm sorting function. This concept will open and enhance the management of in vitro fertilized embryos for assisted reproductive technology, livestock breeding, and fundamental stage research by further development.
著者
高橋 圭太 井上 浩 TAKAHASHI Keita INOUE Hiroshi
出版者
秋田大学工学資源学部
雑誌
秋田大学工学資源学部研究報告 (ISSN:13457241)
巻号頁・発行日
no.30, pp.1-7, 2009-10-01

Recent advances of office automation and information technology cause the increase of the complaint of ocular fatigue, musculoskeletal fatigue and mental fatigue for VDT (visual display terminal) workers. It becomes obvious as problem on industrial safety and health. A quantitative analysis on the stress and fatigue by scientific data is very useful. In this paper, the results of quantitative analysis focused on total working hours with quantitative indexes of HRV (heart rate variability) used on evaluation in autonomic function are discussed. VDT workers group with longer total working hours has different HRV and CVrri (Coefficient of variation of R-R interval) than one of control group. The extent of stress and fatigue may differ with total working hours.
著者
高橋 源一郎 関川 夏央
出版者
文藝春秋
雑誌
文學界 (ISSN:05251877)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.184-196, 2016-12
著者
高橋 直樹 満岡 孝 加藤 新 横山 一己
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.111, no.7, pp.371-388, 2005-07-15
参考文献数
37
被引用文献数
1 16

房総半島中部上総層群黄和田層中に挟在する第三紀/第四紀境界指標テフラである鍵層Kd38は, 南関東地域の上総層群相当層では房総半島南部の千倉層群が唯一未確認であったが, 本研究において初めて確認することができた.千倉層群中でこれまでの微化石および古地磁気の研究により, 第三紀/第四紀境界付近に挟在することが知られている畑層中の鍵層KOを基準として4つのルートを選定し, そのうち1ルート(林道畑2号線)において, 層序, 岩相, 重鉱物組成, 斜方輝石の化学組成から, HT08Bテフラがテフラ鍵層Kd38に, HT07テフラがテフラ鍵層Kd39に対比された.林道山倉線では, テフラ鍵層Kd38は確定できなかったものの, 候補は挙げられた(YK04C).また, YK03テフラがテフラ鍵層Kd39に対比できた.また, 同様な手法で三浦半島横浜地域(磯子区氷取沢)の大船層中に新たにテフラ鍵層Kd39を見出し(YH02テフラ), テフラ鍵層Kd38(YH10テフラ)との層序関係も確認した.本研究により, 南関東のほぼ全域でテフラ鍵層Kd38が確認され, 今後の南関東地域の地質構造発達史の研究がさらに進展することが期待される.
著者
多田 由紀 川野 因 田中 越郎 前田 良之 高橋 英一 古庄 律 上岡 美保 日田 安寿美 新村 洋一 貝沼 章子 高野 克己 Yuki Tada Kawano Yukari Tanaka Etsuro Maeda Yoshiyuki Takahashi Eiichi Furusho Tadasu kamioka Miho Hida Azumi Niimura Youichi Kainuma Akiko Takano Katsumi 東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 東京農業大学応用生物科学部生物応用化学科 東京農業大学応用生物科学部教養分野 東京農業大学短期大学部栄養学科 東京農業大学国際食料情報学部食料環境経済学科 東京農業大学応用生物科学部栄養科学科 東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科 東京農業大学応用生物科学部生物応用化学科 Department of Nutritional Science Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture Department of Nutritional Science Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture Department of Nutritional Science Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture Department of Applied Biology and Chemistry Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture Fundamental Arts and Science Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture Department of Nutrition Junior College of Tokyo University of Agriculture Department of Food Environment Economics Faculty of International Agriculture and Food Studies Tokyo University of Agriculture Department of Nutritional Science Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture Department of Bio-Science Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture Department of Fermentation Sciences Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture Fundamental Arts and Science Faculty of Applied Bio Science Tokyo University of Agriculture
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.322-329,

応用生物科学部1年生を対象に,食育トライアル授業として,食の生産,安全管理,健康管理などに関する10回の講義と2回の農業体験(種まき,収穫作業等)を実施し,学生の授業への出席状況及び授業前後のアンケートによって,プログラムの内容および学生の食育に対する知識,意欲等の変化を評価した。応用生物科学部全学科の学生に授業への参加を呼びかけた結果,授業の出席者は27名であり,栄養科学科の学生が20名と最も多く,参加学生の学科構成に偏りがみられた。授業の初回に行ったアンケートの回答者は24名,最終回に行ったアンケートの回答者は11名であった。授業後のアンケートでは,「食育活動への興味は深まったか」「知りたい情報は得られたか」「参加後,農業と食の関連に対する考えが変わったか」「授業として開講された場合受講するか」という問いに対し,それぞれ73~91%が「はい」と回答し,「授業への総合的な満足度」についても73%が「(非常に)満足である」と回答した。「農業」に原点をおいた食育トライアル授業によって,食べ物の成長を通した気づきと感動,生産者への感謝の気持ち,環境への配慮,栄養と健康との関連知識の習得等に寄与することができたと考えられる。今後は授業への参加者数を増やし,結果の一般化可能性について検討するとともに,授業の実現に向けた人的・物的資源の問題について検討する必要がある。We aimed to evaluate changes in both knowledge of dietary education (Shokuiku) and in motivation, in first-year students of the Faculty of Applied Biosciences who attended a voluntary Shokuiku program in 2008. The program comprised 10 lectures on food production, safety management, and health management, as well as 2 farming practicum classes (seed sowing, harvesting, etc.). Twenty of the 27 students who attended the courses belonged to the Department of Nutritional Sciences. We received responses from 24 and 11 students to questionnaires administered before and after the program, respectively. We obtained a "yes" answer 73-91% of the time in response to the following questions : 1) Was your interest in dietary education activities enhanced? 2) Were you able to obtain the information you sought? 3) After attending these courses, did your understanding of the relationship between farming and diet change? and 4) Would you take this course if it were officially offered as a class? Seventy-three percent of students replied that they were very satisfied with the courses. By placing "farming" as the central principle, these courses contributed to food awareness and appreciation, feelings of gratitude toward producers, consideration for the environment, and knowledge acquisition about the relationship between nutrition and health. Future studies should address the generalizability by examining a larger pool of participants. In addition, other issues such as human and material resources should be considered in realization of the Shokuiku program curriculum.
著者
藤井 勇 高橋 貢 鈴木 立雄 北 昂
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, pp.324-327, 1966-08-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15

An 8-month-old collie dog was Suspected to be affected at the heart, presenting specific edema at the lower parts of the limbs and metallic presystolic murmurs. Electrocardiography revealed the dilatation of the left auricle and the left ventricle. In its heart, as compared with the normal organ, inside pressure was high on the venous side and low on the arterial side. From these findings, this dog was diagnosed as a case of functional failure of closure of the mitral valve induced by the dilatation of the left ventricle. Autopsy lent support to this diagnosis, revealing the dilatation of the left auricle and ventricle and mild thickening of the mitral valve.
著者
山田 清美 我妻 堯 瀧 直彦 鈴置 洋三 長町 典夫 高橋 克幸
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.346-349, 1987

反復性流産における遺伝的要因を明らかにするために, 自然流産歴を2回以上もち流産の原因が全く不明の夫婦組を対象として染色体検査を行つた. 染色体分析はすべてGバンド法による分染法を用いて精査した. その結果, 検査した夫婦100組中の10組(10%)に均衡型の相互転座による染色体異常を認めた. 妻が転座保因者と判明したものが8人で, 夫は2人であつた. この転座保因者の頻度は新生児集団では約700人に1人と推定されるので, それと比較してみると流産夫婦集団では妻が54.8倍で夫が13.7倍高いことが明らかになつた. 流産夫婦群に多い転座保因者の存在は, 自然流産や奇形児出産の危険性の上から日常の診療の際に十分に考慮すべき遺伝要因である. そのため, 分染法を用いての精査による染色体検査の必要性を強調したい.