著者
森川 誠司 田部井 和人 磯岩 和夫 田口 勝則 高橋 幹雄 石川 典男 西村 元男 宮城 重通 二階堂 聡
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1633-1634, 2003

仙台城の石垣は老朽化により昭和40年ごろから石垣にはらみだしが生じ、崩壊の危険性が高まってきた。そこで、青葉山公園整備事業の一環として、文化財保護と防災の両面から仙台城石垣修復工事が実施されている。本報告では簡易石垣モデルによって従来の安定計算手法と不連続体の解析手法の一つである不連続変形法(DDA)を比較し、DDA解析の妥当性を検証した。そして、実際の石垣が極限状態になり得ると考えられる地震力をDDA解析によって求め、修復後の石垣の地震時安定性について検討した。その結果、石垣の崩壊震度は300~330galの間になることが分かった。
著者
石川 芳治 山田 孝 川下 茂樹 松本 俊雄 高橋 努 緒続 英章
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
日本火山学会講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.1993, no.2, 1993-10-04

火砕流の運動・堆積機構を力学的に明らかにするうえで、新しい火砕流堆積物の堆積構造並びにその物性を把握することは極めて重要となる。本調査では、1991年6月8日に雲仙普賢岳で発生した規模の大きな火砕流(堆積土砂量約350万m^3)の堆積先端部付近(国道57号直上流)において、調査トレンチを4箇所掘削し、堆積物の構造、層序、構成材料、マトリックスの粒径分布などを調べた。調査区域での火砕流本体部の堆積物の厚さは2.5&acd;3.5m程度であり、20cm&acd;1m大の安山岩の本質岩塊を含み、大礫が堆積物の表面に集積するという、逆級化構造(inverse grading)も認められる。このような堆積実態から土石流において巨礫が流れの表面に集積する現象と同じように、溶岩ドーム崩落型の比較的粗い本質岩塊を構成材料とする火砕流本体部内においても、本質岩塊同士の非弾性衝突による分散応力の効果や動的篩の効果によって、大きな粒子ほど浮上しやすくなる条件が存在するものと思われる。雲仙普賢岳で発生している火砕流の流れの状況を夜間に撮影したVTR画像からも、灼熱の本質岩塊がお互いに激しく衝突し、破砕されながらも、さらにまた衝突を繰り返している様子がよく分かる。また、火砕流本体部の下位に従来、ground-surge deposits^<1〕>と呼ばれてきたサージ堆積物が認められる場合がある。但し、この堆積物の流れ方向の分布は連続的ではなく、部分的である。このような堆積実態から火砕流の流れのモデルとしては、本体部と熱風部の境界層付近には、本体部表面と周辺の空気との剪断に起因した乱れならびに本体部から発砲されるガスの上昇によって、浮遊させられた^<2〕>細粒の火砕物が、熱風部への移行層としてのサージ状の高速流れを形成しており、緩勾配区間で本体部が減速しても、サージはそれ程減速せず本体部に先行して流下・堆積し、その後、本体部が流下するにしたがってその堆積物を埋没したものと考えられる。火砕流本体部のマトリックスは2mm以上の細砂&acd;中砂が主体であり、中央粒径は0.8&acd;2mm程度で噴煙柱崩壊型の火砕流のそれよりも粗い。空隙率は40.7%であり、一般の砂質土とほぼ同じような締まり具合を呈している。今後、火山活動が終息し、上流・中流での現地調査が可能となった時点で、流れの縦・横断方向に複数箇所、調査トレンチを掘削し、詳細な堆積構造の観察や構成材料の土質的な特性の変化(特に、流下方向の本質岩塊の粒径の変化ならびにマトリックスの粒径変化など)を明らかにすることが火砕流の運動・堆積過程を統一的に表現できる力学モデルを作成するうえで重要となる。
著者
杉田 洋子 田中 美智 高橋 裕子 佐藤 由紀子 山田 寛
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.421-427, 2001-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

人が他者の身体シルエットについて, 身体のどの部位を見て好ましさの判断をしているかを知るために, 女子大生201名を対象として, 別の女子短大生のシルエッター写真100体中より抽出された普通体型10体に対する身体シルエットの好ましさを一対比較法によって比較判断する実験を行った.多次元尺度構成法による分析の結果, 他者の身体シルエットに対する女子大生の好ましさの判断には二次元的な側面があることが見出された.一方, 刺激として用いたシルエッター写真上の身体シルエットの写真計測値を求め, 回帰分析によって尺度化との関係について検討を行い, 視覚的なシルエットとしての身体のどの点に着目したか, 好ましさを決める客体の条件についての分析を行った.その結果, 身体シルエットの判断には好みにおいて二次元的な変数が見出されたが, いずれも身体の正面よりは側面からの観察によって得られ易い判断であるという興味深い事実が明らかになった.一つは身体シルエットの角度と関係があり, もう一つは厚みと関係があることがわかった.すなわち, 側面における腹部の角度が小さく厚みは少ない方, バストとヒップの厚みは多い方が好ましいと判断される身体シルエットであることが示された
著者
高橋弦太 笹岡久行
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.377-378, 2012-03-06

プログラムを用いて自動的に楽曲を生成する技術はこれまでも盛んに研究されてきた。従来の手法にはジャンルを指定した楽曲生成、画像や動画情報からの楽曲生成等があるが、本研究では撮影した空間の位置や色等の諸情報から、その場に合わせたBGMを生成するシステムを作成する。このシステムにより、ユーザーによるジャンルや画像の選択などの操作なしに、任意の場所を撮影するだけで楽曲が生成されることを目標とする。撮影にはXbox Kinectを用いる。このシステムについて、生成されたBGMが撮影した空間の特徴を捉えているかどうか、音楽的に不自然な楽曲が生成されてしまう割合はどの程度あるかについて評価を行う。
著者
高橋 章弘 植松 康 堤 拓哉 南 慎一 笠原 裕作
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.30-30, 2008
被引用文献数
2

2006年11月7日,北海道佐呂間町でF3クラスの竜巻災害が発生した。この竜巻では,死者9名,負傷者31名の人的被害をはじめ,多数の建物が破損する等,多大な被害がみられた。筆者らは,被災地域の住民を対象に,竜巻による建物被害やライフライン被害などの把握を行うためアンケート調査を行った。調査結果から,竜巻被害の実態と対応状況等より,個人および行政における災害対応と減災のための対応マニュアルを作成する上で,有用と考えられる事項を報告する。
著者
高橋 義文
出版者
聖学院大学
雑誌
聖学院大学総合研究所紀要 (ISSN:09178856)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.200-222, 2010-09-30
著者
松澤 孝治 内田 正治 高橋 実 小原 徹
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.175-175, 2004

Pb-Bi冷却直接接触沸騰水型小型高速炉におけるポロニウムの炉心での生成量及び蒸気系への移行量を評価した。炉心でのPb-Bi冷却材に対する中性子照射により生成するポロニウムの量と崩壊による減衰から、全鉛ビスマス存在量に対するポロニウムの濃度を求め、この濃度を基に、ポロニウムの飽和蒸気圧力データなどから蒸気系へのポロニウム移行量を求めた。また、Pb-Bi純化系では、原子炉内の鉛ビスマスを一部抽出して、サージタンク気相部のカバーガス中に移行するポロニウム蒸気を低温のベーパトラップにて凝縮させて除去するものとし、ポロニウムの蒸発量データから、この除去量を求めた。さらに、これらの蒸気系への移行量及び純化系での除去量を考慮した場合のPb-Bi冷却材中ポロニウム濃度を評価した。これらを考慮した場合でも、鉛ビスマス中のポロニウム濃度はほとんど変化しない結果となった。
著者
高橋 靖彦
出版者
The Crystallographic Society of Japan
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.110-118, 2003-04-30
被引用文献数
1

Crystal structures and electron density distributions of some manganese and cobalt oxide materials have been studied by the maximum entropy method using single-crystal X-ray diffraction data measured at room temperature. The nature of chemical bonding in these oxides is understood from the present structural and electron density analyses. The features of electron density distribution obtained theoretically by FLAPW calculations for these oxides were in good agreement with the present experimental observations.
著者
林 直樹 高橋 強
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画論文集 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.139-144, 1999-11-20
被引用文献数
4
著者
高橋 邦秀
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, 2003-02-16

北海道で編集をお引き受けして早くも3年がたってしまいました。編集委員会では当初,表紙デザイン,審査の促進,短報審査方法の改善などいくつかの課題を扱ってまいりました。これらの課題については会員,論文審査をお願いした方々,編集委員諸氏のご協力によってなんとかハードルを越えることができました。最後まで残っていたのが「特集」企画でした。この特集については,その目的,内容,他誌(とくに森林科学)との仕分け等について論議してまいりましたが,編集委員会としてはまだ明確な方針を示せるほど議論が煮詰まっておりません。しかし,特集の中身としては,1.境界領域研究,時代を先取りするような課題,既存分野についての問題提起などに関するレビューや論文数編からなるものとする,2.コーディネーターから企画書を提出していただき,編渠委員会で承認後,コーディネーターと担当編集委員に論文等の取りまとめや調整をお願いする,3.論文等については投稿規定に従い審査を行う,4.特集企画は年2回を目標とすることなどが,編集委員会で了承されています。当面はコーディネーターを編集委員からお願いし,掲載内容について会員諸氏のご意見をいただきながら,よりよいものにするように編集委員会として検討していきたいと考えています。第1回目の特集は「森林レクリエーション研究の展開」です。森林レクリエーションが多くの人々の意識には刷り込まれつつあると思いますが,研究としてどのような切り込みをしていくのか,本特集がこれからの研究展開の起爆剤となることを期待しております。2回目の85巻3号では「天然林施業に貢献する生態学」を予定しています。今後,特集内容を充実させ,会員拡大へも波及させることができるようテーマや内容を検討していきたいと思いますので,会員各位の積極的なご提案を編集委員にお寄せいただくようお願い致します。
著者
高橋 良 田中 真琴 任 和子
出版者
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
雑誌
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻紀要 : 健康科学 : health science (ISSN:18802826)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.41-51, 2014-03-31

We conducted a qualitative research project to determine the coping mechanisms of male nurses in facing the challenges of being males in a predominantly female field. Health care workers and the patients face issues of stigmatization in their interactions within the health care environment. Our team conducted interviews with five male nurses. The purpose was to identify the sources and coping mechanisms of work-induced stress for male nurses in the female-dominated professional field. We found that they faced 3 sources of stress. The 3 main sources of stress were: difficulty in interacting with female patients; difficulty in interacting with female nurses; and anxiety regarding their future career development. The coping strategies of the male nurses consisted of both problem-oriented coping and emotion-oriented coping, with the male nurses gravitating to one or both orientations depending on the source of stress. In order to face the 3 sources of stress, the male nurses used seven coping mechanisms: a tendency to assign tasks among the female members of the team; constructing their own new coping mechanisms such as blocking out unpleasant situations; developing a mature experience-based response procedure for dealing with female patients; realization of their personal strengths as males; relieving stress by sharing challenges with other male nurse peers; developing an awareness of professional pride and responsibility; habituation of being a minority gender in a group of females. We believe the research reveals a need for hospitals to provide specialized support and training to male nurses.