著者
後藤 顕一 松原 静郎 松原 憲治 猿田 祐嗣 高橋 三男 松浦 拓也 木下 博義 寺谷 敞介 堀 哲夫
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

学習ツールである「相互評価表」とこれを用いる学習活動を開発した。「相互評価表」を活用する学習活動とは,評価規準が示された「相互評価表」を用いながら自己評価・他者評価を行い,この行った評価について自由記述によるコメントを残していく方法である。学習前後の比較コメントを分析したところ,科学的リテラシーの「能力」のうち,①科学的な疑問を認識すること,②現象を科学的に説明すること,について意識をした記述ができるようになることがわかった。自己の学習を振り返ることでその意義を自覚し,実感を持って自己の伸張を感じつつ,主体的な学びを醸成することが期待できると示唆された。
著者
佐々木 文章 高田 尚幸 大川 由美 高橋 弘昌 秦 温信 内野 純一 藤枝 憲二
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.273-278, 1994

当科で治療した小児甲状腺良性腫瘍について検討し報告する.対象は当科で治療した15歳以下の甲状腺腫瘍患者のうち病理学的検査で良性と判定された19例で,男児3例,女児16例.年齢は6歳から15歳,平均12.5歳.病理組織診断は腺腫様甲状腺腫11例,濾胞腺腫8例.合併症としてクレチン病1例,甲状腺機能亢進症2例あり.手術術式は,核手術6例,葉切10例,全摘1例,不明2例.全摘が行われた例は,甲状腺全体の腺腫様甲状腺腫例であった.再発は1例にみられた.多発腺腫と診断され,葉切が行われたが6年後に対側の甲状腺に初回と同様の腫瘍がみられ核手術を受けた.甲状腺良性腫瘍は超音波検査と細胞診を繰り返すことにより経過観察をすることは可能で,現在このような治療方針をとっている.しかし,大きな腫瘍や経過中に大きくなったり,有症状となる例では手術を考慮することが必要である.また悪性例を見落とすことのないよう注意を払うことが必要である.
著者
刈間 文俊 若林 正丈 村田 雄二郎 クリスティーン ラマール 生越 直樹 伊藤 徳也 代田 智明 瀬地山 角 高橋 満 古田 元夫 若林 正丈 黒住 真 代田 智明 深川 由紀子 生越 直樹 クリスティーン ラマール 高見澤 磨 楊 凱栄 谷垣 真理子 伊藤 徳也 瀬地山 角 田原 史起 有田 伸 岩月 純一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

中国では、漢字が、簡略化や教育によって、血肉化され、作家達も、前近代的なものを凝視し続けた.戦前の日中関係では、日本の漢学者と漢字紙が大きな役割を果たした.戦後韓国は、漢字を駆逐する一方、伝統的な同姓不婚制度を再構築させ、台湾は、漢字を簡略化せず、80 年代以降には、多文化主義的な社会統合理念を形成した.それに対して、中国大陸では今や、漢字文化からも消費文化からも疎遠な農村が、自律と国家による制御の間で揺れ動いている.本研究は以上を実証的に解明した.
著者
瀬下 仁志 田中 明通 丸山 美奈 鈴木 英夫 高橋 時市郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.359-369, 2006
被引用文献数
1

学習活動におけるITの利用が進むなかで,学習者主導の学習活動が盛んになってきた.加えて,そうした学習をより深めるための情報として,各学習者の学習履歴を豊富に取得することも可能となっている.しかしながら,豊富で詳細であるがゆえに取り扱いも難しく,収集された履歴を各学習者への適切なフィードバックに活用することは困難であった.そこで我々は,多量な学習履歴をより手軽に活用することを目的として,各学習者の学習履歴を,想定される学習活動の段階に基づいて抽象化することで,活動の変遷や特徴を端的に表現する可視化手法を提案する.本可視化手法は,学習者の活動状況や活動の特徴を,意味内容に立ち入らず,定量的に俯瞰することを可能にする.本論文では,提案する可視化手法の概要と,我々がこれまでに開発した,調べ学習支援システムを用いた授業実践結果への適用とその分析について述べる.
著者
高橋 修平 川村 彰
出版者
北見工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

積雪地域の冬期間交通路で大きな問題である路面凍結を検知するシステムを試作開発した。検知装置は入射角45°のLED光源,天頂センサー,反射角45°センサーからなり,拡散反射および鏡面反射を求めた。スリップ事故の原因となる光沢路面は鏡面反射率から判別でき,ブラックアイスバーンは鏡面反射と拡散反射の比から抽出できた,道路上の観測は,北見市内、陸別町,国道39号山間部(石北峠)等で行い,良好な結果を得た
著者
長友 康行 高橋 正郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

球面から球面への極小部分多様体のモジュライ空間を記述するDo Carmo-Wallach理論の代表者による一般化を、写像のゲージ同値関係という概念を定義することにより、さらに精密化することに成功した。これにより、先行結果の別証明が与えられるだけではなく、複素射影直線から複素2次超曲面への正則等長写像の2種類のモジュライ空間を得ることができた。さらに射影的平坦写像を定義し、その性質を考察した。また、ベクトル束の切断から誘導される対称空間上の等径超曲面の部分多様体としての不変量をベクトル束の接続に関する不変量と結びつけることにより、等径超曲面の主曲率を求めることに成功した。
著者
松里 公孝 長縄 宣博 赤尾 光春 藤原 潤子 井上 まどか 荒井 幸康 高橋 沙奈美
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ロシアの諸宗教を網羅的・多面的に研究した結果、宗教というプリズムを通じてロシア社会を観察することが可能であることが明らかになった。宗教の視点からは、ロシアはより広い地理的なまとまりの一部であり、キリスト教の「教会法上の領域」の観念、巡礼やディアスポラを含めて広域的な観点から分析する必要性が明らかになった。「脱世俗化」の傾向はロシアにも共通するが、その特殊な形態を明らかにする作業が行われた。
著者
高須 明 松井 一幸 高橋 守
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.67-82, 1981-09-17

本校中学高校一貫在学生徒の数年にわたる成績が分析され、5教科(国社数理英)に対する男女の学力差の傾向が定量的に調べられている。この結果、男女間には著しい傾向のあることがいくつか見い出された。この現象の背後を探るべく、実施したアンケート調査の結果が分析され、理科学習において男女間に学力差の現われる原因の追求がなされている。
著者
馬渡 駿介 片倉 晴雄 高橋 英樹 齋藤 裕 矢部 衛 柁原 宏
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

地球規模の環境問題を解決し、生物多様性を守り、人類の生存を保証する方策は、生物がどのくらい多様なのか知ってはじめて可能となる。しかし、「生物はどのくらい多様なの?」との素朴な疑問に今まで誰も答えられなかった。本研究は、一地域の生物多様性を丸ごと明らかにしようとする、日本で、また世界的にもこれまで例のない研究であり、生物多様性解明への社会的要望の高まりを受けて計画されたものである。研究は、北海道厚岸湾に位置する約1平方km^3の無人の大黒島およびその周辺浅海域で行い、地域生物相の徹底解明をめざした。その結果、土壌繊毛虫、土壌性鞭毛虫類、有殻アメーバ、トビムシ類、ササラダニ類、植物上ダニ類、土壌表層ダニ類、維管束植物、海産無脊椎動物、魚類、齧歯類において、合計5新種、約25の日本初記録種を採集し、生息種の全貌をほぼ解明した。
著者
藤城 卓己 西尾典洋 木村 英寛 高橋 由美子 坂根 裕 杉山 岳弘 竹林 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.116, pp.63-69, 2004-11-17

身近に開催されるコンサートの活性化を狙い,市の開催するコンサートの中で遠隔地からコンサートへの出演を実現する.大規模な専用の機材ではなく,普及しているビデオカメラやネットワーク,コンピュータを利用し,既存のストリーミング技術を用いて双方向に動画配信を行うことで,問題点となる遅延や臨場感を会場の運営や演出を工夫することで解決した.これによりコンサート会場という,今までそこにいる出演者と観客で構成された閉ざされた空間を開き,ユビキタス社会におけるコンサートの可能性を示す.We realized the bi-directional video streaming with ordinary video cameras, network devices and computers instead of high-end equipments for professionals. Many kinds of our idea such as a hall layout or concert management realized that against quality loss or network delay irremissible in video streaming. The bi-directional streaming extended the ordinary concert environment available only for players and audiences on site, and indicated a potentiality of a new concert style in the ubiqitous society.
著者
高橋 直久 小野 諭
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.71(1989-PRO-030), pp.31-40, 1989-09-08

宣言的デバッグシステムDDS(Declarative Debugging System)では、プログラマはプログラムに期待する実行結果や途中結果を与え(宣言的に定義し)、それに基づいてシステムがプログラムのテキストと実行履歴を解析しバグ探索空間を絞り込む。本稿では、DDSの設計課題を考察し、実現上重要な3つの機構、すなわち、バグ発生源の判定機構、プログラムの部分実行機構、プログラムの診断機構について議論する。被デバッグプログラムに対して診断に不要な部分の実行を抑止する“計算の凍結”機能が重要であることを示し、その実現法とデバッグへの適用法を明らかにする。さらに、プログラム構造の静的な解析とバグ検出のヒューリスティクスを用いてプログラマの宣言と部分実行結果を解析する手法を提示する。最後に、VAX/VMS上に作成したDDSのプロトタイプを用いたデバッグ例を示し、関数型プログラムのデバッグにDDSが有効であることを示す。
著者
小林 皇 伊藤 直樹 舛森 直哉 高橋 聡 小林 皇
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

Androgenの減少は骨に対しては代謝の亢進につながることが明らかとなったが、短期間では骨粗鬆症の発症のレベルまでは骨密度の減少はなかった。握力などの筋力には経過中に変化を認めなかった。メタボリック症候群で注目される物質のひとつであるアディポネクチンも経過中は両群に変化を認めなかった。脳に対する影響として、認知障害の有無をミニメンタルステート検査を行ったが経過中に両群とも変化は確認できず、認知能に対する影響は確認できなかった。このように、アンドロゲンの低下が早期より影響を及ばす臓器としては生殖器以外では骨が注目される結果であった。
著者
高橋 健一 立堀 道昭 紫合 治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.35, pp.1-8, 2006-03-23
被引用文献数
1

Webアプリケーションを再利用しWebサービスとして公開することは,開発コストの面からも大変有効である.本論文では,ページ遷移単位のWebサービス変換と,セッション情報のチェーンによるWebアプリケーション変換アーキテクチャを提案する.ページ遷移単位で変換されたWebサービスをBPELのようなフロー記述言語で繋ぐことにより,Webアプリケーションの提供するユースケース単位でのWebサービス公開と,拡張や変更に柔軟に対応可能なWebサービス変換を実現した.さらに,本アーキテクチャを実装したWebサービス変換フレームワーク「H2W」を開発した.最後に,実際に運用されている3種のWebアプリケーションに対して適用し,Webサービス変換に成功した.Developing Web Services from scratch is costly task. Converting Web Applications to Web Services are considered one of the most effective methods for Developing Web Services. This paper describes a framework named H2W that can be used for constructing Web Service Wrappers from existing Web Applications. We propose a page-transition-based decomposition model and page access model with context propagation. We have successfully developed Web Service wrapper applications for three real world Web Applications.
著者
犬飼 賢也 高橋 紳一郎 肥塚 泉
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.17-22, 2011 (Released:2011-04-01)
参考文献数
24

Although the duration of benign paroxysmal positional vertigo (BPPV) is generally short, it can sometimes be long and intractable. We report on a case of intractable BPPV in which the duration of disease was four years. The patient was a 38-year-old woman. She had suffered from bilateral hearing loss since childhood. Since October 2005, she experienced severe vertigo whenever she turned her head. She had consulted other doctors, but the symptoms persisted. On June 20, 2007, she was referred to the Otolaryngology Department of Tachikawa General Hospital. The positional nystagmus test demonstrated apogeotropic nystagmus in a bilateral position with a duration of more than one minute. Upbeat nystagmus with a clockwise direction (from the examiner) was seen in sitting position using the Dix-Hallpike method. A pure tone audiogram showed high tone damage causing sensorineural hearing loss bilaterally. A caloric test did not show canal paresis. Magnetic resonance imaging (MRI) of the brain showed normal findings. MRI of the inner ears showed narrowing throughout the entire semicircular canal bilaterally (mainly the bilateral anterior semicircular canals). The Brandt-Daroff method induced nausea; therefore that examination method was abandoned. Habitual training advocated by St. Marianna University, the Head shaking method from Yamaguchi University, and the Non-specific training method from Toho University did not improve the nystagmus. Vestibular training by Kitazato University improved her vertiginous feeling. The direction of nystagmus changed variously during the course. The vertiginous feeling had almost disappeared in June 2009, but nystagmus persisted. We considered that cupulolithiasis in the bilateral lateral semicircular canals often shifted to canalolithiasis in various portions of the semicircular canals. Appropriate physical therapy improved the subjective symptoms.