著者
高橋 幸一
出版者
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.19-30, 2011
被引用文献数
2

In recent decades, much evidence for women's sports in the ancient world has been uncovered. In ancient Greece, men concentrated on politics, wars, athletics, and the like, whereas desirable womanly qualities were considered to be beauty, modesty and obedience. Accordingly, no women's events were included in the ancient Olympic Games. It is said that married women were not allowed to be present at Olympia during the games, although unmarried women were permitted to watch the games. Except in militaristic Sparta, athletics were usually for male citizens.<br> However, in the festivals of Hera, only girls could compete in foot-races. Like the boys, Spartan girls paraded naked in the presence of the men and participated in foot-races, wrestling, discus and javelin. Tryphosa, but also her two sisters, competed in and won foot-races in several major athletic festivals, but not at Olympia. Although married women could not compete in the Olympics, they could win Olympic victories in the equestrian events. Thus it is certain that women did participate in athletics. This paper examines the participation of women in sports at the Olympic Games and the festivals of Hera.<br> Except for the priestess of Demeter Chamyne, married women were forbidden to attend the Olympics as spectators. Unmarried women and girls were also excluded from watching the games. In order to prevent bribery, trainers had to present themselves naked and undergo physical examinations. Unmarried women competed every four years in foot-races at the festivals of Hera held at Olympia. Some have suggested that the Heraian games became Panhellenic, but there is no historic evidence for this. The local festivals in which only women and girls were able to participate took place separately from the Olympics.<br> Kyniska of Sparta was the first women's Olympic victor in the four-horse chariot race. Agesilaus persuaded his sister Kyniska to enter a chariot race at Olympia and showed that Olympic chariot victories could be won by wealth and not by manly courage. However, it is certain that Kyniska was exceedingly ambitious to enter the Olympic Games, winning twice in all. However Kyniska's victories did not lead to the spreading of women's sports or to improvement of women's rights.<br>
著者
岩切 一幸 外山 みどり 高橋 正也 木口 昌子 平田 衛 樋口 重和 北原 照代 垰田 和史 久永 直見
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.255-265, 2008 (Released:2009-12-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

本稿では,介護労働において安全衛生上大きな問題となっている介護者の腰痛を取り上げ,その発生状況や予防対策を紹介するとともに,著者らが作成した「介護者のための腰痛予防マニュアル~安全な移乗のために~」を解説する.このマニュアルは,介護機器を活用する際の参考資料として厚生労働省通達の「職場における腰痛発生状況の分析について」で引用されており,介護機器を利用した介護者の腰痛予防教育などに利用できる.
著者
高橋 恭子
出版者
日本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

腸管のマスト細胞及び上皮細胞と腸内共生菌との相互作用の解析を行った。その結果、腸内共生菌がマスト細胞の最終分化過程に影響を及ぼすこと、腸管上皮細胞における菌体認識に関わる遺伝子の発現を調節することが明らかとなった。腸内共生菌によるマスト細胞及び腸管上皮細胞の機能の調節に関わるこれらの機構は、腸共生系の恒常性の破綻に起因する炎症反応を食品により制御するための有用なターゲットとなることが期待される。
著者
水野 善文 藤井 守男 萩田 博 太田 信宏 坂田 貞二 臼田 雅之 石田 英明 宮本 久義 高橋 孝信 橋本 泰元 高橋 明 松村 耕光 横地 優子 山根 聡 萬宮 健策 長崎 広子 井坂 理穂
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

インドの多言語状況は、時代を通して地域的な多様性だけではなく社会的にも幾つかの層をなしていた。言語の差異を超えて愛好・伝承され続けてきた文学・文芸を対象に、古代から現代まで、多くの言語の各々を扱うことのできる総勢30名以上のインド研究者が共同して研究を進めた。その結果、民衆が自らの日常語による創作から発した抒情詩や説話、職業的吟遊詩人が担った叙事詩、それらをサンスクリット語で昇華させた宮廷詩人、さらには詩の美的表現法が現代の映画作りにも至っている、といったインドの人々の精神史の流れを解明できた。
著者
木下 健 高木 健 寺尾 裕 井上 憲一 田中 進 小林 顕太郎 山田 通政 高橋 雅博 植弘 崇嗣 内山 政弘 江嵜 宏至 佐藤 増穂 岡村 秀夫
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
no.1, pp.43-53, 2005-06
被引用文献数
2

The present paper proposes a Sailing Wind Farm as main energy resource with small load on an environment. It sails around EEZ of Japan seeking appropriate breezing and avoiding meeting heavy storm like Typhoon. This is a concept of main energy resource of Japan to minimize environmental load when fuel cell and hydrogen will be available for daily life. A prototype design shows feasibility of safe sailing even in case of Typhoon and structural strength in storm. If Sailing Wind Farms, 3900 units of the prototype replace coal power plants, then we can obtain 18% of total electric power generation of Japan and reduce 10% of exhausting CO_2 of the 2002 level.
著者
永井 由美子 須永 剛司 山内 裕平 松井 功 小川 俊二 高橋 敏也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.46, pp.230-231, 1999-10-15

When we develop tools and system that include complicated information system, "designing" and "using" need to connect with each other. On this ongoing project, "future black board system" for a junior high class room, we approach "activity based design." It leads to develop good design for users. From beginning of this project until now, we go and research the junior high slass room, then results took in the system. And further, designers need to take part designing curriculum that contains using the system.
著者
高橋 大輔
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究は、進化的時間スケールにおける形質進化と群集構造との関わりを明らかにしようというものである。本研究では食物網構造に注目し、計算機モデルを用いて捕食被食関係の進化的構築過程を解析する事で、進化的時間スケールにおいて個々の個体への選択圧が群集という大規模な構造に対して及ぼす影響を明らかにする。特に、これまでの解析で群集内の種多様性が急激に変化しうる事が観察されており、群集内での相互作用の進化に伴った多様性の増大及び減少過程がいかなるプロセスによってもたらされているかを明確にするというものであった。先年度までに、生産者及び植食者という栄養段階の低い種の動態が群衆全体の動態に強く影響している事が観察されていた。植食者の出現によって多様な群集の進化は開始し、植食者の絶滅が生産者間の競争を介して群集全体に伝搬する事で崩壊が開始する。本年度の研究ではさらにシミュレーションを増やし、より多くのパラメータにおいて同様な動態がみられる事を確認し、提案しているメカニズムの頑健な事を確認し、投稿論文とした。また、個体群動態の理論研究では複数の個体群が移動分散によって接続されたときに動態は異なる事が知られている。このため群集間の移動を考慮した場合も同様の結果をもたらすかどうかを拡張したモデルで検討した。結果、一方の群集にのみ天敵を持つ種が存在し、この種が他方の群集から移入することで群集は常に撹乱を受けるため、複雑な群集は群集間の移動が稀な場合に特に不安定化した。上記研究は、進化的時間スケールにおいては群集内の多様性はきわめて複雑な挙動をする事、またそのメカニズムを理解するためには進化生態学的観点からアプローチが不可欠である事を示した。本研究では個体ベースの進化モデルを用いる事で群集動態と進化動態を統一的に扱い、実際に観察される捕食被食関係の進化のさらなる理解に貢献できた。
著者
石川 明子 松井 基純 釣賀 一二三 坂元 秀行 高橋 芳幸 金川 弘司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.965-968, 1998-08-25
被引用文献数
4

性成熟に達した10頭の飼育下の雄エゾヒグマを不動化した後, 電気刺激射精法により, 延べ21回の精液採取試験を行った.運動精子を含む射出精液は, 21回のうち14回から得られ, 採取された精液の量およびpHは, 平均2.7mlおよび7.4であった.また, 精子の濃度, 運動性, 生存率および奇形率は, それぞれ平均471.6×10^6個/ml, 80.2%, 89.7%および21.8%であった.
著者
竹内 孔一 高橋 秀幸 小林 大介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.245, pp.13-18, 2010-10-16

本研究ではクラスタリングを利用して動詞の類義語を獲得する方法について検討している.先行研究において,同時に2つの要素のクラスタを考慮しながらクラスタリングする同時共起クラスタリングを適用して,ベクトルベースのクラスタリングより精度が高いことを示した.しかし,近年ベクトルベースのクラスタリングでKernel K-meansという非線形境界でクラスタリングするより高度な手法が提案された.そこで,本報告ではKernel K-means法を我々の動詞類語獲得に適用し,先行研究における同じデータで同時共起クラスタリングとの比較を行う.この結果からKernel K-meansでのグラフ-ベクトルの等価性には限界があり,本研究が利用する2部グラフの構造は直接反映できないこと,先行研究の同時共起クラスタリングの方が高い精度で類語を獲得できることを報告する.
著者
高橋 慎一朗 末柄 豊 及川 亘 川本 慎自 加藤 玄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日本中世の大寺院が都市・社会とどのように連携し、いかなる教育普及活動を展開したのか?という問題を、一次史料の調査収集のうえに追究し、中世ヨーロッパとの比較の視点を加えつつ考察した。長期にわたって宗教者・学者の再生産機能を果たした大寺院は「大学」としての性質を備えていたが、個々の宗教者・学者の拠る子院・塔頭が主要な教場であり、個人の活動に依拠する点が大きい点で、近代的「大学」とは異なっていた。その反面、そうした宗教者と都市知識人層との個人的な交誼関係によって、社会一般への柔軟な教育普及活動も可能となっていたことが明らかになった。
著者
小林 大二 高橋 祐一 山本 栄
出版者
日本橋学館大学
雑誌
紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.15-29, 2006-03-30
被引用文献数
4

日本は65歳以上の高齢者が人口に占める割合が高い高齢社会である.政府や地方自治体では,高齢者が公共サービスを自宅で受けられるようにするために,インターネット主体の情報ネットワークを整備しているが,依然として多くの高齢者が生活に必要な公共サービスや年金などの情報を入手することが難しいのが現状である.例えば,高齢者の20%以上はインターネットに接続できる環境にあるが,ウェブページなどから情報を取得することが難しいと感じている.この理由として,非英語圏に住む日本の高齢者がパソコンのキーボード操作に慣れていない点や,高齢者の心的特性やウェブページのアクセシビリティが確保されていない点などが挙げられる.本研究では,高齢者がウェブページを通して情報を収集する際のアクセシビリティに着目し,現在の高齢者が抱えるウェブ閲覧における難点を明らかにした上で,その改善案を提案した.まずは高齢者がノートパソコンとマウスを用いてウェブを閲覧した際に経験するマウス操作の問題点を明らかにした.次に,ウェブページにあるリンク対象にマウスカーソルを合わせることが難しい問題の要因を探った.さらに,高齢者に画面内の9箇所をクリックさせる実験を行い,リンク位置とリンク対象の大きさがマウス操作に与える影響を探った.これらの実験では,独自に開発したソフトウェアを用いて高齢者のマウス操作を記録した.以上の実験を通して,ウェブ閲覧を難しくする高齢者のマウス操作の実態が明らかになった.そこで,高齢者のマウス操作を,より確実にするためのアクセシビリティ・ツールを開発した.このツールは,マウスカーソルを正しいリンク位置へ戻す機能,クリックするリンク対象を拡大表示する機能,クリックに必要なマウスの左ボタン以外のボタンを無効化する機能によって構成した.アクセシビリティ・ツールの有効性を検証した結果,このツールによってウェブ閲覧の難点が取り除かれる可能性が高いことが判った.
著者
上田 博 遊馬 芳雄 高橋 暢宏 清水 収司 菊地 理 木下 温 松岡 静樹 勝俣 昌己 竹内 謙介 遠藤 辰雄 大井 正行 佐藤 晋介 立花 義裕 牛山 朋来 藤吉 康志 城岡 竜一 西 憲敬 冨田 智彦 植田 宏昭 末田 達彦 住 明正
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.415-426, 1995-06-15
参考文献数
26
被引用文献数
11

2台のドップラーレーダーを主に用いた熱帯の雲やクラウドクラスターの観測を、TOGA-COARE集中観測期間内の1992年11月12日から約2カ月半に渡って、パプアニューギニア、マヌス島で行った。観測期間中に、スコールライン、クラウドクラスターに伴う対流雲や層状雲、及び、日中のマヌス島上に発生する孤立対流雲等の種々の異なるタイプの雲について、ドップラーレーダーで観測した。マヌス島における観測の概要と観測結果の要約について述べる。観測データについての解析結果の予備的な要約は以下の通りである。1)レーダーエコーの発達の初期には暖かい雨のプロセスが支配的であり、最大のレーダー反射因子はこの時期に観測された。2)エコー頂高度の最大は最初のレーダーエコーが認められてから3時間以内に観測された。3)レーダー観測範囲内における、レーダーエコー面積の最大値はクラウドクラスターの大きさに対応して最大のエコー頂高度が観測された時刻より数時間遅れて観測された。4)長時間持続する層状エコー内の融解層の上部に、融解層下層の上昇流とは独立した上昇流が観測された。これらの観測データを用いてさらに研究をすすめることにより、熱帯のクラウドクラスターの構造や発達機構を解明できると考えられた。
著者
村瀬 洋 井手 一郎 出口 大輔 目加田 慶人 高橋 友和
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

車載カメラ画像や監視カメラ画像などの多様な変動をもつ環境の中での実画像を認識するための手法を開発した。具体的には、過去に蓄積された膨大な時空間情報から対象の見かけの変動パタンを生成するモデルを構築し生成したパタンを学習サンプルとして利用する生成型学習法による認識手法や、入力画像の複数のフレームを利用して低品質な画像を超解像などの処理により高品質化したのちに識別する認識手法などを開発し、実験により有効性を示した。