著者
Harumi Uto-Kondo Makoto Ayaori Kazuhiro Nakaya Shunichi Takiguchi Emi Yakushiji Masatsune Ogura Yoshio Terao Hideki Ozasa Makoto Sasaki Tomohiro Komatsu Grace Megumi Sotherden Tamaki Hosoai Masami Sakurada Katsunori Ikewaki
出版者
日本酸化ストレス学会
雑誌
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition (ISSN:09120009)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.32-39, 2014 (Released:2014-07-01)
参考文献数
44
被引用文献数
11

Reverse cholesterol transport (RCT) is a mechanism critical to the anti-atherogenic property of HDL. Although citrulline contributes to the amelioration of atherosclerosis via endothelial nitric oxide production, it remains unclear whether it affects RCT. This study was undertaken to clarify the effects of citrulline on expressions of specific transporters such as ATP binding cassette transporters (ABC)A1 and ABCG1, and the cholesterol efflux from macrophages to apolipoprotein (apo) A-I or HDL in vitro and ex vivo. Citrulline increased ABCA1 and ABCG1 mRNA and protein levels in THP-1 macrophages, translating into enhanced apoA-I- and HDL-mediated cholesterol efflux. In the human crossover study, 8 healthy male volunteers (age 30–49 years) consumed either 3.2 g/day citrulline or placebo for 1 week. Citrulline consumption brought about significant increases in plasma levels of citrulline and arginine. Supporting the in vitro data, monocyte-derived macrophages (MDM) differentiated under autologous post-citrulline sera demonstrated enhancement of both apoA-I- and HDL-mediated cholesterol efflux through increased ABCA1 and ABCG1 expressions, compared to MDM differentiated under pre-citrulline sera. However, the placebo did not modulate these parameters. Therefore, in addition to improving endothelium function, citrulline might have an anti-atherogenic property by increasing RCT of HDL.
著者
髙橋 麻衣子 (2013-2015) 高橋 麻衣子 (2012)
出版者
東京女子大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の大きな目的は,児童・生徒の学習効率を最大限に引き上げる視聴覚メディアの在り方についての基礎的知見を提供することである。今年度も昨年度に引き続き,文字情報だけでなく音声や表情といった付加的な情報を同時に提示できる視聴覚メディアの在り方を提案すべく2つの実証研究を行なった。研究1では,視覚的な文字情報にそれを読み上げた音声情報を付与することが読解行動と理解成績に与える影響を検討した。36名の成人の参加者に,視覚的な情報のみ提示する黙読条件,音声情報を付与する音読条件と読み聞かせ条件の3つの条件下で説明的文章を読ませ,読解中の眼球運動と読解成績を測定した。その結果,黙読条件の読解成績が最も高いことが示され,成人の読み手にとっては文字情報に付与された音声情報が理解を妨げる可能性があることが指摘された。さらに各条件での読解活動中の眼球運動を分析したところ,文章読解中の視線の停留回数や停留時間は黙読条件で最も少なく,音読条件で最も多いこと,読み聞かせ条件の眼球運動は黙読条件のものに類似していることが示された。これらの結果は,成人の読み手は文字に音声情報が付与されていても,視覚的な文字情報をメインに処理して読解を行なっていることを示唆している。読みに熟達すると読み上げ音声が邪魔になる可能性があり,電子教科書の音声読み上げ機能は使用者の読解能力によって調整できるようにする必要があることが提案できた。研究2では,文字の音声情報だけでなくそれを読み上げる話者の表情動画を付与した場合,発話内容の理解にどのような影響があるのかを検討した。36名の成人を対象とした実験の結果,発話者の声の感情よりも表情そのものが受け手の理解に寄与することが示され,インターネットを介した会議などでの話者の顔の表示がコミュニケーションを円滑にする可能性が示された。
著者
Hans-Joachim Knölker
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.8-13, 2009-01-05 (Released:2008-11-29)
参考文献数
93
被引用文献数
185

Highly convergent syntheses of substituted carbazoles are most conveniently achieved using organometallic chemistry. Construction of the carbazole framework via the iron-mediated route proceeds by a sequence of C–C and C–N bond formation. In the highly efficient palladium-catalyzed route the C–N bond is formed first followed by generation of the C–C bond. This article highlights some recent developments and applications to the total synthesis of biologically active carbazole alkaloids.
著者
Kojima Hisaya Tokizawa Riho Kogure Kouhei Kobayashi Yuki Itoh Masayuki Shiah Fuh-Kwo Okuda Noboru Fukui Manabu
出版者
Nature Publishing Group
雑誌
Scientific Reports (ISSN:20452322)
巻号頁・発行日
vol.4, 2014-07-25
被引用文献数
32

湖水中でのメタン消費の新たな主役 -亜熱帯ダム湖で脱窒メタン酸化細菌が優占していることを発見-. 京都大学プレスリリース. 2014-07-31.
著者
西村 純 伝 承啓 杭 恒栄 山上 隆正 矢島 信之 広沢 春任 HENG-RONG Hang CHENG-QI Fu
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

日中横断大洋気球実験は、宇宙科学研究所と中国科学院との共同気球実験として昭和61年度より3か年計画で始まり、昭和63年度が最終年度であった。昭和61年度は2機のテスト飛翔実験を行った。昭和62年度は、銀河赤外線の観測および成層圏一酸化窒素の観測を目的の科学観測気球を2機放球した。昭和63年度は、日中共同気球実験の最終年度であり、当初日本側2機、中国側2機の計4機の気球実験が計画され、赤外線の観測、銀河X線の観測、宇宙一次電子の観測および恒星赤外スペクトル観測が行われた。上記の前者3機の気球は、正常に飛翔し、所期の目的を達する事ができたが、恒星赤外スペクトル観測気球は高度24.7kmで突然降下し始めたため、指令電波を送信し、観測器を内之浦町の山中に緩降下させた。昭和61年度から合計7機の気球が東シナ海上空を横断し、中国本土まで飛翔することに成功した。平成元年度は、過去3年間に収得した飛翔デ-タおよび観測デ-タの解析および検討の年度とし、日中両国でそれぞれ独立に解析し、その結果を持ち寄り検討会を開き総合的に評価し、今後の日中両国の気球実験の発展に寄与することを目的とした。また、3年間の気球飛翔実験の実施に際しての会計・契約・機材輸出入上の問題も含めて実験全体のまとめを図ることを目的とした。日本側より矢島教授および松本契約課長が中国を訪問し、3年間に実施した日中大洋横断気球飛翔実験で得られたデ-タの解析とまとめ、および中国側が実施した観測器の回収・輸送作業の実情調査を行う、日中共同気球実験の成果を明確にするとともに、更に飛翔デ-タおよび観測デ-タの詳細な復調および解析検討が必要であることを明かにした。また、今後本プロジェクトを発展させ、日本側観測器を中国で放球・回収する国際共同研究の可能性を併せて検討した。中国側より上記検討の結果、上海天文台の伝助教授、空間科学応用技術中心研究所の〓高級工程師、紫金山天文台の杭助教授および劉高級工程師が来日した。伝助教授および劉高級工程師は収得した銀河赤外線観測デ-タの解析を宇宙科学研究所の大型計算機を用い詳細な解析を行った。その結果、土星の観測デ-タを基に銀河中心の赤外線による構造を明かにした。杭助教授は独自で開発し気球に塔載した高圧Xe比例計数管で得られた白鳥座Xー1結果と気球に相乗りした大阪市立大学の無機シンチレ-タ検出器の結果とを詳細に検討し、白鳥座Xー1から発生する硬X線のエネルギ-スペクトルおよび時間変動を明かにした。〓高級工程師は3年間の飛翔デ-タの復調・解析を行い、中国製気球基本搭載機器であるテレメ-タ、コマンド、PCM装置およびラジオブイの性能および日本製搭載機器との比較検討を行った。また、今後の気球基本搭載機器の改良および改善について総合的に討論を行った。
著者
早坂 七緒 STRUTZ Josef CSAKY Eva-marie EHRLICH Ulrike MARECEK Zdenek SVITAK Zdenek IMHOOF Stefan
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

旧ハプスブルク帝国の諸地域にまたがるローベルト・ムージル(1880年~1942 年)の足跡をたどり、作品との関連および作品解釈の新しい可能性を発見した。成果は学術図書"Robert Musil und der genius loci" (Wilhelm Fink 社)として発表し、多大の反響を得た。その後も論文「補遺1」「補遺2」として成果を公表している。
著者
Genki Terashi Yuuki Nakamura Hiromitsu Shimoyama Mayuko Takeda-Shitaka
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.744-753, 2014-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
23
被引用文献数
6

In the absence of experimentally determined three dimensional (3D) structures of proteins, the prediction of protein structures using computational methods is a standard alternative approach in bioinformatics. When using the predicted protein models to compute the native structure of an unknown target protein, estimating the actual quality of the protein models is important for selecting the best or near-best model. Moreover, estimates of the differences between the protein models and the native protein structure are obviously useful to end users who can then decide on the utility of the models for their specific problems. This article describes two new single-model quality assessment (QA) programs, pure single-model QA method (psQA) and a template based QA method (tbQA), that we developed. psQA is a pure single-model QA program that uses a neural network method to predict residue–residue distance matrices of the native protein structures. tbQA is a quasi-single-model QA program that mainly uses target-template sequence alignments and template structures. The performance of these two model QA programs was analyzed in a data set of 24022 models for 94 targets from the 10th critical assessment of protein structure prediction (CASP10) experiment.
著者
Lee Su Ui In Hyun Ju Kwon Mi So Park Bi-oh Jo Minmi Kim Mun-Ock Cho Sungchan Lee Sangku Lee Hyun-Jun Kwak Young Shin Kim Sunhong
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.1754-1759, 2013
被引用文献数
70

G-protein coupled receptor 43 (GPR43) serves as a receptor for short-chain fatty acids (SCFAs), implicated in neutrophil migration and inflammatory cytokine production. However, the intracellular signaling pathway mediating GPR43 signaling remains unclear. Here, we show that β-arrestin 2 mediates the internalization of GPR43 by agonist. Agonism of GPR43 reduced the phosphorylation and nuclear translocation of nuclear factor-κB (NF-κB), which was relieved by short interfering RNA (siRNA) of β-arrestin 2. Subsequently, mRNA expression of proinflammatory cytokines, interleukin (IL)-6 and IL-1β, was downregulated by activation of GPR43 and knockdown of β-arrestin 2 recovered the expression of the cytokines. Taken together, these results suggest that GPR43 may be a plausible target for a variety of inflammatory diseases.
著者
大泰司 紀之 呉 家炎 (W5 J) 余 王群 高 耀亭 揚 慶紅 (Y .′ Y .′ Y O) 彭 基泰 (T%.′ J) 鈴木 正嗣 武田 雅哉 小泉 透 梶 光一 常田 邦彦 高槻 成紀 三浦 慎悟 庄武 孝義 YANG Qing-hong PENG Ji-tai GAO Yao-ting WU Jia-yan YU Yu-qun
出版者
北海道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1988

《1.形態・系統学的研究》 年齢群別に標本の記載・検討を行う目的で年齢鑑定に関する研究を行い、第1切歯および第1大臼歯のセメント質組織標本により、正確な年齢鑑定ができること、および歯の萌出・交換・磨耗等によって、およその年齢鑑定ができることが判明した。体重は、2.5カ月〜3.5カ月の子鹿7例の平均の43kg、雄の場合1.5歳約70kg、2.5歳約180kg、7〜13歳の成獣は約205kg 、雌の6〜14歳では約124kgであった。胴長の平均は、成獣雄123.8cm、肩高はそれぞれ121.5、117.3cmであった。これまでに報告のない特微として、出生直後の子鹿にはニホンジカと同様の白班があり、生後2カ月、7月中旬頃には消失するることが挙げらでる。頭骨は他のCervus属の鹿に比べて鼻部顔面の幅が広く、眼下線窩が大きく深い。これは乾燥・寒冷地への適応、草原におけるcommunicationとの関係を推測させる。大臼歯のparasrastyle、mesostyleが発達していることは、固い草本を食べる食性に適応した結果と考え得る。角は車較伏の枝分かれをし、1歳で2〜3尖、2歳で3〜4尖、3歳以上で5〜7尖になるものと推定される。以上の結果などから、クチジロジカはアカシカに似るが、ルサジカより進化したものと考えられる。《2.地理的分布および生息環境》 チベット高原東部の海抜3000mから5000mにかけての高山荒漠・高山草甸草原・高山潅木草原に分布している。分布域は北緯29〜40度、東経92〜102度の範囲で、甘粛省中央部の南部、青海省東部、四川省西部、チベット自治区東北部および雲南省北部にまたがる。分布域の年降水量は200〜700mm、年平均気温は-5〜5℃、1月の平均気温は-20〜0℃、7月の平均気温は7〜20℃の間にある。森林限界は3500〜4000m、その上は高山草原であるが、4000〜4500m付近まではヤナギ類などの潅木がまばらに生えている。《3.生態と行動など》 主要な食物は草本類(カヤツリング科・禾本科・豆科)であり、冬期にはヤナギ類などの潅木の芽も食べる。胃内容や糞分析の結果では、クチジロジカはJarmanーBellの原理によると草食(Grazer)である。出産期は5月下旬から6月で、1産1子。初産は2歳または3歳で、毎年また隔年に通常12〜14歳まで出産する。最高寿命は、自然条件下では雄で12歳前後、雌はそれより長いものと推定される。群れは最大で200頭、平均35頭。雌と子および1歳の雄も加った雌群、雄群、および発情期にみられる雌雄の混群の3つの類型に分けられる。性比は2.2、100雌当りの子の数は29頭であった。夏期は標高い高山草原で過ごし、冬期は積雪の多い高山草原を避けて潅木林へ移動する。交尾期の最盛期は10月で、11月中旬に再び雄群・雌群に分かれる。妊娠期間は220〜230日と推定される。交尾期の社会組織はハレム型と交尾群型の2つがあり、ハレム型は雌が25頭以下の時にみられ、大きな角を持つ成獣雄が1頭だけ優位雄となって加わる。雌の個体数がそれより多くなると、複数の優位雄が参加する交尾群となる。音声行動には、うなり声と優位の雄が出す咆哮とがあり、特に咆哮は4〜5音節から構成される連続声で、クチジロジカ独特のものである。《4.保護管理について》 チベット高原のクチジロジカは、ヤク・ヒツジ牧業が同高原へもたらされた2000〜3000年前から、人類の影響を受け、「チベット解放」後は、家畜と人口が増えたこと、自動車道路が発達したこと、兵站が各地に出来て、銃が多数持ち込まれたことなどの直接・間接的な影響によって、分布域・生息数ともに大きく減少した。今後は、有蹄類の保護管理に従って、地域毎の適正頭数(密度)を算定したうえで、その頭数になるまでは哺護を禁止し、一定の密度に保つ必要がある。そのような体制の出来るまでの間は、各地に保護区を設定して減少傾向を止めることが最も現実的と考えられる。
著者
Min-Ho Song Hidemichi Hamada Masaru Mimura
出版者
The Keio Journal of Medicine
雑誌
The Keio Journal of Medicine (ISSN:00229717)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.34-38, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1

It is sometimes difficult to distinguish late-life schizophrenia from senile dementia because elderly patients with schizophrenia can present in chronic remission and show gradual cognitive decline with aging. We aimed to elucidate the semiological characteristics of late-life chronic schizophrenia. Three patients aged between 60 and 66 years who were admitted to our hospital were included in this study. Detailed history taking and psychiatric interviews were performed and reviewed in the light of psychopathological semiology. Although the three patients with late-life schizophrenia showed significant cognitive decline on the Hasegawa dementia rating scale and their negative symptoms mimicked dementia, the following psychopathological characteristics clearly differentiated them from patients with senile dementia: (1) a shift of temporal organization toward the future with intact memory, (2) hypersensitivity, (3) ambivalent personal relationships, (4) systematic bodily delusions, and (5) an ante festum mindset. Identifying such clinical features of patients with late-life schizophrenia could be important for developing more effective pharmacotherapy and for providing appropriate psychotherapy.
著者
Atsushi Yoshikawa Akihisa Imagawa Shinsuke Nakata Kenji Fukui Yohei Kuroda Yugo Miyata Yoshifumi Sato Toshiaki Hanafusa Taka-aki Matsuoka Hideaki Kaneto Hiromi Iwahashi Iichiro Shimomura
出版者
(社)日本内分泌学会
雑誌
Endocrine Journal (ISSN:09188959)
巻号頁・発行日
pp.EJ14-0219, (Released:2014-07-15)
被引用文献数
1

Type 1 diabetes, one of two major forms of diabetes, results from the complete destruction of pancreatic beta cells. Viral infection has been suggested to be a trigger of beta cell destruction, the pathogenesis of type 1 diabetes. The aim of this study was to clarify the role of the protein encoded by intherferon stimulated gene (ISG) 15, an antiviral effector, in the development of this clinical entity. We used the mouse beta cell line MIN6 to investigate the role of ISG15 and paid special attention to apoptosis. Although not detected in native MIN6 cells, free ISG15 and ISG15 conjugated proteins were both present in dose-dependently increased amounts following stimulation with interferon alpha. As assessed both by caspase 3/7 activity and an annexin V assay, the percentage of apoptotic MIN6 cells (after exposure to the inflammatory cytokines of interleukin-1beta plus interferon gamma or tumor necrosis factor alpha) was decreased by pretreatment with adenovirus-expressing ISG15 and increased by expressing a short hairpin RNA directed against ISG15. In conclusion, ISG15 has an anti-apoptotic effect on MIN6 cells. Thus, promoting ISG15 expression in the pancreatic beta cells could be a potential therapeutic approach for patients with type 1 diabetes.
著者
平田 彰 XINGーRU Zhon 桜井 誠人 常田 聡 早川 泰弘 熊川 征司 ZHONG Xing-Ru ZHONG XingーR XIE Xie 岡野 泰則
出版者
早稲田大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

本研究では,中国回収衛星を利用した微小重力場において,In_<1-x>Ga_xSb化合物半導体の単結晶成長実験を行い,結晶溶解・成長過程における拡散及び界面律速過程や面方位依存性を明らかにし,In_<1-x>Ga_xSb化合物半導体のみならず,各種化合物半導体単結晶の高品質化への知見を得ることを目的としている。本年度は1996年10月に実施した宇宙実験の試料及び地上対照実験試料を切断し,切断面におけるGaSb溶解領域及びIn_<1-x>Ga_xSb成長領域を電子線マイクロプローブ分析法(EPMA)により測定した。その結果,宇宙試料は長さ方向に平行に溶解し,地上試料は重力方向に末広がりに溶解していた。これは,地上試料では,比重の大きいInSbが重力方向に移動し,より多くのGaSbを溶解したものと考えられる。また,数値シミュレーションを実施した結果,実験結果と同様の結果が得られた。さらに,面方位依存性に着目してみると,両試料とも(lll)A面より(lll)B面の方がInSbに溶解し易いことが明らかになった。反対に,成長領域は,B面よりもA面の方が大きいことが明らかになった。なお本年度は,研究討論等を行うため,5月及び8月に延べ3名(早大:平田,村上,桜井)が中国に出張した。また,研究成果の発表のために,8月には中国,10月にはイタリアへ延べ2名(早大:桜井)が出張した。12月には2名(静大:早川,早大:桜井)が本研究の総括討論をするために,訪中した。
著者
YOKOTA Shun-ichi
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.155-164, 1953
被引用文献数
2

1. Conidial size tends to be small in accordance with the increase of concenrtions of glucose in media, and at 5 per cent in concentrations of glucose, 3-septate conidia cease to be formed. In addition, at high concentrations of glucose in media, granules appear abundantly and at 10 per cent, granules give place to oil drops. 2. 3-septate conidia cease to be formed when the concentrations of asparagine in media reach 0.5 per cent. Definite tendency of variation in conidial size and shape cannot be recognized. 3. Though irregularly large conidia appear at 13℃., it is recognized that the conidial size tends to increase in accordance with the rise of temperature of incubation. 4. Influence of duration of incubation upon conidial size and shape is obscure.菌類を培養する場合,菌類の現す性質は培養条件を様々に変へる事によつて著しい影響を受ける。菌類に対する培養条件としては非常に多くの因子が考へられるが,本報に於ては培地の炭素源及び窒素源の濃度の変化,培養温度及び培養期間の変化がFusarium solaniのconidiaの性質,特にconidiaの大さ及び内容に及ぼす影響に就て実験を行つた結果を簡単に述べる。1.glucose-seriesとして標準培養基中のglucoseだけを様々の濃度に変化させた場合に現れるconidiaの性質の変化を観察した。此の場合glucoseの濃度が高くなるにつれてconidiaの大さは,小さくなる傾向を示し,濃度が5%に至ると3-septate conidiaの形成が止む。同時に元来顆粒質に富むconidiaの内容は,濃度が10%になると,油滴が之に代つて現れて来る。2.asparagineの濃度を1.と同様に色々に変へた場合,0.5%で3-septate conidiaの形成が止むが,濃度の増加と之に伴つて生ずるconidiaの大さとの関係は明瞭でない。conidiaの形成に対しては,asparagineはglucoseよりも影響する所大である如くである。3.温度とconidiaの大さとの関係は,温度の上昇と共にconidiaが大きくなる傾向が見られる。4.培養期間のconidiaの性質に及ぼす影響は明瞭でない。なほ,本研究の費用の一部は,文部省科学研究助成補助金によつた。記して謝意を表する。
著者
Son Suyoung 栃原 裕 Lee Joo-Young 村木 里志
出版者
独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

最近、災害現場などで防護服着用は不可欠であるが、防護服着用は着用者に動作性の低下をまねくことが知られている。各種防護服の異なるデザインや重量、着用者の運動能力、労働現場の環境温度を考慮する防護服着用時の動作性標準評価テストが必要と考えられ、防護服着用時の動作性を評価できる標準テスト方法の提案を着想することに至った。本研究では、様々な防護服着用による動作性を検討し、防護服着用時の動作性を評価できる基準値を含む標準評価テスト方法を提案することを目的とした。各種防護服着用時の動作性の検討を行うため、 個人装備着用時の関節可動域、作業及び運動能力、バランス能力などの測定を行った。
著者
Ta-Chen Su Chien-Chang Liao Kuo-Liong Chien Sandy Huey-Jen Hsu Fung-Chang Sung
出版者
一般社団法人 日本動脈硬化学会
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
pp.25536, (Released:2014-07-16)
参考文献数
30
被引用文献数
5 21

Aim: The aim of this study, the YOung TAiwanese Cohort (YOTA) Study, was to investigate the relationship between a childhood overweight/obese status and young adult preclinical atherosclerosis, including assessments of the carotid intima-media thickness (CIMT) and prehypertension or hypertension. Methods: From among children who participated in the 1992-2000 mass urine screening program in Taiwan, we recruited 303 subjects with an elevated blood pressure (EBP) and 486 subjects with a normal BP in childhood during the period of 2006-2008. These 789 young adults received health check-ups for cardiovascular health, including examinations of blood and urine parameters, anthropometrics, BP and the CIMT, a subclinical cardiovascular risk index. Data analyses were used to evaluate the associated risks in both childhood and young adulthood. Results: The school students with a childhood overweight/obese status had a higher risk of prehypertension or hypertension, with a relative risk of 3.20 (1.40-7.33) for being overweight and 6.51 (3.36-12.63) for being obese in young adulthood at an average age of 21. A childhood overweight/obese status also predicted a higher risk of having a thicker CIMT, with a relative risk of 2.82 (1.26-6.28) and 4.17 (2.21-7.85) for being overweight and obese in adulthood, respectively, after a mean follow-up of 8.5 years. The body mass index exhibited a consistent trend from childhood to adulthood, with an adjusted R square of 0.551. The participants who were not overweight/obese in childhood also demonstrated a higher risk of prehypertension or hypertension if they became overweight or obese in adulthood. Conclusions: This study highlights the importance of preventing and treating an overweight or obese status in childhood for the primary prevention of cardiovascular disease in adulthood.
著者
Suk-Ling Wee Keng-Hong Tan
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
Applied Entomology and Zoology (ISSN:00036862)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.365-372, 2005 (Released:2005-08-25)
参考文献数
28
被引用文献数
7 26 13

The production of a major component, 6-oxo-1-nonanol and a minor compound, N-3-methylbutyl acetamide in the male rectal gland of Bactrocera carambolae, a fruit pest of economic importance, increased concomitant with age, and their peak production corresponded with sexual maturity. During courtship period, these endogenous components were released unchanged into the air as visible smoke by a group of 100–150 males in a glass chamber. Male emissions elicited upwind flight via zigzag anemotaxis, and attracted more conspecific virgin females than males in wind tunnel assays. When these components were assayed individually, both 6-oxo-1-nonanol and N-3-methylbutyl acetamide elicited significant female responses toward the source chemicals, although the response was less than that for live males. The results suggested that these volatile components are involved in the intraspecific communication by playing a role as sex pheromones during courtship of B. carambolae.
著者
北川 慶子 榛沢 和彦 三島 伸雄 羽石 寛志 岡本 竹司 堺 正仁 Whang-Woo Noh 瀧 健治
出版者
聖徳大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東北3県、広島土砂災害、熊本地震被災地住民の健康診査と生活実態調査によって、エコノミー症候群等健康状態の変化を明らかにした。避難所・仮設住宅調査により、避難所改善への提言を毎年セミナー/学会で積極的に公表してきた。健康被害の課題解決と研究成果の共有のため、避難生活学会を創設(H28)した。3年間の被災者に対する健康診査・聞き取り調査は、避難者の多様性と支援対応のパターナリズムとのギャップの解決が避難所・仮設住宅生活による健康被害を防止させることを検出した。避難・避難所生活、仮設住宅生活、帰宅復帰生活の健康被害予防指標は、KTB(キッチン・トイレ・ベッド)の整備であることを見出した。