著者
倉賀野 志郎 玉井 康之 笠間 浩幸 奥山 洌 高嶋 幸男 明神 勲
出版者
北海道教育大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本教師教育に関する研究では、教師の成長を教師の体験性と理論の相互作用としてとらえ、その上で、教師の体験を(1)自然体験による自然科学的認識、(2)社会体験による社会科学的認識、(3)生活体験による生活科学的認識の3つに分類して経験を提供した。(1)の自然体験では、ゴミ袋バルーン作りによる自然の不思議発見学習を行った。(2)の社会経験では、地域の産業学習として、酪農体験学習、鮭の養殖・捕獲・加工の体験学習、羊毛製造体験学習、を行った。生活体験では、郷土料理作りとその意味学習を行った。これらの体験学習によって、教師の教材の説明の幅が厚くなり、実感のこもった内容説明ができるようになることが明らかになった。また、体験の数が少なくても、深い実体験をすることによって、他の分野の説明にも応用が効くようになったことが明らかとなった。
著者
野村 新
出版者
大分大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

教育はその国や地域の歴史や伝統など文化の上に構想されねばならない。沖縄には歌や踊り、漆器や織物など豊かな伝統文化があるが、沖縄の教育が本土並の学力の育成を追求するあまり、伝統文化と無関係に学校教育が実践されることが起こりかねない。本研究では具体的な学校教育のなかで、沖縄の民謡や民踊、棒術などを授業や学校行事などに取り入れながら、学力形成の在り方を追究するもので、沖縄の歴史や文化を調査するとともに、浦添市立宮城小学校・宮城幼稚園の教師たちと共同で授業や学校行事などの立案・実践・分析はもとより、研究者自身も授業や身体的表現活動を指導して研究を深めた。特に1992年10月の運動会では、行進や野外劇、創作舞踊など、沖縄の曲やリズムや踊りの「結い回る」や「エーサー」、「カチャシー」を取り入れ、伝統武術の「棒術」などを種目として取り上げた。1993年2月の学芸会にも「エーサ」や「さびら」などの沖縄のリズムと踊りと「沖縄空手」や沖縄の民話「きじむなー」を基盤に、「かさじぞう」を初め「ペルシアの市場にて」や「走れメロス」のオペレッタを上演した。また研究者自身が沖縄をテーマにした150行の叙事詩「不死鳥の如く」を書き、それに梶山正人(千葉経済短期大学教授)が沖縄固有の曲と中国の曲を基調とした作曲をして表現活動の実践させるなど、沖縄の伝統的な唄や踊りのリズムと本土の民話や欧米調の物語や曲想との結合と、歌や身体的表現活動と教科の授業を関連させて学力の育成を試みた。研究の結果、子どもたちに構成・演出・表現などで多面的に追究する思考力や創造性や感性や社会性が育ち、追求力や集中力、持久力や自立心や耐性などの精神的な意志力の形成が顕著にみられ授業や学級活動との相互関連性のなかで学力が充実するなど、伝統文化を教育に生かす方向性をとらえることができた。
著者
橘高 二郎
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

イセエビ類フィロゾーマの完全飼育をJasus、PanulirusおよびPalinurusの3属について行うと共に、天然採集により得たプエルルスを用いて生態観察および生理実験を行った。1.変態プエルルスの作出 従来困難であったフィロゾーマの完全飼育は、飼育条件としてNannochloropsis sp.100〜500万細胞/ml、アムモニア態窒素1.4ppm以下、COD1.2ppm以下、細菌数10^3〜10^5CFU/mlを適用することにより達成された。平成4、5年度のプエルルス生産尾数はJ.edw-ardsii 5、J.verreauxi 24、Panulirus japonicus 4、Palinurus elephas 2尾であった。プエルルスの観察実験への供試尾数の増加を図るためJ.edwardsii(ニュージーランド)、J.verreauxi(オーストラリア)、Panulirus argns(米国)のプエルルスについて天然採集を行った。2.プエルルスの生態 飼育によるプエルルスの期間は最短でPanulirsuおよびPalinurusは12日、Jasusは20日であった。これらのプエルルスはすべて無投餌で稚エビに脱皮し、水温がプエルルスの期間を決める唯一の環境要因であることが示された。プエルルスは水温の変化に対して抵抗性があり、冷水性のJasus属は28℃の高温に、温水性のPanulirus属は15℃の低温に耐えることができた。着底基盤はJ.edwardsiiは岩の割れ目、J.verreauxiは海藻であるが、P.japonicusはその両方、P.ele-phasは岩の上であった。なおJ.edwardsiiでは潜砂行動に日周性が示された。3.プエルルスの生理 変態後接岸するまでの間のプエルルスは透明であるが、定着数日後には中腸腺が肉眼で認められるようになり、甲殻への色素の沈着が進行して稚エビに脱皮する。プエルルスの中腸腺前葉・中葉の先端部(J.edwardsiiの場合)、または中葉・後葉の合流部(P.argusの場合)には樹状に体腔中に延びる脂肪体の存在が認められた。プエルルスの生育に伴い脂肪体は減少し、それがプエルルス期の栄養貯蔵器官であることが示された。
著者
佐々木 三男 荻野 夏子
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

高照度光が深夜勤務中の看護婦の眠気や気分、さらに夜勤明けの日中睡眠へどのような影響を及ぼすかを検討した.対象は研究の主旨を説明して同意を得た3交替勤務に従事している健康な看護婦20名である.被験者の背景因子については、活動型をMorningness-Eveningness Scale(朝型-夜型スコア)で把握し、20日間の睡眠日誌をつけて睡眠持続時間と睡眠前後の自覚的評価を100mmアナログスケール(VAS)で記録した.さらに20日間の検査期間中に、20人中8名の被験者には1)深夜勤務中にナ-スステーションで12時から午前3時まで、2500ルックスの高照度光下で勤務をしてもらい、光照射前後の疲労度(労研式)、眠気、気分の変動を2時間おきに記録した.深夜勤務終了後、夜勤明けの睡眠を自宅で記録した(Bright light:以下BL条件とする).2)さらに同じ8人の被験者には光照射をしない光装置の前で同じように深夜勤をしてもらい、勤務中と明け睡眠記録を同様に行なった(Dim Light:DL条件とする).日中の睡眠検査は深夜勤務明けの自宅で行なった.記録装置は、加速度と光センサーを利用し体動と光の照度をを連続的に測定出来る、米国A.M.I.社製の光検知付きアクティラム(活動計)を使用した.なお昼間睡眠前後の自覚的睡眠評価も併せて行なった.「結果」BL条件では午前6時の眠気(41.50±28.34)は、DL条件(68.86±16.73)に比較して低く(p<0.05)、午前6時の疲労感もBL条件で低く、深夜勤務の高照度光照射は勤務中の眠気や疲労の軽減に有効であると推定された.
著者
大出 良知
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

わが国における刑事弁護は、明治初年に治罪法(1880年)によって近代的な刑事手続が導入されると同時に制度確立への第一歩を踏み出すことになった。とはいえ、公判段階(治罪法、旧々刑訴法)だけか、せいぜい予審段階になって(旧刑訴法)選任が認められていただけであり、官選弁護も限定されていた。これに対して、戦後改革は、日本国憲法34条、37条によって、被疑者段階からの弁護人依頼権を保障し、被告人に限定のない弁護士による国選弁護権を保障することになった。しかし、現行刑訴法が、被疑者段階からの弁護人「選任」権を保障したにとどまるかのような規定を置き、複疑者段階の国選弁護の規定を置かなかったこともあって、被疑者段階での弁護人選任率は、確たる統計数値はないものの低率にとどまっていたことは間違いない。そのことが、自白偏重捜査を消極的にであれ支えていた。それゆえ、学説は早くから当事者主義刑事訴訟法理論の体係化とともに、解釈論として被疑者段階の弁護権の伸張を主張してきた。自由接見交通の原則と取調立会権であり、その実効性を担保するための憲法の解釈可能性を前提とした被疑者国選弁護の導入である。これらの主張は、司法の危機といわれた司法状況の展開と弁護士の状況から生まれた「刑事弁護離れ」によって実践的には顧みられなかった。しかし、死刑確定囚4人までもが無罪であったというわが国の刑事手続の実情の打開に刑事弁護の充実・強化が不可欠であるとの認識の広がりが、日弁連刑事弁護センタ-を発足させ、当番弁護士制度を生むことになった。本研究は、このような状況変化までの経緯を総括し、その上で憲法34条、37条を基礎とした、刑事手続の全場面での弁護人の援助を可能にする解釈論を追求したものであり、その可能性を示している。
著者
中根 芳一 土井 正 永村 一雄
出版者
大阪市立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

平成2年から4年にかけての本研究で得られた結果を以下に要約する。一般の集合住宅及び気密性の高い防音住宅について実測調査を行った結果、一般に集合住宅で結露が多発する原因の第一は、防音住宅は勿論のこと一般住宅でも換気回数が少な過ぎる点にあることが明白になった。また普段の生活、例えば炊事、入浴、洗濯物の乾燥や開放型暖房機等から多量の水蒸気の発生が認められた。以上の実験の結果、生活に伴う水蒸気の発生を極力抑え、更に顕熱交換型換気扇を有効に活用すれば、寒冷地を除いて我が国では結露を殆ど無くすことができることが分かった。一方、2室間の隔壁モデルを用いた壁体の熱貫流実験を行なうと共に、実験と同じ熱的条件における数値解析を行って結果を比較することにより、壁体隅角部の数値解析において筆者らが以前に学会誌に発表した隅角部対流熱伝達相当温度境界層の考えが、両室間の空気温にそれほど大きな差がない場合(40℃ほど)に、10種類に分類したそれぞれの隅角部対流熱伝達相当温度境界層実験式を組み合わせて、実際の壁体を通しての数値解析において、入隅側に対しても出隅側に対しても同時に適用できることを確認した。この結果より、隅角部対流熱伝達相当温度境界層は、壁体両側の空気温度差がそれほど大きくない場合において、短形部と平面部を組み合わせた多様な形態の部位における熱性状解析に対して適用でき、異形部の熱貫流現象を熱伝導方程式に統一して分析できることから、異形部の熱性状解析の一つの有効な指標となることを確認した。依って結露や汚れ等が生じ易い壁体の隅角部の熱貫流解析に活用できる。
著者
上杉 忍
出版者
静岡大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

昭和60年度の経過:5月の日本西洋史学会第35回大会において1935年アラバマ州におけるわたつみストライキについて報告し, これを基礎として, 秋に約1ケ月の現地調査および, アラバマ大学サラ・ウィギンス教授, オーバン大学ウェイン・フリント教授, フロリダ大学ウィリアム・ロジャーズ教授らとの研究交流を行なった. この過程で, このストライキがけっして, 局部的な事件ではなく, 全国的な重要性を持っていること, それにも拘らず, その資料的制約のゆえに従来, 充分研究されてこなかったこと, アメリカでもこの運動に対する関心が高まり, 研究をはじめている若い研究者がいることが分ってきた.昭和61年度の経過:1935年のストライキの経過とその意義について論文を執筆し, 『西洋史学』に掲載した. ここでは, ニューディールの農業救済政策がこのストライキ運動といかなる関係にあったかについても見通しを与えた. その後, この運動を指導したアメリカ共産党の南部農業政策, 活動について検討を始め, アメリカで入手した農業・南部担当共産党幹部レム・ハリス・ペーパーを検討した.昭和62年度の経過:アメリカ共産党の政策とシェアクロッパーズ・ユニオンの成立に関する論文を執筆し, 『歴史評論』に掲載した.1930年代の南部農村の変貌過程に関する最近のアメリカにおける研究は活況を呈しており, 藤岡惇『アメリカ南部の変貌』(青木書店, 1985年)に対する書評『歴史学研究』564号執筆の過程で整理したが, 私は, 今後, 本補助金をうけて行なった実証研究を基礎に, アラバマ州ブラックベルトの社会史を一冊の研究にまとめあげる予定である.
著者
松島 龍太郎 里田 隆博 高橋 理 田代 隆
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

カルシトニン遺伝子関連ペプタイド(CGRP)とP物質はともに感覚神経の中でも特に侵害刺激(痛覚刺激)の伝達物質として働くことが考えられている。脳幹部の三叉神経脊髄路核内における両物質の分布と共存関係について検索した。この結果、CGRP陽性線維は三叉神経感覚核群の全亜核に分布しており、三叉神経主感覚核ではその背側亜核に背外側部と腹側亜核の内側縁に、三叉神経脊髄路核の吻側亜核ではその背内側部と内側部に、同中間亜核では腹内側縁と外側縁に、そして同尾側亜核では第I層、第IIo層そして第V層に分布した。これらCGRP陽性線維は大部分がP物質を共有していた。一方、三叉神経節ではCGRP陽性細胞の大部分は小型ないし中型の円形ニュ-ロンであり、P物質を含有するニュ-ロンは他の細胞に比較して小型であった。三叉神経根を切断した実験例では、同側の三叉神経感覚核群においてCGPR陽性線維のほとんどが消失した。以上の結果より、三叉神経系のCGPR陽性線維の大部分は三叉神経節由来の一次求心線維であり、P物質をも含有することが明らかとなった。すなわち、小型神経節細胞に由来する痛覚伝達線維である。一方、実験動物の一側の歯髄に炎症を起こさせた場合、同側の三叉神経脊髄路核の尾側亜核にオピオイド(ダイノルフィン)含有ニュ-ロンが増加した。これらの細胞はCGRP陽性の神経終末と接触している事実が観察された。したがって、口腔領域に発した痛覚情報は、三叉神経節の小型細胞を経由して三叉神経脊髄路核尾側亜核に投射され、上位脳あるいは局所に投射するニュ-ロンに直接に伝達されることが明らかとなった。
著者
加香 芳孝 青木 孝良
出版者
鹿児島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

豚の脳通電失神と殺法(電殺法)と,炭酸ガス麻酔失神と殺法(ガス麻酔と殺法)とによる,と殺豚肉の肉質を比較することを目的とし,まずと殺前の失神法のストレス負荷の差を比較するため,ストレスホルモン,アドレナリンの放血血液中濃度を指標として比較したところ,一見ストレス負荷が少ないと思われる炭酸ガス麻酔の方が同ホルモン濃度が高かったので,ラットを用い基礎実験した結果,豚を麻酔室へ追込むために使用される電気ムチの影響で高いことが明らかとなった.しかし,ガス麻酔と殺法ではストレス負荷が大きいにも拘らず,異常内PSEの発生率が0〜4%以下であるという事実との矛盾を解明するため,血液と筋肉の両者について両法でと殺した豚について検討した結果,次の諸点が明らかとなり,上記の矛盾の原因も解明された.(1)放血血液のpHは電殺法では7.45±0.067(n=50)であるが,ガス麻酔と殺法では7.00±0.096(n=21)であり,炭酸ガス吸入に起因するアシド-ジスの結果,脳循環血液pHの急激な低下によって脳の機能麻痺による失神状態の出現が推定された.(2)胸最長筋についてと殺後30分以降48時間までのpHの経時的変化を測定比較したところ,電殺豚(n=10)では30分後の6.42から徐々に低下し20時間後に5.84となり,以後やや上昇して6.09となる変化を示したのに対して,ガス麻酔と殺豚(n=10)では頭初から低く30分後の5.74から殆ど変化無く48時間後も5.78であった点は対象的であり,しかも従来PSE発生原因はと殺後1時間以内のpHの急激な低下にあるとされていたが,ガス麻酔と殺豚ではPSE発生は皆無であった.(3)ストレス負荷が大きいにも拘らず,PSEが発生しない原因追及のためアドレナリンが筋肉細胞に作用する際の二次メッセンジャ-として働くcAMPの生成量を比較したところ,電殺豚では極めて高いのに対してガス麻酔と殺豚では顕著に低い(-50%)ことを世果に先駆けて発見したが,その原因はアデニル酸シクラ-ゼ活性が筋肉の低pHのために低下することに起因すると推定した.
著者
土井 悦四郎 北畠 直文
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

食品素材並びに製造食品の長期保存の観点から, 凍結保存の必要性が高まり, 冷凍食品は増加する傾向にある. これに対し冷凍保存中における品質劣化の原因は複雑であり, その機構に関する基礎的な研究は極めて少ない.本研究においては, 我々の最近の研究成果に基いて, 蛋白質の凍結変性が界面変性の一種であると言うモデルを設定し, その機構を明らかにし同時に新しい凍結変性の防止法を見出すことを目的とした.1)卵白アルブミンを材料とし, その溶解度の変化(濁度の変化)を指標として凍結変性を検討した. その結果凍結変性は比較的0゜Cに近い温度の凍結条件で著しいことを見出した. また蛋白濃度が低い程著しいことを見出した.2)この卵白アルブミンの凍結変性はTritonX-100,Tween20, その他の非イオン性界面活性剤の低濃度の存在で完全に保護されることを見出した. この界面活性剤による凍結変性の保護はこれまで全て知られていなかった新事実である.3)上記の研究成果を発展させ, 実際の食品に適用するため, 兎節肉のミオシンを材料として, 凍結変性の研究を行った. ミオシンの場合は溶解度と同時にATPase活性をその変性の指標として用いた.4)兎ミオシンATPaseを卵白アルブミンと同様に, 0゜Cに近い凍結状態でより著しい変性を受け, 蛋白質濃度が低い程変性が著しい.5)非イオン性の界面活性剤であるTween20により凍結変性が保護された. 更に興味あることは, 来から凍結変性防止材として知られている糖, グリセロールは, 比較的高濃度で効果が認められていたものであるが, 非イオン性界面活性剤と共存させることにより, より低濃度で保護効果を示すことを見出した. この事実は実用上重要な意味のあることと考える.
著者
清水 韶光 日笠 健一 林 青司 萩原 薫
出版者
高エネルギー物理学研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

1.弱電統一理論による輻射補正の計算が完成され、その総合報告が、Prog.Theor.Phys.誌に掲載された。2.弱電統一理論及び量子色力学のあらゆる反応の散乱振幅及び断面積を自動的に計算するコンピュ-タ-プログラムが完成され、その成果を国際会議に於いて報告、又、論文として発表した。3.本研究の最も重要な成果の一つである、量子色力学にもとずく、ジェット生成法の解説を現在準備している。これは今後のトリスタン実験に於いて最も重要な分野となるからである。4.トリスタン及びLEP領域におけるe^ーe^+消滅断面積に対する量子色力学による高次補正項の、定量的な解析を行なった。5.B中間子の準レプトン崩壊過程をモデルを用いて解析し、小林一益川の行列要素測定に含まれる誤差を評価した。6.トッポニウム等のカラ-自由度を持った粒子の束縛状態が生成される断面積を一般的に考察した。7.超対称性理論に現われるトップクォ-クのスカラ-対が、トリスタン領域で生成される可能性を考察した。8.トリスタン領域ではわずかに大きなハドロン生成比、LEP領域ではわずかに大きなZの崩壊比が観測されているが、これらが超対称性粒子による輻射補正の効果である可能性を考察した。
著者
熊代 克巳 建石 繁明
出版者
信州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

1.リンゴ、ナシ、モモ及びブドウに対して通常の防除暦に従って薬剤散布を行い、葉の純光合成速度(Pn)、蒸散速度(Tr)及び気孔拡散伝導度(Gs)の消長を調べた。その結果、Pn、Tr及びGs共に、薬剤散布直後には低下し、1日後にはかなり回復するという経過を繰返した。2.供試薬剤のうち最も顕著な抑制作用を示したのはビ-ナイン(主成分SADH)で、正常に回復するには約10日を要した。そして、その抑制は高濃度液ほど、また若齢葉ほど顕著であった。3.リンゴの収穫前落果防止の目的で散布するオ-キシン剤は、Pn、Tr及びGsに対する抑制は軽微で、散布後1日目にほとんど正常に回復した。4.殺虫剤スミチオンの粉剤、水和剤及ぴ乳剤をナシに散布して、Pn、Tr及びGsに及ぼす影響を比較したところ、乳剤の抑制作用が最も著しく、粉剤の影響が最も小かった。5.浸透性の強い展着剤に温州ミカンの葉を浸漬した後、徒手切片を作成して、落射蛍光顕微鏡で観察したところ、浸漬直後には気孔周辺に浸漬1日後には海綿状組織及び柵状組織に、自己蛍光を発生する細胞が認められた。このことから、たとえ肉眼的な薬害症状が認められない場合でも、細胞が何らかの生理的障害を受ていることが推察された。6.各種薬液に葉を浸漬した後に、走査型電子顕微鏡を用いて、気孔の開度を調べたところ、各薬液共に、浸漬直後には気孔の開度を低下させ、高濃度液ほど閉鎖作用が著しかった。ただし、ボルド-液に浸漬した場合には、開閉機能が失なわれて開いたままの気孔が散見された。
著者
野口 博司
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

クズ培養細胞系より得られたカルコン合成酵素cDNAを用い,ゲノムDNAライブラリーを検索しクローン解析を行ない,独立と思われる2種の遺伝子を得て,この上流域について検討した。この遺伝子2,3とbのうち500bpについてはシークェンスが完了している。これをこれまで知られている主なプロモーター領域と比較すると,インゲンのエリシターによって発現する主要なCHSのプロモーターとは上流-380から-840までで高い相同性が見い出された。中でも-145のTATAboxと推定される配列のすぐ上流にコンセンサス領域が存在し,まだインゲンのboxIIIに相当する領域は見い出された。一般には転写開始点から-400bpまでにプロモーター活性が存在すると考えられるが得られた全領域について,プロモーター解析用のベクターとして著名なpBI121に組み込み解析しようとしている。現在これをトリペアレンタルメイティング法により,アブロバクテリウムを介してタバコ,エンドウに戻してプロモーター機能の解析を行なおうとしている。これはブドウ,クズ等のプロトプラストを生成させ,エレクトッポレーション等による形質転換が,良い結果が得られない為,確実に形質転換体を得る目的で行なっている。又現在知られているプロモーターの中ではダイズのプロモーターとはほとんど相同性が検出されていない。また現在ダイズ由来の環元酵素cDNAを用い,クズのゲノムDNAにおける生合成遺伝子のクラスターを調べる上で,CHSと協同する環元酵素の遺伝子を検索し,この上流域を得るべく検討している。現在までの所,いまだアントシアン合成系にかかわると思われるCHSについては得られていない。
著者
小葉竹 重機 清水 義彦
出版者
群馬大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

森林の気候緩和効果に関して、観測とその結果に基づくシミュレーションモデルの構築という2本の柱を中心に研究を進めた。観測は大学から北約1. 5kmの山林のふもとにおける気温と湿度、大学構内に設置した簡易型総合気象観測装置による気温、日射、風速、風向、雨量について行い、この他に桐生市のアメダスの記録も収集した。さらに、異なった地被のもとでの夏期における気温、放射収支の計測も行った。得られた結果を要約すると以下のようである。1.地被の異なる場での気温、放射収支の観測から、夏期にはアスファルトと土の面上の気温差は2℃程度となり、アスファルトでは夜9時を過ぎても地面からの放射が50W/m^2程度残っている。2.夏期の日中の表面温度を熱収支式から検討したところ、アスファルトでは約60℃程度になることがわかった。これは浅枝等によって得られている値と同じである。3.森林の近傍にある孤立樹木の木陰で観測した気温と、大学に設置している簡易型総合気象観測装置による気温、および桐生市アメダスの観測結果を比較したところ、夏期には約2℃〜3℃程度森林の方が気温が低いことがわかった。また、日射の強かった日の夕方の数時間は、アスファルト等で舗装された地被の場合と比較すると5℃程度森林の気温が低くなる。これらが夏期の気候緩和の効果である。4.また、冬期には風が強い日の日中に森林の方が気温が高くなる場合がある。これは森林以外の観測地が風の通り易い場合であることと、それらが川沿いであることに一因がある。5.森林と大学の観測塔の気温差あるいは森林とアメダスの気温差の変化の様子は季節によって異なり、日射の効き方も季節によって異なる。正確な再現には厳密なシミュレーションモデルが必要である。6. LESモデルを用いた3次元モデルの構築を目指したが、熱収支式を取り込むところまで進めなかった。
著者
河井 宏允
出版者
東京電機大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

300m以上の高さを持つ超高層建築物では,風荷重がその構造設計にとって支配的な荷重となる。このような超高層建築物では,従来の建築物では問題とはならなかった渦励振やギャロッピング,フラッターなどの空力不安定振動が生じ,振動振幅が急増し建築物が崩壊する恐れがある。本研究では,超高層建築物に対するこれらの空力不安定振動の発現の条件,発現の防止方法を風洞実験を主体として検討した。検討の結果,以下のことが判明した。(1)奥行きの短い断面の建築物では,都市内のような乱れた剪断気流中でも,渦励振が生じ,場合によっては,建築物が破壊される恐れがある。(2)渦励振が生じる風向は,風が面に直角に当たる所謂風向0°から高々15°程度の範囲であり,風が斜めから当たる場合には,激しい渦励振は生じない。(3)曲げ振動はねじり振動の影響は殆ど受けないが,ねじり振動は曲げ振動の影響を大きく受ける。両者の固有振動数比が1に近い場合,振動エネルギーが相互に移動し,ねじりフラッターは却っておきにくくなる。固有振動数が離れている場合には,ねじりフラッターは曲げ振動の影響を受けず,低い風速から発振する。(4)建物の角面を取ったり,丸めたり,或いは欠くとった変更は,渦励振などの空力不安定振動に極めて有効である。また,角付近に非常に小さなルーバーなどの突起物を付けることも振動防止に有効である。角の変更は,角が欠く方法が最も有効であり,その場合欠く部分は幅の1/20以下の方が良い。これは従来の実験で確かめられているものよりずっと小さく,わずかな設計変更により,渦励振を防止できる可能性を示している。
著者
大久保 恒夫
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

当該課題に関して最終年度であるが所期の成果を挙げることができた。すなわち,(1)種々の大きさの2種のポリスチレン粒子の組み合わせからなる二元合金構造を沈降平衡下で発現させた。電気2重層を含む粒子の実効径の比に応じて種々の合金構造や超格子が発現した。また反射スペクトルのピ-ク波長の高さ依存性からコロイド合金の結晶弾性率が求められた。18〜108Paであった。(2)二元コロイド合金構造などの構造化コロイド分散液の粘度特性を明らかにした。合金構造を発現している分散液の比粘度は混合比のわずかな変化により大きく変化した。鋭いピ-クが1個ないし2個出現した。(3)高度な単分散性粒子を完全に脱塩することにより2〜8mmにも及び巨大なコロイド単結晶を発現させることに世界で初めて成功した。コロイド結晶の成長過程の速度論的解析やコロイド単結晶のモルホロジ-研究に道を拓くものである。(4)コロイド単結晶がクリスマスツリ-上のランプのように明滅する現象を初めて見い出した。これは,単結晶の回転のブラウン運動にもとずくことが判明した。(5)多種類のコロイド結晶系の弾性率の測定を完成し,定式化に成功した。(6)コロイド結晶の融解温度を測定した。実測値は湯川ポテンシャル(斥力)を用いた理論に良く一致した。また,コロイド結晶が融解する臨界濃度も脱塩が完全になるほど低濃度側へシフトした。(7)コロイド分散液の屈折率特性を明らかにした。(8)コロイド粒子の回転拡散定数をストップトフロ-法で決定し,顕微鏡法で粒子の並進拡散定数を直接決定した。電気二重層や粒子間の静電的斥力が重要であることを裏づける結果を得た。(9)中性高分子および高分子イオン溶液の特異的粘度挙動を通じて電気二重層の重要性が示された。(10)包接的会合反応などの高速反応の速度論的解析を行った。(11)その他,単分子膜内のアルカリ加水分解反応の解析を表面張力法で行うユニ-クな手法を開発した。
著者
沢田 信一 葛西 身延 荒川 修
出版者
弘前大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

高密度区のダイズ植物は相互遮蔽状態にあり、植物個体間で互いに光要因に対して競争状態にあった。これに対して、低密度区のダイズ植物は孤立個体状態で存在し、個々の葉は常に充分な光を受け光合成を行える条件にあった。そして、高密度区の植物の上層部の充分な光を受けている葉の光合成速度は午後も午前と同様な高い光合成速度を維持していた。しかし、低密度区の植物の午前の光合成速度は高密度区と同様に高かったが、午後には大きく低下する傾向が認められた。以上の結果から、高密度区の植物は個体全体として制限された光条件下にあり、個体として充分な光合成生産を行う事が出来ずにsource能がsink能よりも低下(source-limit)していたために、群落上部の充分な光条件下に有った葉は常に高い光合成能を維持していたものと考えられる。これに対して、低密度区の植物の全ての葉は常に充分な光条件下で光合成生産を行う事が可能であった。それにも係わらず、午前に比べ、午後の平均の光合成速度が大きく低下した理由は低密度区の植物においては、source能がsink能に比べて大きかった(sink-limit)事によると考えられる。また、高密度区に比べて、低密度区の植物の平均のsucrose含量が高かったこと、RuBPcaseのInitial activityが低かったこと、RuBP含量が高かった事は、これまでの研究において、ダイズ初生葉から作られたsource-sinkモデル植物をsink-limit状態に置いた場合に認められた実験結果と一致した(Sawada et al,1986,1987,1989,1990,1992,1995a,b)。しかしながら、光合成速度、RuBPcase活性およびsucrose,RuBP含量の個々の値には大きな固体差が認められた。また、これらの個々の値の間の相互関係についてみると、これまでsink-limit状態に置いたモデル植物において認められたこれらの値の相互関係とは必ずしも一致しなかった。これらの理由として、次の事項が考えられる。1)この種の実験には、全日晴天の日が数日つずくことが必要である。2)植物体の生長が均一であることが必要である。3)光合成速度その他の測定及び葉の含有物を定量する葉のage、および植物とその葉の置かれた環境条件が均一であることが必要である。以上の点を充分に配慮してこの種の実験を継続する事を考えている。
著者
川人 貞史
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

1.今年度の作業として,1890年の第1回より1924年の第15回までの総選挙及び,1990年の第39回総選挙について,立候補者の得票及び選挙区の有権者に関するデ-タの作成を行った.これを一昨年度の奨励研究「日本における中選挙区制と政党制の通時的比較分析」で作成した1928年〜86年の総選挙デ-タと結合させて,日本における全総選挙の立候補者・選挙区デ-タの作成を完了した.さらに,約980人にのぼる補欠選挙の当選者デ-タも新たに作成した.上記のデ-タを将来他の研究者に公開するため,デ-タを利用する際のマニュアルとして,「衆議院総選挙候補者選挙区統計1890ー1990」を発表した.2.百年間の全立候補者の当落情報及び補欠選挙当選者デ-タを利用して,代議士のキャリア分析を行い,その成果の一部を『読売新聞』1990.12.5に発表した.戦前では,再選された現職議員の構成比は低く,また,議員の在職期間も比較的短い.これは,戦前の代議士が再選のために立候補する比率が低いこと,また,再選を望む代議士が必ずしも再選されないことによる.対照的に,戦後,再選のための立候補比率は急上昇し,24回総選挙以降つねに90%以上である.再選を望む代議士の再選率も,徐々に高くなって現在は80%程度である.自民党一党優位政党制下の議院内閣制において,政権を構成する役割を担う代議士は姿は,戦前とは大きく変化した.3.本研究の成果をまとめるため,日本の政党政治を,(1)衆議院における制度化の進行と議会政党の発展,(2)選挙民の中の政党の発展,(3)選挙制度の変化とそれが政党の発展にもたらした影響,という三つの視座から分析した研究書を執筆中である.今年度中に,1890年代から1910年代までの部分について執筆が完了する.
著者
坐間 朗 田村 勝
出版者
群馬大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

1.ラットC6神経膠腫細胞を継代培養し、ラットの大脳に移植し、ラット神経膠腫モデルを作成した。血管新生阻害剤TNP-470 (AGM-1470)は武田薬品から供与され、10%エタノールに溶解し移植後8日目から隔日で15回まで腹腔内注射した。コントロール群は10%エタノール液を同量注射した。2.移植後の平均生存日数はコントロール群で35.7日、TNP-470・10mg/kg投与群で26.3日、同30mg/kg投与群で29.1日。死亡時の脳腫瘍の体積はコントロール群で266.7mm^3、30mg/kg投与群で227.5mm^3。移植時から死亡時に至る体重は、コントロール群で149.4gから235.6gへ増加し、TNP-470・30mg/kg投与群で172.5gから190gまで増えたのち減少し死亡時178.7gであった。TNP-470の脳腫瘍増殖抑制効果は推測されたが、副作用で体重も減少し生存期間が短縮すると思われた。3.移植後経時的にラット神経膠腫モデルをヘパリン加生理食塩水とホルマリンで潅流固定し、proliferating cell unclear antigen (PCNA)免疫染色を行い、この陽性率で腫瘍細胞(以下「腫瘍」)と腫瘍血管内皮細胞(以下「内皮」)の増殖能を検索した。腫瘍の体積を[ ]内に、光顕百倍1視野当たりの腫瘍内血管数を( )内に記す。PCNA陽性率はコントロール群では移植後1-20日目に腫瘍19%[88.3^3]・内皮4.4% (19.6本)、21-30日目に腫瘍31.6%[255.2^3]・内皮11.6% (18.7本)、31-40日目に腫瘍35.3%[257.0^3]・内皮12.7% (20.6本)、41日目以後腫瘍25.6%[308.0^3]・内皮6.2% (10.0本)であり、TNP-470・30mg/kg投与群では、移植後1-20日目に腫瘍16.8%[64.7^3]・内皮6.0% (41.7本)、21-30日目に腫瘍14.6%[275.2^3]・内皮4.1% (19.2本)、31-40日目に腫瘍23.9%[160.0^3]・内皮5.2% (22.0本)、41日目以後腫瘍7.0%・内皮2.0%。TNP-470による増殖能の抑制は内皮に強く見られ、次いで腫瘍にも認められた。4.今回の脳腫瘍の透過電子顕微鏡標本および血管鋳型の走査電子顕微鏡標本を現在作成中である。
著者
追手 巍 森岡 哲夫
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

血管内皮細胞とメサンギウム細胞の細胞間相互作用を検討するには、私どもはヒト臍帯静脈内皮細胞とヒトないしラット・メサンギウム細胞を用いてきた(Am J Pathol 139 : 949,1991)。平成6年度の科研費の補助により、ラット大動脈内皮細胞培養法を確立(Microvasc Res 50 : 113,1995)し,同種の細胞を使っての混合培養が可能となり,実験レベルで細胞機能の制御機構を検索できるようになった意義は大きい。メサンギウム細胞は動脈系血管の周細胞的性格を強く持つことも有利である平成7年度は(1)内皮細胞との接触面に局在する細胞膜蛋白(特異的なエピトープを持つ)を培義メサンギウム細胞表面に証明した(Oite T et al Recent Advances in Molecular Nephrology,ed.Arakawa M and Nakagawa,Kohko-Do,p98,1995。Oite T et al A specific Thy-1 molecular epitope expressed on rat mesangial cells. Exp Nephrol 1996,印刷中)。(2) cDNAのCOS細胞内導入により,この特異エピトープを含む蛋白分子(Thy-1.1 関連抗原)を発現できる系が確立し,この特異エピトープの組成決定が可能となった。(3)この特異エピトープを単クローン抗体により刺激する実験から,このエピトープが細胞内への情報伝達機構に直接関与していることが判明した(論文投稿中)。(4)片腎摘除ラットに上述の単クローン抗体を投与すると糸球体硬化性病変が早く形成される(Cheng QL et.al Clin exp Immunol 102 : 181,1995)。(5)このような硬化病変を呈してくる糸球体では間質系コラーゲン(タイプI,III)の発現が遺伝子レベル,蛋白レベルで亢進している(論文作制中)。この研究成果は共焦点がレザー顕微鏡,超高圧電子顕微鏡(国立生理研,岡崎)による免疫組織学的手法,cDNAを用いた遺伝子工学的手法,Kinase assayや細胞内Ca^<++>測定による細胞機能学的手法を合せ用いることにより可能となった。