著者
堀江 知義 二保 知也 石原 大輔
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

マイクロ片持はり構造の機械的な振動時に生じる,電界,変形,流れの連成振動挙動を明らかにするために,静電気力-構造-流体連成解析コードを開発し,連成効果に及ぼす支配因子の影響を検討し,モデルの妥当性を検証した。さらに,マイクロ片持はり構造を作成し,真空中における駆動実験から非線形連成効果特性を確認した。大気中における振動実験と電界-構造-流体3連成解析により,流体との連成効果によってプルイン特性が変化することを示した。
著者
Holster Trevor ペロウ ウィリアムロバート レイク ジェイ 徳永 美紀
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

多読用英語リーダーに対する学生の主観的難易度を登録すると、ラッシュ分析により学生の能力とリーダーの難易度が比較できるシステムを開発した。300冊のデータを検証した結果、難易度への影響は本文の長さが一番大きく、次にセンテンスの長さであった。語彙レベルの影響は小さかった。他のシステムとの比較では、「読みやすさレベル」が本研究による難易度評価に最も近く、次いでLexile Levelであり、Graded Reader Scaleとの相関は低かった。本システムは無料でダウンロードが可能であり、ERFと協力し、Graded Reader Scaleの改善に貢献した.
著者
草地 省蔵 三好 亨 廣畑 聡 小川 弘子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

心筋梗塞におけるADAMTS4の発現を検討した。梗塞心の梗塞辺縁領域に強いADAMTS4の発現誘導を認めた。次にADAMTS4ノックアウトマウスを用いて解析を行った。まず、ADAMTS4ノックアウトマウスの心臓形成には明らかな異常は認めなかった。次にADAMTS4ノックアウトマウスを用いて心筋梗塞を作成し、野生型と比較した。梗塞後の生存率には有意な差はなく、炎症細胞の浸潤度および梗塞後の心機能にも有意な差は見られなかった。以上より、19ある他のADAMTSメンバーがADAMTS4ノックアウト心筋梗塞マウスにおいて代償的に働いている可能性が示唆された。
著者
加藤 浩徳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は,業務目的の交通時間節約価値を包括的かつ理論的に分析することを通じて,情報通信技術の進展が交通行動及びプロジェクト評価に与える影響を検討することを目的とする.まず,業務交通を分析する上では,交通の意思決定者,交通時間節約に支払意思を持つ主体,移動中の労働の有無,業務交通のスケジュール,労働時間外の賃金支払いの有無が,留意すべき点であることを示す.その上で,被雇用者,雇用者,および両者の共同意思決定を含めた10の時間配分モデルを定式化し,それらから交通時間節約価値を導出する.最後に,以上の分析から得られる示唆を整理した.
著者
岡崎 正和
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,算数と数学の接続を図る授業とカリキュラムを,小中学校の授業に関するデザイン実験を通して開発することを目的とした。理論的には,授業構成を支える認識論,数学教育学における理論形成,記号論的視点の検討を行った。実践的には,主として図形の包含関係,図形の定義,中学1年での比例に関して実験授業を行い,その質的分析を通して,算数と数学の接続に関する理論的・実践的な知見を抽出し,概念化を図っていった。
著者
濱田 知宏 佐久間 康夫
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

視索前野性的二型核は雄で有意に大きい神経核として知られているが、その性差形成機構については、周生期のステロイドホルモンが重要であることを除いて良くわかっていない。本研究ではステロイドホルモン受容体遺伝子プロモーター遺伝子改変ラットを用いてこの神経核をGFP蛍光で可視化し、その性差形成過程をin vivoおよびin vitro両面から詳細に検討することで、神経核形成時の細胞移動がホルモンの調節を受け、雄性化を引き起こすことを示した。
著者
杉原 俊二
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

うつ経験者の回復期支援として4テーマ分析法(以下、4T法)を10 名に実施し、8名(男6名、女2名)は中断なく終えることができた。手順をマニュアル化した。 初回面接(面接の手順と調査協力の承諾)。第2回面接では、 対象者の年表を調査者と一緒に作成した。うつ経験者では、「発症前」「発症時」「治療期」「リハビリ期」とテーマを一定にした。第3回~第6回面接(4T法の実施1テーマ1回) 。第7回面接(振り返り)。語られた内容を文章化して、 2人で読み合わせ内容の検討。第8回面接(終了面接)。これまでの面接内容を振り返り。
著者
柳本 武美 大西 俊郎
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

経験ベイズ法の現状を越えて、事後密度から導かれる統計量により事前分布を評価する研究を行った。これ迄に発展させてきたe-混合ベイズ予測子の性質を利用して、弱い情報しか含まない事前分布を含めて多様な事前分布の利用を企図した。情報量の大きさの程度は特定の位置に分布が集中していると表現される。そこで関数の凸性を厳密に定義して集中度の新しい半順序を厳密に定義した。更にはベイズモデルの尤度の概念が新しい視点を与えた。尤度は基本量であるので、予測密度の定義において事後密度の代わりに事前密度を用いることにより自然に尤度が定義できることを指摘した。また、証拠の統合にについても適応できることが分かってきた。
著者
CHRIS Weaver 佐藤 容子 ROMANKO Rick 船倉 正憲
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

この二年間に渡る集中的研究では、東京農工大学の入学試験における英語個別学力検査の評価(評定)尺度の用い方について調査研究を行った。本研究プロジェクトは、多面的側面を持っており、それは三つのテーマに大別される。第一のテーマは、評価尺度のパフォーマンスの詳細な分析に関わるものであった。この調査研究は、ラッシュ測定理論を用いることにより、どのようなタイプの評価尺度に改善が必要かを同定したばかりでなく、評価尺度のパフォーマンスを改善していくための洞察をもたらした。第一の研究テーマから得られた最も重大な知見は、テスト項目が要求する諸要素と評価尺度の適合性を最大化することの重要性である。この研究プロジェクトの第二の研究テーマは、四年間の期間において本学の入学試験の英語個別学力検査で用いられた異なるタイプのテスト項目と、評価尺度との間に生じた相互作用についての調査研究に関わるものであった。このタイプの分析は、評価尺度のパフォーマンスが、いかに当該の入学試験の全般的パフォーマンスの重要な側面の多くを支える基礎となっているかという点について、数多くの洞察をもたらした。またこれに関連するもう一つの調査研究により、様々に異なる英文の設問として用いられたテスト項目の難度は、異なるタイプの評価尺度に基礎をおいており、英文の読みやすさ指数より得られた英文難度の推定値とも、また英文の語彙レベルとも、関係性がないことが見出された。この研究プロジェクトの第三のテーマは、今後の展望として、大学の管理運営に携わる者や学力検査問題作成者、またカリキュラム設計者及び教授者が、受験者に関するきわめて重要な情報を得るため、評価尺度をいかに十全に活用しうるかを説明するものである。
著者
妻鹿 ふみ子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、公共哲学の視座から、地域コミュニティにおける人びとの支えあいのあり方を探ってきた。研究は、規範理論の研究と、実証研究としての地域の居場所の事例研究とに分けられる。規範理論の研究においては、コミュニタリアニズムという規範理論の「徳」「共通善」という構想が、支え合いのバックボーンとなることが示唆された。ケーススタディにおいては、支え合いを体現する居場所づくりの実践が、オルタナティブな人称的な連帯を作り出し、結果としてオルタナティブな親密圏が構築されることが明らかになった。
著者
張 巧韵 許 佑旭
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

この研究の主な目的は既に各分野に存在しているカントリー・オブ・オリジン(COO)の文献を再考することによって既存しているCOOの研究を更に展開させて、新たなCOOの構造を概念化し、価格と価値と品質と代価と満足度といったマーケティングの分野の変項を用いた包括的なリサーチ・フレームワークを創出することにある。研究結果として、消費者は設定された三つのシナリオにCOO効果に対して異なるリアクションを見せた。例えば、幼児のおもちゃを購入に際し、消費者認知価値と購買意欲がリスクに強く左右されるということが明らかになった。
著者
杉岡 直人
出版者
北星学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、農業の特徴をいかした障害者の就労機会を確保することで農的福祉コミュニティの形成を担う実践事例を取り上げるために郵送調査と実践事例の訪問調査および事業者の協力によるワークショップを実施した。調査結果は、学会報告・論文等で明らかにしているが、主なポイントとして①加工部門などの取り組みによる研修ニーズへの対応②農業分野の各種助成事業制度の活用を支援する情報収集・企画サポートの課題③農業生産活動の季節的制約にともなう冬期間の就労を可能にする工夫④地域の高齢者との連携を図ることなどを指摘しうる。
著者
段 家誠
出版者
阪南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、世界銀行の正統性と国際開発レジームにおける影響力を、 世界銀行の査閲(インスペクション)パネルの事例を実地調査と文献資料等により明らかにす るものである。開発途上国における環境と社会影響、人権侵害等で問題となった世銀プロジェ クトを査閲パネルと非政府組織(NGO)の視点からみることによって、当該国と先進国の市民社 会が、グローバル・ガバナンスのなかで、どのようなつながりを持つかを知る手がかりを得た。 調査対象は、カンボジアのプノンペン、ネパールのアルン渓谷、アルバニアの火力発電所、世 界銀行・IMF 年次総会における市民社会(CSO)会合等に及んだ。
著者
市橋 秀友 本多 克宏 野津 亮
出版者
大阪経済法科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

クラスタリングとパラメータ最適化による簡便な識別器であるファジィc-平均識別器(FCMC)の識別時間(テスト時間)と訓練時間(事前計算時間)の大幅な改善手法を開発した.そして,FCMCの訓練時間を高性能なサポートベクターマシンとして知られているLibSVMと比較した.四つのパラメータのうちの二つを自動最適化する.LibSVMのパラメータ数は2である.改良されたFCMCではLibSVMと同等の識別精度が得られ,100万件以上の大量データでの訓練時間は,LibSVMに比べて100倍から1000倍の高速化を実現した.
著者
塚本 直幸
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

近年、環境保全・都市再生・都市交通問題解決のための都市の装置として注目されているLRT(Light Rail Transit、次世代型路面電車システム)を対象として、その整備の社会的合意を得るために、どのような啓発活動が必要かについて堺市の事例に基づいて実証的に研究したものである。研究機関と行政・市民が連携して活動すること、新しい交通システムとしてのLRTの役割を具体的に示していくこと等が、市民理解を進める上で重要であることが明らかとなった。
著者
西田 康二 藏野 和彦 福室 康介 稲川 太郎
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

この研究では、3次元正則局所環(または多項式環)において高さが2のイデアルIをとり、任意の整数nに対してIの記号的n乗を計算する新たな方法を見出すと共に、Iの記号的リース代数のネータ性に関するHunekeの判定法を改良することを目指した。初年度の研究では、複体の*変形を用いて通常のべき乗の自由分解から記号的べき乗の自由分解を導く為の具体的な手順を見出し、翌年度は記号的リース代数のネータ性について新しい判定法を与えた。3年目の研究では、それまでに得られた結果の実用性を具体例に適用することによって確認し、最終年度にはネータ環でない記号的リース代数を持つイデアルのクラスを拡張した。
著者
渡邊 睦
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

H22(準備段階)~24年度において,可搬型の空中映像撮影システムを構築し,屋内静止環境における画像補正手法を開発した.次に,屋内変動環境に対処できるよう,上記空中映像撮影システム,画像補正方式を改良し,屋内実験室における人物の流動把握実験,大学構内(屋外)における車両などの流動把握実験を実施し,精度評価を実証した. 更に,H24~25年度においては,上空からの広域映像を安定に撮影できるよう,簡易型空中飛行体(AR-Drone)を用いて,ARランドマーク認識に基づく自動巡回.特定人物への上空からの追跡機能を実現し,屋内体育館,大学構内(屋外)における自動制御実験により有効性を確認した.
著者
片桐 祥雅 川原 靖弘 高田 哲 川又 敏男
出版者
国立研究開発法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ストレスによる知的労働生産性低下の防止を狙いに、深部脳活動の減弱が暑熱環境暴露や高負荷印加状態でいかに注意機能を低下させるかについて神経生理学的方法に基づき調べ、頭頸部冷却刺激を中心とする深部脳賦活法を検討した。結果、注意機能維持に深部脳の高い定常的活動度と抑制・賦活パターンを呈する同期的活動が重要であり、頭頸部冷刺激はこの深部脳活動増強に寄与することを明らかにした。さらに、深部脳活動が最大となる条件を心理学的指標との相関において明らかにした。
著者
入江 安子 川口 ちづる
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

地域の力、コミュニティレジリンスとは人が困難から立ち直るための地域の力を指す。本研究は、 発達障害児と家族を支援するコミュニティレジリエンスを育成し、そのプロセスと促進要因の検討を目的にした。その結果、コミュニティレジリエンスは地域の資源の豊かさだけでなく、発達障害児に直接関わる支援者が多職者と協働しながら形成した支援力を発信し、その新しいネットワークがコミュニティレジリエンスを促進していた。
著者
VYE Stacey
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

学習者が自律的に設計した学習計画と、改善が望まれる学習技能に費やしたと自己申告された時間が、IELTSの4技能のセクションにて習熟度を高めるのに貢献するかを研究した。英語学習者である大学生ボランティア20人の学習開始前と学習後のテスト結果と、自律学習実践のデータを関連させた。彼らは23週、週1回90分のゼミで集まった。データは、学習者の省察、出口調査、本研究者の記録、学習前後のIELTSのスコアを含む。研究では制約もあったが、楽しみのため自己選択した学習に週6.5-8.5時間以上、向上させたい分野に活発に従事することで、習熟度が高まるという結果を得た。自律学習は語学熟達に利点があると示唆する。