著者
梨田 智子 今井 あかね 吉江 紀夫 下村 浩巳 羽下 麻衣子 佐藤 律子
出版者
日本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1.マウス耳下腺において,エズリンがアクアポリン5と共存することを明らかにした。糖尿病NODマウス耳下腺では,これらは共に局在性が変化した。2. 耳下腺ホモジネートから等電点の異なる3つのアクアポリン5を検出した。コントロールマウスではpI 6.0付近のものが主であったが,疾患マウスではpI 8.8付近のものが主であった。すなわち,糖尿病NODマウスではアクアポリン5のリン酸化レベルが低いことがわかった。
著者
竹内 順子 柴坂 寿子 佐治 由美子 菊地 知子 塩崎 美穂 入江 礼子 小玉 亮子 私市 和子 中澤 智子 石塚 美穂子 肥後 雅代 今井 由美子 片桐 孝子 高坂 悦子 浜崎 由紀子 藤田 まどか 阿部 厚子 江波 諄子 杉本 裕子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

乳幼児0~2歳が過ごす学内保育所(お茶の水女子大学附属「いずみナーサリー(以下、ナーサリー)」)の教育的質の向上と、大学全体のコミュニティとしての教育環境「大学の中で赤ちゃんが笑う」構想を実現するために、下の3つの視点から研究を総合的にすすめた。(1)週1日から週5日の通所日数自由選択や一時保育、また、1日の保育時間もフレキシブルに決められる多元的保育体制において、保育の質を保証するための保育方法、カリキュラム(学び/育ちの履歴)開発(2)環境的教材、芸術的表現教材の開発(3)大学の特性を生かし多世代・他分野との協働を生かしたコミュニティ的実践。平成24年3月に最終報告書「大学の中で赤ちゃんが笑うII」を発行した。
著者
重松 敬一 日野 圭子
出版者
奈良教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本年度の計画とそれに対する研究実績は以下の通りである。1.前年度の研究から得られた結果に基づいて,「学習ユニット」の構成と評価の視点を明確にする。=> 学習ユニットの構成では,Plan-Do-SeeのサイクルのPlanの段階において,数学的道具をどう組み込むか,それをどう評価するかを考える。更に,(1)数学的道具の異なる側面(「基礎技能」「表現」「処理」「解釈」「問題解決」「道具づくり」),(2)道具使用の場面(「道具を選んでの計算」「数学的探究や説明の中での道具使用」「日常生活の問題解決における道具使用」「総合的な作業における道具使用」)の2つの軸の中での位置付けを考える。尚,電卓・グラフ電卓の使用を組み込んだ学習ユニットの一部として,「ちらしを使って考えよう」「電卓で遊ぼう」(小学校高学年),「バスケットボールのシュートの正確さを予測しよう」(高校)の授業を考え,実践した。2.視点に基づいて,算数・数学科カリキュラム・指導・評価をつなぐシステムを考案する。=> 学習ユニットの構成と評価の視点を織り込んだ具体事例を幾つか考案するところまでを行った。今後の課題が残された。(1)数学的道具を今回は狭い意味で用いたが,数学的活動との関わりなどから,より広く規定していくことが必要である。(2)数学的道具の取り入れを意識するために,指導案を作る上でのガイドラインを更に検討する必要がある。(3)道具の使用を認めるような評価方法についても,更なる検討が必要である。(4)より広く,「道具を使った数学的探究」という総合的な柱についての検討が必要である。
著者
最上 忠雄 山崎 浩道 松山 成男 石井 慶造
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

加速器と言われる装置で発生される粒子線は、放射線と呼ばれるもので、この放射線を知ることは原子などミクロな世界の現象を知ることであり、しかも社会で非常に役に立っていることはあまり知られていません。ミクロな世界の現象の理解を通した大学院生や大学生による子供たちのための理科教育の中でも放射線を題材とした、寸劇「放射線裁判:怪盗Xの巻」を通じて、皆様が最先端の科学技術に興味をもつきっかけとなってくれることを期待している。対象は、宮城県内の小学生・中学生とし、学校訪問による出張公演を行う。一般に、文科系向きの人も理科系向きの人も共に興味を抱くことができる科学技術は少ない。PIXE(ピクシー)法は、加速器と言われる装置を用いて粒子線を発生させ加速して、それを試料に当て、微量の元素を分析する方法で、考古学試料、食品・飲料水、血液、河川水など何でも高感度で分析できる方法であり、しかも、非破壊なので指輪・ネックレスなど貴重な試料の分析も行えるので、文科系向きの人も理科系向きの人も共に興味を抱くことができる科学技術です。この対象は、オープンキャンパスの期間中、東北大学ダイナミトロン加速器(公開実験)を用いて、高校生・一般とするが特に、「中学生コーナー」を設定した。1.出前授業(演劇)平成16年度 「放射線裁判:怪盗Xの巻」実施校 中学校 4校(10クラス) 実施回数 7回 総参加者数 274名平成17年度 「放射線裁判:怪盗Xの巻」実施校 中学校 2校(4クラス) 実施回数 4回 総参加者数 147名2.オープンキャンパス(公開実験)「中学生コーナー」平成17年 7月28日(木) 志津川町立志津川中学校 3年1名 2年6名男子5名 女子2名 合計7名村田町立村田第二中学校 3年4名 2年2名男子4名 女子2名 合計6名
著者
冨田 爽子 水野 晶子
出版者
拓殖大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は1603年から1642年に英国で出版された ‘Italian Books’ を調査し、研究者が確立したメソッドで、書誌学的記述を試み、イタリア ルネッサンスの大きな影響を受けて英国文化を開花させたその過程で、出版の果たした役割を明らかにすることを目的とする。1642年以降、大変容を遂げる英国の出版活動の直前に、‘Italian Books’ が英国の文人や知識階級、及び、劇作家とどのような文化的邂逅を遂げたかを実証的に検証し、当時の英文学や英国演劇にどのような影響を与えたかを明らかにしようとするものである。研究は概ね順調に進んだ。まだしばらく修正作業が続くが、無事に完成させたい。
著者
三田 明弘
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、日本と中国の説話文学史の融合を目指す研究の一環として、中国の説話文学史上、重要な位置を占めながらも、あまりに大部であるために従来はその内容が十分把握されていなかった『法苑珠林』と『夷堅志』の詳細な分析を行ったものである。『法苑珠林』は仏教百科事典として編纂された説話集であり、その全体構造を解明した。宋を代表する知識人洪邁の著作『夷堅志』については、北宋滅亡の史実が作品に大きな影響を与えていることを明らかにした。
著者
井上 栄二 仲吉 一男
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

DAQ(Data Acquisition)ミドルウェアを使ったCC/NET用データ収集システムにワークフローの技術を導入した枠組みを作った。DAQミドルウェアはRT(RobotTechnology)ミドルウェアという国際規格のロボット技術をベースにしたネットワーク分散型のデータ収集システムのフレームワークである。DAQミドルウェアとDAQワークフロー処理を一つGUI上で操作ができるようにしたことで、分散型DAQの利点を活かすことが可能になった。
著者
南澤 良彦
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、中国の先秦から隋唐に至る科学技術の直面した諸問題を、社会思想的に研究し、科学技術の社会的意義を究明した。前近代中国において科学技術は国家経営の基盤の一つであり、科学技術者たちは官僚制の中に組み込まれた。科学技術は自然科学のみならず人文科学や社会科学と密接に関係しており、科学史研究に止まらず、広く社会思想的研究の対象とされるべきであり、本研究により、従来、理系出身学者が行ってきた科学技術史研究を補完し、中国古代中世科学技術史研究を、より有意義で実り豊かなものとした。
著者
保世院 座狩屋
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、建設廃棄物を用いた透水性セメント複合材による盛土堤防の安全率を求めた。 各種盛土堤防に対する所要の安全率が確保できる補強材の最適設計を行った。仮定した盛土法面を対象にエクセルソフトを用いた安定解析を提案し、デザインチャート化を試みた。計算内容がわかりやすく、誰にでも扱いやすいエクセルソフトによる解析を行い、各種盛土堤防に対する設計手法を確立した。補強してない盛土堤防の安全率を仮定した3種の法面勾配(30°,45°,60°)についてそれぞれ求めた。
著者
竹森 幸一 山本 春江 浅田 豊
出版者
青森県立保健大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、大学における新たな教育方法、すなわち学生がある事例をもとにしたシナリオに基づいて、自主的、自立的に学習し、学生間で相互に助け合いながら学習するという教育方法であるPBL (Problem Based Learning)の手法を、地域住民の生活習慣改善に応用した新しい教育モデルを開発することである。平成15,16年度は青森県N町、17年度は青森県T町で減塩を中心とした食生活改善教室を開催しながら、新教育モデルの開発を行った。教室参加住民は、開発したTYA方式の主特徴であるシナリオを基盤として、チューターによるサポートを受けて、減塩を中心とする生活習慣改善のための知識やスキルを習得することができた。各年度のグループワークの質的分析の結果、前半の学習では(1)自分の減塩行動・工夫点の振り返り、(2)自分の食生活の振り返り等の学習過程、後半では(1)確実かつ長期的に実行可能な目標の導出・再構築、(2)生活習慣全体に関わる健康行動の重要性の理解等の学習過程を経た。参加住民同士が、お互いの生活経験を学習資源とした自由な討議を行なうことが減塩に関する行動変容・実践につながったと捉えられる。N町教室終了後の追跡において、教室参加群は教室終了後の低下した食塩レベルを維持していたグループ(維持群)とリバウンドがみられた群(戻り群)に分けられた。維持群の喫煙、飲酒、運動などの健康習慣レベルが戻り群や検査群のレベルより高かった。このことから食習慣は他の生活習慣と関連しあっており、生活習慣改善を目指す健康教育は主目的とする生活習慣と共に他の生活習慣の改善も組み込んだプログラムが効果的であると考えた。
著者
嶋野 法之 広永 美喜也
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

デジタルミュージアムは貴重な絵画を画像データベースとして蓄積し、画像をディスプレイ上にリアルに再現することを試みるものである。作品の印象は昼光や燭光など照明光の分光分布やその強度などの照明環境で大幅に変化する。このように多様な照明環境で人間が見た時の色彩を視覚系の色順応を考慮し画像再現する研究が極めて活発に行われている。本報告書では日本画、油彩画および水彩画の3種類の絵画の分光反射率を絵画を描くのに用いた色材の先験情報を用いずに画像データから正確に復元し、多様な照明環境の下で観察したときの美術作品の色彩を忠実にディスプレイ上に再現するための研究成果について述べる。
著者
今村 利香 高山 忠雄 峰 和治 山之上 卓 下園 幸一 中村 秀俊
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,半構造化面接法にて,DV被害者の実態調査,母子生活支援施設職員及び医療機関職員のDVに関する研修会受講状況と希望する研修について聴き取り調査を実施したほか,郵送調査にて,DV被害者支援を実施している全国の福祉・行政・医療機関のIT整備状況とeラーニング研修の取り組みに関する調査を実施した。その結果を基に,鹿児島県内の福祉・医療機関にてDV 被害者支援を実施している関係職員を対象に,集合研修及びMoodleを用いた研修を実施した。
著者
池添 隆之 西岡 千恵 楊 晶
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

血管内皮細胞上に発現し、凝固を負に制御しているトロンボモジュリンが、シグナル伝達経路ERKを介して抗アポトーシス蛋白Mcl-1の発現を誘導して、サイトカインや免疫抑制剤による細胞傷害から血管内皮細胞を保護することを明らかにした。また、その活性部位は上皮細胞増殖因子様領域に局在し、抗凝固作用とは無関係であることを明らかにした。
著者
片岡 一忠
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

漢文史料の解読と出土官印実物の分析の結果、隋唐にはじまる陽刻朱印の官印制度は、五代を経て宋代には、旧制度の陰刻白文の官印を脱し、清朝まで継承される官印制度の基本形が完成したことを確認した。すなわち、印文の文字が九畳篆と呼ばれる独特の篆法となり、正方形・長方形の両方の印形が官職によって明確に区別して用いられた。さらに、印背に「印款」と呼ばれる鋳造部署名や鋳造年月の文字が刻され、官印の使用現場では「印牌」がつくられ、官印管理が厳格になったことが史料・実物の両面から明らかにされた。
著者
渡部 潤一
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

流星群を生み出す母天体である彗星あるいは小惑星の活動史を、流星群の活動から推定する新しい方法を確立し、いくつかの実例について研究を行った。また、枯渇彗星の可能性のある近地球小惑星の中から、既知の流星群と軌道が一致する天体を抽出し研究した。特に2003WY25とほうおう座流星群について研究し、この小惑星が枯渇彗星であることを明らかにし、その上で19世紀には彗星活動が少なくなった活動史を、実際の観測を踏まえて明らかにした。
著者
小熊 誠
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近年、日系企業の中国進出に伴って、中国に在住する日本人の数が増加している。中国在住の日本人は、企業活動の他に県人会を組織して、さまざまな活動やネットワークの形成を図っている。その中で、沖縄県人会は、若者を中心とした個人的ネットワークによって活動が展開され、他県人会の組織が年功序列的であり、形式的であることと比べて異なる特徴が見られる。この違いは、沖縄人が自分の意志で就職先を中国に求めることや元来友人などヨコの関係を重視する性格をもつことなどによると考えられる。
著者
大佐賀 敦 近藤 克幸
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究課題では、PCの位置をリアルタイムに把握する手段として、ロケーションサーバとアクティブ型電子タグを採用し、その応用可能性を検討した。位置情報を利用し、1)診察室や研究室、院外等へモバイルPCを持ち運んだ際、各場所に応じたファイル・セキュリティを自動適用し、利用者が意識することなくデータ保全を行う仕組み、2)PCを診察室等へ持ち込んだ際には、持ち込んだPCと診察室の端末が自動的に互いを認証し、シームレスなデータ交換が可能となる機能を開発した。これらのシステムを医療場面での利用に合わせた最適化を行い、実用的な性能が得られることを評価した。
著者
前田 美香
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

脊髄運動神経は、その軸索が脊髄を脱して移動していく一方で、細胞体は脊髄の内に留まり情報を受け取る必要がある。その仕組みを知る目的で、ゼブラフィッシュ胚で運動神経と移動中の神経冠細胞に発現する接着分子Tag1に注目し、研究を行った。Tag1が発現していない場合、神経冠細胞の軸索への異常な配列や細胞死、異常なSchwann細胞の分化が起こり、さらにこのような胚では運動神経細胞体の軸索からの脱落が観察された。魚類の運動神経細胞体の保持には、Tag1を介したSchwann前駆細胞の軸索への配列が重要な役割を果たしており、ニワトリやマウスと同様に神経冠由来細胞が関わっている事がわかった。
著者
田丸 理砂
出版者
フェリス女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究ではヴァイマール共和国時代の女性と文学の関係を都市大衆文化の文脈から探った。ヴァイマール時代のベルリンに成立した都市大衆文化は女性作家に表現の可能性を拓いた。マスメディアは多くの読者を獲得するために女性の表現者を求め、女性作家の中には、当時の憧れの女性像「新しい女」のイメージを代表する都市の女性ホワイトカラーの現実を、女性の視点から描く者も現れた。ヴァイマール時代の女性作家の急増は文学の大衆化をもたらし、文学における女性の世界の発見へと導く一方、結果として文学の場に新たなジェンダー構造を築くことにもつながった。
著者
寺田 元一
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

『生理学要綱』の最大の典拠と推定されるハラー『生理学原論』をラテン語で読み、それ自体が、ハラーの生理学者としての研究成果であるだけでなく、ヨーロッパ中の生理学関係の古典ならびに最新著作を整理した総合的著作であること、その科学的かつジャーナリスト的活動は『百科全書補遺』の生理学項目執筆にも継承されたことを解明した。ディドロはそのような間テクスト的ハラー生理学を唯物論的に換骨奪胎することで『生理学要綱』を執筆した。そのテクスト生成の研究は今後の課題だが、それに必要なSP写本の暫定的校訂版を作成し、HPに掲載した。