- 著者
-
近藤 邦雄
- 出版者
- 埼玉大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2005
本研究の目的は、テレビカメラなどで撮影した映像をもとに、さまざまな分野で利用されているイラストレーション映像へ変換する描画手法を開発することである。本研究では、(1)一枚の画像のイラストレーションへの変換するための領域分割と調和配色手法、さらに(2)実写映像をイラストレーション映像に変換する手法を提案した。そして、提案手法を用いて映像製作分野に利用できるような教育システムを開発した。(1)本研究ではでとりあげる領域分割とは,画像中の構成要素を近似色で塗りつぶした領域で表し描画の単位とするものである.この手法を用いることで,対象物の形状や特徴の強調や簡略化を行うことができる.また調和配色は,配色理論に基づいた配色を用いて実際の物体とは異なる色で描画する手法である.本研究では基本カテゴリ色を用いたカテゴリカル分割による統合の取れた領域分割と,調和配色を用いた配色変換によるイラスト風画像生成手法を提案した.この結果,離れた箇所にある同一構成物を同じ領域に分割することが可能になった.また,彩度と明度の誇張を用いた配色が可能になった.それにより,領域分割と配色変換を用いたイラスト風の画像を生成することができ,領城分割と調和配色を用いたイラスト生成手法の有用性を明らかにした.(2)実写映像に対してリアルタイム絵画風動画変換するためのシステムを開発した.本システムは映像読み込みや出力部分と絵画処理部分を分離し、また,新たなフィルタを考案し実装することが容易になるようにした。これによって、CG教育にも有用なシステムを開発できた。