著者
長尾 健太郎
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

24年度は非可換Donaldson-Thomas理論において主に重要なコホモロジー的Hall代数の具体的構造の研究を行った.コホモロジー的Hall代数は$3$次元Calabi-Yau圏の対称性を記述する代数であり,非可換Donaldson-Thomas不変量の理解において重要な役割を果たすと期待される.残念ながらコホモロジー的Hall代数の具体的計算はまだほとんど行われていない.申請者は23年度以前に行っていたモチーフ的非可換Donaldson-Thomas不変量の研究における技術を応用し,コホモロジー的Hall代数の具体的計算において重要な「ポテンシャルの切断によるコホモロジー的Hall代数のリダクション」という概念を発見した.これは4次元のゲージ理論と6次元の弦理論の関係を記述するものであり,今後さまざまな発展を導くと期待している.現在はこの概念の基礎理論の構成中であり,25年度以降は応用を深めていく予定である.
著者
篠原 真毅
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

研究目的は(1)パルス発振、(2)変調可能な、PACMの開発である。新たなマグネトロンの開発は行わず、民生用の安価なマグネトロンを用いて外部回路での実現を目指す。我々の研究グループでは注入同期法とPLLによる陽極電流フィードバックを併用した位相(振幅)制御マグネトロンPACMを開発しており,現在までに様々な研究が行っている。しかし,過去の研究では連続波以外での駆動を検討された例が無く,さらに位相制御に約3秒必要であったため,その用途が連続波を用いたエネルギー伝送や加熱用途に限定されるという欠点があった。平成17年度に開発した安定したkHz動作のパルス駆動型位相(振幅)制御マグネトロンに引き続き、平成18年度は位相変調可能な位相(振幅)制御マグネトロンを開発した。本研究においては,位相変調方式としてBPSK(Binary Phase Shift Keying)を採用し,アナログ移相器の位相が0°および180°とになるように移相器を制御した.また位相変調については,位相変調前の基準信号とマグネトロン出力とをミキサ入力としたときのIF出力電圧V_0を観測することにより確認した。実験でアナログ移相器に与えた変調周波数は10kHzである。その結果、位相切り替え後にV_0が大きくオーバーシュートした後,V_0が次第に一定値に安定する様子が観測され,位相変調後におけるPCMの位相安定が確認された。位相切り替え後から位相安定するまでの時間は,最長で36.5μSと計測された。ただし,PCMの過渡応答がアナログ移相器の過渡応答に埋もれた可能性が高く,我々のグループで開発されたPCMがどの程度の位相変調周波数まで追随可能であるかについては計測まで至っていない.今後はアナログ移相器の代わりにリング変調器(ミキサ)等を用いることにより,BPSK変調においてPCMが追随可能な位相変調周波数の計測を行う必要がある.また,BPSK復調器を用いた復調信号観測により実際の通信速度を測定することも今後の課題として挙げられる.
著者
末弘 淳一
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

血管内皮増殖因子により誘導される転写因子Egr-1、Egr-3は内皮活性化において中心的役割を果たす。Egr-1、Egr-3遺伝子についてsiRNAを用いたマイクロアレイ・ChIP-seq解析による標的遺伝子の網羅的探索を行ったところ、新規Egr標的遺伝子としてRho GTPaseであるRND1を見出だした。RND1遺伝子周辺のEgr結合領域は転写開始点上流25kbに存在し、レポータ解析からエンハンサ-として働いていることが示された。また、RND1は転写因子NFATcの制御下にありEgr/NFATcシグナルが内皮活性化において重要であることが示された。RND1抑制下で内皮細胞の機能解析を行ったところ増殖、遊走、管腔形成、内皮バリア機能が損なわれた。個体レベルでの解析ではEgr-3抑制下ではB16メラノーマ固形腫瘍進展に阻害が見られる一方、Egr-1ノックアウトマウスにおいて野生型マウスと差異が認められず、in vivoにおける機能の差異が明らかとなった。
著者
小林 奈美
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

認知症高齢者用繰り返し転倒予測尺度(FRAT-D)を用いた、効果的な予防対策を検討した結果、転倒予防運動、転倒予防電子センサー類の使用、転倒アセスメントツールの使用、布団の使用、安全用具の着用が有効であることが示唆された。この尺度は認知症高齢者にのみ有効であり、適用は認知症の診断を受けた高齢者に限るべきである。
著者
阿部 清彦
出版者
関東学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、重度肢体不自由者のコミュニケーションを支援するために、視線によりコンピュータを操作したり、文字などを入力する視線入力システムについての研究が行なわれている。視線入力システムを使用するには、画面に表示されたアイコンを視線で選択するだけでなく入力を決定する必要がある。本研究課題では、ユーザの視線と意識的な瞬目(随意性瞬目)を自動検出することにより、視線と瞬目のみで一般的なパソコンを操作するシステムを開発した。このシステムは、市販のビデオカメラとパソコンから構成されており、汎用性が高く安価である。
著者
堤 千絵
出版者
国立科学博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

さまざまな環境に進出し多様化を遂げた植物の大部分が菌と共生し,植物の陸上への進化には共生菌が重要な役割を果たした可能性が指摘されている.本研究では,地上から樹上へと進化した着生植物に着目し,着生植物の進化に伴う共生菌の遺伝的分化,各菌が植物の生育に与える影響を調査した.ラン科クモキリソウ属の着生種フガクスズムシと地性種クモキリソウでは,菌根菌が遺伝的にわずかながら異なり,菌により植物の発芽率やプロトコーム分化率が異なることから,菌の分化が生育場所の分化に関与していると推定された.ツツジ科の一部の分類群でも分子系統解析や菌の比較を行った.
著者
二河 成男
出版者
放送大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アズキゾウムシゲノムのボルバキアから水平転移したゲノム断片が360kbに及ぶこと、転移断片上の遺伝子は、読み枠が壊れ、転写産物もわずかであり、偽遺伝子化していることを示した。エンドウヒゲナガアブラムシでは、宿主昆虫の必須共生細菌ブフネラを保持する菌細胞で高い発現を示す遺伝子の中に、ボルバキアの近縁種から水平転移した遺伝子が存在することを示した。この転移遺伝子は、その由来とは異なる共生細菌の維持に関与している。
著者
栗本 秀
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

末梢神経内へ運動神経細胞を移植し、神経再支配した骨格筋(MISM)を作成した。成体ラットの坐骨神経を切離し、胎児ラット脊髄神経細胞を、切断した末梢神経内に移植した。MISM の支配神経へ電極を留置し、体外より電気刺激を行い、坐骨神経切断ラットの歩容が改善することを確認した。今まで治療が困難であった広範な末梢神経損傷や中枢神経障害に対し、すでに実用化されている機能的電気刺激(FES)技術と組み合わせることで、全く新しい麻痺筋の機能再建を可能にする。中枢神経系に対する細胞移植と比べ不可逆な変性に陥るまでの治療可能期間が広く、少数の細胞で麻痺筋の機能回復を実現できるため、ES/iPS 細胞を用いた再生医療の臨床応用に近い技術開発であると考える。
著者
下川 勇
出版者
福井工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究はイタリア・ルネサンス最後の建築家であるヴィンチェンツォ・スカモッツィ(1548-1616)の主著『普遍的建築のイデア』(1615)に収められている建築六原理の内容と相関を明らかにしている。
著者
笠原 一人
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

今年度は、まず昨年度から行っている資料調査の一環として、「日本インターナショナル建築会」(以下、「建築会」とする)の「外国会員」の資料が残されたヨーロッパの資料館(ベルリンのAKADEMIE DERKUNST、ウィーンのOsterreichisches Museum fur angewandte Kunst、ロッテルダムのNetherlands Architectural Instituteなど)を訪問し、「建築会」から送られた「外国会員」への書簡などを確認した。その結果、「建築会」が外国会員を募集する際、東京で「建築会」主催の国際建築展を開催すること(実現せず)を目的として会員になるよう呼びかけていたことが明らかとなった。また、本野精吾が設計した旧鶴巻邸および旧大橋邸に残された、本野のデザインによる室内デザインや家具についての現物調査を行った。その結果、建築はモダニズムの方法を実現しているが、室内デザインや家具においては、ウィーン分離派やアールデコ、古典主義などの影響を受けた、装飾を伴ったやや古風な意匠が展開されていることを確認した。最後に2年間の本研究についてのまとめの考察を行った。戦前の関西のモダニズム建築の伝播には、建築運動団体が大きな役割を果たしたと言える。「建築会」は、ヨーロッパの建築運動との直接的な関わりを持ち、会員として高等教育機関の教員や官公庁に在籍する技師などが数多く在籍していたため、その影響は大きかった。また東京の「分離派」や「創宇社」、あるいは「デザム」を率いた西山卯三らの影響を受けて、京都に「白路社」や「鉄扉社」という無名の技術者による建築運動団体も存在した。こうした建築運動団体は、独自の雑誌や展覧会などのメディアを駆使した。それによって「建築会」は海外との直接的な関わりを可能にし、「建築会」の機関誌となっていた雑誌『デザイン』から「鉄扉社」が誕生するなど、複数の建築運動が関連することにもなった。関西の内外で複数の建築運動団体の活動が、互いに関連し合いながらモダニズム建築の伝播に貢献したことを確認できた。
著者
本間 道則
出版者
秋田県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

有機蛍光色素をドープしたネマティック液晶を発光層とした液晶電気化学発光セルにおいて,高い輝度と偏光比を得るための設計指針を見出すために発光の基礎特性を評価した。その結果,陰極の仕事関数の減少が輝度と発光効率の向上に有効であること,フォトルミネッセンスの偏光比が高い色素である方が電気化学発光の偏光比も高くなることを見出した。さらに,コルゲート構造の発光層の導入によって素子の正面方向において効果的に偏光発光が得られることを確認した。
著者
古賀 寛教
出版者
大分大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

近年、水素ガスにフリーラジカル消去作用があると報告されており、その抗酸化作用を期待して様々な薬理作用が研究されている。本研究では、水素ガスを、安全かつ確実に体内に供与するシステムを構築し、さらに、心臓での検討に先立って行ったラットの腎虚血再灌流モデルにおいて、水素水投与による腎機能の改善効果を発見した。この研究により、低用量においても水素が抗酸化作用を発揮していることが推測され、今後、各種病態に応用できる可能性を示した。
著者
下島 昌幸
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

フィロウイルス(エボラウイルスおよびマールブルグウイルス)の感染は、本ウイルスの細胞侵入を担う表面糖蛋白質GP蛋白質をエンベロープとしたシュードタイプウイルスを代替として用いた。シュードタイプウイルスのゲノムにはレポーターとして蛍光蛋白質(もしくは細胞膜蛋白質)の遺伝子が組み込まれているので感染の検出は容易である。フィロウイルスが感染しにくいとされるJurkat細胞にヒト肝臓cDNA libraryを発現させ、上記のシュードタイプウイルスの感染性が上昇するようなcDNAの探索を行った。エボラウイルス・マールブルグウイルスのどちらのGP蛋白質を用いた場合もカルシウム依存性レクチンのLSECtinという分子を感染性を上昇させる分子として同定した。cDNA libraryを発現させる細胞としてK562細胞(やはりフィロウイルスが感染しにくい)を用いた場合も同じであった。LSECtin分子は主に肝臓やリンパ節の類洞内皮細胞に発現しているが、フィロウイルスはマクロファージや肝細胞を含めた様々な細胞に感染するため、本ウイルスは感染標的によって異なる分子を侵入に用いていると考えられた。次にヒト由来細胞株(HeLa細胞・HT1080細胞)でマウスを免疫し、上記シュードタイプウイルスの感染阻止を指標としてハイブリドーマをスクリーニングしたが、感染を阻止するような抗体は得られなかった。18年度の結果も含め、フィロウイルスの感染に関わりうる分子としてTyro3ファミリー・C型レクチンがあることが分かったが、これら以外にも未同定の分子があることも分かった。GP蛋白質による免疫沈降など、他の実験方法も用いる必要性があると考えられた。
著者
西野 厚志
出版者
京都精華大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

2015年、谷崎潤一郎(1886~1965)は没後50年を迎え、決定版谷崎潤一郎全集(全26巻、2015~2017)が刊行されるなど、国内外を問わず関心が高まっている。その約半世紀にもわたった執筆活動は言論統制との衝突の連続でもあった。本研究では、自筆原稿や書簡といった肉筆資料の調査に基づいて、検閲制度との関わりを明らかにし、谷崎の文学的営為の意義について考察した。
著者
押山 美知子
出版者
専修大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は少女マンガ誌に掲載されたスポーツする少女を主人公とする作品(以下、スポーツ少女マンガ)の盛衰を明らかにすることを目的に、六〇年代から八〇年代までのスポーツ少女マンガを取り上げ、ヒロインの表象をジェンダー批評の観点から分析し、その歴史的変遷を検証したものである。国会図書館所蔵の主要少女マンガ誌12誌を調査し、六〇年代の80作、七〇年代の374作、八〇年代の231作の計685作について分析した結果は以下の通り。1.七〇年代まではスポーツと人生が一体化したヒロインが多く描かれ、身体描写にもリアリティが求められた。2.八〇年代はヒロインにとってのスポーツの重要度が低下し、楽しむ姿勢が見られた。
著者
高岡 智子
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

当該年度は、東ドイツのポピュラー音楽に関する「保存」、「普及」、「教育」に焦点を絞り、2月下旬から3月中旬にかけて約1ヶ月間、ベルリン及びクレペリンでインタビュー調査と資料調査を実施した。インタビュー調査は、クレペリンにある東ドイツロック博物館(Ostrockmuseum)、東ドイツ時代にポピュラー音楽専門のミュージシャンを養成していたフリードリヒスハイン・クロイツベルク音楽学校でおこなった。資料調査は、ベルリンの教育史研究図書館(BBF:Bibliothek fuer Bildungsgeschichtliche Forschung)、ベルリン州立文書館、フンボルト大学図書館、フリードリヒスハイン・クロイツベルク音楽学校資料室で実施し、東ドイツ独自の芸術ジャンル「娯楽芸術」に関する資料、東ドイツの音楽教育の歴史研究に関する資料、さらにポピュラー音楽教育の指導要領に関連する一次資料を収集することができた。当該年度の成果は、論文「東ドイツが〈創った〉ポピュラー文化―若者、デーファ(東ドイツ映画)を観に行く」として書籍『地域主権の国 ドイツの文化政策 人格の自由な発展と地方創生のために』(美学出版、2017年9月)に掲載された。さらに、第29回日本ポピュラー音楽学会年次大会(2017年12月2-3日 於関西大学)で「ポピュラー音楽の制度化―冷戦期から 2000 年代までの『教育される』ドイツ・ポップスの成り立ち―」について発表した。また、シンポジウム「芸術家の肖像-文化的記憶・評伝・映画」(2018年2月20日 於神戸大学)では、「ドイツポピュラー音楽と文化的記憶―亡命ユダヤ人作曲家の映画音楽からポップアカデミーによる国家介入型ポップスへ―」について講演し、本研究を文化的記憶という文脈から検討するよい機会になった。
著者
松本 明善
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

二ホウ化マグネシウム(MgB_2)は金属系超伝導体として高い超伝導転移温度や上部臨界磁界等のポテンシャルを有しているにもかかわらず、十分な臨界電流密度(J_c)特性が得られていなことについて粒間における電流経路有効断面積(コネクティビティ)を含めた観点から研究を行ってきた。MgB_2超伝導線材において高いJ_c特性を得るためには、線材内部にある空隙を極力少なくすることが重要である。このために我々は不純物添加等を行ってきた。不純物の中には芳香族化合物などのように、結晶粒界の結合性を改善し、コネクティビティーを向上させ、J_c特性を向上させるものが存在することがこれまでの研究でわかった。
著者
松元 達也
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

今年度前半では、前年度からの継続的な実験により実験データの再現性を確認するとともに、直径2、3、4、5及び6mmのアルミナ球形粒子を用い、蒸気流量及び粒子層厚さをパラメータとする粒子層の運動挙動に関する系統的に詳細な実験を行った。ここでは、同一の蒸気流量では粒径が小さい程、粒子層内の流路における蒸気泡の粒子に対する抗力の効果が大きくなり粒子層を流動化するのに対し、粒径が大きくなると蒸気泡は粒子層内の流路をすり抜けるように流れ、粒子に対する抗力の効果が小さくなり流動性は小さくなることを明らかにした。また、二次元矩形体系水槽による粒子層内部の沸騰開始の挙動を可視化し、層内部での沸騰及び運動挙動の詳細を明らかにした。今年度後半では、原子炉の炉心損傷事故時に形成されるデブリが平均数百μmのオーダーにあることから、500μm及び1mmの先に用いた固体粒子に比して小さな粒子の挙動特性に注目し、小径粒子に対応した実験水槽を新たに製作し、また粒子物性の影響を評価するために密度、熱伝導率等が大きく異なるアルミナ及びジルコニアの両粒子による比較実験を行った。ここでは、アルミナの小径粒子は沸騰により大きく流動し、蒸気泡の粒子層内での合体が観察されるが、高比重のジルコニアの小径粒子の場合では、アルミナの場合に比して流動性は小さく、粒子層内における蒸気泡は分散的な挙動であり、両者の挙動には顕著な差異が見られ、密度と表面の濡れ性等の物性の違いが流動挙動に大きく影響することを明らかにした。さらに、粒子形状による流動挙動への影響を評価するために、球形と非球形のアルミナ粒子による同条件の比較実験を行い、球形粒子において早い段階で分散的な沸騰挙動に移行することに対して、非球形粒子では初期段階で粒子層に形成される単一流路での沸騰挙動がある段階で急激に周囲に広がる挙動を示すことを明らかにした。
著者
高井 伸彦
出版者
長崎国際大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

認知機能の低下は,脳腫瘍や小児白血病における放射線療法に限らず肺がんにおける化学療法においても生じる副作用の一つである。炭素線および陽子線を脳局所に照射した脳腫瘍治療モデル動物の場合,晩発期では実際の治療線量の1/2〜1/3線量である15-30Gyの照射により,記憶の獲得過程の障害が生じることを明らかにし,またその障害の要因として,海馬神経細胞数の選択的な減少が関連していることを明らかにした。
著者
中村 征樹
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、研究不正問題が国際的にももっとも早い時期に「問題化」された米国の事例に着目し、研究不正行為が研究者コミュニティのみがかかわる問題としてではなく、科学者コミュニティの外部(社会)にとっても重要な問題として認識され、研究不正への取り組みが開始し、研究者倫理が生成・制度化してきた経緯を明らかにした。また、1990年代以降の研究倫理問題の国際化の進展についても明らかにすることで、研究者倫理の国際比較を行い、米国における「研究者倫理」の生成プロセスの特質を浮き彫りにした。