著者
重近 範行 中村 修 村井 純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.1234-1242, 2002-08-01
被引用文献数
2

本論文では,規模や時間的制約,双方向コミュニケーションを考慮した,インターネットを用いたイベントにおける新しいコミュニケーションモデルを提案する.イベントにおけるコミュニケーションでは,会場における場の共有がイベントの成功に特に大きな影響を与える,しかし,テレビ放送や既存のインターネット中継では,場の共有という重要な要素が考慮されていない.本モデルに従って規模や時間的制約に対応でき,場所に依存しない双方向コミュニケーション支援システムGayaを設計・実装した.また,Gayaシステムを用いて,慶應義塾大学環境情報学部の授業・渋谷駅前などで実証実験を行い,本システムの有用性を明らかにした.
著者
田中 宏季 柏岡 秀紀 キャンベル ニック
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.225, pp.49-54, 2011-09-29

我々は相手のパラ言語や笑いなど声によって変わる情報から,Engagementという次元で対話相手の興味レベルをセンシングし,自閉症児に視覚情報を含み伝達するシステムの開発を最終目標とする.コンピュータを用いたEngagement Sensingの初期段階として,人間の気持ちや意図が表出されやすいと考えられる笑い声に注目する.本稿では,笑いが4種類に分類されることを示し,その「笑い分類」を自閉症児がどの程度識別できるのか,また実際に自閉症児を指導している先生の笑いアノテーション結果を分析し,その音響特徴量について議論する.最後にSVMによるcloseでの自動識別を行い,58%の正解率を得た.
著者
跡部 裕貴 泉 正夫 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.606, pp.25-30, 2007-03-09

本稿では,映像整理や視聴に要する労力軽減のために,サッカーの試合における試合中断区間に注目したイベント推定の手法を提案する.サッカーの試合ではイベントが発生すると一旦試合が中断される場合が多く,その中断区間からは原因となったイベントを推定するために有効と考えられる特徴量が得られる.提案手法ではまず,ショットの分割・分類,プレイ・ブレイクの分類などの映像の整理を行う.その後,ブレイク区間からブレイク時間,スローモーション映像の回数などの特徴量を抽出する.そして,学習データから得られたパラメータに基づきイベント推定を行う.実際の試合映像に対し実験を行い,提案手法の有効性と今後の課題についての検討を行った.
著者
松田 繁樹 林 輝昭 葦苅 豊 志賀 芳則 柏岡 秀紀 安田 圭志 大熊 英男 内山 将夫 隅田 英一郎 河井 恒 中村 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.2549-2561, 2013-10-01

本論文では,独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が開発した世界初のスマートフォン用多言語音声翻訳アプリケーション"VoiceTra"を用いた大規模実証実験に関して,VoiceTraシステムの概要,クライアントサーバ間の通信プロトコル,本システムで用いられた多言語音声認識,多言語翻訳,多言語音声合成の詳細を述べる.また,本実証実験中に収集された約1000万の実利用音声データの一部について,聴取による利用形態の分析,更に,実験期間中に行った音声認識用音響モデル,言語モデルの教師無し適応,言語翻訳用辞書の追加に対する音声認識,音声翻訳性能の改善について述べる.
著者
高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.718-726, 1996-11-25
被引用文献数
60

環境電磁工学(EMC)のうちの電磁波の測定と電磁妨害波(EMI)に関する測定とその関連技術で,我が国が世界に先がけて貢献してきた妨害波測定器,サイトアッテネーションの問題,あるいは今から大いに貢献できると思われる電磁界の測定,静電気放電(ESD),通信設備のEMIとイミュニティの測定の5項目に焦点を絞って記述している.電磁界測定については,我が国で実用化を目指して開発してきたマッハツェンダー干渉計を用いた電界センサ,球状ダイポールアンテナ,広帯域標準ダイポールアンテナについて,その構造と特性が述べられている.静電気放電に関しては,これが極めて特異な性質をもち,末解明の部分を多く残していること,特に間接ESDど称されている現象が電子機器のEMI問題として重要であることが述べられている.妨害波測定器とサイトアッテネーションの問題は国際標準化に大きく貢献していることが述べられ,我が国が世界をリードしてきたことを述べている.通信設備のEMIとイミュニティの測定法は目下焦眉の問題として標準化が進められており,これについても,我が国は世界をリードしてきており,現在もこれを強力に牽引していることを述べている.
著者
宮田 辰彦 隈井 裕之 寺本 やえみ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.79, pp.13-18, 2007-05-25

近年,ナレッジ産業を中心に,企業内での情報共有の効率化から一歩進んだ社員間の自発的な情報交換による情報共有促進,新アイデア創出が重要視されつつある.各社はBlogやSNSの様なコンシューマサービスを企業内に試験的に導入して新たな可能性を模索している.今までのグループウェアは企業内での作業効率向上に注目して設計されているが、これからのシステムは新しいコミュニケーションの発生に着目して,新たな設計思想で検討を進める必要がある.情報共有や新アイデアの創出はコミュニケーションにより実現するからである.我々は,コミュニケーションは人物同士のインタラクションにより実現されるがゆえに,コミュニケーションの成功には互いのモチベーションが非常に重要である事に着目した.本稿では,互いのモチベーションを上昇させる為に必要な要素について検討し,コミュニケーションをよりスムーズに進められる議論相手を探す為に必要な機能を提案する.
著者
三輪 佳子 福田 浩一 坂倉 宏 林 洋一 甲斐 和彦 黒田 茂樹 西 謙二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術
巻号頁・発行日
vol.95, no.231, pp.55-62, 1995-09-14
被引用文献数
1

GUIベースの統合プロセス/デバイス/回路シミュレーションシステムUNISAS-Xを開発した。シミュレータを含む各種プログラムを用途に応じて自在に組み合わせて計算を行なうことの出来るフレキシブルなシステムである。多重の条件によるシミュレーションを行なって多数の計算結果の比較をする作業も容易である。オンラインマニュアルも完備した。また、シミュレーションに熟練していないユーザやデバイスそのものに関する知識にまだ乏しい初心者ユーザでも、シミュレーションを容易に行なったりデバイスに関する学習を行なえるように、エキスパートシステムを搭載した。さらに開発者によるメンテナンスの容易さをも考慮した。
著者
仲谷 美江 清水 真澄 加藤 博一 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.742, pp.7-12, 2004-03-18
被引用文献数
4

思い出は、個人的なものであると同時に話題として用いられることも多い。懐かしさを共有できれば相手に対する親しみが増す。ここでは共同想起の対人機能を利用し、古い流行歌を流して懐かしさを語り合う共感コミュニケーションの場を提供する。流行歌は広く繰り返し人々の耳に入り、多くの人にとって時代を思い出すきっかけになりやすい。特に青春時代の曲は心に残ると言われている。そこで、ユーザの年齢から中学〜高校時代の曲を推定再生し、ユーザの発話状態から曲の適不適を判断して次の曲を再生するというオルゴールシステムを試作した。
著者
中川 聖一 山本 誠治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.2139-2145, 1996-12-25
被引用文献数
9

本論文では,対話方法と被験者の違いによる振舞いや主観の違いの検討を行うために,"Wizard of Oz法"でインプリメントしたシステムを用いて評価実験を行った."Wizard of Oz法"とは,システムに精通した人(ウィザード)がシステムの代わりに処理を行うことによって,あたかもシステムが存在しているかのように見せかける実験方法である.評価実験で用いたタスクは,"富士五湖周辺の宿泊施設案内"で,対話方法としてはシステム主導型とユーザ主導型の二つを用意した.また,被験者として情報工学系の学生と工学系でない一般の女性を選び,合計16人で実験を行った.評価実験で得られた対話データをもとにユーザの平均発話数,1発話当りのユーザのシステム占有時間,聞き直し,間投詞,言い直し,単語カバー率について詳しく検討した.その結果,ユーザの平均発話数はシステム主導型の方が多くなるが,ユーザのシステム占有時間はユーザ主導型の方が長くなることわかった.また,間投詞,言い直しはユーザ主導型の方が多く出現することわかった.更に,システム主導による入力の方がユーザ主導に比べて使用される単語にかなりの制限が加えられることが確認できた.
著者
栗林 英範 石榑 康雄 陶山 史朗 高田 英明 伊達 宗和 畑田 豊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.173-179, 2008-02-01
参考文献数
17
被引用文献数
2

Depth-fused 3D表示原理を利用した2限式立体ディスプレイの微小な奥行再現方法を用いたときに,再現可能な最小の奥行量を調べ,奥行提示分解能の限界について検討した.この表示方法は,左右眼像のエッジ部分の狭い領域の輝度分布を変化させることで,微小な奥行を再現できるようにする.その結果,エッジ領域の幅が約2min of arc以下のとき,奥行弁別精度は約5視角秒となり,人間の両眼網膜像差弁別限界とほぼ同等であった.したがって,この提示方法により,人間の奥行弁別能力を満足させる微小な奥行が再現できる.
著者
小菅 義夫 系 正義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.11, pp.2397-2406, 2003-11-01
被引用文献数
18

追尾フィルタは,目標位置を観測値として,位置,速度,加速度など限りなく真値に近いものを推定する.その代表例は,3次元空間の追尾を1個の追尾フィルタで実現するカルマンフィルタを使用したものである.また,α-βフィルタは等速直線運動モデル,α-β-γフィルタは等加速度運動モデルを使用した1次元空間用の追尾フィルタである.なお,カルマンフィルタもα-β(-γ)フィルタも線形フィルタの一種である.ここで,α-β(-γ)フィルタでは,初期値算出から十分時間が経過した場合の位置の定常追従誤差の値が既知である.しかし,3次元空間用の追尾フィルタでは定常追従誤差の算出式が報告されていない.本論文では,3次元空間において,目標位置ベクトル及び目標位置ベクトルのn階までの時間微分値からなる目標運動諸元を推定する線形フィルタで構成される追尾フィルタの定常追従誤差の算出式を導出した.なお,目標は位置ベクトルのn+1階の時間微分値が一定で運動すると仮定した.この結果,位置の定常追従誤差は,サンプリング間隔と追尾フィルタの目標位置ベクトルのn階の時間微分値に対するゲイン行列の逆行列の積に比例することがわかった.
著者
亀田 壽夫 李 頡 李 頡 李 頡 細川 督央
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.105, pp.49-56, 2000-06-02

分散コンピュータシステム等は、その使用形態に応じて、完全な集中から完全な分散にいたるまで、性能最適化目標に対する種々のレベルの分散を考えることができる。本研究では、中間的な分散最適化において、システムに資源を増強すると、かえって全てのユーザに対して性能が劣化することがあるという逆説的現象を見出した。また、そのような劣化が生ずる条件を求めた。さらに、そのような劣化が限りなく大きくなる場合があり得ることを示した。このようなパラドックスを、分散コンピュータシステムのモデルについて論じ、数値的ならびに数理的結果を述べた。
著者
小林 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.261, pp.33-40, 1998-09-10
被引用文献数
4

音声分析の代表的な手法の一つであるケプストラム分析法について概説する.まず, オリジナルのケプストラム法について, ケプストラムや複素ケプストラムの定義とその性質, 準同形逆たたみ込みの概念を簡単に述べた後, 実際の音声分析への適用例を示す.次に, スペクトル推定の観点から, より良い対数スペクトルの推定値を求めるための手法として, 対数スペクトルの不偏推定と一般化ケプストラムモデルに基づいた音声分析法を述べる.さらに, 聴覚周波数スケールを導入した指数形モデルに基づくメルケプストラム分析について述べる.また, 他のスペクトル分析パラメータとケプストラムとの関係やケプストラムパラメータへの変換式, 各手法による音声スペクトルの推定例もあわせて紹介する.
著者
崎山 朝子 大平 栄二 佐川 浩彦 大木 優 池田 尚司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.182-190, 1996-02-25
被引用文献数
60

本論文では, リアルタイムで3次元コンピュータグラフィックスの手話アニメーションを合成する方法と, その評価について述べる. 聴覚障害者に, より多くの情報を, 状況に合った手話表現で迅速に伝えられるようにするためには, 変更が簡単なコンピュータグラフィックスで手話が表示できる必要がある. 本研究では, 自然な手動作を実現するために, 人間の手動作を計測したデータを用いて手話アニメーションを合成した. また, 3次元空間の手の位置関係を正確に伝えるために, 遠近表現を誇張する方法を開発した. 更に, 作成した手話アニメーションと日常で用いられている実写画像の自然さとわかりやすさをSD法を用いて評価し, 両者を比較した. この結果, (1)手動作のみの手話で, 手話アニメーションで約8割, 実写画像で約9割が正確に伝わること, (2)手話アニメーションの手動作の自然さは, 実写画像に近いこと, (3)手話アニメーションで手の位置関係を正確に伝えるためには, 遠近の誇張だけではなく, 実写画像に近い手の陰影表現も必要であることがわかった.
著者
大澤 幸生 ベンソン ネルス E 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.391-400, 1999-02-25
被引用文献数
108

文書検索において, 検索対象となる各文書からキーワードを抽出しておくことは, 検索時間の短縮と検索結果の質の向上の両面において重要である. 本論文では, 文書の主張の内容を表すキーワードの抽出を目指す. そのようなキーワードは文書の要約をしたり, ユーザの検索語に近い主張をもつ文書を検索したりするのに役立つであろう. このような目的にとっては, ユーザの興味に関連する既存分野を代表する文献を選ぶ場合とは違い, 検索対象文書の著者独特の考えを把握する新たな技術が必要となる. そこで本論文では, 文書は著者独自の考えを主張するために書かれており, その考えを表すために内容が構成されるという仮定に基づき, 共起グラフの分割・統合操作によってキーワードを抽出する新しい手法KeyGraphを提案し評価する.
著者
中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.351-359, 2005-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
57

無線通信といえば3000GHzまでの電波利用と, 赤外線利用のいずれかと思われていた.見える光を利用する可視光通信について述べていきたい.見える光は電波と同じ波の一種なので, 当然ながら, 情報を伝えることができる.ここでは可視光通信の可能性をユビキタス通信システムの一員として論じる.
著者
水井 潔 内田 雅敏 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.342-349, 1995-05-25
参考文献数
11
被引用文献数
85

本論文では,通信と測距を同時に行えるスペクトル拡散方式を用いた車両間通信・測距統合システムを提案する.提案システムでは,自車が送出したPN信号に対象車が情報を乗算,再送出することで,自車はスペクトル拡散復調によって対象車の情報を把握できると共に,送受したPN信号の位相差を検知することで対象車との間の車間距離を正確に測定することができる.また,対象車がシステム搭載車でなくても自車は送出したPN信号からの反射波のみで従来のスペクトル拡散レーダと同様に車間距離は測定できる.本システムを有効に利用し,相互の車両情報や運転者情報を通信し,車間距離を測定することで,事故を未然に防ぐだけでなく,渋滞のない円滑な運転が可能となる.計算機シミュレーションの結果,併走車または対向車からの干渉波が混入する場合でも自車において対象車の情報が復調できると同時に車間距離が測定できることが確認された.
著者
青木 義満 橋本 周司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.573-582, 1999-04-25
被引用文献数
27

マン・マシンインタフェースにおける擬人化エージェントや, 映像エンターテイメント分野, 医療分野等さまざまな分野において, 人物の顔形状モデルを用いて顔画像を合成する研究がなされている. その中でも顔の物理的なモデリングの手法は, 自然な表情合成が可能なだけでなく, 筋肉の挙動に対する表情変化をシミュレートできるという利点があり, 既にいくつかのモデルが提案されている. 本論文では, 頭部の3次元CTデータから顔表面及び骨格形状データを取得し, 解剖学的な知見を基に皮膚・表情筋のモデリングを行うことで作成した, 正確な形状とリアルな表情生成機構をもった物理モデルを提案する. また, このモデルを用いた表情生成実験を通して, 表情筋の収縮とそれにより生じる顔面変形との対応関係を調べた. また, 解剖学的に精巧であるというモデルの特性を生かし, 医学的な応用を検討する.
著者
小林 正幸 西川 俊 石原 保志 高橋 秀知
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.96, no.243, pp.1-6, 1996-09-13
被引用文献数
12

我々は, 高速で文字入力が可能な日本語高速入力システム (ステノワードPCシステム) を2セット用意し, 1セット目で会話内容のひらがな入力とかな・漢字変換を行い, 他のセットで誤字, 脱字等の修正を行う, より正確な字幕をリアルタイムで提示可能な新システムを開発したので, このシステム (連弾入力方式RSVシステム) の機能や特徴, 講義場面での使用結果について報告する.
著者
猪木 誠二 渡辺 錬士 呂 山
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.987-995, 2001-06-01
被引用文献数
41

1, 500語に及ぶ手話単語動作データベースの作成, 及び動作データから手話アニメーション文を作成・編集するためのツールを開発した.動作データベース作成の際の手話単語選択にあたっては, 聴覚障害者へのヒアリングを行い, 普段の生活で不便を感じている場面と状況を調査することで抽出した.動作データは, モーションキャプチャ手法とデータグローブを併用することで, 聴覚障害者の手話から作成した.手話単語アニメーションは多関節構造をもつ3次元キャラクタモデルの関節を動かすことで行った.手話アニメーション作成・編集ツールは, 日本語の文を入力すると口形が付加された手話アニメーション文が生成される.また, 手形, 動作開始位置, 及び動作プリミティブからの手話単語の検索も可能なユーザインタフェースも準備している.更に, 手話は表情・ジェスチャが聴覚障害者の言語の一部となっていることから, 手話に頻繁に付随する表情とジェスチャも手話アニメーション文に付加, 編集できるようになっている.聴覚障害者による評価実験を行った結果, 220単語については, 平均で93.2%の単語を同定することができた.また, 20文については平均82.5%を正確に理解, 10.0%をほぼ理解できた.