著者
三日市 政司 加藤 滋 西塚 典生 高橋 章 佐藤 利三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.93, no.280, pp.79-84, 1993-10-21

直線状アンテナにパルスを給電した場合、終電点およびアンテナ素子の先端からパルスが放射される。従って放射電磁界はパルスの幅およびパルスの大きさの両面の考察が必要である。本論は特に、アンテナの素子軸方向の放射特性につき考察を行った。
著者
西村 竜一 西原 洋平 鶴身 玲典 李 晃伸 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.789-798, 2004-03-01
被引用文献数
65

実環境下での音声インタフェースの研究プラットホームとして,生駒市北コミュニティセンターの音声情報案内システム「たけまるくん」を開発した.本システムは,大語彙連続音声認識を基礎とする一問一答形式の音声インタフェースをもち,同センターや生駒市に関する受付案内を可能とする.システムはセンターのエントランスに常設され,開館時は誰でも自由にエージェントとのコミュニケーションを楽しむことができる.ユーザとシステムとのインタラクションの観察を目的とした5か月間にわたる本システムのフィールドテストを実施し,ユーザによる発話ログの収集を行った.本論文では,はじめに音声インタフェース部を中心に本システムの構成について説明する.フィールドテストの結果,男女幅広い年齢層のユーザによる発話を含む約1,362分の音声データを収集した.その分析の結果から,大人と子供で発話内容の傾向に違いはあるが,本システムは有効に利用されていることを示す.実験では,実際のユーザ発話によるベースラインの認識性能の評価を行い,大人に対して86%の単語認識率と76%の応答正解率を得ることができた.しかし,子供のユーザに対する精度が十分でないなど,音声インタフェースの実用化に向けて多くの課題が残されていることを確認した.
著者
今城 健太郎 長谷川 剛 谷口 義明 中野 博隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.455, pp.93-98, 2011-02-28
参考文献数
22

現在,数時間以内の降水量の予報は,雨域を観測しその移動を補外する方法によって行われている.これは補外法が,数時間以内の予報においては,物理法則に基づき大気の状態変化を計算を行う方法に比べ,同程度の精度を得るのにかかる計算時間が短いためである.一方,近年多発している都市型水害をもたらす集中豪雨を早期に発見し予報を行うには,現在気象庁が予報に用いている気象レーダーでは解像度および観測頻度ともに十分とは言えない.これに対し,より高解像度かつ高頻度な観測データを得るため,現在の気象レーダーより高性能なレーダーの配備が進んでいる.しかし現在,そのような高性能レーダーを用いた降水量の恒常的な予報は行われていない.そこで本稿では,高性能レーダーの観測結果を用いて分単位の降雨予報を行う手法を提案する.提案手法は複数の時刻の観測データを基に,ブロックマッチングアルゴリズムを用いてオプティカルフローを検出し,それ以後の雨域の予報を行う.評価の結果,気象庁が提供している予報情報であるナウキャストと比較し,5分後から1時間後の以内の予報において,25%以上高い精度が得られることを確認した.
著者
安部 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, pp.331-332, 1996-09-18

フラットパネル・ディスプレイ技術は各種の競合技術と顧客・市場性とが実に深く関連して多様化しながら進化しているが、主流はやはりTFT-LCDとCRTであろう。TFTは半尊体技術と多くの共通性を有するが、微細加工技術の進展に伴うLSI集積度の向上によるシリコンサイクルと異なり、表示画面サイズの拡大による短周期のクリスタルサイクルがあり、マジックプライス(5万円)に到達したといわれており需給バランスの制御が重要となっている。低コスト化は依然として重要課題であるが、マルチメディア対応のシステム・ディスプレイとしてはパフォーマンスにおいて部分的に顧客満足度は達成しているもののトータルの画質に関してはCRTを大きく凌いでいるとは言い難い。現状のTVに代表される映像システムとコンピュータ・通信からの情報システムの両者が融合されたマルチメディア・ディスプレイの実現に向けて、顧客の要求は複雑・多様化しているが、画質の高品位化の要求性能は自ら異なるものである。ここでは映像と情報表示の2つの側面からマルチメディア時代の高品位ディスプレイ技術を私見を交えて概観する。
著者
春山 功 吉田 悟 元井 文子 山崎 勉 相原 公久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.242, pp.25-30, 1997-08-29

広域保守体制下においては集約による効率化の実現やサービス品質の確保のために, 広域保守拠点からの遠隔監視・制御による保守の体制を確立することが急務となっている. 我々は, サービス回復・立会・機械室管理業務をターゲットとして取り上げ, これら業務を遠隔で実施するための機能を抽出し, 本結果に基づき映像・音声・センサ・データ等のマルチメディア情報を有機的に活用して総合的な監視・制御を実現する広域監視システム(Iwatch)の基本構想の提案をした. 更に, 一部機能を実現したシステムの実運用における評価結果等についても報告する.
著者
星 健太郎 加納 貞彦 高橋 敬隆 金田 茂 品川 準輝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.42, pp.91-96, 2006-05-11

携帯通信ネットワークでは,固定通信とは発想を異にしたユーザ誘導型トラフィック制御が注目を浴びている.ネットワークの輻輳(例えば花火大会の)時に,ユーザ端末に輻輳であることを表示するとともに,ユーザに通信しやすい場所を推奨する空間分散型制御・時間をずらして通信を促す時間分散型制御・音声からメールに代替メディアを提示するトラフィック縮退型制御が提案されている.しかしながら,ユーザの視点からこれらの制御を評価した検討は殆ど行なわれていない.本稿では,AHP(解析的階層過程)を用いてアンケート調査結果を分析することにより,ユーザ誘導型トラフィック制御に対するオピニオン評価手法を確立している.まずインターネットを介してユーザが容易に回答可能なwebサイトを構築している.次に,AHPの常套手段である一対比較行列計算ならびにその行列に対する固有値問題を解くことにより,ユーザ個々が抱く制御に対する不満度を定量化している.更に,回答結果の無為矛盾性を表すCI(整合度)値を閾値として使い,矛盾ある結果を出したアンケート回答者を除外することを提案する.アンケート回答者全体の意思を表す言わば集団一対比較行列の各成分は閾値をクリアしたユーザに対する一対比較行列該当成分の幾何平均を採ることにより作成している.このようにして得られた集団一対比較行列の最大固有値に対する固有ベクトルを求めることにより,集団意見としての不満度を定量化することに成功している.最後に,どのユーザ誘導型トラフィック制御に対するユーザ不満度が最大化するかが具体的・定量的に明らかになる.
著者
小松 佐穂子 箱田 裕司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.513, pp.7-12, 2001-11-11
被引用文献数
1

本研究では髪の色が人物印象に与える効果と顔の平凡性-個性との関係について検討した。80名の被験者に画像処理によって髪の色を変化させた日本人男女の顔画像を呈示し、16の印象評定項目について7段階尺度を用い印象評定を行なった。得られたデータをもとに因子分析を行なった結果、一般的望ましさ、快活性の2因子が抽出された。各顔刺激の平均評定値を用いて分散分析を行なった結果、一般的望ましさ、快活性の因子それぞれにおいて髪の色の効果が認められた。また、髪の色と顔の平凡性-個性の交互作用が認められた。これは髪の色は顔の印象形成に影響を与えること、さらに顔の平凡性-個性と相互に作用して影響を与えることを示唆している。
著者
七夕 高也 石塚 徹 篠村 知子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.945-948, 2003-12-01
参考文献数
9
被引用文献数
2
著者
藤原 靖宏 入江 豪 北原 友恵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.1178-1187, 2013-05-01

Affinity PropagationはFreyらによって近年提案されたクラスタリング手法である.Affinity Propagationはk-means法などに代表される既存のクラスタリング手法よりクラスタリング精度が良いため,様々な分野において用いられている.オリジナルのAffinity Propagationでは全てのデータポイント間でメッセージと呼ばれる値を繰返し収束するまで計算する.しかしこのオリジナルの手法はデータポイントの数の2乗の計算コストを要するため,データポイントの数が多い場合は非常に計算時間がかかるという問題点がある.本論文では収束後においてオリジナルのAffinity Propagationとクラスタリング結果が同じになることを保証する高速化手法を提案する.提案手法は(1)収束値を計算するのに不必要なデータペアを枝刈りするアイデアと,(2)枝刈りされたデータペアの収束値を枝刈りされなかったデータペアの収束値から計算するアイデアから構成される.実データを用いて比較実験を行い,提案手法はオリジナルの手法より高速にクラスタリングを行えることを確認した.
著者
平賀 正基 水越 一貴 中井 真悟 八代 一浩 安藤 英俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.30, pp.55-60, 2007-05-03
参考文献数
6

近年,イベント中継や映画,アニメ,スポーツなどの動画像をインターネットでストリーミング配信することが多く行われてきている.そのような中でYahoo動画やYouTubeをはじめとしてWebページにストリーミングを埋め込んで配信することが一般的になりつつある.Webページ埋め込み型のストリーム配信においてはストリームに連動してWebページが更新されることが多い.しかし,この更新はソースファイルの変更時や一定時間を経過した時にしか行われない.これらの更新をストリームのシーンに応じて変更することができればストリームだけではなくWebページにも視聴者の注目を集めることが可能になる.本研究では,花火大会のWebページ埋め込み型ストリーミングにおいて花火の合間を検出しWebページを動的に変更するシステムの構築を行った.このシステムを実際に使用しその効果を検証した.
著者
福田 武司 船木 那由太 倉林 智和 秋山 真之介 鈴木 美穂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.333, pp.29-32, 2012-11-28

周囲のpHで発光強度が変化する有機色素と半導体ナノ粒子の蛍光共鳴エネルギー移動を利用したpHセンサーは、次世代の診断材料として幅広い用途での展開が期待される。ここで、半導体ナノ粒子には可視光の発光や低い毒性という特徴を有しているInPを用いることが、今後の用途展開を考える上で重要となってくる。本論文では、高効率で赤色領域での発光を示すInP/ZnSナノ粒子蛍光体を作製するために、高いバンドギャップを有するZnS層のソルボサーマル法を用いたコーティング条件(前駆体溶液のpH)を最適化して、25.1%のフォトルミネッセンス量子効率を得た。また、このInP/ZnSナノ粒子蛍光体の周囲にpHに対してフォトルミネッセンス強度が変化する5-(and-6)-carboxynaphthofluorescein, succinimidyl esterを結合させることで、InPからの蛍光共鳴エネルギー移動による発光を確認した。さらに、InPと有機色素のフォトルミネッセンス強度比はpHによって変化することを確認し、pHセンサーとして機能することを実証した。
著者
山根 信二 馬場 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.343, pp.7-12, 2004-10-09

本研究では,近年のコンピュータ史研究の動向に基づき,従来の技術史や産業史では扱われなかったビジネスモデル形成の史的展開に注目する.特に,初のアプリケーションソフトウェア販売企業であるPersonal Software社(のちのVisiCorp社)に注目し,そのビジネスモデル確立過程においてビジネススクールの手法,コンピュータゲーム市場,そしてホビイスト集団が果たした役割を検証する.そしてソフトウェア企業がビジネスモデルを確立する際の社会的技術的条件を明らかにするとともに,パーソナルコンピュータ産業において新たな産業構造への転換が起こった要因を解明する新たな視点を示す.
著者
吉浦 紀晃 佐山 弘和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.484, pp.311-316, 2012-03-08

Access Control Listは、Layer3スイッチやFirewallなどのネットワーク機器において、どのようなパケットを通過させ遮断させるかを記述したものである.Access Control Listはネットワークトポロジーやセキュリティポリシーの変更、セキュリティインシデントの発生などで変更されることがある.ネットワーク管理者はその度に変更することになるが、この変更が積み重なるとAccess Control Listには冗長な記述が増えてくることがある.ネットワーク管理者がAccess Control Listを書き換える場合、その前後でAccess Control Listの意味が変わっていないことを確認する必要がある.本論文では、2つのAccess Control Listの等価性を判定するためのテストケースの作成方法を提案する.このテストケースはパケットであり、2つのAccess Control Listをそれぞれ設定したときのこのパケットを透過性をチェックすることで、2つのAccess Control Listの等価性を判定する.
著者
奥村 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.1054-1059, 2008-12-01
被引用文献数
7

本稿では,ブログから情報を抽出,発掘する,幾つかのブログマイニング手法について概説するとともに,実際に既にサービスとして提供され始めているブログマイニングシステムの事例を紹介する.
著者
瀧 剛志 長谷川 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1802-1811, 1998-08-25
参考文献数
13
被引用文献数
38

本論文では, チームスポーツにおける集団行動を映像に基づいて定量的に評価するための基本的な特徴量について検討する.ここで提案する特徴量は, 集団動きの中で各個人がつくる一種の勢力範囲である.本論文では, これをボロノイ領域の一つの拡張として定式化し, 人間の近似的な運動モデルを用いた具体的な計算方法を示す.この勢力範囲を実際にサッカーゲームにおける種々の行動評価に応用し, チームワークをボールの受け渡しスペースを維持するための動きであると限定的にとらえれば, その定量化が可能であることを実験的に示す.
著者
伊藤 昭 金渕 満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.285-293, 2001-03-01
被引用文献数
24

強化学習は, 実世界においてエージェントに協調することを学習させるための有望な手法である.しかしながら, 実際的な問題に使おうとすると, 状態数の増加に伴う学習速度の遅さがボトルネックとなる.我々は, 学習の初期の段階では知覚情報を粗視化することで実効的な状態数を削減し, その後に完全知覚に戻すことで長期的にも良い性能を得ることを試みた.しかしながら, 単純に知覚精度を切り換えるだけでは, 初期の「誤った知識」を後から修正することは難しい.そこで, 初期においても, 完全知覚条件と知覚制限条件の二つの学習器を並行して学習させ, 適当なタイミングで切り換えることで, 知覚制限による高速の初期学習, 完全知覚による良好な長期性能を達成する手法を開発した.
著者
尾川 順子 並木 明夫 石川 正俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.628, pp.73-78, 2003-01-28
参考文献数
17
被引用文献数
7

強化学習における割引率を学習進度によって調整することの有用性を示す.学習進度が浅いときには割引率を下げて即時報酬を重視し,学習が進むにつれて次第に割引率を大きくして,将来の報酬も考慮していくという戦略を提案する.また,学習進度の調整法として,指数的調整,TD誤差による調整,信頼度による調整を提案する.これをwindy gridworld 課題により検証する.
著者
勅使河原 三保子 伊藤 克亘 武田 一哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.291, pp.39-44, 2005-09-09
被引用文献数
1

本研究では日本のアニメにおける善玉と悪玉の音声の比較を行った.不快感情を表すことが多い悪玉の声は, 不快感情が持つ音声的特徴を反映するという仮説が立てられ, Laverの声質記述の枠組みを用いた受聴による分析により, 悪玉の声には咽頭部分の狭めまたは拡張が聴覚的に認められた.咽頭部分の狭めやそれに伴う調音的特徴は, 不快感情を表す音声に予測された特徴であった.日本語母語話者を対象とした聴取実験において, 咽頭部分の形状について対比させた刺激音を用い, 咽頭部分の形状が人物の印象(外見, 性格, 感情)を左右することが確認された.
著者
佐藤 正治 倉本 昇一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.149-158, 1994-03-25
参考文献数
9
被引用文献数
9

電話センタビルに直撃雷が落ちるとビルの柱やはり,壁などに雷サージ電流が流れるため,通信ケーブルや配電線への誘導などによって,装置の故障や誤動作が発生することがある.このため,直撃雷に対するビル内の電流,電圧分布の検討が行われている.この中の基本的な課題の一つに,実際の柱やはりの等価インピーダンス推定方法があるが,建物の鉄筋,鉄骨の寸法が大きいことや形状が非常に複雑な形をしているため,まだ,十分解明されたとは言えない.本論文では,まず柱やはりの縮小モデルを作製してそのインピーダンス測定法を検討し,柱の縮小モデルの周囲に複数の電流リターン線を配置すれば,モデル内電流分布がほぼ均等になり,より実態に近い測定が行えることを明らかにした.次に,この測定法を使用して,シンプルな円柱導体と柱の縮小モデルとの比較を行い,柱やはりの抵抗およびインダクタンスは,その鉄骨や鉄筋の表面積を求めれば,複雑な形状であってもそれと同じ表面積の円柱導体の計算式からおおむね推定できることを実験的に明らかにした.最後に,実際の鉄筋コンクリートビルの柱を測定し,縮小モデルからの推定が実測値とほぼ一致することを確認した.
著者
神屋 郁子 谷崎 文義 下川 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.351, pp.33-37, 2009-12-11
参考文献数
7

広域負荷分散技術として、DNSを用いたリクエストナビゲーションがある。DNSのキャッシュ機能は、リクエストナビゲーションにも影響を与える。DNSの仕様上はTTLを0にすることでキャッシュ機能を無効にすることができる。しかし、TTLを0にしても、クライアントはキャッシュの影響を受け、登録されていない古いサーバへとアクセスをすることがある。そこで、本論文では、DNSの持つキャッシュ機能がクライアントへどのような影響を与えているかを調査した。