著者
小林 和則 穂刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.193-200, 1999-02-25
被引用文献数
13 6

話者位置推定技術は, 音声信号と話者位置情報を同時に送信し音場を再現する臨場感ある遠隔地会議システムや, 音源位置に自動的にテレビカメラの照準を合わせる監視システムなどに応用することができる. 本論文では, 新しい複数話者位置推定方法として, 同期乗算を用いた方法を提案する. 提案方法の特徴は, 同時に音を発する複数話者の位置を検出可能であること, 実時間処理に適していることである. また, 実験により2次元的に配置された複数話者の位置推定を行い, 複数話者位置推定に提案方法が有用であることを確認した. 更に, 同期加算法との比較を行い, 本方法が位置推定精度, 複数話者の分離の面で優れていることを示した.
著者
河瀬 諭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.189, pp.75-78, 2014-08-15

本研究の目的は,演奏者の日常的なコミュニケーション能力が合奏の成否に与える影響を明らかにすることである.本研究では,演奏者のコミュニケーション能力が合奏の練習方略に影響し,練習方略と個人の演奏スキルが合奏の出来に影響すると仮定した.音楽専攻生68人を対象として,質問紙調査を実施した.その結果,以下のことが示された.(1)社会的スキルと,対人葛藤を自分も他者も満足できるように解決する能力は,合奏での平等な練習方略に影響していた;(2)日常場面でのリーダーシップは,合奏の練習でのリーダーシップ方略に影響していた;(3)2つの練習方略は,合奏の出来に寄与していた;(4)日常場面でのコミュニケーション能力,合奏の練習方略,合奏の出来には因果関係があった.
著者
河瀬 諭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.189, pp.75-78, 2014-08-22

本研究の目的は,演奏者の日常的なコミュニケーション能力が合奏の成否に与える影響を明らかにすることである.本研究では,演奏者のコミュニケーション能力が合奏の練習方略に影響し,練習方略と個人の演奏スキルが合奏の出来に影響すると仮定した.音楽専攻生68人を対象として,質問紙調査を実施した.その結果,以下のことが示された.(1)社会的スキルと,対人葛藤を自分も他者も満足できるように解決する能力は,合奏での平等な練習方略に影響していた;(2)日常場面でのリーダーシップは,合奏の練習でのリーダーシップ方略に影響していた;(3)2つの練習方略は,合奏の出来に寄与していた;(4)日常場面でのコミュニケーション能力,合奏の練習方略,合奏の出来には因果関係があった.
著者
中嶋 信生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.192, pp.33-38, 2007-08-16
被引用文献数
3

ユビキタス社会やセンサーネットワークに適合する、近距離無線やローカルネットワークの研究実用化が最近非常に賑わっている。本報告では、関連する無線規格である無線LAN、Bluetooth、IEEE802.15.4、UWB、RF-ID、微弱電波などの特徴を紹介すると共に、それらの無線規格を用いたネットワークの構成例を述べる。特に、測位応用については、GPSの補完としての屋内測位(LPS : Local Positioning System)が今後の主要研究テーマの1つと考えられるので、報告者の研究結果を含めいくつかの実例を紹介する。
著者
陳 暁栄 時永 祥三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.1038-1048, 2003-10-01
被引用文献数
38 4

複雑な現象を解明する手段として,マルチエージェントシステムの構成が議論されている.本論文では,人工株式市場を対象として,共進化遺伝的プログラミング(GP)を基礎としてエージェントの多様性を考慮に入れたマルチエージェントシステム構成を提案するとともに,その性質を分析する.GP手法の応用については個々のエージェントが独自の目的関数について最適化を行う行動のモデル化する場合に用いることとし,GP手法により異種のエージェントの適応的な認知プロセスをモデリングすることを試みる.システム構成では五つのタイプのエージェントを仮定し,算術式あるいはプロダクションルールをもとにして取引の方法を改善するもの,及び非合理的な挙動をするものを前提としながら,これらの学習過程において,占有的な個体プールのほかに,共有的な個体プールをも用いるグループを仮定する.これにより共進化GPを実現する.シミュレーション実験の結果として得られる株価の挙動を統計解析すると,実際の株式市場で見られるパフォーマンスに類似していることが示され,本論文の手法の有効性を検証できる.
著者
金 ハンヨウル 前川 聡 苗村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.478, pp.151-156, 2012-03-05

本稿ではミュージアムにおいて展示物に情報を重畳提示する複合現実感展示システムMRsionCaseの改良について報告する.これまでにハーフミラーを用いたシンプルな光学系を実装してきたが,ハーフミラーは虚像による提示になるため,結像の位置制御に限界があった.その制約を解消し,より自由な情報重畳の実現するためには実像で結像された空中像からの情報提示が必要となる.そのため,本稿では凹面鏡と実像鏡を用いたシステムを提案し,複合現実感展示システムとしての有効性を実証する.
著者
末松 俊成 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.98, no.48, pp.71-79, 1998-05-15
被引用文献数
7 1

本稿では、暗号化/複合機能、秘密メモリ、従来のCPUの機能を内臓したCMP(Crypto microprocessor)について述べる。ソフトウェアは、メモリや記憶装置内では暗号化され、CMP は、ソフトウェアを実行中に部分的に複号し、複号された形が見られないように処理できる。このため、ソフトウェアにセキュリティを厳重に守ることができる。また、このCMPは従来の暗号化/複号機能を持たないCPUと上位互換があるため、これをパソコンなどの汎用のコンピュータに組み込むことができる。さらに、このCMPを利用したソフトウェア流通方法の例を示す。
著者
豊田 真智子 櫻井 保志 石川 佳治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.1058-1070, 2011-07-01
被引用文献数
1

本論文では,データストリームにおけるcross-similarityの問題を定義する.本論文の目的は,データストリームから類似する部分シーケンスペアを検出することである.シーケンス間の類似度を測定する距離尺度には,時間軸上でのスケーリングを考慮することができるダイナミックタイムワーピング(DTW:Dynamic Time Warping)距離を利用する.我々の提案するCrossMatchは,厳密にDTWに基づいた手法であり,データストリーム処理に適したワンパスアルゴリズムである.DTWを用いた純粋なアルゴリズムと比べて,CrossMatchは計算コストとメモリ使用量の大幅な低減化を実現する.理論的な分析を行い,提案アルゴリズムが精度を犠牲にすることなく類似する部分シーケンスペアを検出することを示す.また,実データと人工データを用いた実験から,CrossMatchがインクリメンタルにcross-similarityを検出することが確認された.
著者
大西 仁 望月 要
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.155, pp.51-55, 2011-07-16

機械インピーダンス(弾性、粘性、慣性)の質的な感じ分けのモデルを提案する。提案するモデルは、反力の時系列を予測するリカレントネットワークをモジュールとし、複数のモジュールが競合する自己組織化ネットワークからなる。提案するモデルを実装し、弾性、粘性、慣性の認識と機械インピーダンスの定量的予測を試みた。
著者
石川 智治 小林 幸夫 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.259, pp.75-82, 1999-08-26
被引用文献数
8

過去に,音質評価語の収集及びグループ化を行い, それらを多次元空間にマツピングし, 解析することにより, 高度感性情報に関連する評価語群(16語)を明らかにした. しかしながら, 多次元空間内の心理距離による評価語のクラスタ化で, 少数の重要な評価語がクラスタ化されない事, 多次元空間内における解析で求められる評価語の重要度と衆目評価法による重要度の順序が一致しない事などの問題があり, これ以上の解析はできなかった. そこで, 聴取者の音楽再生における音の聴き方の違いから, 評価語のグループ化を行い, 各グループ毎に評価語の解析を行うという新しい考え方に基づき, 多次元尺度構成法(MDS)やDematel法を行った結果, 上記問題点が解決された. そして, 得られた各グループと高度感性情報との位置付けを議論すると共にキー評価語の抽出を試みた.
著者
高田 真樹 松本 忠 茂呂 征一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.89, pp.61-68, 2001-05-18
被引用文献数
4

P/Tペトリネットの状態方程式Ax=b (A∈Z^<m×n>, b∈Z^<m×1>)の任意の非負整数非同次解は,generator, (u_i, ν_i)を用いて表すことができる(χ=Σα_iu_i+Σβ_jν_j). generator, (u_i, ν_i)を求める際の計算複雑度によって7つのレベルに分けられる. 特に, レベル6において極小T-インバリアントの非負整数重みつき一次結合と非負整数特解1個(ただし, 一般に複数個存在する)の和で表される. これは最も簡単な形式であり, 可到達問題を考える上で最も有用であると思われる. そこで, これらのgenerator (極小T-インバリアントu_i∈U_6と非負整数特解ν_j∈V_6)を効率的求めることが望まれる. 本論文では, レベル2のAx=0^<m×1>に対するgeneratorU_2 (拡大接続行列の整数基底)からレベル6のAx=bに対するgenerator (U_6, V_6)を同時に導出する方法を示している.
著者
杉本 和英 富田 文明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.524-533, 1993-03-25
被引用文献数
11 3

ステレオは,テクスチャのある面やシェージングのある曲面を復元することはできるが,多くの人工物がそうであるように,一様な平面で構成された物体に対しては,その境界線を検出できても特徴のない面の内部を直接対応によって復元することはできない問題がある.従って,境界線の復元の後,面を復元する処理が必要となる.しかし,物体の輪郭線と稜線を区別しない単純な面内挿アルゴリズムでは,偽の面を生成してしまう.そこで,本論文では,この面の復元問題を解決するために,ステレオ画像の境界表現の対応から得られる物体の3次元境界線の構造から,一意的に存在可能な面を決定する方法について述べる.本方法は,平面で構成された物体すべてに対して有効であり,面上に模様や影があっても構わない.また,欠損があるために面を一意的に決定できない境界線を局所的に区別することができ,それを補償するように後の観測にゆだねることが可能となる.そして,結果として,物体/環境の幾何モデル(境界表現)が得られる.
著者
平野 宏子 顧 文涛 広瀬 啓吉 峯松 信明 河合 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.333, pp.19-24, 2006-11-03

日本語学習者が自然な発音・イントネーションで話したいと願うとき,ピッチ・アクセント言語の日本語において,その自然性に主要に関わる基本周波数の適切な制御が重要になる.本研究では,母語話者と学習者(標準中国語話者)の基本周波数パターンを比較し,その特徴を分析する.その際,1)表層の音声に現れる基本周波数パターンの特徴を,F_0の局所的な上昇下降の形状や発話全体のレンジの変化の様相から述べ,2)音声合成分野に広く用いられている基本周波数生成過程モデルを,第二言語の韻律習得の分析に応用し,いくつかのパラメータから個々の特徴を分離して定量的に調べる.モデルによる分析からは以下のことが示された.1)基底周波数は学習者の方が高い,2)フレーズ指令の生起数が多く,形成される韻律句が短い,3)文節中にアクセント指令が多く生起し,文節がいくつかの韻律語に分解される,4)文(節)末で急激なF_0下降が生じ,局所的に負のアクセント指令が導入される.これらの特徴は,音節毎に声調型を持つ中国語音声の影響,第二言語発話の不慣れ,適切な韻律指導の不足に起因すると考えられる.
著者
内村 圭一 木村 英雄 脇山 慎也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.546-553, 1998-04-25
被引用文献数
29

本研究では, 車両前方の走行環境の認識機能を含めた運転支援システム開発の一環として, 昼間の道路情景カラー画像から規制標識などの円形の道路標識を抽出および認識する手法を提案する.カラー画像における円形道路標識がもつ二つの特徴である.外形が円形, 使用色は赤, 青, 白の3種類, を道路情景カラー画像内から同時に探索するためにクラスタリングを遺伝的アルゴリズムに組み込んだ手法を提案する.また, カラー画像から抽出した領域に対する円形道路標識の認識には, 木構造によって大分類した後に最小逐次検定を用いる.実際の道路情景カラー画像を用いた実験を行い, カラー画像からの複数道路標識の同時抽出および認識が可能であるなど, 提案手法の有効性を確認した.
著者
星村 義一 佐藤 信幸 比嘉 照夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.144, pp.33-38, 1997-06-27
参考文献数
9
被引用文献数
3

金属の錆により多くの構造物が被害を受け、酸化劣化によって破壊されている。これらの錆を抑制し、多くの構造物の劣化を防止することは、きわめて重要である。今回、有用微生物発酵物質(effective micro-organisms applied extract. EM・X)中に鉄片を浸漬し、錆による重量変化を測定した。その結果、EM・X中では、赤錆が生成せず、重量減少をしないことがわかった。さらに、EM・Xから防錆効果を有する金属錯体の単離が可能となった。また、これらの金属錯体をX線回折法により構造決定した。
著者
上村 和宏 星野 春男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.577, pp.1-6, 2007-03-01
被引用文献数
3

ブロードバンドネットワークの普及に伴い,IPを用いて映像を配信するIPTVの技術的検討が進んでいる.一方,家庭ではPCやAV機器を接続するイーサネットベースの宅内ネットワークの利用が増えており,今後宅内ネットワークにおいても放送と通信の共存が進んでいくと思われる.しかし放送信号の多重化方式(MPEG-2 Systems)では,復号器のクロック再生基準となるPCRの伝送に対して厳しいジッタ制約を課しており,放送パケットの伝送ジッタ抑制が重要である.本稿では,宅内ネットワーク向けのスイッチでの利用を想定し,優先パケットを原理上ゼロジッタで転送できるパケットスケジューリング手法を提案・検証する.リアルタイムOSを用いた実装により,従来の完全優先キューイング手法と比較して1/4以下にジッタを改善し,ジッタに起因する再生映像の乱れを少なくできることを実証した.
著者
高原 秀行 石橋 重喜 石沢 鈴子 平田 泰興 小勝負 信建 恒次 秀起
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.800-806, 2001-09-01
被引用文献数
16 4

高速大容量光モジュールへの適用を目指した次世代フィルムキャリヤ実装技術として, 光導波路フィルム表面に電気配線を設けた光・電気複合フィルム(OEフィルム)上に, はんだバンプでLSIや光デバイスを実装するOE-COF(Optoelectronic Chip on Film)実装技術を提案し, その実現性を検討した.0.85μm帯, 250μmピッチの10チャネルVCSELを, OEフィルムに36個の40μm径80%Au-Snはんだバンプを用いてフリップチップ実装し, OEフィルムに形成した45度ミラーを介して光導波路と結合する基本構造を対象として, 機械的強度の高いVCSELとOEフィルム間のフリップチップ実装, 及びVCSELとOEフィルム間の低損失光結合構造について検討した.その結果, 低熱膨張材料と両面に積層した低熱膨張性OEフィルム(11×10^<-6>/℃)を開発し, 良好な光導波路特性のままで熱膨張係数を従来の1/6に低減させることにより, 機械的強度の高いフリップチップ実装を実現した.更に, VCSELとOEフィルムとの間げきをシリコーン樹脂で充てんして反射戻り光を抑制することにより, 結合損が0.4dBと小さいOE-COF実装を実現した.
著者
前川 喜久雄 槙 洋一 吉岡 泰夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.353, pp.9-16, 1999-10-15
被引用文献数
1 1

筆者らは1996年以来日本語熊本方言を対象として発話の丁寧さの知覚におよぼす語彙的要因と韻律的要因の関係について実験的検討をくわえてきた.前半でこれまでの研究成果を概観した後,後半では最新の実験結果に基づいてデータに観察される社会差について新規に検討をくわえる.われわれは従来,比較的若い年代の被験者による実験結果に立脚して丁寧さの表出に果たす語彙と韻律の貢献はほぼ同程度であると推定していた.しかし被験者の年代を高年層と中学生にまで拡大した結果,高年層では語彙の果たす役割が大きく韻律が果たす役割が小さいこと,そして年齢が低下するにともなって,この関係が逆転してゆくことが発見された.
著者
山上 泰史 伊藤 良生 中西 功 副井 裕 小林 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06

巡回型LMSアルゴリズムが, 安定に動作するためのステップサイズの範囲は, 文献[1]で与えられている. また, それに基づく可変スデップサイズ型アルゴリズムも提案されている[2]. しかしこのアルゴリズムの収束特性については詳しく検討されていない. 本文では, 可変ステップサイズ型アルゴリズムの, z平面上における動作について考察する.