著者
山下 和人 藤永 徹 奥村 正裕 滝口 満喜 角田 修男 水野 信哉
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.p1019-1024, 1991-12
被引用文献数
2

抗ウマCRPウサギ血清を用いた単純放射免疫拡散(SRID)法により, 臨床的に正常なウマの加齢および周産期におけるCRPの血中動態および実験的に炎症を作出したウマにおけるCRPの血中動態を検討した. 初乳未摂取の新生子の血清CRP濃度は雌雄ともに測定限界以下であったが, 幼齢期に上昇し, 青壮年期に低値を示し, 以降やや増加して安定するという加齢性の変化を示した. 周産期には, 分娩時および分娩後2か月目から4か月目の血清CRP濃度上昇および分娩2か月前の低下を認めた. 炎症刺激後24時間目より血清CRP濃度は上昇し, 3〜5日目で処置前の3〜6倍に達し最高値を示した. その後低下し14日目には処置前値に回復した. 以上の成績から, ウマにおいでもCRPは急性相蛋白であることが判明した.
著者
桐沢 力雄 竹山 愛 小岩 政照 岩井 涼
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.471-476, 2007-05-25
被引用文献数
1 24

日本の子牛におけるウシトロウイルス(BoTV)の糞便への排出状況と下痢との関連性を調べた.同時にウシロタウイルス,ウシコロナウイルスとクリプトスポリジウムの排出状況も調べた.BoTVのスパイク遺伝子を標的としたRT-PCRにより,北海道の子牛下痢便99例中15例(15.2%)からBoTV遺伝子が検出された.正常便では114例中8例(7.0%)がBoTV陽性であった.北海道外の38例の子牛下痢便では9例(23.7%)が陽性を示した.北海道のBoTV陽性15例のうち11例では今回検査対象とした病原体のうちBoTVのみが検出された.BoTV陽性15例中11例の子牛は2週給以下であった.今回の調査で,ウシロタウイルスと下痢との関連性は認められたが,ウシコロナウイルスとクリプトスポリジウムと下痢との関連性は認められなかった.17例のBoTV陽性のRT-PCR産物をランダムに選択し,それらの塩基配列を決定して進化系統樹を作成したところ,日本のBoTVは少なくとも2グループに分類されることが示された.今回の結果から,ウシトロウイルスは日本に広く浸潤し,子牛,特に2週齢以下の子牛下痢の原因ウイルスの一つであることが示唆された.
著者
野村 晋一 茨木 弟介 白旗 総一郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.135-147, 1969-06-25

ニジマスの心電図と呼吸運動を無線的に記録し,魚類の生態研究に新しい技術を導入することを企図し,その基礎的な実験を行なった.成績の概要はつぎの通りである.1)脊髄穿刺により不動化した後,開胸し,心表面誘導による波形を記録した.穿刺による出血は,従来の記載に反し,極めて微量であった.静脈洞,心房,心室波の波形はBAKKER(1913),KIscH(1948),OETs(1950),NOSEDA(1963)らの記載とほぼ一致した.この成績に基づき,ラジオ・テレメーターの入力として用いる心電図の誘導方法を決定した.この誘導法は,一種の胸腔内誘導であるが,電極装着後,2ケ月以上を経過しても生存した.波形は唾乳類,鳥類などと同様であったが,まれにBAKKERのV波を確認した.2)水温と心拍数の相関々係はおよそ直線的であった.水温の上下に比例して,心拍数は増減したく水槽内).3)中禅寺湖で水温の垂直分布に従って,計測した心拍数は温度の下降に比例して減少したが,水温の上昇に追従できなかった.実験槽で行った実験結果から考えられる適応時間を与えても同様であった.4) 中禅寺湖に放流したニジマスにつき,水深50m,水温4.3°Cまでの心拍数をFM式ビート・メーターにより計測した.水温の変化による心拍数の変動は,実験室内でえた成績とほぼ同様であった.5)養鱒池に放流したニジマスにつき,心拍数の日周変化を計測した.心拍数は早朝に少なく,午後ないし夜間に増加した.因みに水温は9.5°Cを維持していた.
著者
大沼 学 鈴木 正嗣 大泰司 紀之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.293-297, 2001-03-25
被引用文献数
3 17

マレイシア国サラワク州に位置するセメンゴ野生動物リハビリテーションセンターにおいて, 単独飼育されていたマレーグマ(Helarctos malayanus)雌2頭の泌乳が観察された.これらのマレーグマは受入後1年以上経過しており, その間1度も雄と同居させたことはなかった.そのため, マレーグマにおいて偽妊娠が起こる可能性が示唆され, 卵巣周期の観察が必要であると考えられた.そこで, 広く応用されるようになった糞中プロジェステロンの定量を継続的に1年間, 単独飼育の雌3頭を対象にして実施した.その結果プロジェステロン値の動態は3頭の雌で差がなく, 本調査地で雨季にあたる時期にプロジェステロン値のピークが観察された.また, 泌乳の有無を不動化後に確認した結果3頭すべてで泌乳が確認された.以上の結果からサラワク州内に分布するマレーグマは, 雨季に同調した繁殖期がある可能性が示唆された.また, 単独飼育状態でプロジェステロン値が上昇し, 泌乳が見られたことから, マレーグマは自然排卵動物で偽妊娠が起こることが確認された.
著者
大沼 学 鈴木 正嗣 内田 英二 新山 雅美 大泰司 紀之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.s・vii, 309-313, 2002-04-25
被引用文献数
1 12

1998年8月から1999年7月にかけて,3頭の非妊娠,雌マレーグマ(Helarctos malayanus)を対象に糞中から検出されるエストラジオールの定量を,マレイシア国サラワク州において実施した.また,それに加えて膣粘液中に見出される細胞の観察を1998年8月と1999年3月にマレーグマ1頭を対象に行った.3頭の糞中エストラジオール濃度は,1998年8月または9月にピークが観察された.また,膣粘液中に観察される角化上皮細胞の出現割合は,1998年8月の数値が1999年3月のものより高かった.これらのことからマレイシア国サラワク州において,マレーグマはエストラジオールの濃度がピークをむかえる8月から9月ごろに発情している可能性が示唆された.
著者
茅根 士郎 板垣 博
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.665-670, 1977-12-25
被引用文献数
1
著者
後藤 正光 丸山 実博 北館 健太郎 桐沢 力雄 小幡 祐路 小岩 政照 岩井 浤
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.437-441, 1997-06-25
参考文献数
23
被引用文献数
6

ウシIL-1β特異的サンドイッチELISAを用いて, 臨床的に異常のないホルスタイン種乳牛の血清と乳汁および新生仔牛の血清中のIL-1β濃度を測定した. 人工授精時にほとんど検出されなかったIL-1βは妊娠の進行に伴い徐々に増加し, 妊娠後期から分娩時にかけほとんどの母牛血清中に比較的高濃度のIL-1βが検出され, 分娩後低下し検出レベル以下になった. 乳汁中IL-1βは分娩当日のものから検出されたが, 3日以降のものからは検出されなかった. RT-PCRで調べた乳汁内細胞のIL-1βmRNA発現も同様の変化を示した. 新生牛の血清中IL-1βは, 生後3日をピークとし14日までに消失する変化を示した. 生後3日にIL-1βが検出された子牛は, IL-1βが検出されなかった子牛に比べて, 高い濃度のIL-1βを含む初乳を飲んでいた. 以上の成績から, 健康な乳牛においてIL-1βは妊娠と関連して産生され, 新生仔に初乳を介して移行する可能性が示唆された.
著者
Kang Ji-Houn Chang Dongwoo Lee Young Won NA Ki-Jeong YANG Mhan-Pyo
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.751-754, 2007-07-25
被引用文献数
3

4歳,雄,体重27kgのラブラドルレトリーバーが,突然,精神遅滞や旋回運動,頭部を押付けるといった臨床徴候を呈した.この犬は水を好んで摂取することはなく,無敗症が持続し,人工的な高塩素血症を伴った高ナトリウム血症がみられた.一連の内分泌検査と画像検査所見から,甲状腺機能低下症が示唆され,脳脊髄液と血清からは抗甲状腺抗体の存在が明らかになった.レポチロキシンナトリウムを投与したところ,神経徴候は処置後1週以内に軽減され,無敗症も解消した.
著者
枝村 一弥 那須 広子 岩見 有紀子 西村 亮平 小川 博之 佐々木 伸雄 大河原 久子
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.129-135, 2004-02-25
被引用文献数
2

日本の各品種の豚における豚内在性レトロウイルス(PERV) proviral DNAの感染状況をPCRにて調査した.また,豚膵内分泌細胞(PE-cell)を含むバイオ人工膵島(Bio-AEP)を異種移植された実験的糖尿病犬の末梢血および脾臓を用いて,その感染の可能性をPCRおよびRT-PCRを用いて確認した.その結果,日本にいる各豚品種のすべてにPERV Oroviral DNAが検出され,今回用いた培養PE-cellにもPERV Oroviral DNAとmRNAの発現を認めた.しかし,PE-cellを異種移植したいずれの犬おいてもPERVのマイクロキメリズム,感染およびウイルス血症は認められなかった.したがって,免疫抑制剤を用いずにPE-cellの入った拡散チャンバー型Bio-AEPを移植した場合,PERV感染の可能性は極めて低いことが示唆された.
著者
小倉 知子 昆 泰寛 小沼 操 近藤 高志 橋本 善春 杉村 誠
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.59-66, 1993-02-15
被引用文献数
2

ニワトリのリンパ組織におけるT Cell Subsetsの分布をCD4, CD8に相当するモノクローナル抗体を用いて免疫組織化学的に検討した. 胸腺においてCD8^+細胞は皮質にのみ認められ, 一方CD4^+細胞は皮質のみならず髄質にも認められた. 被膜直下の皮質細胞は両抗体に反応しなかった. 盲腸扁桃においてCD8^+細胞は固有層浅層に限局し, 固有層中層ないし深層では多数のCD4^+細胞が胚中心を囲むように存在していた. 脾臓においてCD8^+細胞は赤脾髄にのみ存在し, CD4^+細胞は動脈周囲リンパ組織ならびに静脈周囲リンパ組織に認められた. 胚中心内にこれら抗体に反応するリンパ球は認められなかった. 骨髄ならびにファブリキウス嚢に反応は認められなかった. 夕ンパク抗原(みょうばん沈澱ウシ血清アルブミン)投与実験によって, CD4^+細胞が胚中心内に認められ, 一方CD8陽性を示す細胞は赤脾髄領域から減少した. これらの結果はニワトリのリンパ組織におけるT Cell Subsetsが明らかな住み分けをしていることを示すものと思われる.
著者
北尾 直也 八幡 剛浩 松本 孝朗 岡松(小倉) 優子 大町 麻子 木村 和弘 斉藤 昌之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.1065-1068, 2007-10-25

脱共役蛋白質UCP1は熱産生組織である褐色脂肪に特異的に発現し,寒冷下における体温調節に寄与している.高原性ナキウサギ(Ochotona dauurica)はモンゴルや中国北方の寒冷高地帯に生息する小型の非冬眠動物であり,同環境への適応にUCP1の関与が示唆されている.本研究では,高原性ナキウサギのUCP1 cDNAをクローニングし,ヌクレオチド配列を決定した.予想されるアミノ酸配列は他の動物種のUCP1と高い相同性を示し,UCPファミリーに共通するいくつかの配列が確認された.また,様々な組織におけるUCP1 mRNAおよび蛋白質を調べたところ,肩甲骨間の皮下脂肪組織に発現が認められたが,他の部位の脂肪組織や心臓,骨格筋,脳などには発現が認められなかった.これらの結果は,高原性ナキウサギのUCP1が褐色脂肪組織での熱産生に貢献していることを示唆する.
著者
遠藤 秀紀 木村 順平 押尾 龍夫 STAFFORD Brian J. RERKAMNUAYCHOKE Worawut 西田 隆雄 佐々木 基樹 林田 明子 林 良博
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.1179-1183, 2003-11-25
被引用文献数
5 12

ホオアカカオナガリス(Dremomys rufigenis)について,マレーシア(半島部)集団,ベトナム(南部)・ラオス集団,タイ(北部)集団の頭蓋骨標本を用い,地理的変異と機能形態学的適応を骨計測学的に検討した.その結果,南部集団は北部の二集団より基本的にサイズが大きかった.プロポーション値の検討から,マレーシア集団では内臓頭蓋が吻尾方向に長く,ベトナム・ラオス集団とタイ集団では眼窩の距離が短いことが明らかになった.マレーシア集団の長い鼻部と側方に向いた眼窩は地上性・食虫性により適応し,眼窩が吻側に向くことで他の二集団で強化される両眼視はより樹上性・果実食性適応の程度が高いことが示唆された.一方,主成分分析の結果から,マレーシア集団とほかの二集団は明確に区別され,この頭蓋形態の集団間の変異には,クラ地峡による生物地理学的隔離が影響していることが推測された.
著者
安斉 了 和田 隆一 奥田 敏男 青木 仁久
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.999-1002, 2002-10
被引用文献数
2 14

わが国における馬伝染性子宮炎の清浄化にPCRの野外応用が効果があるか否かを評価した.1998年から2001年の4年間に,ハイリスク馬検査と疫学調査のために国内の延べ4,026頭のサラブレッド繁殖牝馬および種牡馬から採取された7,534検体の生殖器スワブから,分離培養ならびに直接および培養PCR法によりTaylorella equigenitalisの検出を行った.その結果,PCR法により12頭の繁殖雌馬と1頭の種雄馬からT.equigenitalisが検出された.分離培養法では,その中の2頭からだけT.equigenitalisが分離された.T.equigenitalisが検出された馬は化学療法と外科手術の併用による治療を行ったところ,その後3年間に亘る追跡検査でT.equigenitalisは全く検出されなかった.今回の成績から,PCR法は野外において繁殖用馬の生殖器スワブからT.equigenitalisを検出する方法として分離培養法よりも高感度であることが証明された.さらに,馬伝染性子宮炎の清浄化達成には,PCR検査と治療の組み合わせが有効な手段であることが示唆された.
著者
二宮 博義 中村 経紀
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1065-1073, 1988-10-15

SD系ラットにN-Methyl Nitrosoureaを投与して乳頭状腺腫を誘発させ, 線腫の血管系を立体的に観察した. 方法はアクリル系樹脂を左心室より注入して樹脂鋳型標本を作成し走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した. さらに別のラットには墨汁を注入し透明標本を作成しSEM所見と対照した. 組織学的には, 腫瘍は立方あるいは円柱形の上皮細胞群からなる胞巣と, その周囲の豊富な結合組織で構成されていた. 胞巣には腺管構造や小嚢胞腔の形成が認められ, 増殖の著しいものでは上皮細胞は乳頭状に増殖していた. 腫瘍に向かう血管は直線的で, 正常な血管に認められ血流調節機能を有するintra-arterial cushionは認められなかった. 腫瘍に進入した血管は分校を繰り返し胞巣の外周にカプセル状に密な血管網を形成していた. 胞巣内の毛細血管は太く多数のヘアピン状のループを形成していた. このループを形成する毛細血管には盲端に終っていたりコブ状に突出したものも観察された. こうした所見は腫瘍に特有な血管の新生像であると考えられた. また, 一部の血管には鋳型の表面が粗造で血管壁の脆弱性あるいは透過性の亢進を思わせる所見も観察された.
著者
奥田 優 梅田 昭子 松本 安喜 桃井 康行 亘 敏広 後飯塚 僚 O'Brien Stephen J. 辻本 元 長谷川 篤彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.801-805, 1993-10-15

癌抑制遺伝子p53はヒトやマウスの様々な腫瘍において不活化されていることが知られている. ネコの腫瘍におけるp53遺伝子の役割を研究するため, 種間で保存されている領域のプライマーを用いPCR法によってネコp53遺伝子cDNAのクローニングを行った. その結果, ヒトの腫瘍における変異の多発発部を含みp53遺伝子の翻訳領域の約90%に相当する1,007bpの塩基配列を決定することができた. ネコp53遺伝子はヒ卜およびマウスのp53遺伝子と同様の構造からなっており, アミノ酸レベルでそれぞれ82.9%および75.6%のホモロジーを示した. さらに, ネコ×マウスおよびネコ×ハムスターの雑種細胞においてネコp53遺伝子特異的プライマーを用いたPCR法を行ったところ, p53遺伝子はネコのE1染色体に存在することがわかった. これらの結果は, ネコの腫瘍におけるp53遺伝子の役割を明らかにするためにきわめて有用と思われる.
著者
大槻 公一 狩屋 英明 松尾 公平 杉山 貞雄 保科 和夫 吉兼 崇彦 松本 明久 坪倉 操
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.721-723, 1987-08-15
被引用文献数
4

1984年11月〜1985年3月の間に山陰地方4カ所および鹿児島県1カ所に飛来した数種の渡り鳥の新鮮な糞便からインフルエンザウイルスの分離を行った。コハクチョウでは377検体から2株 (亜型はH9N2とH3N6), ウミネコでは30検体から2株 (H13N6), オナガガモでは284検体から1株 (H11N3), 計5株のウイルスが分離された。鹿児島のナベヅル材料は, 陰性であった。
著者
荒木 誠一 木村 誠 鈴木 護 藤木 昌俊
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.899-900, 1993-10-15
被引用文献数
1

子豚に活性卵白粉末(AEWP)2mg/kgまたは100mg/kgを1回経口投与すると, 投与1日後に末梢血好中球のラテックス粒子に対する貪食能を充進した. とくに, 100mg/kg投与では貪食活性が5日間持続した. AEWP30mg/kgを1週間経口投与すると, 投与期間中, 貪食能を亢進した. また, 投与中止後10日目の再投与により, 貪食能を亢進した. 以上の成績から, AEWPの経口投与は, 非特異的免疫能の増強効果を有することが明らかになった.
著者
仲嶺 マチ子 大城 守 天久 勇市 大城 喜光 慶留間 智厚 沢田 拓士 江崎 孝行
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1225-1227, 1992-12-15
被引用文献数
3

1990年11月に沖縄県で飼育されていたフランス鴨の1群200羽に元気食欲の廃絶, 起立不能, 下痢を主徴とする疾病が発生し50羽が死亡した. 死亡例の全臓器からPasteurella multocida subsp. multocidaが純粋に分離され, 芙膜抗原がCarterのA型, 菌体抗原がHeddlestonの3・4・12型, Namiokaの5 : A型と同定された. 病理学的検査では家禽コレラに特徴的な病変が認められた. 分離菌10^8個を90日齢ニワトリの静脈内に接種した結果21時間以内に全羽が死亡した. 以上の成績から, 本例はフランス鴨の家禽コレラの初発例と診断された.
著者
ハッサニン アミン 桑原 佐知 ヌルヒダヤット 塚本 康浩 小川 和重 平松 和也 佐々木 文彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.921-926, 2002
被引用文献数
3 57

エストロジェン様化合物の魚への影響を研究する目的で,2つの汚染河川(石津川と和田川)と対照地域に生息する成熟雄性コイのゴナドソマチックインデックス([精巣重量/体重]×100:GSI)と精巣の形態を1998年6月〜2001年3月までの期間調べた.石津川のノニルフェノール,ビスフェノールAと17β-エストラジオールの含有濃度は和田川の3〜4倍高かった.繁殖前期と繁殖期では,3地域のコイの体重に有意の差はなかった.石津川のコイの体重は繁殖後期でのみ和田川のものより小さかった(P<0.05).石津川に生息するコイのGSIと精巣重量は精巣周期の全期間で対照のものより小さく(P<0.05),和田川のコイと比較すると繁殖前期と後期でより小さかった(P<0.05).組織学的な異常は調べた全精巣で見られなかった.精巣の組織学的な所見から,石津川のコイの精子形成開始時期は他の地域のものに比べて遅延していた.これらの結果は,石津川の水中に含有するエストロジェン様化合物がコイの精巣の発達に有害な影響を与えているということを明らかに示している.