著者
鎌田 七男 川上 秀史 島本 武嗣
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.245-249, 2006-09
被引用文献数
1

原爆投下後,直接被爆者の中では早期より小児白血病が,次いで成人白血病が増加し,1953年をピークにして以後白血病の発生減少がみられたことは良く知られている。一方,家族を捜しに市内2Km以内に入った,いわゆる入市被爆者での白血病発生については渡辺・広瀬らの報告が1960年前後に出されているが,入市人口の不確かさなどで,必ずしも研究者間に受け入れられるものとはなっていなかった。広島大学原爆放射線医科学研究所臨床部門(内科)では1962年より被爆者を含む白血病の診断・治療研究を行ってきた。とくに被爆者白血病の臨床的ならびに細胞遺伝学的特徴把握を主眼に研究がなされてきた。入市被爆者における白血病に関しての研究も並行して行われており,かつ入市人口把握の問題点も解決できたので,入市被爆者白血病の1970-1990年までの罹患頻度,病型,染色体所見の特徴について報告し,残留放射線による被曝推定線量について考察する。
著者
関根 一郎
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.185-186, 2006-09

原子爆弾が広島・長崎両市に投下されて60年が経過した。原爆の医学的被害の研究は疫学的解析を主体になされ,様々な放射線被曝後障害の実態が明らかとなってきた。その中で特に重要なものは悪性腫瘍の増加で,白血病が被爆後約10年で発症のピークに達しその後漸減したのに対し,被爆者固形がんは,現在においてもその罹患率の増加が継続している。最近,我々は長崎腫瘍組織登録委員会の資料を基にした疫学的解析により,被爆後30年を経過し1980年代より近距離被爆者に重複がん罹患率が高くなり現在も増加傾向にあることを見出した。被爆者に数十年という長期間にわたり固形がんの罹患率が高い理由はいまだわっかていないが,放射線によりゲノム不安定性といった易腫瘍発生性が惹起されていて,一般的発がん因子の蓄積するがん年齢となって腫瘍が顕在化するのではないかと推論できる。将来的に発生メカニズムの分子レベルでの解明が待たれるが,そのために被爆者生体試料の収集は必須の作業である。
著者
木下 智美 綿巻 徹 笹山 龍太郎
出版者
長崎大学
雑誌
教育実践総合センター紀要
巻号頁・発行日
vol.12, pp.267-276, 2013-03-20

特別支援学校高等部に在籍する無発語で、学習活動からの離脱が目立っている一重度自閉症女子生徒に対して、拡大代替手段による要求表出言語行動と学習活動への持続的取組を形成するための個別指導を行った。要求表出言語行動については、相手に絵カードを手渡して要求対象を伝えることをPECS法で指導した。学習への持続的取組の指導については、視覚運動教材(自作を含む)を用いて指導した。いずれの指導も自立活動の授業として行い、トークンエコノミーやマニュアルガイドを利用して目標行動の指導と定着を図った。5ヵ月の指導期間中の行動成績の変化とその前後に実施したPEP-Rの成績の変化を検討した結果、要求表出言語行動及び学習活動への持続的な取組が改善されるとともに、PEP-Rのいくつかの下位領域で合格点が上昇した。要求表出言語行動の指導では複数の絵カードの中から、自分の欲しい品物を表す絵カードを正しく選択して相手に手渡すことができるようになった。学習活動への持続的取組の指導では、40分以上離席しないで学習課題をやり続けられるようになった。指導内容と対象生徒の行動変化の関係を分析した結果、指導の難易度を生徒の困難度に合わせたこと、マニュアルガイド等を活用したエラーレス学習の導入、対象児の好みを反映した強化子の導入、視覚弁別課題の導入等が重度自閉症生徒の指導に有効であることが示された。
著者
安倍 邦子 小路 武彦 林 徳眞吉
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

ACTH受容体蛋白質から15アミノ酸配列を選び,合成ペプチドを作製し,KLHをキャリアー蛋白として,家兎に免疫した.抗血清はELISA法で,各々のペプチド抗原に対し25600倍希釈で陽性で,人副腎で,希釈倍率の検討および抗原賦活化の方法を検討し,1血清は副腎皮質の細胞膜に陽性で,ウェスタンブロット法で副腎のホモジネートと60kDのバンドを形成し,いずれもペプチドにより吸収された.副腎皮質癌,腺腫,過形成の手術例のパラフィン切片を用いて免疫染色した.PCNA,Ki-67陽性率は,癌で3.43-20.08,0-20.9と陽性率が高値で,腺腫で0.14-1.33,0-1.03と低く,過形成で0.19-0.7,0-0.05で腺腫よりもさらに低い傾向を示し,生物学的悪性度と増殖能の相関が明らかだった.ACTHR抗体では,腺腫や過形成に比較し,癌は陽性率が低下している.p53は腺腫や過形成では陰性,癌で3例のみ陽性,p53と副腎癌の発癌との関連が考えられるが,発癌には他の多数の因子の関与が考えられる.Rasは全体に陰性であった.Mycは,抗体9E10では,正常副腎皮質は核のみ陽性で,過形成や腺腫も核が陽性で,一部胞体も陽性だが,癌では胞体が優位である.3ヶ所の塩基配列を選択し,ATTを5個付加した60merのオリゴDNAを合成し,dot blot hybridizationで10pgまで検出できた.さらにピロニン染色や28srRNAでRNAの保存が確認された人副腎パラフィン切片を用い,種々の条件,T-T dimer法にて染色して検討した.球状帯と束状帯のcompact cellに陽性像を認めるが,弱く,定量的に検討するためには強い染色を得る必要があり,別の2ヶ所の塩基配列を選択し,ジゴキシゲニン標識で検討したが,同様の結果だった.腫瘍については特異的な染色はまだ得られていない.

1 0 0 0 OA 聴覚記憶認証

著者
薗田 光太郎
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

認証者が,ユーザに対し,予め設定された音Xを含む音群を聴取させ,Xについて回答させ,照合されれば認証を通過する「聴覚記憶認証」方式を検討した.検討の結果は2つにまとめられる.(1)個人または特定のグループだけが探索することなく即座に反応できるような刺激音として,被認証者への呼びかけ音声と,被認証者本人による自声聴取音声との二種類を試みた.被認証者への呼びかけ音声は発声される単語(苗字+さん)の違いの統制が困難であり現実的ではなかった.自声聴取音は元来発声者本人のみが聴取できるものであり,自ずから本人以外とで親密度が異なると考えられる.実際に本人は自身の自声聴取音声が,外部マイクロホンで採られた音声よりも親密度が高く,他人による評価では低い傾向があった.ただし個人差があり,本人と他人とで評価される親密度に大きな差のない場合もあった.(2)自声聴取音声の取り込みと再提示の方法について検討した.自声聴取音声は,外気を経由して鼓膜を敲く経路に加え,外字や中耳を経由せず頭蓋内を通って内耳にはたらく経路とが合成される.そこで,自成長主音声を外部マイクロホン及び肉伝導マイクロホンの2チャンネルの合成音で作成した.また自成長主音声を提示する場合は,通常のヘッドフォン提示より,骨伝導ヘッドフォンで提示した場合がより自声聴取音声の忠実な再現ができていたようだった.ただしこれにも個人差があった.
著者
谷口 弘一 田中 宏二
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学教育学部紀要. 教育科学 (ISSN:13451375)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.45-52, 2011-03-01

This study examined the effects of support reciprocity in the relationships with principals and colleagues on self-efficacy and burnout among teachers. The respondents wore 122 school teachers (51 elementary school teachers, 9 junior high school teachers, 44 senior high school teachers, 17 teachers of school for the disabled, and 1 unidentified by school). They completed measures of social support exchange in the relationships with principals and colleagues, measurements of self-efficacy in student guidance, course instruction, and job relations, and a burnout assessment with a Japanese version of the Maslach Burnout Inventory. Teachers, support reciprocity in the relationships with principals related significantly to their self-efficacy in course instruction and job relations, and marginally significantly to their self-efficacy in student guidance. Results also indicated that teachers, support reciprocity in the relationships with colleagues correlated significantly with their self-efficacy in course instruction and marginally significantly with emotional exhaustion.
著者
鈴木 啓司
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

DNA二重鎖切断で誘導されるヒストンH2AXのリン酸化が、クロマチン損傷部位を特定する分子タグとして機能し、それを目印にMDC1/53BP1センサーシャペロンがクロマチン損傷を検出している可能性を明らかにするために、分裂中期染色体上でリン酸化ヒストンH2AXおよびMDC1/53BP1センサーシャペロンのフォーカス形成を検出できる実験系の検討を行った。放射線照射によるDNA二重鎖切断に起因した染色体異常は、照射直後は染色分体型の異常が、照射20時間後には染色体型の異常が観察されることを確認した。リン酸化ヒストンH2AXのフォーカスは、染色分体型の異常部位に確認されたが、MDC1フォーカスを同じ部位に局在することがわかった。さらに、染色体型の異常でも、リン酸化ヒストンH2AXおよびMDC1のフォーカスは局在し、その部位は染色体異常が確認されない個所であった。以上の結果から、照射直後にDNA二重鎖切断部位に局在するリン酸化ヒストンH2AXおよびMDC1は、照射後時間が経つにつれて必ずしも損傷部位に残存しないことが示唆された。さらに、MDC1/53BP1センサーシャペロンが、放射線照射後初期の段階でどのような役割を果たしているかを明らかにするため、EGFP-53BP1蛋白質を発現する正常ヒト二倍体細胞を樹立し、X線照射後のEGFP-53BP1フォーカスをタイムラプス法により解析した。その結果、放射線照射後15分以内に形成される初期フォーカスは、その後30分の間に徐々にその領域が拡大することが判明した。さらに、この拡大したフォーカスには、ヒストンH2AXやその他のDNA損傷チェックポイント因子が共局在し、多重蛋白質複合体を形成していることもわかった。MDC1/53BP1センサーシャペロンのフォーカス形成に重要なATMによりリン酸化をATMの特異的阻害剤であるKU55933で阻害したところ、リン酸化ATMフォーカスが完全に消失した条件で、53BP1フォーカスは消失することから、MDC1/53BP1センサーシャペロンのフォーカス形成には、ATM機能依存的なリン酸化が必須であることが明らかになった。
著者
松本 有記雄
出版者
長崎大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

雄の配偶成功は性的二型などの質に依存するが、その質の差に関係なく配偶成功に極端な偏りが生じることがある。この原因の1つが雌の非独立型配偶者選択(以下、コピー戦術)である。コピー戦術を採用する雌は、他個体の配偶者選択を真似て同じ雄を選ぶため、通常の選択の基盤となる遺伝的な好みとは逆の特徴を持つ雄さえ選ぶことがある。このように、コピー戦術は既存の性淘汰の概念を覆すような重要な現象であるが、過去の研究の多くがコピー戦術か否かの報告に留まっており、その適応的意義まで実証した例は皆無である。昨年度までの研究で、ロウソクギンポ雌のコピー戦術には配偶者探索時の移動コストや捕食リスクを軽減する機能は無いことが示された。そこで、多くの種で観察される全卵食行動、すなわち保護卵が少ない場合に(ロウソクギンポでは1000個末満)、卵を保護する雄がそれらの卵を孵化まで保護せずに全て食べる行動に注目した。本種雌の場合、雌1個体の産卵数は最大でも500個程度なので、雌はすでに他の雌の卵がある巣に卵を追加産卵しなければ、自身の卵が全卵食される可能性が高い。ところが、雌が卵を確認するために、巣内に入ると雄に産卵するまで巣内に閉じ込められるリスクが生じていることが実験的に示された。コピー雌の卵が無い巣への産卵頻度は通常選択を採用した雌よりも低く、実際に孵化まで保護されるケースが多かったことから、コピー戦術には、卵を保護していない雄に強制産卵させられるリスクを回避して、自身の卵の生残率を上げる機能があると考えられた。
著者
田中 美保子 鳥巣 哲朗 田中 利佳 生駒 明子
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

全顎的なインプラント補綴患者で咬合接触面積、最大咬合力、咀嚼能率、硬さ認知能を測定した。縦断研究でインプラント手術前、上部構造装着日、装着1-2週間後、装着3か月後の4回分析した結果、咬合接触の増加と並行して咬合力は短期的に回復したが、咀嚼効率は咬合力と連動していないことが示唆された。横断研究では、歯牙対歯牙、歯牙対インプラント、インプラント対インプラント、義歯対インプラントの4群で比較し、咀嚼機能には歯根膜の関与が、硬さ感覚にはOsseoperceptionの関与が示唆された。本研究の成果は、インプラント治療後の咀嚼適応に対する指標の明示や咀嚼力発現メカニズムの解明に貢献するものと考える。
著者
山下 俊一 大津留 晶 光武 範吏 サエンコ ウラジミール 難波 裕幸
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

甲状腺がんの発症分子機構を解明する為に、手術がん組織ならびに培養細胞を用いた発がんに関連する細胞内情報伝達系異常と遺伝子不安定性の詳細を明らかにすることを研究目的としている。BRAF遺伝子との相互関連分子であるARAFやRAPA1、GNAQなどの点突然変異の有無を検索し、いずれも異常がないことを証明した。さらに遺伝子導入発がん誘発候補遺伝子群の探索成果からはARAF異常の関与をin vitroでは証明したが、in vivoサンプルではその異常は見出されなかった。染色体再配列異常や点突然変異の蓄積による細胞死や細胞死逸脱機構について解析し、DNA損傷応答と細胞周期調節機序の関連について研究成果をまとめた。放射線誘発甲状腺乳頭癌のSNPs解析は不安定かつ不確実なデータの為、現在症例数を増やしその正否を確認中であるが、甲状腺特異的転写因子の一つである染色体9番目のFOXOE1(TTF2)のSNPs関連遺伝子異常がチェルノブイリ放射線誘発がんでも関連することを証明した。さらに遺伝子多型に関するSNPs解析結果をDNA損傷応答関連遺伝子群において取り纏め一定の相関を見出すことができた。以上に対して、甲状腺進行癌の分子標的治療の臨床応用は遅々として進まない現状である。p53を標的とする治療法の有用性は証明されたが、他の細胞増殖情報伝達系を標的とする有効な分子標的薬は臨床治験が実施されず欧米の情報に依存している。グリベックを中心に放射線照射療法との併用効果について臨床治験を進め進行癌、未分化癌の一部に有効性を証明した。
著者
松永 知大
出版者
長崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

近年、夜11時以降に就寝する学童が、全体の半数以上を占めるようになるなど、子どもの夜更かしと、それにともなう睡眠障害の増加が問題視されている。また、これらの睡眠障害が、学童の注意力・忍耐力の低下を初めとした、学童に多く認められる各種の心理的・行動的問題の要因となっている可能性が指摘されている。しかし、学童の睡眠の実態把握は進んでおらず、客観的根拠に基づいた生活指導を行うのに必要とされるデータが、十分に整備されていないのが現状である。そこで、アクチグラムを用いた体動量計測による学童の睡眠の客観的評価と、行動学的手法による学童の認知情動能力の客観的計測を行なうことで、(1)学童の睡眠の実態把握を推進すると共に、(2)睡眠の質が学童の認知情動能力に与える影響を実証的に検討することを目的とし本研究を実施した。本年度は、小学3・4年生20名、小学5・6年生20名を対象に以下の測定を実施した。測定1:アクチグラフを一週間にわたり装着してもらい、客観的生活リズム測定を行った。測定2:客観的生活リズム測定終了後、標準化された行動課題(フランカー課題)を実施し、注意能力測定を実施した。測定1のデータをもとに、小学生の夜間睡眠を特徴づける睡眠パラメータ(実質睡眠時間・睡眠効率・中途覚醒回数など)を抽出した。これら睡眠パラメータと測定2で計測した注意能力との相関を分析した結果、両群で注意能力の指標となるConflicting Scoreと実質睡眠時間との間に有意な負の相関がみられた。この結果は、実質睡眠時間が短い小学生ほど、日中の注意能力が減退している可能性を示唆している。
著者
松田 尚樹 工藤 崇 中山 守雄 井原 誠 岡市 協生 吉田 正博
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

放射性ヨウ素による内部被ばくの影響を検出する新しい評価系の開発をin vitro、in vivoの両面から試み、その結果を住民とのリスクコミュニケーションを通して不安緩和に随時応用した。In vitroではI-131を取り込んだラット甲状腺培養細胞の生存率、DNA損傷、シグナル系が急性照射とは異なる応答を示す結果を得た。In vivoでは、I-131を用いるSPECTの実現可能性は確認されたものの、内部被ばく検出とその健康リスク評価については、さらに複数の核種、プローブを駆使して開発を進める必要が残された。このような実験結果は、リスクコミュニケーションを進める上での重要な素材となった。
著者
本山 美彦
出版者
長崎大学
雑誌
經營と經濟 : 長崎工業經營専門學校大東亞經濟研究所年報 (ISSN:02869101)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.1-22, 2002-06

This paper, devoted to late Mr. Yasuhiko Hakui who was a excellent scholar in the field of monetary theory and history, intends to succeed to his scholarly achievement of endogenous money. Throughout the economic history, money has been created inside economic process, not been injected from outside. Various financial instruments other than cash have covered defict of money itself. Exchange letter and giro were those kinds of instruments. In many cases money itself was controlled by official power whilst other instruments belonged to privare sectors. And conflicts between public and private money promoted financial sys-tem. This article tends to illustrate that point by analizing the exchange letter and giro in medieval western Europe.
著者
浜 民夫
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学総合環境研究 (ISSN:13446258)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.59-71, 2007-09

In Japan, the transition system from school to working life upon graduation has changed in recent years. The trasition system has changed leading to an increase in youth unemployment, the so-called 'freeter', and NEET (Not in education, Employment or Training) also inactivity among young people. This paper is considered the inactive jobless youth as a new policy subject.
著者
後藤 惠之輔 北嶋 清
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学工学部研究報告 (ISSN:02860902)
巻号頁・発行日
vol.30, no.54, pp.57-62, 2000-01

In this paper the authors carried out a barrier-free survey and tried to make a toilet map in the builing of Faculty of Engineering, Nagasaki University. Because of being a public facility, Nagasaki University is used by a lot of peoples including the disabled. Owing to the barrier-free survey with a wheelchair it was cleared that there are many barriers such as stairs, gloomy passages, and a narrow lift in the building. In a toilet map presented here not only the location but the kind of toilets are shown together with the location of stairs, slopes and the lift. Lastly the authors made a few proposals in order to improve facilities in the Faculty for barrier-free ones.
著者
浦田 秀子 西山 久美子 勝野 久美子 福山 由美子 田代 隆良 田川 泰 田原 靖昭
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.43-48, 2001-12
被引用文献数
1

女子学生573名を対象に,BMIおよび体脂肪率(%Fat)による体型と体型認識との関係を検討した.BMIと%Fatとの間には相関係数0.741で高い相関関係があったが,BMIは普通群であるが%Fatが28%以上の者,いわゆる"隠れ肥満者"が35名含まれていた.隠れ肥満者は全対象者の6.1%,肥満者の71.4%であった.隠れ肥満は生活習慣との関連が高く,生活習慣の改善や,身体組成,脂肪分布を考慮した体型評価が重要である.また,「太っている」と認識している者は409名(71.3%)であった.BMIでは16から,%Fatでは16%から「太っている」と認識している者がおり,体型と認識との間に乖離がみられた.約9割の者は理想体重を現体重より低く設定しており,理想体重によるBMIは19.0であった.現代の若年女性はやせ願望が強く,誤った体型認識による健康障害を予防するためにも,医学的根拠に基づいて適正に体型認識ができるような健康教育が重要である.We examined 573 female students and analyzed the relation of the physique and the recognition of it, by body mass index (BMI) and percent body fat (% Fat). There was high correlation between BMI and %Fat by the coefficient correlation of 0.741. However, among these group with BMI in normal range, there were 35 girls whose %Fat were more than 28%, so called masked obesity. The masked obesity was 6.1% of all the object and 71.4% of the obese group (% Fat≧28%). As masked obesity is associated with the life habits, it is important to improve of the life habits, and to recognize the appropriate physique in consideration of body composition and fat distribution. And, 409 girls (71.3%) regarded themselves as overweight. Some girls with BMI of more than 16, and %Fat of more than 16 regarded themselves as overweight, thus there was disparity between the physique and the awareness. About 90% of the girls regarded their ideal body weight lower than the actual weight, and BMI by the ideal body weight was 19.0. As modern young girls have a strong desire to be thin, health education, which leads them to an appropriate recognition based on the medical basis is important to prevent health disturbance caused by the inappropriate recognition of their physique.
著者
前田 隆浩 中島 憲一郎 高村 昇 山崎 浩則 草野 洋介
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

特定健診受診者1,295人を対象として、動脈硬化に関連することが報告されている遺伝子MTHFR(rs1801133)、HDAC4(rs3791398)、CARKL(rs465563)、Adiponectin(rs1501299)について多型解析を行い、頸動脈内中膜複合体厚(CIMT)と心臓足首血管指数(CAVI)との関連について検討した。いずれの遺伝子においてもCIMTとCAV Iとの間に有意な関連を認めず、ハイリスクアリルの保有数をもとに分類した5群における解析でも有意な関連は認めなかった。しかし、保有数が多いほどC AVI値が上昇する傾向があり、遺伝子多型と動脈硬化との関連が示唆された。
著者
齋藤 俊行 林田 秀明 川崎 浩二 前田 隆浩
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

五島市で実施した健診受診者のうち「40歳以上で10本以上の歯を有する」1053人を対象に分析し、歯周ポケットの深さの平均値と頸動脈の血管の厚み(IMT)、全身の動脈の硬さを示す心臓足首血管指数(CAVI)の関連をみた。その結果、歯周ポケット深さの平均値が1mm増えると、IMTが0.02mm厚くなり、動脈壁が肥厚するリスクが43%増加、さらにCAVIは0.13増加し、CAVIの異常値(8以上)を示すリスクが32%増加していた。また、血中の活性酸素は、歯周病細菌の特にPg菌の血清抗体価と正の相関を示し、活性酸素値の高い者ほど歯周病が悪化しており、酸化ストレスと歯周病の関連性が認められた。
著者
楠葉 洋子 橋爪 可織 中根 佳純
出版者
長崎大学
雑誌
保健学研究 (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.19-25, 2012-03

Cancer-chemotherapy Concerns Rating Scale(CCRS)を用いて 外来化学療法を受けているがん患者62名の気がかりとそれをどの程度他者に話しているかについて調査した.気がかりがある人の割合は『病気の進行』に関する項目が最も高く,次いで『社会・経済の見通し』『自己存在』『日常生活の再構成』の順であった.気がかりを話す相手は家族や友人が多かった.「化学療法を継続していく中で自分の役割を案じている」「再発・転移への不安がある」などの自己価値や死を意識しやすい項目では40 〜 50%の人が他者に話していなかった.医師や看護師は患者がこれらの気がかりを克服し治療や生活を継続していけるようサポートしていく必要がある.