著者
家森 信善
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.267-274, 2004

Japanese Deposit Insurance Corporation (DIC) has provided the deposit insurance since 1971. The Deposit Insurance Act allowed the DIC to protect the full values of deposit, only when its depositor has less than 10 million yen in deposits. However, the law was amended in 1996, and the DIC was authorized to protect not only all depositors, but also all creditors. Although some argued that depositors' bank runs and financial panics did not occur due to this blanket insurance, other economists criticized that the moral hazard of depositors became serious due to this blanket insurance and proposed its abolishment. This paper considers whether the abolishment of the blanket insurance is appropriate for current Japanese economic conditions, by studying the details of deposit insurance systems of the United States, Korea, and Germany. This paper finds that (1) the effective coverage provided by the Federal Deposit Insurance Corporation (i.e., the U.S. deposit insurance) is larger than what is considered in Japan, (2) the United States and Korea started the limited protection scheme after the banking problems were almost solved, and (3) Germany still provides the blanket insurance, but does not suffer from the moral hazard problem.
著者
板垣 有記輔
出版者
創価大学
雑誌
創価経済論集 (ISSN:03883027)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-15, 2000-09

株式などの危険証券を対象にした,その資産の将来価値が,その対象とする原資産の将来価格の動きに依存して決まる派生証券の価格付けについて,次の諸仮定(Jarrow and Turnbull [14],p.34)を置いて,考察する.仮定1市場は完全で,取引費用,ビッド・アスク・スプレッド,証拠金,空売り制限,税などの取引摩擦はない.仮定2市場参加者は,取引相手から債務不履行をこうむるなどのカウンター・パーティ・リスクに遭遇することはない.仮定3市場は競争的で,市場参加者は価格受容者として行動する.仮定4市場参加者は,少ない富よりも多い富を選好する.仮定5価格は,リスクなしで確実に利益を生むという裁定取引機会を排除するように,迅速に相互に調整される.派生証券の価格は,その派生証券の将来収益の,その派生証券が対象とする原証券の将来の価格変動を表わす確率の下での平均値を求め,それを安全証券の利子率で割引いた現在価値に等しいと一見思われるが,実はそうではない.ある確率が存在して,その下で安全証券をニュメレールとする原証券の相対価格(割引価格)の将来値の期待値を,その相対価格の現在値に等しくさせるとき,すなわち原証券の相対価格にマルチンゲール性をもたらすとき,その確率を同値マルチンゲール測度という.われわれは,派生証券のペイ・オフと全く同じペイ・オフを原証券と安全証券を適当に組み合せたポートフォリオを構成することによって複製できるという完備市場を想定する.この完備市場で無裁定であれば,派生証券の価格は,同値マルチンゲール測度の下で計算した派生証券の将来ペイ・オフの期待値を,安全証券の利子率で割引いた割引現在価値に等しいことを,複製ポートフォリオの構成法を提示しながら,証明する.逆に,同値マルチンゲール測度の下で,原証券と安全証券の市場で裁定取引機会がないことも明らかにする.本稿の組み立てはつぎのとおりである.1金融証券の市場価格のダイナミックス2資金自己調達的ポートフォリオ3同値マルチンゲール測度4無裁定条件5複製ポートフォリオの構成6派生証券の無裁定価格
著者
鈴木 淳生
出版者
名城大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

売り手と買い手の両者が権利行使可能な金融派生商品のペイオフを一般化し、定式化および価格評価を行った。さらにいくつかの例として転換社債、仕組債(ダブルバリア型エクイティリンク債、パワー・リバース・デュアルカレンシー債)などを取り上げ、売り手および買い手が権利行使をすべき閾値(最適行使境界)の解析的な性質を導いた。
著者
安藤 哲夫
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

M町における252組の母児調査で児のメチル水銀曝露の成長・発達への影響を検討した。母の頭髪総水銀濃度の幾何平均濃度は1.60ppmであった。母乳を与えた期間が長いほど母の頭髪水銀濃度は低く、1ヶ月間の母乳の授乳によって1.065ppmの頭髪水銀濃度が低下したことが回帰係数から算出できた。出産間隔が短いと母の頭髪水銀濃度は高かった。母乳の授乳期間が長いほど児の独り歩きの時期が誕生日を含めてそれ以降の児が多くなる頻度が高かった。
著者
竹井 弘樹
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.26-33, 2007-01-01

韓国では図書館サイトヘインターネットを通じてアクセスし,いつでもどこからでも無料で電子ブックを貸出・返却できる図書館サービスが行われている。これはブロードバンドに対応できる国民の情報化において,地域差やIT習熟度による情報格差を解消する目的で,国家主導で始められた図書館サービスである。21世紀知識情報化時代の中心的役割を担う利用者の便宜を中心とした図書館の新しい姿として登場した韓国のデジタル図書館。そのねらいとそれを実際に利用しているケースなど,現地のインターネット事情および環境的な背景,利用状況などと照らし合わせながら紹介をする。
著者
浜田 哲夫
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.5, no.11, pp.1366-1368, 1953-09
著者
亀尾 佳宏 杉村 淑人 竹内 一郎 武田 伸二
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.243-248, 2003-10-10
被引用文献数
3 1

現地発生材(掘削残土や河床堆積物)のコンクリート骨材への有効利用を検討するため,昭和33年に建設された砂防ダム堆砂部でハイブリッドボーリングエ法(気泡式ボーリング,以下「HB工法」という)によるサンプリングを行った.調査対象は,過去40年間に堆積した腐植物や粘土,砂,礫などの変化の著しい河床堆積物よりなる.HB工法は,高濃度気泡の安定供給と気泡送圧力の微調整により,地下水位以深での良好なコア採取が可能であり,HB工法によって原位置での堆積状況を示すほとんど乱れのないコアが採取できた.また,これにより堆積層ごとの代表的な区間で,有効な室内土質試験が行え,土木材料への転用の可否が明らかとなった.従来,河床堆積物の分布状況を把握する調査では,トレンチや普通工法によるボーリングが実施されてきた.しかし,調査対象の河床堆積物が厚さ20m以上である場合,トレンチでは深部まで調査を実施することが困難である.また,普通工法によるボーリングでは,コアが乱され精度の高い試料を採取することが困難である.これに対して,HB工法は河床堆積物の分布が厚い場合も,良好なコア採取ができる.河床堆積物の有効利用を検討するうえで,HB工法は有効な調査手段であることが明らかとなった.
著者
大原 興太郎 秋津 元輝 ビラス サロケ 田中 耕司 堀尾 尚志 タムロン プレンプリディ 法貴 誠 PREMPRIDI Thamrong SALOKHE Vilas M. ピラス サロケ
出版者
三重大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

本年度の研究はシンドシナ半島の国々の本来自足的・生態系保持的な在来農法がどのような形で存在しているか、また技術移転など外からのインパクトがどのような技術的、経済的、社会文化的影響と問題をもたらしたかを、適性技術、土地・水利用、在来農法(焼畑農業を含む)の生態学的特徴、農法展開のための普及組織の実態と問題点、近代化の進展による農作業の変化、伝統的農民の行動様式等の側面から明らかにしようとした。本年度の現地調査はヴェトナム社会主義共和国のメコンデルタ農業について、カント-大学の全面的な協力を得て包括的な概況調査を行うとともに、ラオスにおいてはメンバー各人の問題意識にしたがって個々に再調査を行った。以下、明らかになった事柄を摘記する。1)ベトナムの経済は1986年のドイモイ政策以来対外解放政策と市場経済を導入し、さまざまな規制を緩めてきた。その結果1986〜91年のGDPの平均成長率が5.2%、サービス部門の成長率は9.9%にも上った。農業部門では新土地政策、世帯別独立経済、農民の長期土地使用と土地の相続権及び取引権の授与(1988)、生産活動と売買の請負制は農業に劇的な変化と高成長をもたらした。2)農業基盤については道路などの整備がまだ不十分であるが、フランス植民地時代からの水路開発の結果、水運が発達している。そのため道路がないところでも、船による脱穀や籾摺の請負が発達しており、トラクターの移動も船で行っている地域がある。3)ベトナムの米生産1991年1940万トンの53%を占めるメコンデルタはメコン川の豊富な水量に恵まれ、近年二期作の面積が約70%(*)に拡大した。この稲作の発展には1988年に設立されたカント-大学のメコンデルタ農法研究開発センターが大きな役割を果たしている。4)メコンデルタの農法は地域の自然条件等によってバラエティにとんでおり、一般的なDONG XUN(冬春稲)+HETHU(夏秋稲)の二期作、DONG XUN(冬春稲)+HETHU(夏秋稲)+THU DONG(秋冬稲)の三期作、HETHU+LUA MOA、LUA NOI(浮稲)の一期作、LUA MOA(浮稲)+淡水エビ、HETHU+エビ、HETHU+サトウキビ、DONG XUN+HETHU+野菜等々の多くの組み合わせがみられる。5)また、播種なしい移植についても、乾田直播、湛水直播、催芽種直播、不耕起直播、混播、田植等が土地条件や営農条件によって使い分けられている。6)旧南ベトムでは比較的うまく存続しているのが珍しいDONG CAT国営農場では、肥料の購入、水利、耕耘などは国が管理し、あとの農作業は農民に任せている。興味深いのは国営農場内に森林が植林されており、酸性土壌に強いメラロイカが植えられ、とくに火災の管理などに工夫がされていることである。7)メコンデルタ農業発展の障害は農業基盤の整備の不十分性、資本の欠乏、農産物および生産資材の価格の不安定があげられる。8)ラオスにおいては1975年以前にアメリカにならった普及組織があったが、革命とともに無くなり、ようやく1991年になって農業普及庁が設立され、普及組織が再び整えられつつある。9)2代目長官ブリアップ氏は次のような普及目標を上げている。技術移転、農民への技術援助、他の省庁との調整、農民のニーズの把握、作物の病虫害防除、作付改良への理解、農業機械の管理、家政への参加等である。10)現在の普及上の問題点はまず第一に普及員の質の向上であり、第二に普及組織の確立、第三に予算の不足、第四に情報とりわけ市場情報の確保があげられる。とくに普及関係の予算は少なく、現在国際機関との共同事業もないが、農民が肥料や種子、さらには機械や農業雇用のための金を借りるための農業振興銀行(Agricultural Promotion Bank)が1993年に設立された。これには普及員の承認がいることになっている。借入金の利子は8〜12%であり、一般銀行のよりは数%低くなっている。11)ラオス北部の米作はなお焼畑が主体をなしているが、政府の森林伐採の禁止により、農民は新たな土地を確保できず、焼畑のロ-テーションが以前の10年前後から3〜4年と短くなって来ている。
著者
細野 薫
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、預金者による規律付けの理論分析と実証分析からなる。理論分析(第1部)では、預金保険のもとで、預金者による銀行の選別がどのような条件で起こりうるのか、また、預金者による銀行選別がどのように銀行経営者のリスクテークに影響を及ぼすかを解明した。とくに、政府による銀行救済政策が預金者による規律付けを無効にし、銀行のリスクテークを助長してしまうことが強調されている。実証分析は、90年代における日本の全国銀行のデータを用いた研究(第2部)と、世界63カ国の銀行のデータを用いた研究(第3部)からなる。まず、日本の実証結果によれば、預金増加率と預金金利はそれぞれ銀行のリスク指標との負、正の相関が見られ、預金者による選別行動が観察された。特に定期預金の増加率とリスク指標との相関は、ペイオフ解禁(2002年3月)の直前に高まっていた。次に、各国の実証分析をサーベイした上で、世界63カ国の約18,000に及ぶ銀行・年データと各国の銀行規制や法制度などのデータを整備して実証分析を行った(鶴光太郎氏、岩城裕子氏との共同研究)。この結果、銀行規制が甘いほど、また、法による統治の程度が低く、金融資本市場が未発達なほど、預金者のリスク感応度は高く、預金者による規律付けが機能していることがわかった。これは、規制当局が預金者の代表として銀行を監督するという「代表仮説」と整合的であり、政府による規制と市場規律が代替的に機能していることを示唆している。
著者
大西 正光
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

インフラプロジェクトでは、複数の(実際には多数の)リスク要因が存在していることが通常である。しかし、複数リスク下における、プロジェクトリスクの最適なリスク分担構造について、未だ理論的な裏付けによって導かれたものは存在しない。本研究では、インフラプロジェクトにおける複数リスクのアンバンドリングを考慮した最適リスク分担構造を、合理的意思決定モデルを用いることによって、演繹的に導き出した点に新たな貢献がある。
著者
三浦 良造 本多 俊毅 中村 信弘 大橋 和彦 長山 いづみ
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、電力・天候・保険事の新しいリスクの取引と管理を目標に、必要となる基礎理論の構築とその実務への応用のための基盤作りを行った。現在までに論文の形式とした成果は以下の通りである。第一の研究成果は、α-percentile barrier optionの一般化としての「江戸っ子オプション(Edokko Option)」の理論価格の導出である。(Fujita and Miura論文。)これは、基本的に一定の期間内において原資産の値がある閾値よりも小さくなる割合がα-percentile以下であるかどうかに依存してペイオフが定まるデリバティブの価格を求めるものであるが、ここで開発した理論を用いれば、例えばある一定期間に雨が降った日数(イベント日数)を原資産とする天候デリバティブの価格計算が可能になる。第二の成果は、ジャンプが加わった拡散過程に資産価格が従う非完備市場における、投資家の最適ポートフォリオ問題の解析である。(Nakamura論文)。スパイクと呼ばれるような不連続的な価格変化は電力価格の特徴であるので、この理論を用いれば、電力市場等における最適取引やリスク管理、それらのリスクをヘッジするための天候デリバティブや保険料の評価等を行うことができる。第三の成果は、取引の流動性の確保についての分析である。(Ohashi論文)ここでは保険デリバティブについて、情報の非対称性に基づく理論モデルを構築し保険デリバティブが取引される条件を分析したが、情報の非対称性による流動性の低下は、重要性を増しているMBSの取引においても重要な問題である。この他に天候や電力に関するデータを整えた。今後、これらの実データを利用して、以上の基礎理論を天候デリバティブの価格決定や、発電事業の価値評価、保険料率の決定等の分析を行う予定である。
著者
RICHARD Anton Braun
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

銀行取引とマクロ経済に関する私の研究は3つの研究テーマを完成させることに焦点が当てられてきた。第1のトピックは預金供給についてである。家計が預金の主な供給者であることは周知の事実であるが、この研究は人口統計の推移が家計の代替的資産区分需要、ひいては預金供給にどのように影響を与えるかということを調査するものである。Braun, Ikeda and Joines(2006、執筆中)では上記要素を盛り込んだコンピューターOLGモデルを発展させた。家計の有効期間は80年間あり、労働供給の決定をする。我々はこのモデルのパフォーマンスを1960年からのデータと、出生率、税、技術、死亡危険度、政府の負債における時間変化のモデルを用いて計測した。この論文では貯蓄率の年代別詳細情報を提供しているが、資産配分の決定については述べていないため、こちらは久保田敬一教授と和田賢治助教授との共同研究(2004)で家計の資産配分をモデル化を試みた。この研究は世紀の変わり目までさかのぼったデータを使い、人口統計の相互作用と各資産区分の超過収穫を調査した。これら2つの研究を組み合わせて、銀行預金の供給の構成と総体的なサイズに関する情報を供給した。第2のトピックはマネー・サプライの増加がゼロ金利下での経済にどのように影響を与えるか、ということである。Braun and Waki(2006)では硬直価格モデルを定式化し、1990年代の日本からの実質的・名目的事実を説明する規格を作り出した。金融政策が経済を安定させる力は名目金利がゼロの時は崩壊してしまうこと、そして名目ゼロ金利を強制されたことに対する福祉のコストは大きい、ということを発見した。Braun and Shioji(2006a,2006b)では日本の金融政策が利回り曲線に与える影響を調査し、日本、アメリカ、韓国の金融政策のクレジット・チャンネルの国際比較を行った。最後に3番目のトピックはこの3つの研究をひとまとめにし、金融政策の相互作用と銀行セクターの健全性を調査した。Braun and Gilman(2006)ではインフレの低下が銀行の健全性や家計の福祉に与えるであろう影響を調査した。また、家計の福祉と銀行セクターの収益性に与える影響に関する政府の代替政策の意味合いについても検討した。
著者
野間 幹晴
出版者
一橋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度は主に次の2つの研究を行った。第1の研究が多角化と株主資本コストに関連する実証研究であり、第2は経営者の業績予想と会計発生高に関する実証研究である。多角化と株主資本コストについては実証分析を行い、「証券アナリストジャーナル』に掲載した。本研究では、多角化戦略が株主資本コストに与える影響を実証的に検証した。多角化にともなう企業と投資家との情報格差の拡大によって、当該企業への投資に対するペイオフ推定のリスクが増大し、資本コストが上昇すると考えられる。先行研究の多くはコングロマリット・ディスカウントの要因として経営の非効率性を指摘するが、本稿では多角化戦略の採用自体がリスクプレミアムをもたらす要因となることを示した。実証分析から、多角化は資本コストに影響を与えるリスクファクターであり、その内容や実施形態に応じて資本コストに対して異なる影響を与えることが解明された。経営者の業績予想と会計発生高の関連についても日本企業のデータを用いて実証分析を行った。分析の結果、経営者予想の予測誤差と会計発生高、および経営者予想の予測誤差と正常会計発生高の間に統計的に有意な関連があることが明らかになった。また、経営者予想の改訂と会計発生高、および同改訂と正常会計発生高との間に関連があることを明らかにした。こうした分析結果は、経営者が発生主義会計を十分に理解していないことを示唆する。この研究については、マレーシアで開催された、"19^<th> Asian-Pacific Conference on International Accounting Issues"において発表を行った。
著者
神薗 健次
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

金融派生証券価格理論においては,まず原資産価格の変動を表すモデルとして,例えば対数正規過程などの確率過程が与えられる.次に派生証券は,ヨーロピアン型の場合では,派生証券満期におけるペイオフとして特徴付けられ,これはモデルの上では満期時点における原資産価格の関数として与えられる.そして,当該金融派生証券の現在時点における価格は,満期でのペイオフの割引現在価値の期待値を,いわゆるリスク中立確率測度のもとでとることによって得られる.これが,無裁定価格理論の概要である.本研究は,金融派生証券価格を非対称情報のもとで考察することを目標としてスタートした.平成19年度における本研究の研究実績の概要は以下の通りである.前年度までに Bikulov and Volovich(1997)によるBrown運動による対称確率積分を定義し,Malliavinの発散作用素との関連を論じたが,今年度には論文のさらなる改訂を行い,最終的に学術雑誌Stochastics第79巻・第6号に成果を発表するに至った.前年度より引き続き手がけていた,Donskerの不変原理に相当する定理の証明は未完であるが,p進時変数のDoobの不等式に相当するものを求めるということが新たな問題として浮かび上がった.また,前年度得られた成果であるρ進有理数全体を時変数にとるBrown運動をPaley-Winnerの方法によるBrown運動の構成について,The Third International Conference on p-Adic Mathematical Physicsにて成果報告を行った.
著者
内田 善彦
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2006

第一に、解析的な価格式を持たないヨーロピアン・オプションを対象にした並列化コードを実装し、並列化による計算速度の向上を確認した。ここでは、漸近展開を用いた分散減少法付きモンテカルロ法のアルゴリズムとしてTakahashi and Uchida(2006)で提案済みのものをアルゴリズム利用した。漸近展開や分散減少法を用いない既存アルゴリズムとしてオイラー・丸山法によるモンテカルロ法のアルゴリズムを利用した。並列・分散処理にかかる制御手法はsocketをもちいたサーバー・クライント型とした。数値実験の結果として、並列化手法を用いれば、一般的なモンテカルロ法では計算時間が長くて現実的でない「実用的な精度のキャリブレーション」が低次の漸近展開式を得るだけで可能になる、と考察した。第二に、漸近展開法とモンテカルロ法を組み合わせたアルゴリズムの応用範囲を広げることを目的として、漸近展開法を用いてヨーロピアン・オプションの初期値微分(グリース)を計算する計算式を導出した(Matsuoka, Takahashi and Uchida(2006))。この計算式を上記の並列化手法を用いて並列化することは容易である。第三に、アメリカン・オプションを対象にした漸近展開を用いたモンテカルロ法の開発を目的として、Rogers(2002)の方法に漸近展開法を組み合わせたアルゴリズムについて、基本的な数値実験を行った。この結果、単純なペイオフをもつアメリカン・オプションに対してはマルチンゲール項としてヨーロピアン・オプションの漸近展開式が有効であることが分かった。さらに、一般的なペイオフを持っアメリカン・オプションに対して有効なマルチンゲール項の計算を統一的な方法で行うことは必ずしも容易でないことが分かった。
著者
岡本 芳晴 畠 恵司 荻原 喜久美 南 三郎 柄 武志
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

今回の研究により、細胞レベルでのルパン型トリテルペン(ルペオール)のメラノーマ分化誘導の機序を解明することができた。また遺伝子解析により、細胞周期に影響を及ぼすことも判明した。マウスを用いたin vivo実験より、ルペオールを腫瘍局所あるいは全身に投与することにより、メラノーマの増殖を抑制することが明らかとなった。さらに犬の自然発症例メラノーマに対しても十分有効なことが示された。