著者
野田 真樹子 園部 博崇 高木 佐恵子 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.108, pp.9-14, 2001-11-15

現在,多くの画像検索システムがあるが,それらをモバイル環境で利用することは難しい.そこで,本稿では,モバイル環境で利用できる花の画像検索システムを提案する.提案システムは デジタルカメラで撮影した花の画像と,利用者が指定した簡単な特徴情報を,モバイル機器を用いて画像検索サーバに送信し,サーバで検索を行った結果をモバイル機器で確認するというシステムである.サーバでの検索の際には,利用者が指定した特徴と,デジタルカメラで撮影した花の画像から抽出した形状や,色の特徴を使用する.本システムで検索実験を行った結果,目的とする画像が検索結果の第1位から第3位に入ったものが約92%であり,その結果は満足できる時間内に取得できた.There are many image retrieval systems today. These systems, however, are difficult to use outdoors. In this paper, we propose an image retrieval system of flowers that can be used for mobile computing environment. In this system, we photograph a flower with a digital camera and specify some simple characteristics of flowers. Then we transmit the flower image and the characteristics to an image retrieval server with PDA and PHS. In the image retrieval server, images similar to the received image are retrieved. For the purpose of retrieving the images, we use the characteristics specified and characters of shape and color extracted from the images. The result of our experiment shows that the percentage of getting the objective image from the first to the third places was about 92%. The objective flower-data was obtained in satisfactory time.
著者
池橋 宏
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.367-377, 1977-12-01

集団育種法の利点として,固定が進んでからの選抜の容易さや劣性遺伝子に支配されている形質が後期世代では高率でとらえられることなどが挙げられている。また初期世代のうちに可能な組換えが進行した後で,それを選抜に利用できることも集団育種法の利点と言える。しかしこの点の量的な評価は必ずしも容易ではない。この問題を選抜の具体的な場合に即して次のように設定することができよう。すたわち望ましくたい形質間相関が存在する場合に,無選抜で世代を進めると組換えの進行により形質間相関はどの程度に弱まるか。あるいは有望組換え個体の数は世代と共にどう変化するか。このような問題は常に育種家の関心事である。しかし関係する要因は多く,個々の実験から一般性のある答を得るのは容易でない。シミュレーションはこれらの問題を扱うのに適しており,その過程と結論は作物を栽培して行う実験の指針となるだろう。この論文ではまず組換え値と遺伝相関廉数の関係を通常の最的遺伝子の相加的モデルを基礎に検討し,両者の関数的関係を指摘Lた。次にこれを利用して多数の連鎖した遺伝子の確率的行動をもとにした,一種の2次元の準連続分布を構成し,与えられた組換え値ごとに,世代の進行にともなう遺伝相関係数の変化を求めた。その結果,遺伝相関係数は,大きな確率的変動をともなうため,組換えの進行の尺度としては不適当であるとみられた。一方高頻度の組換えから生ずる個体の数を,組換えの進行の尺度としてとらえると,この数はF_2では極めて少いが,F_4位までに急増することがみられ,とくに連鎖のある場合にこの傾向が顕著であった。これらの結果にもとづいて,F_2での遺伝相関係数が0.3程度となる模型集団について,F_2,F_3もしくはF_4で選抜を開始する選抜実験を試みた。その結果,遺伝的進歩,相関反応および有望組換え個体の数といった指標において,一般的にF_4で選抜を開始した方が有利であると結論された。しかしその有利さは,機会的変動や環境変動などの働きで,必ずしも顕著でないことが推察された。
著者
藤生 君江 神庭 純子 富安 真理 鈴木 みちえ 長澤 久美子 蒔田 寛子
出版者
岐阜医療科学大学
雑誌
岐阜医療科学大学紀要 (ISSN:18819168)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.15-20, 2008

本研究は,在宅看護論における家族支援に関する学習効果について検討することを目的として,学生の介護者の自己実現に対する認識に焦点をあてて,マズローの欲求階層理論に基づく質問紙調査を実施した。対象者は,S大学看護学部2002年度大学生123名である。実習前後における平均値では,5基本的欲求に有意差はみられなかった。順位では,両者ともに安全が1位を占め,2位は,実習前は生理であったが実習後は自己実現に変化していた。生理に偏りがちな看護学生の認識を自己実現に変化させ視野を広げていると考えられた。基本的欲求下位項目で有意差がみられたのは,「常に睡眠不足のため身体の調子は良くない」のみで,実習前より実習後のほうが低かった。因子分析では実習前は,承認のみで占められていたが,実習後は,生理のほかに愛と所属,自己実現の欲求が出現し第1因子が異なり,学生の認識に変化がみられた。以上の結果から第1報における環境因子に着目した家族支援に関する学習効果が,在宅看護実習を経験することによりさらに定着されたことが本報でも示唆された。
著者
安川 正敏 長野 慶一郎
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.82-93, 1958-10

腸管へのCa排泄を窺うために, 家兎について, つぎの実験を行つた.即ち, 結紮によつて腸管を小腸, 盲腸, 近側結腸及び遠側結腸の4部位に区分し, 内容の移出入を阻止した家兎に, ^<45>CaCl_2を皮下注射し, 一定時間後に致死, 各区分の内容乾物量を秤量し, この一部を灰化して, cpmを計測した.この測定値について, ^<40>K等の天然放射性同位体に基づくcpmを補正した後, これから腸管各部位に存在するcpmの総計を算出, 比較した.結果はつぎの通りに要約される.1.上記4部位の, いずれにも, ^<45>Caの排出が認められた.2.全腸管中に存在する^<45>Ca量に対する, 各部位の占める割合は, 雌, 雄ともに, 小腸と近側結腸が高く, 1位或は2位を占める.この両者につぐものは盲腸であり, 遠側結腸が最低であつた.3.妊娠期には, 小腸の占める割合が高まる.4.上述の成績は, 必しも各部位の, 真の排泄能を意味しないであろう.というのは, 腸管内における^<45>Caの再吸収が, ありうるからである.
著者
三木 喜美子 和泉 真紀 宮地 由紀
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.113-123, 2001-03-31

4年制の看護大学生を村象に,高齢者アセスメント表を適用し演習終了後に調査を実施した。1996年(調査I)と1997年(調査II)の2年間の調査を検討した結果,次のことが明らかになった。1)高齢者アセスメント表の難易度は,調査Iの結果が有意に「容易」と回答した者が多かった。(p<0.01) 2)高齢者アセスメント表の記入による効果は,いずれも共通して順位1位として,(2)潜在的な問題の把撞ができるをあげていた。2位以下は異なっていた。調査IIの(1)ニーズが把握しやすいが,調査1の同じ項目に比べて有意に高かった。(p<0.05) 3)問題領域選定表の難易度は,調査IIの結果が有意に「容易」と回答した者が多かった。(p<0.05) 4)問題領域別検討指針の有効性は,調査IIが有意に理解できたと回答した者が多かった。(p<0.05) 5)詳細検討用紙の難易度・問題領域別検討指針の理解度・ケアプランの難易度は,調査Iと調査IIの結果には有意な差はみられなかった。
著者
村上 處直 佐土原 聡 田中 希代 浦川 豪
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.5, pp.147-154, 1995-11

【1. はじめに】 1990年11月17日にはじまった198年ぶりの雲仙普賢岳の噴火は1991年6月3日の大火砕流で多数の死傷者を出すなどの災害へと拡大した。その後も土石流が発生し、民家が倒壊、流失するなどの被害が続き、大勢が避難し、災害は長期に及んでいる。現在、砂防事業、河川の改修事業などが進められているが、完成には時間がかかり、住民は雨が降るたびに土石流に対する避難を余儀なくされている。幸い、1994、1995年現在まで土石流による被害はないが、住民の防災意識の低下が心配される。 【2、研究の目的、方法】 普賢岳災害時は、これまでの災害では余り見受けられなかった「長期化」という問題を抱えている。この長期化する災害の中、本研究では戸別訪問によるアンケート調査をおこない、住民側から見た避難計画への意見を求め、土石流に対する避難を円滑にするために、避難に関する住民の意識、行政の現状を把握し、今後の避難計画に役立てソフト面の充実をはかる。また、島原市の災害情報収集のメディアとして利用されている防災行政無線(戸別受信機)、及びCATVを分析、評価し、今後の災害情報収集におけるCATVの有効的な活用の可能性について方向性を示しハード面の充実もはかるものである。 【3. 分析・評価】 アンケート調査によって、既成の避難計画に対する問題点が数多く上がるとともに、住民への浸透もかなり低いことが明らかになった。行政側は、情報公開や公聴会などを開くことによって、住民と共に防災計画を作り上げるという姿勢を示すことが大切であると思われる。また、CATVは有効的に活用できるメディアであることも明らかになった.今後は、行政が介入し、CATVの持つ特徴を生かし災害時だけでなく、災害前期、後期において積極的に利用することが望まれる。
著者
菊池 浩明 向殿 政男
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.63-64, 1989-10-16

我々の日常のあいまいな論理構造を取り扱う論理体系にファジィ論理がある.そこに,真偽のあいまいさだけではなく,未知や矛盾に関するあいまいさを導入した論理体系=ファジィインターバル論理が提案されている.ここでは,ファジィ論理で用いられていた[0,1]上の数値の代わりに,区間[n,p]で真理値を取る.未知の度合はその閉区間の幅で,矛盾の度合は相当するファジィ集合の高さで表現される.「かつ」や「または」に相当する論理演算は,特殊な場合にファジィ論理を含む形で拡張されており,その代数系はドモルガン代数となることが知られている.また,それらの論理演算で構成される論理関数の数は有限であることも明らかにされている.本稿では,ファジィインターバル論理における論理関数の表現について議論する.そのために,2値論理で言うところのシャノン展開をファジィインターバル論理に拡張する.
著者
竹中 秀行 市成 光広 谷本 憲彦 早瀬 善男 新川 求 市場 常男 益子 道生 林 幸之 武田 禮二
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.107-112, 1998-05-20
被引用文献数
9

種々の2-(置換フェノキシメチル)フェニル-2-メトキシイミノアセトアミド誘導体を合成し, フェノキシメチル部の置換基と殺菌活性における構造と活性相関について調べた.その結果, フェノキシメチル部のベンゼン環が無置換の化合物に比較して, ベンゼン環の2位, 3位または4位がメチル基またはハロゲンで置換された化合物の方が活性が高かったが, ベンゼン環の2位に比較的嵩高い置換基が導入された化合物は活性が低下する傾向が見られた.また, モノ-置換体より2, 3-, 2, 4-または2, 5-ジ-置換体の方が活性が高く, とくに2, 4-ジメチル, 2, 4-ジクロル, 2, 5-ジメチルおよび2, 5-ジクロル体の活性が最も高く, スペクトラムも広かった.一方, 2位と6位に同時に置換基が導入された化合物は著しく活性が低下した.メトキシイミノ部の幾何異性体間ではE-体の方がZ-体より活性が高かった.
著者
高橋 潔
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.47-53, 1994-03-31

中度遅滞を示す17歳の知的障害児が入所施設内のクラス異動を契機に、盗み、拒食、無断外出などの不適応行動を示した。これらの行動改善を目的に、カウンセリングアプローチによる関わりを行った。各々の不適応行動は、依存、顕示、反抗、拒否、自暴自棄という内面変化を背景に変容していったと解釈された。また、知的障害児に対するカウンセリングアプローチの効果は、ケースの言語能力・情緒発達と関連して限界が論じられ、生活療法的な環境調整との併用が有効であることが示唆された。