著者
久保 毅幸
出版者
日本加速器学会
雑誌
加速器 (ISSN:13493833)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.50-56, 2023-04-30 (Released:2023-05-16)
参考文献数
6

The author, a physicist who takes long-term paternity leave of more than two years, tells a life of a stay-at-home dad in New York. The story includes how he has become a stay-at-home dad, his daily routine, and the calamities he encounters daily.
出版者
石巻日日新聞社
巻号頁・発行日
vol.平成23年3月12日, 2011-03-12
著者
古川 忠延 阿部 修也 安藤 剛寿 岩倉 友哉 志賀 聡子 高橋 哲朗 井形 伸之
雑誌
研究報告 デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-6, 2011-10-01

本研究では,センサーや統計等を通じては獲得できない社会的事象の抽出と活用の可能性調査を目的として,犯罪情報を対象に Twitter 投稿の分析をおこなった.分析を通じ,(1) Twitter 上の犯罪関連投稿には,投稿者自身の犯罪の目撃や被害に関する投稿,公共・公的機関が発表した情報等を引用した投稿,ニュース記事の引用という3種類が存在すること,(2) それらの間で記述されている犯罪種別傾向の違いから,Twitter からのみ抽出できる犯罪情報が存在していること,が分かった.また,犯罪関連投稿を自動抽出する実験結果についても報告する.We analyzed criminal Twitter posts. The purpose is to investigate the possibility of extraction of various social phenomena which can not be acquired by a sensor or statistical prediction. Through the analysis, our findings are: (1) There are three types of criminal tweets: user's experience, announce by public institution, and cited news article. (2) By analyzing the difference between these three types of criminal tweets, there may be criminal information existing only on Twitter. We also show the result of an experiment to extract criminal tweets automatically.
著者
山根 信二 小笹 裕昌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FACE, 情報通信倫理
巻号頁・発行日
vol.96, no.440, pp.9-16, 1996-12-21
被引用文献数
1

「ハッカー」とはシステムに精通した人物に対する称号であり, ハッカーはネットワーク社会への貢献者でもある. しばしばハッカーは蔑視の意味でしばしば誤って使われたが, やがてサイバーテロリストをハッカーと区別するために「クラッカー」と呼ぶようになり, RFCでもその呼称が提案されている. 本論ではハッキングをセキュリティ破りではなく, インターネットやフリーソフトウェアに体現される自由と協調の精神の観点から捉える. そしてハッカーを養成する運動の現状を分析し, ハッカーの裾野が広がる意義を考察する.
著者
京都大学・京都精華大学マンガプロジェクト
出版者
京都大学広報センター
巻号頁・発行日
2008-09

京大マンガプロジェクト制作記 / 竹宮惠子(京都精華大学)
著者
岡本 欣也 三好 謙一 木科 学 藤瀬 幸 加藤 順 徳永 志保 的野 智光 法正 恵子 大山 賢治 岡野 淳一 前田 直人 孝田 雅彦 村脇 義和
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.748-753, 2012-11-25
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は60歳代の女性.平成2X年5月中旬から全身倦怠感,嘔気が出現,7日後に皮膚黄染に気付いた.近医受診し,肝機能障害指摘され当科紹介入院.総ビリルビン7.8 mg/dL,AST 1441 IU/L,ALT 1753 IU/L,プロトロンビン時間33.2%で急性肝炎重症型と診断した.なお,血小板数も4.1×10<sup>4</sup>/μLと著明に減少していた.原因検索の結果,DDW-J 2004薬物性肝障害スコアリングで10点で,薬物性肝障害が疑われた.服用していた薬剤をすべて中止した.その後徐々に肝機能改善し,50日後に退院した.服用していた医療用薬剤および健康食品について薬剤リンパ球刺激試験を行ったところ,「にんにく卵黄」のみで陽性となった.日常的に摂取する食品由来の健康食品であっても,重篤な薬物性肝障害を発症する可能性が示唆された.<br>
著者
岩田 力 磯谷 正敏 原田 徹 金岡 祐次 亀井 桂太郎 前田 敦行 高山 祐一
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.773-776, 2013-05-31 (Released:2013-07-26)
参考文献数
17
被引用文献数
2

要旨:経肛門的直腸異物は,精神障害や性的嗜好あるいは事故により肛門から異物が挿入され,抜去不能となったものである。瓶類,玩具や缶の蓋などの報告例は多いが,石膏による直腸異物の本邦報告例はない。今回,われわれは石膏を経肛門的に注入し,全身麻酔下にS状結腸に切開を加え異物を摘出した1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。症例は32歳男性,既往歴は特になし。10年以上前より自慰行為にて肛門より液体状の石膏を注入していた。2011年6月に液体状の石膏500mLを注入,排出困難のために当院救急外来受診した。血液検査では炎症反応の高値を,腹部CTでは直腸からS状結腸におよぶ高吸収体を認めた。石膏注入後約15時間後に全身麻酔下に経肛門的に摘出を試みたが不可能であり,開腹手術へと移行した。開腹して腹腔内よりS状結腸の異物を肛門側に押し出そうとしたが押し出せず,S状結腸に切開を加え18×6×6cmの石膏を摘出した。直腸粘膜の損傷を認めたために低位前方切除術を施行した。術後経過は良好で第11病日に退院した。
著者
小澤 正直
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.157-165, 2004-03-05
参考文献数
38
被引用文献数
1

古典力学は,過去の状態を完全に知れば,それ以後の物理量の値を完全に知りうるという決定論的世界観を導いたが,量子力学は,測定行為自体が対象を乱してしまい,対象の状態を完全に知ることはできないことを示した.ハイゼンベルクは,不確定性原理により,このことを端的にかつ数量的に示すことに成功したといわれてきたが,測定がどのように対象を乱すのかという点について,これまでの関係式は十分に一般的ではなかった.最近の研究により,この難点を解消した新しい関係式が発見され,これまで個別に得られてきた量子測定の精度や量子情報処理の効率の量子限界を統一的に導く第一原理の役割を果たすことが明らかになってきた.
著者
山口 真一
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.53-65, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
30
被引用文献数
3

本稿では、近年多く発生している炎上の実態と、炎上に加担している人の属性について、実証分析によって以下6つの仮説検証を行う。①炎上件数は近年増加している。②企業に関連する炎上が多く発生している。③炎上加担者は少ない。④炎上加担者はインターネットヘビーユーザである。⑤炎上加担者は年収が少ない。⑥炎上加担者はインターネット上で非難しあって良いと考えている。まず、記述統計量分析の結果、仮説①-③はいずれも支持された。つまり、近年多く炎上が発生しており、心理的・金銭的被害が出ているが、実際に炎上に加担している人は非常に少なく、具体的には約1.5%であった。また、2011年-2014年にかけての炎上件数は、いずれも年間200件程度であった。次に、計量経済学的分析の結果、炎上加担行動に対して、「男性」「年収」「子持ち」「インターネット上でいやな思いをしたことがある」「インターネット上では非難しあって良いと思う」等の変数が有意に正の影響を与えていた一方、「学歴」や「インターネット利用時間」等の変数は有意な影響を与えていなかった。このことから、仮説⑥は支持された一方で、④、⑤は棄却され、炎上加担者は社会的弱者、バカ等としている先行研究と実態が乖離していることが確認された。
著者
富沢 大介 池田 心 シモンビエノ
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.2560-2570, 2012-11-15

囲碁における定石や将棋における定跡は,主にゲーム序盤で用いられる決まった手順の互角の応酬であり,長い時間をかけて研究・洗練された人智の結晶である.テトリスやぷよぷよなどの落下型パズルゲームの多くでも,展開を有利にするための定石形が存在し利用されている.これらのゲームを囲碁や将棋と比較すると,自分と相手双方に盤が存在し邪魔は間接的にしか行われない一方で,操作対象の与えられ方(俗にツモと呼ばれる)にランダム性があり,状況に応じて用いる定石や配置順を変えていかなければならない難しさがある.本論文では,関連性行列という形で状態と定石を表現する定石形配置法を提案し,これをぷよぷよにおける連鎖の構成に適用することでその有効性を示す.In Go and Shogi, standard patterns and sequence of moves have been developed over the years by human players, mainly in the opening of the game. Such standard patterns, used by expert players to reach a winning position, also exist in tile-matching video games like Tetris and Puyo-Puyo. In tile-matching games, the interaction between the players is only indirect through separate boards, but the randomness of the tiles appearing in the game is a major difficulty, not found in Go or Shogi. In this paper, we propose a tile arrangement method for finding good moves in tile-matching games, through the use of a relevant matrix that represents the current situation and the knowledge of standard patterns. We show the effectiveness of the proposed method by applying it to the construction of chains in Puyo-Puyo. The resulting Puyo-Puyo AI player is significantly stronger.
著者
石渡 さくら
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
no.45, pp.73-83, 2007

子どもたちに絶大な人気を誇るアニメ。今やその人気は大人をも巻き込み、世界的な一大マーケットと呼ばれる程である。この小論では、「鉄腕アトム」「マジンガーZ」「機動戦士ガンダム」「新世紀エヴァンゲリオン」「交響詩篇エウレカセブン」の5本のロボットアニメを取り上げる。これらは、その時代のエポックメーキング的役割を果たしたアニメ番組である。番組の中に存在する「善」と「悪」の対立構造からその変遷を辿り、子どもとアニメの関係を探ると共に、現在のアニメの状況を考察する。
著者
大中 浩行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.30, pp.37-42, 2001-03-22

2000年5月から7月にかけて発生した、rh-AB型血液患者の手術に対して献血による協力を呼びかけるメールが転送される現象を事例に、インターネットにおけるチェーンメールの社会的影響について調査を行った。Web上のBBS(掲示板)に転載されたメールを収集し、内容を分析することによって、伝播過程の分析を行った。今回の事例は「善意のチェーンメール」として社会問題化したが、短期間に多数に情報を伝達する行動は、善意・悪意を問わず社会問題化するリスクを孕んでおり、転送者の社会的地位なども考慮にいれた研究が課題となっている。This paper is case study on social influence of chain letters calling for blood donation. A lot of Japanese Internet users joined forwarding this chain letters from May 2000 to July. This study appears process of forwarding chain letters through collecting chain letters contributed to Bulletin Board System(BBS) in World Wide Web(WWW). This case had become social problem regarded as "No harm chain letters", but communicating to large members and short term is high risk action. It is important to research on Information transmitting considering social position of players.
著者
加藤 秀一
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.298-313, 2004-12-31 (Released:2010-04-23)
参考文献数
11

ロングフル・ライフ (wrongful life, 以下WL) 訴訟とは, 重篤な障害を負って生まれた当人が, 自分は生まれないほうが良かったのに, 医師が親に避妊あるいは中絶の決断をするための根拠となる情報を与えなかったために生まれてしまったとして, 自分の生きるに値しない生をもたらした医師に賠償責任を要求する訴訟である.そこでは自己の生そのものが損害とみなされる.しかしWL訴訟は論理的に無意味な要求である.なぜならそれは, すでに出生し存在している者が, 現実に自分が甘受している状態と自分が存在しなかった状態とを比較した上で, 後者のほうがより望ましいということを主張する発話行為であるが, 自分が存在しない状態を自分が経験することは不可能であり, したがってそのような比較を当事者視点から行なうことは遂行的矛盾をもたらすからである.それにもかかわらずWL訴訟の事例は増えつつあり, 原告勝訴の事例も出ている.それだけでなく, WL訴訟と同型の論理, すなわち存在者があたかも非在者であるかのように語る〈非在者の語り=騙り〉は, 裁判以外のさまざまな文化現象の中に見てとることができる.そのような〈騙り〉は, 死の概念を一面化し, 死者を生者の政治に利用することで, 新たな死を召喚する行為である.
著者
伊藤 大幸 浜田 恵 村山 恭朗 髙柳 伸哉 野村 和代 明翫 光宜 辻井 正次
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.451-465, 2017 (Released:2018-02-21)
参考文献数
37
被引用文献数
5 9

クラスサイズ(学級の人数)が学業成績および情緒的・行動的問題に及ぼす影響について,要因の交絡とデータの階層性という2つの方法論的問題に対処した上で検証した。第1に,学年ごとの人数によってのみクラスサイズが決定されている学校を調査対象とする自然実験デザインにより,学校の裁量に起因する要因の交絡や逆方向の影響の発生を防いだ。第2に,マルチレベルモデルの一種である交差分類(cross-classified)モデルを用いて,データの特殊な階層性を適切にモデル化した。第3に,学校内中心化によって学校間変動を除外することで,クラスサイズの純粋な学校内効果を検証するとともに,学校規模との交絡を回避した。9回の縦断調査で得られた小学4年生から中学3年生のデータ(11,702名,のべ45,694名,1,308クラス)に基づく分析の結果,クラスサイズの拡大は,(a)学業成績を低下させること,(b)教師からのサポートを減少させること,(c)友人からのサポートや向社会的行動の減少をもたらすこと,(d)抑うつを高めることが示された。こうした影響の広さから,クラスサイズは学級運営上,重大な意味を持つ変数であることが示された。
著者
高田 佳輔
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.89-105, 2016 (Released:2016-11-22)
参考文献数
24
被引用文献数
1

これまでMassively Multiplayer Online Role-Playing Game(MMORPG)に関する先行研究において,仮想世界内での活動は,問題解決および対人関係能力を高めるという結果が量的な検討によって示唆されているが,MMORPGにはさまざまな集団および難易度の活動があり,それらの区別が十分に行われていない。その一因としては,仮想世界内の活動について,質的な検討が未だ十分に行われていないことが挙げられる。したがって,本稿は,我が国で流行するMMORPGの1つであるFinal Fantasy XIVを対象に,成員が流動的な集団における高難度クエストに焦点を当て,活動の内実およびプレイヤーに求められる能力について参与観察およびインタビュー調査による質的検討を行った。 その結果,第1に,高難度クエストは,仕掛けられた罠に対処するための問題解決能力と,非言語的情報の多くが遮断された環境下での,対人関係能力が必要とされる環境であることが示された。第2に,高難度クエストにおけるプレイヤーの思考や行動を抽出し,コーディングを行うことで,高難度クエストでは「問題の明確化」,「根拠・事実の確認」,「原因の分析および解決策の案出」,および,「実行と評価」といったサブカテゴリーによって構成される合理的問題解決能力と,「同調行動」,および,「調和行動」によって構成されるチームワーク能力が重要であることが示された。さらに,以上の能力は,現実世界の集団作業で重要な2つのリーダーシップの機能として提示される「目標達成」と「集団維持」を包含し,それぞれがリーダーシップを介在せずに機能していることが示された。