著者
渡邉 裕美子
出版者
和歌文学会
雑誌
和歌文学研究 (ISSN:02880172)
巻号頁・発行日
no.119, pp.28-43, 2019-12
著者
ラッセル ジョン・G RUSSELL John G.
出版者
中部哲学会
雑誌
中部哲学会年報 (ISSN:13439138)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.83-98, 2019-07-20

シンポジウム「『平等』の限界と可能性 : グローバル社会における差別の問題を踏まえて」=「The Limits and Possibilities of "Equality" : From the Perspective of Discrimination Problem in Global Society」
著者
佐藤 俊光 佐藤 成登志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1256, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】腰痛患者では腹横筋や腰部多裂筋などの体幹深部筋の活動性・持久性の低下が報告されている。腰部安定性を図るエクササイズにはHollowingとBracingの2種類の方法が提唱されている。Hollowingは,腰椎・骨盤を動かすことなく腹部をへこませる方法であり,表在筋群から独立して体幹深部筋の収縮を促すことで腰部の安定性を図る。それに対して,Bracingは,腹部をへこませることなく腹壁の3層である外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋を活動させることで腹部を硬くする方法であり,腹斜筋群を用いることにより安定性を向上させる。以上のエクササイズを用いた研究は,腹横筋を中心とした側腹部筋に着目した報告が多いが,体幹深部筋である腰部多裂筋の働きを見た研究は少ない。そこで本研究の目的は,体幹エクササイズの収縮様式が腰部多裂筋に与える影響を超音波画像および表面筋電図を用いて定量的に比較,検討することである。【方法】対象は整形外科疾患のない健常男性8名(年齢22.6±1.1歳)である。使用機器は超音波画像診断装置,筋電図計測装置一式とした。測定肢位は腹臥位とし,超音波診画像断装置を用いて画像表示モードはBモード,3.5MHzのコンベックスプローブで撮影を行なった。プローブは,第5腰椎棘突起より外側2cmで脊柱と平行に縦に設置した。超音波画像にて第4腰椎-第5腰椎の椎間関節を確認し,皮下組織と椎間関節までの距離を腰部多裂筋の筋厚として計測した。測定中の運動課題は,安静,Hollowing,Bracingの3つとして,各動作時の筋厚を3回ずつ測定し平均値を代表値とした。表面筋電図は第5腰椎および第1仙椎棘突起の外側にて腰部多裂筋に電極を貼付した。解析はサンプリング周波数1000Hz,バンドパスフィルターは20~500Hzで処理し,全波整流した。MVC計測の後,各動作時の%IEMGを算出した。筋厚,筋活動ともに得られたデータを統計学的に検討した。なお,有意水準は5%とした。超音波画像診断装置における多裂筋の筋厚測定の検者内信頼性は,同一測定を3回実施した。得られた結果に対し級内相関係数(以下,ICC)を用いて検者内信頼性を確認した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究に先立ち,対象者には研究内容に関する充分な説明を行い同意を得た。【結果】超音波におけるICC(1,1)は,安静時0.90~0.99,Hollowing時0.91~0.99,Bracing時0.91~0.99であり,それぞれLandisらの分類にてalmost perfect以上の相関を認めた。各運動課題での筋厚は,安静時28.8±1.7mm,Hollowing時29.3±1.6mm,Bracing時31.5±1.6mmとなり,Bracing時は安静時およびHollowing時よりも有意に増加していた(安静時p<0.01,Hollowing時p<0.05)。なお,安静時とHollowing時では有意な差は認められなかった。筋活動では,Hollowing時5.44±0.87%,Bracing時8.17±3.08%となり,Bracing時はHollowing時に比べて,有意に高い値となった(p<0.05)。【考察】腰部多裂筋厚はBracing時において安静時およびHollowing時より有意に増加した。Bracingの収縮様式は等尺性収縮であり,体幹屈曲筋と伸展筋の協調した働きが必要である。腰部多裂筋は腰部背筋群の中で最も強力で最大であると報告されていることから,Bracingによる腰部多裂筋の働きが考えられる。しかし,腰部多裂筋は腰椎伸展に必要な筋出力よりも,腰部の安定性に寄与していると報告されている。つまり,等尺性収縮による関節運動の代償を抑えるための姿勢制御として腰部の安定性に作用したとも考えられる。今回,表面筋電図を用いて腰部多裂筋を計測したところ,Bracing時の筋活動は8.17±3.08%であった。Bracingは十文字に交差している腹斜筋の補強により十分な腰部安定性を提供する。このため強い同時収縮が必要とされることはなく,MVCの5~10%程度の収縮であると報告されている。この報告より,Bracingにおける腰部多裂筋厚の増加は腰部の安定性に働いたと示唆された。また,安静時とHollowing時では筋厚に有意な差を認めなかった。Hollowingの収縮様式は腹横筋を求心性に収縮させる作用があり,腰部多裂筋への直接的な影響はほとんどない。このために腰部多裂筋への筋厚は変化しなかったと考える。しかし,本研究の限界として健常者を対象にしたデータであり実際に腰痛患者に同様の効果が生じるかは明らかではない。今後は腰痛患者を対象にしたデータ計測より詳細な効果を検討していく必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】本研究により,Bracingは腰部多裂筋厚を有意に増加させる効果があり,腰部安定性への関与が示唆された。腰痛患者をはじめ体幹深部筋の活動性低下に対するエクササイズの一つとなる可能性が示唆されたことから,理学療法学において意義のある研究であると考える。
著者
今北 哲平 田治米 佳世 池成 早苗
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2019-0018-GE, (Released:2020-02-21)
参考文献数
44

医療現場では,患者や患者家族から職員に対するセクシュアルハラスメントが問題となっている.そこで本研究では,病院に勤務する職員478名を対象として,患者等から職員に対するセクシュアルハラスメントの実態調査を実施した.その結果,患者等からのセクシュアルハラスメントの被害経験率は42.7%であり,すべての職種,性別に被害経験があった.被害内容は「身体の一部への接触」,「容姿のことを言われる」,「性的行為を迫られる」,「性差別的発言や扱い」など多岐にわたっていた.ロジスティック回帰分析の結果からは,看護・介護職は「容姿」(aOR = 2.64 [1.12-6.20]),リハビリ職は「抱きつき」(aOR = 4.04 [1.41-11.60])や「性的話題」(aOR = 2.50 [1.06-5.87]),事務職は「性的質問」(aOR = 5.17 [1.39-19.20])というセクシュアルハラスメントを,他の職種よりも有意に受けやすい可能性が示された.一方,被害について一度も相談したことがないと回答した人は被害経験者のうちの46.5%であり,相談しなかった理由は「大したことではないと思った」,「相談しても意味がないと思った」,「我慢しなければならないと思った」,「患者の疾患特性によるものだと思った」など多岐にわたっていた.本研究の結果から,職種や性別を限定せず,かつセクシュアルハラスメントの定義や具体例を示すことで,適切な実態把握ができる可能性が示された.さらに,被害についての相談を促進するためには,相談行動の阻害要因ごとに取り組みを検討することが有効と考えられた.
著者
石田 直
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.3484-3489, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

わが国における肺炎の罹患率,死亡率は近年増加傾向を示しており,特に高齢者においてその傾向が著明である.高齢者や要介護者の増加等の社会的背景を反映して,医療・介護関連肺炎という新しい肺炎カテゴリーの概念も生み出されるようなった.肺炎の管理では,原因微生物を考慮した抗菌薬治療が中心となるが,社会的背景も考慮し,緩和的医療も含めた対応が必要になるかもしれない.
著者
Kariwa Hiroaki Fujii Nobuhiro Takashima Ikuo
出版者
The Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University
雑誌
Japanese Journal of Veterinary Research (ISSN:00471917)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.105-112, 2004-11

products, a number of other chemical agents, and various physical conditions were evaluated for their ability to inactivate the severe acute respiratory syndrome coronavirus (SARS-CoV). Treatment of SARS-CoV with PVP-I products for 2 min reduced the virus infectivity from 1.17 x 10⁶ TCID₅₀/ml to below the detectable level. The efficacy of 70% ethanol was equivalent to that of PVP-I products. Fixation of SARS-CoV-infected Vero E6 cells with a fixative including formalin, glutaraldehyde, methanol, and acetone for 5 min or longer eliminated all infectivity. Heating the virus at 56℃ for 5 min dramatically reduced the infectivity of the virus from 2.6 x 10⁷ to 40 TCID₅₀/ml, whereas heating the virus for 60 min or longer eliminated all infectivity. Irration with ultraviolet light at 134μQ/cm² for 15 min reduced the infectivity from 3.8 x 10⁷ to 180 TCID₅₀/ml; however, prolonged irradiation (60 min) failed to eliminate the remaining virus, leaving 18.8 TCID₅₀/ml. We beleave that these finding will be useful for the implementation of infection control measures against SARS, and for the establishment of effective guidlines for the preventation of SARS outbreaks.
著者
君塚 正臣
出版者
横浜法学会
雑誌
横浜法学 (ISSN:21881766)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.1-36, 2014-12-25
著者
敦見 和徳 奥田 圭 小金澤 正昭
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.85-91, 2015-12-25 (Released:2016-04-15)
参考文献数
47

シカの高密度化に伴う林床環境の変化が土壌動物群集に与える影響を明らかにするため,栃木県奥日光のシカ密度の異なる3地域(各地域8地点)において林床環境と土壌動物群集との関係を検討した。シカ密度と林床環境条件との関係を検討した結果,シカ密度と土壌硬度に正の相関,A0層の厚さ,乾燥重量および孔隙度との間に負の相関がみられ,シカの高密度化により林床環境が改変されていることが示唆された。次に,TWINSPANと判別分析を用い,土壌動物の群集組成の変化要因を解析した。TWINSPANの結果,調査地点はグループA(シカ低密度地点)とB(シカ高密度地点)に,動物群はグループⅠ~Ⅳに分類された。土壌の孔隙に生息する中型の土壌動物や,捕食性の多足類などは,グループⅠ~Ⅲに属し,グループBよりもAに多く出現した。一方,土壌の撹乱に耐性があるハネカクシ科や,植食性の半翅目などはグループⅣに属し,グループAとBに同程度出現した。また,判別分析の結果,グループAとBの違いを最もよく判別する林床環境条件は,A0層の厚さと孔隙度であった。以上から,本調査地において土壌動物群集が変化した主要因は,シカの高密度化に伴うA0層の薄化および孔隙度の低下であると結論した。
著者
久場 敬司 木村 彰方
出版者
秋田大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

新規ACE ファミリー分子であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)はアンジオテンシンII を分解してレニン-アンジオテンシン系を負に調節し、心血管機能の制御などに関与する一方で、SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスの受容体であるとともに、急性肺傷害において肺保護作用を発揮する。しかしながら、その肺保護作用の分子細胞メカニズムは不明であった。本研究課題において、私たちはACE2 の発現が酸化ストレスにより制御されることを見出し、遺伝子改変マウスを用いた解析からアンジオテンシンを介したマクロファージの活性化が重要であることを明らかにした。さらに酸化ストレスによる酸化リン脂質の産生を介した自然免疫シグナルの過剰な活性化が、SARS のみならず高病原性H5N1 インフルエンザによるARDS/急性肺傷害の病態発症に重要であることを見出した。実際にSARS などに加えて幅広い原因によるARDS/急性肺傷害の患者検体の肺病理組織においても酸化リン脂質の産生が認められた(Cell, 2008)。これらの成果は、SARS、急性肺傷害の治療のみならず幅広い疾患の病態解明、新しい治療法の開発に貢献することが期待される。
著者
Jianjun Gao Zhenxue Tian Xu Yang
出版者
International Research and Cooperation Association for Bio & Socio-Sciences Advancement
雑誌
BioScience Trends (ISSN:18817815)
巻号頁・発行日
pp.2020.01047, (Released:2020-02-19)
参考文献数
7
被引用文献数
58 1739

The coronavirus disease 2019 (COVID-19) virus is spreading rapidly, and scientists are endeavoring to discover drugs for its efficacious treatment in China. Chloroquine phosphate, an old drug for treatment of malaria, is shown to have apparent efficacy and acceptable safety against COVID-19 associated pneumonia in multicenter clinical trials conducted in China. The drug is recommended to be included in the next version of the Guidelines for the Prevention, Diagnosis, and Treatment of Pneumonia Caused by COVID-19 issued by the National Health Commission of the People's Republic of China for treatment of COVID-19 infection in larger populations in the future.
著者
松浦 年男 黒木 邦彦 佐藤 久美子
出版者
北星学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

中間発表会を実施し,代表者,分担者,協力者がそれぞれ発表した。また,発表会では下地理則氏(九州大学)より助言を受け,今後の研究の進め方について理解を深めた。方言調査を実施した。調査地区と内容を以下に示す。(1)天草市本渡地区(文タイプ,待遇表現,和語のアクセント,呼びかけのイントネーション),(2)天草市深海地区(格助詞,情報構造,漢語・数詞の促音,談話テキストの収集),(3)天草市佐伊津地区(不定語のアクセント特徴と不定語を含む節のイントネーションパターン),(3)熊本県八代市(研究協力者の山田高明氏(一橋大学)が実施。漢語・数詞の促音),(4)鹿児島県上甑島(韻律語の範囲について天草方言と対照)。研究成果を以下のように公開した。(a)天草諸方言と同じく有声促音を持つ山形県村山方言について調査結果をまとめ国際学会において発表した。発表では山形県村山方言の有声促音における声帯振動が,天草諸方言と同様,長い振動時間を有する一方,振幅が弱いものであるという違いがあることを示した。(b)本渡地区で行ってきたアクセント調査の結果を整理し,公刊した。(c)深海地区において行った調査結果をもとに,最適性理論と調和文法による形式的分析を行った論文を執筆し学会誌に投稿した。(d)不定語から補文標識「モ」までに含まれる語のアクセントの対立が失われることを指摘した。同じく二型アクセント方言である長崎市方言・鹿児島市方言と対照し、当該の方言は長崎市方言と強い類似性を持つことを明らかにした。(e)天草諸方言の音韻特徴を先行研究ならびに本科研費の調査結果に基づいて整理し,どのような特徴から分類を行うのが適切かを検討した。(f)有声促音を和語や漢語に持つかどうか,生起に/r/が関わるか,動詞で起こるかという点で整理し,日本語の諸方言を比較した。
著者
井出 文紀
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.247-276, 2017-12-31

[概要]森下仁丹の創業者森下博は,「毒滅」「仁丹」等のヒット商品により日本の売薬業界を牽引するとともに,その積極的な広告戦略から,「日本の売薬王」「日本の広告王」などと呼ばれた。森下はまた,事業の基本方針に「原料の精選を生命とし,優良品の製造供給 進みては,外貨の獲得を実現し,広告に依る薫化益世を使命とする。」 を掲げ,広告を通じた社会貢献の実践,いわゆる「広告益世」も重視した。本稿では,とりわけ大正初期から京都を皮切りに設置が進められた仁丹の町名表示板に焦点を当て,森下が町名表示板の設置を進めた背景として,大規模な屋外広告への反発と取締があるなかでの「広告益世」の模索と実践,町名表示板の持つ「公益性」に着目した。[Abstract] Hiroshi Morishita, founder of the patent medicine company“ Morishita Jintan”, was called“ the king of Japanese patent medicine” and“ the king of advertising” in the early 20th century. His unique advertising strategy was called“ kokoku-ekisei”,based on his company’s corporate philosophy,“ selection of the best material, delivery of high quality products, acquisition of foreign currency and social contribution through advertisement”. This paper examines his advertising strategy, focusing on the utility of“ Jintan’s address boards”.