著者
山本 新吾
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.431-439, 2003-05-30 (Released:2009-02-19)
参考文献数
30
被引用文献数
2

大腸菌は単純性尿路感染症のなかでもっとも頻繁に同定される病原菌である。本研究は尿路病原性大腸菌における病原因子を研究することで, 尿路感染症の発症のメカニズムを解明し, 尿路感染症を起因とする敗血症や反復性尿路感染症の治療へ手がかりを見い出すこと, またこれら尿路感染症の診断に有用なツールの開発を目標とし, 以下の事項を報告した。1) P線毛, S線毛, Afa I, エアロバクチン, ヘモリジン, CNF1の各病原因子は健常人由来大腸菌と比較して有意に各疾患由来の尿路病原性大腸菌に高頻度に認めた。2) これらの病原因子を一度に調べる Multiplex PCRの開発により, 大量の尿路病原性大腸菌株の病原因子の保有の有無が高精度かつ簡便に調べることができるようになった。3)「直腸-会陰-尿道仮説」を証明し, 多くの病原因子を保有した尿路病原性大腸菌株が直腸に優位に存在することが尿路感染症の危険因子のひとつであることを示した。4) 新しい尿路病原因子 uropathogenic specific protein (USP) を発見し, USPが尿路感染症の成立に強く関与していることを示唆した。また, USPおよびその下流でモザイクを構成するOrfU1-3遺伝子を含む pathogenic island に5つの variants が存在することを明らかにした。
著者
大澤 洸平 茂木 龍太 兼松 祥央 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.107-110, 2016-03-02

アニメ等のコンテンツ作品には物語があり、その物語にキャラクターは必要不可欠である。キャラクターは物語の中でさまざまな表情を見せるが、その表現は多様にあるため描き分けることは難しい作業である。本研究は、既存10作品に登場するキャラクター61人の表情を合計763カット分収集し、それらを眉・目・口の形状と涙や汗などの表情要素の有無から214の表情パターンに分類した。そして、それらの表情カットを検索できるスクラップブックを開発した。実験結果から本スクラップブックを使用することにより制作者の描くことができる表情バリエーションを増せることが確認できた。
著者
小島 久和
出版者
明治大学文芸研究会
雑誌
文芸研究 (ISSN:03895882)
巻号頁・発行日
no.72, pp.p1-10, 1994-09

エンブレム作品の基本構造は、このジャンルの創始者とみなされているAndré AlciatがLiber Emblematumを1531年にアウグスブルグで出版した時以来、銘句・寓意図・韻文(説明文)の形をとっていて、この3つの要素が1ページに重層的に配置されていた。これらの要素の役割は、銘句で個人的信条や道徳倫理観を簡潔に表明し、寓意図がこの抽象観念を神話の神々、動植物、人間、道具類などの形象の下に隠し、韻文が上記要素の結び付きの理由を説明して、寓意図の「読み方」を解明するというものである。
著者
岡本 秀輔 曽和 将容
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

バリア型フェッチ機構は, アセンブリ命令を機能別に分け, それぞれスレッドとして並列に実行を行う命令レベル並列プロセッサ VFPE や PNSF において用いられている。この方式は, VLIW のように命令フイールドごとにスレッド別の命令を単一アドレス上に配置する。そして, その配置とは別に実行のための先行関係を指定する。このプログラムの指定方法により, VLIW で問題となる同期をとるためだけの不要な NOP 命令の指定を削減でき, かつ, キャッシュミスのような動的な変化においてもデータ依存の存在する部分のみのストールで実行をすすめることが出来る。 しかし, 本方式においてもスレッドごとの命令数が不均等である場合には, 依然として数合わせのための NOP を挿入する必要があり, これはプログラムサイズを増大させる他, 実行時間の無駄にもつながる。本報告ではこの問題の解決方法について述べる。
著者
松村 哲志
出版者
日本産業教育学会
雑誌
産業教育学研究 (ISSN:13405926)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.47-54, 2014-01-31

本論文は矩計図設計技術習得において模型製作体験を導入する効果を検証することが目的である。矩計図の評価を模型製作体験層と非体験層で比較した結果、模型製作体験が矩計図設計技術習得に効果があり、特に総合力、高度な想像力、深い理解、知識の安定性に効果がこの実践ではみられた。学習方法として立体物を模型として製作することが総合力、高度な想像力の育成に効果的であること、体験に関しては学習者が能動的に行なえることが重要であること、矩計図設計の技術・知識が体験で実際に操作することによって習得できることがみられた。
著者
川西 陽子
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.22-30, 1995 (Released:2015-06-13)
参考文献数
15
被引用文献数
1

The purpose of this study is to examine the relation among self-esteem, appraisal (amount of stressful experience, degree of stressfulness and controllability), coping and psychological stress responses in a sample of 190 university students. Product-moment correlation cofficients were calculated between self-esteem and appraisal, between self-esteem and coping strategies, between self-esteem and psycholological stress responses. Self-esteem was negatively correlated with amount of stressful experiences, Escape-Avoidance coping, Accepting Responsibility coping and psychological stress responses. Furthermore, multiple regression analysis revealed that self-esteem, Escape-Avoidance coping and Positive reappraisal coping influenced the psychological stress responses. These results suggest that students with low self-esteem were tend to appraise daily events as more stressful, to use Escape-Avoidance coping towards stressor more frequently and to show more psychological stess responses.
著者
橋本 元二郎
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.120-134, 1958
著者
川村 竜之介 谷口 綾子 大森 宣暁 谷口 守
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_511-I_521, 2015

本研究では,我が国において,公共交通車内における「弱者に席を譲る」「騒ぐ自分の子どもを注意する(抑止する)」という二つの協力行動を促すための有効な方策を明らかにすることを目的とし,欧州と東アジアの6か国における協力行動と規範の関係性に着目した.協力行動と規範の主観的評価については国際アンケート調査から,「マナーに関するアナウンスや掲示物」等,協力行動に影響を及ぼすと考えられる環境要因については鉄道会社のWebサイトや現地調査から把握し,分析を行った.その結果,「優先席」で席を譲る行動を促すアナウンスは,優先席以外で席を譲る行動を阻害している可能性がある事,また「騒ぐ自分の子供を注意する」行動を促すためには,周囲の協力行動に対する認知「記述的規範」を高める事が効果的である可能性が示された.
著者
髙田 明
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.343, pp.50-53, 2013-04

過去に、売り上げや利益の数値目標を掲げたことは一度もないので、私にとっては異例のことです。これまでは「前年を下回らないこと」だけを自分と社員に求めてきました。数字を目標にすると数字に気を取られ、身の丈に合わないことをしたり、お客様の存在を…