著者
三好 孝典 今村 孝 小山 慎哉 大場 譲 市村 智康 沢口 義人 北川 秀夫 青木 悠祐 兼重 明宏 上木 諭 河合 康典 斉藤 徹 高久 有一 上 泰 川田 昌克 内堀 晃彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.501, pp.11-16, 2014-03-10

インターネットにより生み出されるソーシャルコミュニケーションは,何万人・何億人もの人々がお互いに映像や音声を共有し合う人類が経験したことのないコミュニケーションを実現している.しかしながら,これまでに世界中の人々がお互いの力覚を同時に共有し,コミュニケーションを行った例はほとんど報告されていない.本報告では,マルチラテラル遠隔制御を応用し,全国8ヶ所での仮想綱引き実験による力覚共有を報告すると共に,従来行われてきた手法との比較,検討を行う.
著者
平本 毅
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.153-171, 2011
被引用文献数
1

本稿では, 他者の「私事 (独自の経験やそれにかんする見解や態度) 語り」に対して「わかる」と明示的に理解を表明するやり方の, 会話の中での組織化のされ方を会話分析により記述する.<br>Harvey Sacksによる理解の<主張>と<立証>の区別を参照して論じながら, 以下2点の問題が提起される. (1) 語りに対する理解の表明の形式としては「弱い」<主張>であるはずの「わかる」が, 「私事語り」に対する理解の提示においてしばしば用いられるのはなぜか, (2) 「わかる」を含む発話連鎖により, 理解の提示を組織化することはいかにして可能になっているのか.<br>分析の結果, まず「わかる」は, 多くの場合単独では発されず, それに理解の<立証>の試みが付加されることにより<主張>の「弱さ」が補われることがわかった. このとき, 理解の<主張>は相手の語りの中途/語りの終了後の2つの位置に置かれるが, <立証>の試みは, 語りの終了後にしか置かれない. 理解の<主張>に加えて, 語りの終了後の位置で理解の<立証>を試みることによって, 聞き手は, 「私の心はあなたと同じ」であることを語り手に示しており, それを語り手が<受け入れ>るという発話連鎖を組織化することによって, 会話の中で理解が達成されることが論じられる. また, この「わかる」連鎖を利用した理解の提示は, 経験とそれへの見解や態度を語り手と聞き手が「分かち合う」かたちでのものであることが明らかになる.
著者
松本 一紀 ドゥ ソルビエ フランソワ 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.J113-J120, 2015 (Released:2015-02-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

近年登場した距離センサーを搭載したデバイスの中でもその価格と汎用性ゆえに最も多く利用されているのがMicrosoftのKinectに代表されるRGB-Dカメラである.しかし,RGB-Dカメラから得られる3次元点群は多くのノイズを含んでおり,精密な距離情報の取得が求められるアプリケーションでの利用は依然として困難である.そこで本論文ではRGB-Dカメラから得られた3次元点群の観測ノイズの低減と補間を実時間で行う手法を提案する.本手法はRGB-Dカメラから得られた3次元点群からSuperpixel Segmentaiotnとラベリングを併用して平面で構成される小領域群を検出し,領域毎に平面方程式を推定し3次元点群をフィッティングさせることにより,もとの距離画像に含まれるノイズの低減と補間を行うものである.本手法では検出された領域内の点群の法線分布を算出し,その領域が平面の場合平面フィッティングを適用し曲面の場合Joint Bilateral Filterを適用することで,曲面分布した点群を保持しながら平面分布した点群のみを平面フィッティングすることができる.また,領域分割と平面フィッティングはすべて局所領域ごとに並列化できる手法を用いているため,本手法の実装はすべてGPUで行い実時間での処理が可能である.従来の手法と比べて,本手法はRGB-Dカメラから取得した点群に対して,曲面領域を保持したまま平面領域を平滑化することでノイズ低減と補間を行うことができる.
著者
柴田 勝征
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.428, pp.17-22, 2012-01-28

日本の小学校算数教育において落ちこぼれる子が多い、繰り上がりのある足し算、繰り下がりのある足し算について、福岡県の教師たちが、『上の桁から計算してゆく』という方法を4年間実践してみて、一人の落ちこぼれも出さず、しかも生徒の所属学年の1年上の学年の課題までも積極的に出来るようにさせた。発表者は、この驚くべき成功の原因は、『下からボトムアップ(ズームアウト)』で思考する西洋人と『上からトップダウン(ズームイン)』で思考する東洋人の精神構造の違いによるものと考える。
著者
相澤 崇
出版者
CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.81-86, 2009

インターネット上にあるプロフランキングサイトから3サイトを抽出し,登録されている中学生のプロフの実態調査を行った。調査内容は,プロフに記載されている個人情報とプロフ作成者がプロフ以外に所有しているサイトである。その結果,全体で平均4.9の個人情報に関する項目について公開しており,「肖像(プロフ作成者)」,「本名」,「生年月日」,「所属(学年)」,「住所(区市町村や町字)」の順で記載率が高かった。プロフ以外に全体で平均3.4サイトを所有しており,「ゲストボックス」,「リアル」,「メールボックス」,「アルバム」,「ホームページ」の順で所有率が高いことがわかった。
著者
関戸 英紀
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.35-45, 2004-05-30
被引用文献数
1

通常学級に在籍する自閉的傾向と知的障害のある小学校5年生の男児に対して、(1)対象児に対する個別的な支援、(2)学級担任に対するコンサルテーション、(3)全校の教師の対象児に対する理解の促進、(4)学級の他の児童の対象児に対する理解の促進、という4つの観点から約9か月間(24セッション)支援を行った。その結果、対象児と支援者との間で、交渉的なやりとりや役割交代が成立するようになり、学習態度の形成も可能となった。学級担任も、対象児の実態に基づいた、一貫性のある対応が可能になった。また、対象児の所属学年にかかわりのある教師の問でも、対象児への対応が統一されていった。さらに、学級の他の児童の対象児に対する対応も、肯定的になってきた。以上のことから、共感的関係を基盤にしながらやりとり行動を形成していったことの妥当性、巡回指導および小・中学校と関係機関とが連携・協力することの有効性、校内支援体制を構築することの必要性などが検討された。
著者
三省堂編修所編修
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
1993
著者
長岡 章平 中村 満行 瀬沼 昭子 関口 章子
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.389-397, 2005-12-31
被引用文献数
1 3

1998年8月から2003年12月までの期間中当科において初めてMTXを開始した活動性RA460例(男80例,女380例,平均年齢59.3歳)についてカルテベースにて検討した.MTX投与24週後のACR20改善率61.3%,50%改善率30.4%であり,投与48週までの累積投与継続率は0.567であった.観察期間中260例(56.5%),304回に有害事象を認めた.有害事象のため投与中止した症例は52例,11.3%,死亡例は10例,2.2%であった.1%以上の内訳は,肝機能異常31.7%,感染症6.1%,消化器症状5.0%,口内炎3.9%,血球減少3.5%,骨折3.5%,悪性腫瘍2.6%,間質性肺炎2.0%,脳あるいは心血管障害2.0%,頭痛1.7%,皮疹1.3%,脱毛1.1%であった.有害事象例は高齢者,高Stageに多かった.MTXの有用性が再評価されたが,慎重なモニタリングが大切であると思われた.<br>