著者
大友 芳成
出版者
埼玉県農林総合研究センター
巻号頁・発行日
no.5, pp.44-46, 2005 (Released:2011-03-05)

農業水路を想定したドジョウの越冬条件を明らかにするため、11月18日-4月12日までドジョウ0年魚を各区30尾供試し、水深(2.5、5、10cm)と底泥の厚さ(0、2.5、5、10cm)を組み合わせた12通りで越冬させた。底泥の無い区(水深2.5-10cm)では2月24日までに全ての個体が死亡した。底泥の有る区では生残率は76.7-98.9%で、底泥の存在がドジョウ越冬時の生残率を向上させた。
著者
小林 敏也
出版者
日本酪農科学会
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.277-280, 2012 (Released:2013-07-26)
著者
三明 清隆 柚木 恵太 川村 純 府中 英孝 杉山 雅昭 大西 正男
出版者
Zootechnical Science Society of Japan
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.153-161, 2014 (Released:2014-09-03)

プラズマローゲン(Pls)は神経炎症抑制やアミロイド形成抑制効果を有し,アルツハイマー病の治療や予防に利用できる可能性がある。親鶏の皮および筋肉部のリン脂質(PL),特にPlsの組成を調べた。皮のPL画分のスフィンゴミエリン(19%)は,他の3つの筋肉組織(6%)に比べて多く含まれていた。皮PLの21%がエタノールアミンプラズマローゲン(PlsEtn),6%がコリンプラズマローゲン(PlsCho)であった。ムネではPlsChoはPlsEtnの1.8倍多く含まれていたが,モモではPlsChoとPlsEtnは同量含まれていた。Plsの脂肪酸組成としては,皮ではn-6系の20:4や22:4が多く,筋肉組織では18:1が多く検出された。皮エタノール抽出画分(高PlsEtn型)とムネ肉エタノール抽出画分(高PlsCho型)をホスホリパーゼA1処理し,ヘキサン,アセトンおよび溶解分画することにより高純度プラズマローゲン画分を容易に調製できた。皮,ムネとも鶏種および飼育環境の違いによるPL組成の変動は少ないため,親鶏は安定したPlsの供給源として有望であることが確認できた。

1 0 0 0 OA 甑島の捕鯨

著者
不破 茂 花田 芳裕
出版者
鹿兒島大学水産學部
巻号頁・発行日
vol.60, pp.13-23, 2011 (Released:2013-10-08)
著者
伊藤 一成 福崎 智司 産本 弘之 三宅 剛史
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.10, pp.687-693, 2011-10 (Released:2012-12-06)

我々は,生もとの小仕込み試験を行い, そこに含まれるオリゴペプチド成分について速醸もとと比較し解析を行った。その結果,生もとでは苦味ペプチドを含む全オリゴペプチドが速やかに減少するのに対し,速醸もとでは多くの苦味ペプチドが残存することを見いだした。こうしたオリゴペプチド成分の動向には酵母は関与しておらず,完成時の苦味ペプチド含量が麹歩合による顕著な影響を受けたことから,麹由来の酵素による苦味ペプチドの分解様式が生もとと速醸もとで異なっていると思われた。
著者
大能 俊久
出版者
秋田県総合食品研究センター
雑誌
秋田県総合食品研究センター報告 = Bulletin of the Akita Research Institute of Food and Brewing (ISSN:21856699)
巻号頁・発行日
no.16, pp.25-27, 2014-12 (Released:2015-03-30)

通常玄そばは収穫後貯蔵され、使用する際に製粉されてそば粉となる。その後、小麦粉や水と一緒に捏ねられて生地となり、圧延、裁断されて麺の「蕎麦」となり食される。玄そばは翌年の玄そばが収穫されるまで、1年程度貯蔵された後に使用される場合がある。今回、約1年冷蔵貯蔵した玄そばから調製したそば粉について製麺性と品質を調べ、若干の知見を得たので以下に報告する。
著者
佐々木 雄大 大澤 雅彦
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.251-256, 2005-10 (Released:2011-03-05)

草原全体として種組成の単純化が認められる兵庫県東お多福山草原であるが、登山道周辺においては草原内部よりも多様で特異な群落構造が見受けられる。そこで、本研究では登山道周辺の群落構造および種多様性に着目し、これらに特異性を与える主要因を利用客による踏みつけによるものと推定し、定量的に分析した。結果から、種組成の単純化が認められる本草原登山道周辺において、踏みつけの影響は必ずしも負の影響をもつとはいえないことがわかった。特に中程度の踏圧(土壌硬度で3.0-7.5kg/cm2)は、多様性を増加させた。整備された登山道を増やすことによって、適度な踏圧のもとで登山道が利用されるように促すことは、本草原登山道周辺における多様な草本植生の生育の場を提供することにつながると示唆される。
著者
森田 敏
出版者
農業技術研究機構九州沖縄農業研究センター
雑誌
九州沖縄農業研究センター報告 (ISSN:13469177)
巻号頁・発行日
no.52, pp.1-78, 2009-08 (Released:2011-03-05)

近年、西日本を中心に多発しているイネの高温登熟障害の発生に及ぼす日射量、施肥、品種、高夜温の影響とその要因について解析した。1. 人工気象室で登熟期の気温を平年より3℃高くすると玄米1粒重と玄米外観品質が低下したが、作期移動など登熟期の気温と日射量がともに上昇する条件では玄米1粒重は低下せず、良質粒歩合の低下程度は小さかった。高温と低日射が重なると、普及品種ヒノヒカリでは高温耐性品種にこまるよりも粒重増加速度が低下し、玄米1粒重と玄米の粒張りが低下した。2. 穂肥の量を増やすと、高温年では玄米1粒重が増加し外観品質が向上した。穂肥を出穂前後の1ヶ月間に15回に分けて与える施肥法では2回与える慣行法に比べて、また、にこまるではヒノヒカリに比べて、それぞれ未熟粒歩合が低下した。これらの品質向上の要因として、穂揃い期の茎葉における貯蔵炭水化物の増加が考えられた。3. 玄米1粒重は高夜温(22/34℃)で低下し、高昼温(34/22℃)ではほとんど低下しなかった。穂と茎葉に別々に高夜温処理を与えた実験や粒重増加推移の解析、胚乳細胞の画像解析などにより、高夜温条件では粒重増加速度と玄米への乾物分配率の低下および胚乳細胞の成長抑制が玄米1粒重の低下に密接に関与していることが示された。以上、本研究では高温低日射条件でも登熟が不良になりにくい品種特性や施肥法を示したほか、高夜温が成熟期の玄米1粒重を低下させるプロセスを明らかにした。
著者
杉浦 俊彦 阪本 大輔 朝倉 利員 杉浦 裕義
出版者
養賢堂
雑誌
農業氣象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.173-179, 2010-09 (Released:2011-07-26)

モモにおける自発休眠覚醒期推定技術の開発に向けて、自発休眠覚醒効果の温度間差を‘白鳳’の生態実験により検討した。その結果、次のことが示された。1.自発休眠覚醒に対して最も有効な温度は6℃であった。6℃よりも温度が低下するに従って自発休眠覚醒効果は低下し、6℃の効果を1とすると、3℃では約0.9、0℃では約0.7であった。また、-3℃でも一定の効果が認められたが、-6℃では効果は認められなかった。2.6℃よりも高くなっても効果が低下し、9℃では約0.9、12℃では約0.6、15℃では効果は認められなかった。3.この自発休眠覚醒効果の温度間差について、変温条件下における妥当性を検討するため、これらの結果からチルユニットの係数を策定し、露地での自発休眠覚醒状況に適用したところ、よく適合した。
著者
横川 浩冶
出版者
香川県水産試験場
巻号頁・発行日
no.2, pp.47-74, 1986 (Released:2012-12-03)

香川県の湖沼に生息するブルーギルの生態に関する研究を行なった。調査場所として年1回定期的に干上げる先代池、および周年干上がらない満濃池を選定した。調査項目は容量法による胃内容物分析、GSIの変動による産卵期の推定および鱗に出現する輪紋を用いての年令査定等である。食性に関しては、満濃池では原産地の北アメリカでの食性に酷似し、ユスリカ類の幼虫を主とする昆虫食性であった。一方先代池では、0歳の小型魚が主に生息しており、Copepodaが主な餌料となっていた。つまりブルーギルは摂餌し易い食物を食べ、特に摂餌の選択性は認められなかった。産卵期は満濃池ではGSIの変動より6月上旬~7月下旬と推定され、満1歳で成熟するようであった。両池のブルーギルとも体重は体の長さの3乗以上に比例し、体高および鱗径は全長の増加に伴って相対的に大きくなることが明らかとなった。満濃池においては、9~11月の水位の低下時と1~4月の低水温時に鱗に輪紋が形成され、全長(l)と輪紋数(n)は次式により表わされた。l=58.453{3.941 (1-1.076・e(-O.224n))}(0.718)またブルーギルは籠網および釣りにより比較的選択的に捕獲され、籠網の餌に用いた豚脂に強い嗜好性があることが認められた。
著者
清和 研二 大園 亨司
出版者
日本生態学会暫定事務局
雑誌
日本生態學會誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.291-295, 2011-11 (Released:2012-12-03)

森林生態系における生物多様性の減少は著しいが、一方では種多様性の復元が試みられている.本来、復元のシナリオは自然群集における種多様性維持メカニズムに沿ったものでなければならない.しかし、温帯林における種多様性維持メカニズムに関する研究は、熱帯に比べ少ない.とくに、温帯では、光・水分・養分などの非生物的な無機的な環境の異質性を仮定したものが多く、生物間の相互作用が多様性を創り上げるといったパラダイムの研究は少ない.本特集では病原菌・菌根菌などの微生物や鳥類・シカ・ネズミなどと樹木との相互作用が森林の樹木群集および森林生態系全体の種多様性に大きな影響を与えることを具体的な事例から紹介する. とくに5つのキーワード(密度依存性、空間スケール、フィードバック、種特異性、生活史段階)を取り上げ、個体・個体群レベルでの相互作用から群集レベルでの種多様性維持メカニズムへのスケールアップを試みた.しかし、樹木の死亡や成長に及ぼす作用形態・重要度は個々の生物種によって大きく異なり、スケールアップは単純ではないことが示唆された.今後は、複数の生物種との相互作用を同時にかつ長期的に観察することによって種多様性の創出・維持メカニズムがより詳細に明らかになると考えられる.
著者
柿野 純
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.31-39, 1992-07 (Released:2011-02-03)
著者
稲垣 栄洋 済木 千恵子 松野 和夫 市原 実
出版者
静岡県農林技術研究所
雑誌
静岡県農林技術研究所研究報告 = Bulletin of the Shizuoka Research Institute of Agriculture and Forestry (ISSN:18828264)
巻号頁・発行日
no.6, pp.65-69, 2013-03 (Released:2014-01-16)

欧米では,寄生蜂等の土着天敵の生息地となるバンカープラントとして,ブドウ畑や野菜畑等の周辺にソバを栽培する例が見られる.そこで静岡県の耕作放棄地で栽培されるソバを対象として,寄生蜂を含む訪花性ハチ目相を調査した.その結果,ヒメバチ科,コマユバチ科,コンボウヤセバチ科,トビコバチ科,ヒメコバチ科,コガネバチ科,アリヤドリコバチ科,オナガコバチ科,タマゴクロバチ科,アリガタバチ科,ツチバチ科,コツチバチ科,アナバチ科を含む多くの寄生蜂を観察した.この結果から,日本においてもソバが寄生蜂の蜜源となっていることが明らかとなり,寄生蜂の供給源としてソバを栽培することも有効であると推察された.